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2005/07/08
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カテゴリ: 病気・医療関連
海外旅行シーズンをむかえて、「エコノミークラス症候群」を予防する
情報です。

水分補給と少しの運動でしっかり予防したいものです。

**********************************************************

この夏、休暇を取ってヨーロッパや米国などへの旅行を予定している人も
少なくないだろう。
しかし、海外旅行で飛行機を利用する場合、特にそれが8時間以上の
ロングフライトならば、水分を十分に取らずに座りっぱなしは禁物だ。

というのも、いわゆる「エコノミークラス症候群」を発症するリスクは、
こうした長時間のフライトで急増するからだ。

エコノミークラス症候群とは、飛行機の座席のような狭い場所に長時間同じ姿勢で
座ることにより、足の静脈に血栓(血の塊)ができて起こる疾患だ。
血栓ができても、多くは本人に自覚がない。そして飛行機の着陸後などに、
急に立ち上がり歩き始めたとき、その血栓がはがれて血流に乗り、
肺に達して肺の血管をふさいでしまうのだ。

症状としては、息苦しさやめまい、動悸(どうき)などを訴え、急に意識を失って
倒れるのが特徴。
場合によっては死亡することもある。
つまり、飛行機の長旅を終えた人が、機内で席を立った直後、
あるいは空港ターミナルを歩き始めたとたんに、意識を失って倒れる
というのが、よく見られるケースだ。

エコノミークラス症候群の呼び名から、ファーストクラスやビジネスクラスを
利用すれば起こらないと誤解されがちだが、長時間同じ姿勢で座り続ければ、
ファーストクラスの乗客でも、電車やバスによる移動でも発症のリスクはある。
このため学会では、「旅行者血栓症」という名称が提唱されているくらいだ。

最近では、昨年10月に発生した新潟県中越地震のあと、
車中で避難生活をしていた被災者の中にエコノミークラス症候群が多発し、
命を落とす人も出たことで注目を集めた。

▼ヨーロッパ行きなら500mlのボトル1本分が目安
エコノミークラス症候群の予防では、十分な水分摂取が最も大切といえる。
特に機内は湿度が5~15%くらいと、とても乾燥している。
体内の水分は、1時間に約50mLずつ失われるため、
2時間おきに100mLくらいのペースで水分を補給しよう。

例えば、日本からヨーロッパ行きの便に搭乗した場合、12時間前後のフライト中に、
500mLのペットボトル約1本分の水分補給が目安になる。
この際、あらかじめペットボトル飲料を機内に持ち込んでおくと便利だ。

よく「ビールを何本も飲んだから大丈夫」などと言う人がいるが、これは誤り。
アルコール類やコーヒーなどには利尿作用があるので、
逆に脱水症状を起こすこともある。
アルコールを飲むなら、その倍量くらいの水分を取るつもりでいることが必要だ。

また、血栓ができるのを防ぐためには、2~3時間に1回はトイレに立つなど、
足や全身を動かすことも大切なポイントだ。
窓際の席で動きにくい場合も、足の指先を曲げたり伸ばしたり、
つま先を左右に回したりなど、積極的に足の運動をするように心がけたい。

航空医学研究センターの調査によると、
エコノミークラス症候群の患者の多くは女性で、平均搭乗時間は11.6時間。
その間、患者が席を立った回数は約0.5回に過ぎず、
半数近くの人が一度も席を立っていなかった。
中には、窓際の席で通路に出にくいため、トイレに行かずにすむように、
水分摂取を控えていた人もいたという。

▼女性・ハイリスク者は要注意
航空医学研究センターが全国の定期国際線就航空港周辺の医療施設を対象に
聞き取り調査を行った結果。
1993~2000年の8年間に「旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)」と
診断されたのは44人(平均年齢61歳)で、女性が40人を占めていました。
また、高血圧や糖尿病、高脂血症、血栓症などの危険因子を持っている人も
約7割に上りました。
平均搭乗時間は約11.6時間、機内で席を立った回数は平均約0.5回と少なく、
ビジネスクラスの利用者も6人いました。

先に述べたように、エコノミークラス症候群を発症するリスクは、機内だけとは限らない。
会社や自宅でパソコンを使う場合も、長時間同じ姿勢で座ったままは
同様によくないとされる。
1時間に1度くらいは、気分転換も含めて屈伸運動をしたり、水を飲みに席を立つなど、
足や体を動かすようにしよう。

(出典:NIKKEI BP)





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最終更新日  2005/07/08 07:18:52 AM
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