Physicians' Health Studyに参加した健康な男性のうち、この間に前立腺がんになった586人と、ならなかった577人について、追跡開始時の血中セレン濃度と前立腺がんになるリスクの関係を調べた。追跡期間は、1982年から13年間。 その結果、血中セレン濃度別に5グループに分けてみると、セレン濃度が最も高かったグループは、最も低かったグループに比べて、前立腺がんになるリスクが48%低かった。 この傾向は、1990年10月から前立腺がんの精密スクリーニング法であるPSA(前立腺特異抗原)検査が行われるようになって前立腺がんの見落としが減った以降でも、それ以前と変わらなかったという。
研究者らは、「セレンには、前立腺がんの進行を遅らせる作用があるだろう」と論文中で述べている。
今回の論文のタイトルは「A Prospective Study of Plasma Selenium Levels and Prostate Cancer Risk」。アブストラクトはこちらまで。