ザビ神父の証言

ザビ神父の証言

2015.11.02
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カテゴリ: 社会風俗
クロニクル トイレットペーパー買い溜め騒動、遂に怪我人

1973(昭和48)年11月2日

ところは、兵庫県尼崎市のスーパーでした。42年前のことです。このブログにも登場している、アラブ諸国の石油戦略に端を発した第1次オイルショックは、戦争終了後も、原油価格の高止まりという形で続いていました。

OPECが価格維持を狙って減産体制を継続したため、翌74年からは戦後初の世界同時不況に突入し、日本でも盛り場のネオンの夜10時以降の自粛。デパート等では、夏の冷房の温度設定は28℃にするなどの自主規制が行われることになりました。その目標は、フクシマ第1の事故後の節電よりもはるかに厳しいものでした。

さて、73年の今日に戻ると、当時原油のみでなく、石油化学製品や石油関連商品も、品不足から、いずれ高騰する。値上り前に買い溜めしておこうという消費者心理から、洗剤、トイレットペーパー等の生活必需品がスーパーの店頭から姿を消しました。

そしてこの日、尼崎市のスーパー(名前は忘れましたが、多分元気な頃のダイエーでしょうか?)が、朝からトイレットペーパーを売り出すと報じたところ、開店前から行列が出来、買いに殺到した主婦らが、売り場で将棋倒しになるという、事故が起こり、老女が大怪我を負う惨事になりました。

4ロール入りのトイレットペーパー、600パックが僅か10分足らずで売り切れたと報じられています。口コミ情報が消費者心理を煽り、そこに商機を見出した企業が巧みに付け入り、巧妙に物価高騰を仕掛けたというのが真相だったのでしょう。

政府は増産も指示しているし、品不足はないと火消しに懸命でした。事実品不足はなかったようなのですが、火のついてしまった消費者心理を冷やすことは出来ず、トイレットペーパーも洗剤も、大幅に値上りした価格が定着していくことになりました。

どこかの油脂会社(洗剤メーカー)の社長が、社員や販売店に向かって「石油ショックは千載一遇の儲けのチャンス」とゲキを飛ばした事実が、動かぬ証拠と共にマスコミに漏れて、大騒ぎとなったことは、年配の方ならご記憶かと思います。同年12月のことだったでしょうか。世界的にスタグフレーション(不況下の物価高)状況に陥るのは、翌74年からのことでした。





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最終更新日  2015.11.02 17:03:21
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