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2006/05/08
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カテゴリ: 病気・医療関連
いつもありがとうございます。
抗加齢実践家てるです。

出生数の減少以上に産科医の減少が激しいという。
社会保障制度はいろいろな部分で綻びがででいます。
小児科医の不足も深刻だというし、安心して子供をつくれない残念な
社会となりつつあります。
住みにくい国になっていきますね。

***************************************************************

岐阜県内の30歳代の女性は妊娠9カ月だった04年7月の未明、激しい腹痛で近くの2次救急病院を受診した。胃薬をもらって帰宅した後、苦痛が続き、再度病院に連絡した。だが看護師は「内科医しかいない」と朝の受診を勧めた。女性は死産し、「当たり前の対応をしてほしかった」と訴える。一方、院長は「産婦人科医は1人だけで、これ以上できない。救急をやめたいくらいだが、使命感で続けている」と言う。医師不足に苦しむ2次病院の実情が浮かぶ。

看護経過記録や女性によると、女性は午前2時ごろ、総合病院の救急外来を頼った。地元で最も大きな病院で、妊婦健診も受けていた。当直の内科医は女性に「胃だね」と告げた。女性が「子供は大丈夫ですか」と尋ねると、内科医は「分からないね」と答え、飲み薬を渡して帰宅を促した。

自宅で薬を吐き、午前3時ごろに夫が病院に電話したが、看護師は「内科医しかおらず、今できることはない。変わったことがあれば連絡を」。同6時ごろには、出血や腹痛があると連絡したが、看護師は「朝一番で産婦人科外来にかかって下さい」と答えた。

さらに症状が悪化し、夫の運転で病院に駆け込んだ。駆けつけた産婦人科医が午前7時40分ごろに診察。「胎盤がはがれかかっている」と言い、救命救急センターのある病院への搬送を手配した。女性は救急車内で出産したが、既に子供は死亡していた。子供は男の子で、名前も決めていた。

女性は3度、病院と話し合い、「看護師が医師の指示も受けずに患者に指示しないでほしい」「医師が足りなければ増やし、救急対応できる体制を整えて」と指摘した。病院は「お気の毒だったとは思うが、限られた体制でベストを尽くした。『体制を十分にして』といわれても、物理的にできない。どれだけ大学に医師を送ってくれと言ったかわからない」などと窮状を訴えたという。

日本産科婦人科学会の調査(05年7月)によると、大学病院から産婦人科医の派遣を受け分べんを扱う全国927病院のうち、産婦人科医1人の病院は132病院に上る。院長は取材に「助産師も辞めてしまい、4月以降は新規の妊婦を受け入れられないほどだ」と話している。

(出典:毎日新聞)


◆産科医減少 対策は
中核病院に医師集約 妊婦の不安解消が必要
産科医が減り続け、産科医療が危機に陥っている。日本産科婦人科学会の検討委員会は、地域の中核病院を整備するなどの対策を打ち出した。

同学会が行った昨年7月の調査結果によると、全国の大学病院と、大学が医師を派遣する関連病院に勤務する産科医は合計4739人で、この2年間で8%減った。お産を扱う病院も1009か所から914か所に減少した。

調査にあたった筑波大の吉川裕之教授(産婦人科)は「お産を扱う医師や施設の数は、出生数の減少より、はるかに早いペースで減っている。一方、出産年齢が高くなっていることや不妊治療による多胎妊娠の増加で、母子に危険を伴う妊娠・出産の例は増えている。お産の安全が脅かされている」と指摘する。

産科婦人科学会の検討委員会がまとめた中間報告では、人口30万~100万人の地域ごとに、10人以上の産科医が24時間態勢で緊急手術などにあたる中核病院をつくることを目標に、当面は「ハイリスク妊産婦を診る公立・公的病院には、3人以上の常勤産科医が必要」と提言した。地域の病院に1~2人ずつ分散している産科医を基幹病院に集約して医療の質を向上させる狙いがある。

こうした医師の集約化という考え方は、すでに国の検討委員会も産科や小児科医の確保に向けて打ち出している。

しかし、現実の医療現場では簡単には進まない。集約化によって医師のいなくなった地域の妊婦は、病院まで遠くなり、定期健診に通うのが不便になる。いざという時、手遅れにならないか不安もある。産科医を引き揚げられる自治体の抵抗も強い。

住民や自治体の協力が欠かせないだろう。妊娠中の病気や出産時の出血などで2004年には49人の妊産婦が亡くなった。20年前の約5分の1になったとはいえ、お産には危険が伴う。緊急事態に備える体制を充実させる必要性を妊婦にも理解を求めたい。同時に、医師を集約化して産科医が不在となった病院には、日中に健診を行う産科医を派遣するなど、きめ細かく妊婦の不安に応える配慮が重要だ。

少子化対策の上でも、安心して出産できる医療の仕組みを整える必要がある。もちろん、質の高い医療は産科医だけでは実現できない。赤ちゃんを診る小児科医や手術に欠かせない麻酔科医、助産師も確保しなければならない。自治体と医師を派遣する大学を中心に、住民も参加しながら、地域ごとに安心できる体制づくりを早急に始めるべきだ。

◇過酷な勤務敬遠傾向 当直、年平均123回 北大調査
産科医が減っているのは、若い医師が産科を敬遠する傾向があるためだ。背景には、過酷な勤務実態がある。

お産は昼夜を問わない。妊娠経過が順調でも出産時に異変が起き、緊急に帝王切開をすることも少なくない。特に、妊娠中毒症、糖尿病、高齢など、異変が起こる可能性が高い妊産婦(ハイリスク妊産婦)をみる大学や病院では、産科医の仕事は激務になる。

北海道大が2004年、道内30か所の関連病院に勤務する産科医を対象に行った調査では、年間の当直回数は平均123回に上った。当直明けに休みがとれる病院はゼロ。当直日の朝から翌日夕方まで連続30時間以上の勤務を3日ごとにこなさなければならない計算だ。土日・祝日の勤務も37回あった。

こうした実態は北海道に限らない。全国の関連病院の4割は常勤の産科医が1人か2人で、夜間も当直をしているか自宅で待機していて、気の休まる時がない。欧米では緊急時に対応できるよう1病院あたり平均6、7人の産科医で診療しているのに比べ、極めて貧弱な体制だ。

▼日本産科婦人科学会の検討委員会が示した産婦人科医療の将来像

■人口30万~100万人をめどに設定した産科診療圏ごとに、24時間救急に対応する中核病院を整備する(産科医数は10人以上を目指す)

■出産を扱う全施設で診療実績などを公表する

■出産を扱う全施設で、急変時に30分以内に帝王切開が行える体制が原則として整備されている(中間報告から)

(出典:読売新聞)





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最終更新日  2006/05/08 12:02:57 AM
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