Pastime Paradise

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2012.03.08
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カテゴリ: 林正英&霊幻道士
誰だーッ!? この映画にこんな邦題を付けやがったヤツはーッ!

 おっと、のっけから失礼。まぁ原題の「 敗家仔 」というのは“ドラ息子”という意味だし、確かに ユン・ピョウ (元彪)が主演しているので間違っちゃいないのだけれど…。しかしこんな邦題ではユン・ピョウの出演だけが売りの、よくあるカンフー馬鹿映画のようではないか。
 皆の衆、邦題で侮るなかれ。これが意外にも幾多の香港功夫電影の中でもかなり出色の作品で、殊に ラム・チェンイン (林正英。以下“”)の演技とアクションが絶品の、香港電影迷が未だ愛してやまない素晴しい映画なのである。

 81年に公開されたこの作品、監督(導演)は鬼才・ サモ・ハン・キンポー (洪金寶)、脚本(編劇)はサモと バリー・ウォン 洪家班 のサモ、ラム先生、ユン・ピョウ、 ビリー・チャン (陳會毅)が担当。
 81年の年間興行成績3位を記録し、83年の第2回香港電影金像奬では最優秀作品賞(最佳電影)、最優秀監督賞(最佳導演)、最優秀アクション指導賞(最佳動作指導)にノミネートされ、見事最佳動作指導に輝いた。
 ちなみに同年の興行トップは「 新Mr.Boo! アヒルの警備保障 (摩登保[金票])」がぶっちぎりで、この作品で監督・脚本・主役を務めた マイケル・ホイ (許冠文)は82年の第1回金像奬で何故か最優秀主演男優賞(最佳男主角)を受賞している。この第1回金像奬ではまだ動作指導賞がなかったため、「敗家仔」は栄えある初代最佳動作指導受賞作品ということになる

 ストーリーは以下のとおり。
 “チャン(ユン・ピョウ)は資産家の息子でカンフー好き。カンフー勝負では負け知らずだが、自分が親の財力で勝たせてもらっていることにも気づかず、すっかり武術の達人気取り。ところが京劇の女形ルン(ラム先生)に惨敗したことで目が覚め、彼に弟子入りすることを決意。ルンの兄(サモ)の家に身を寄せて武道の極意を学ぶことになる。
 そんなある日、拳法愛好家である大公の息子がルンに腕試しを挑んでくる。息子の勝負の行方を案ずる大公はルンの命を狙って刺客を放ち…。”(DVDパッケージより)

 ユン・ピョウ演じるチャンこと 梁賛 (リョン・チャン)は実在の武術家で、 ブルース・リー 詠春拳 を伝えた人物である。ブルース・リーは梁賛の弟子・ 陳華順 の、そのまた弟子である 葉問 のお弟子さんなのだそうな。でもって師匠のルンこと 梁二? (リョン・イータイ)も実在した方で、彼は武術の師であると同時に京劇役者でもあったらしい。
 梁二?が京劇で女形を演じたら面白いと考えたサモは、どうしてもこの二?役をラム先生に演じてほしかったという。何故ならラム先生は武術の達人であり、子供の頃から「春秋戯劇學校」で京劇を学んでいたからである(実際、京劇時代は女形を演じていたらしい)。眉を剃り落として二?役に臨んだラム先生の華麗な演技とキレのあるアクションには、監督のサモのみならず観客もみな絶賛した。
霊幻道士 (僵屍先生)」シリーズの道士様(九叔)役と並ぶ、彼の代表作だと思う。
 そうそう、「霊幻道士」の監督である リッキー・ラウ (劉観偉)は、この「敗家仔」では撮影を担当してたっけ。サモの友達なのだとか。(「霊幻道士」はサモのプロデュース作品である)
 友達といえば、「敗家仔」の映画音楽を担当し、また大公の息子をも演じた フランキー・チャン (陳勲奇)もサモのお友達。フランキーをキャスティングした理由は「彼が悪者には見えなかったから」とのこと。大公の息子のお付きの二人組を演じているのは ディック・ウェイ (狄威)& チョン・ファッ (鍾發)と、これまたサモつながり。嗚呼、この頃のサモ一派は本当に凄かった!
 あ、今更だけどユン・ピョウは言わずと知れたサモの弟分で、彼らもまたラム先生同様に子供の頃から「中國戲劇學院」で京劇の基礎を学び、二人ともが優秀な子供7人で編成された“ 七小福 ”のメンバーであった。
 この七小福を題材にした アレックス・ロー (羅啓鋭)監督、サモ主演の88年公開の映画「七小福」でもラム先生は元京劇役者ながら京劇の衰退でスタントマンに転向せざるをえなかった于華元役を見事に演じており、その悲哀を帯びた狂気の演技も実に素晴しかった。

林先生2.jpghart2_pink.gif林先生1.jpg





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Last updated  2012.04.07 06:14:37
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Re:ユン・ピョウinドラ息子カンフー (敗家仔)(03/08)  
SG-YORI  さん
ドラ息子カンフーて!でもそれ以外やりようのないタイトルですね。まんまやもんね。これ僕は未見です。面白そうなので早速見よう、確定申告終わったら。 (2012.03.09 12:20:00)

自信を持っておすすめします  
楊ぱち  さん
YORIさん、おはようございます。
>面白そうなので早速見よう
この作品は香港映画ファンからの評価が極めて高く、特にラム先生の演技と武術アクションは本当に素晴しいです。
私も自信を持っておすすめしたい作品です。
勿論、香港映画ならではのバカシーンもいくつかあり(お笑い担当は全てサモ・ハン)、せっかくのラム先生の熱演をぶち壊してくれます(^^;
機会がありましたら是非とも見てみてください。

確定申告、お疲れ様です。 (2012.03.10 07:39:12)

設定違いを発見しました〜  
みゆき さん
楊ぱちさん、こんばんは!!
わたくしも、ドラ息子カンフー(本当に最悪の邦題ですね)観ましたよ〜(^^)
これは名作ですね!ラム先生とフランキーチェンのバトル、カッコよすぎてしびれました!
それで、ついでに日本語訳による設定変更を発見しました。
ラム先生とサモハンは、兄弟(DVDパッケージ)ではなく、兄弟弟子関係が正しいようです。
まず、サモハンと娘の登場初期の会話で、サモハンの娘が「病気で帰ってきた師叔(sisuku)には?」と発声している他、ユンピョウに、サモハンとラム先生の関係を訊かれたシーンで「師兄(sihing)」と発音しているところから気がつきました。
何故、兄弟設定にしたんでしょうね?
兄弟子、弟弟子というのが日本人に馴染みがないという発想だったのでしょうか…?
でも、兄弟よりも、兄弟弟子である方が、その後の展開に深みを与えるような気がします。(弟弟子に弟子ができたのを見るサモハンのイライラしているような羨ましそうな表情や、ユンピョウに教えることになった際の、おめかしして登場する際の嬉しそうな感じとか…笑)
ラム先生の演技は自然ですが、サモハンも細かい表情まで演義していて素晴らしいです。惚れ惚れしました☆ (2013.01.18 19:38:52)

意外と豪華キャスト  
楊ぱち  さん
みゆきさん、こんばんは。
>それで、ついでに日本語訳による設定変更を発見しました
>ラム先生とサモハンは、兄弟(DVDパッケージ)ではなく、兄弟弟子関係が正しいようです
>何故、兄弟設定にしたんでしょうね?
>兄弟子、弟弟子というのが日本人に馴染みがないという発想だったのでしょうか…?
嗚呼、確かにそうですね。
功夫電影で兄弟といえば兄弟弟子をさすことが多いので、暗黙の了解みたいなものでしょうか?
もしくは物語と直接関係がないので、普通に鑑賞するぶんには別にどちらでもいいと判断されたのかも!?
すみません、私もテキトーな人間ですのでそのあたりは全く気にならなかったです(><)
>兄弟よりも、兄弟弟子である方が、その後の展開に深みを与えるような気がします
みゆきさんの洞察力、素晴しいですね。
恥ずかしながら私はただただ「ラム先生格好いい~♪」「女形ハマりすぎ~♪」ぐらいしか思ってませんでした(^^;
サモは登場時のバカさ加減とユン・ピョウに教えている時の気迫の落差が好きです。
それにしてもサモの娘さん役の女の子、本当の親子のようですよね(見た目が)。 (2013.01.19 22:59:29)

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