ザ・スーパー・ポップ宣言

私の好きな甘茶11

私の好きな甘茶ソウル(11)
MY FAVORITE SWEET SOUL (11)

スウィート・ソウル・ベスト10 集計一覧

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マニアック甘茶ソウル@YOU TUBE


【 甘茶偏差値 64

Different Shades of Brown / You Want Hearts and Flowers '73 (MOTOWN 1241)



オハイオ出身のグループの1970年のORIGINALSのスウィートソウル・カバー。「ディファレント・シェイズ・オブ・ブラウン」は甘茶ソウル百科事典未掲載ながらマニアには人気のあるグループで、当ブログでも、2006年に発売された編集アルバム HAVE A HEART '06(MY TOWN RECORDS) と人気シングル モータウン産甘茶ソウルも濃いぞ WHEN THE HURT IS PUT BACK ON YOU (MOTOWN 1241)'73 を取り上げ済みです。1973年という甘茶全盛期の作品の本曲はアレンジは名手Paul Riserで元曲を完全な甘茶仕様に変換した内容。オリジナルズのオリジナルも悪くはないが、より緊迫度と糖度が増した本曲の方がマニアには人気のようです。しっとりとしたバックに可愛らしく甘みのあるファルセット、抑制のきいたハーモニー、バリトンの切れ込み具合がバランスよく連動。個人的にはタイトルを繰り返す統制のとれたコーラスに魅了されます。メロディに胸を締め付けるというほどの甘美さはないけれど、全盛期の甘茶そしてモータウンの底力を感じさせる良曲かと思います。

「YOU TUBE」 で聴けます。

ORIGINALS / You Want Hearts and Flowers

Jimmy Briscoe & The Little Beavers / Forever (I'll Need Your Love) LP(Pi Kappa 6000)'75

JIMMY BRISCOE  LITTLE BEAVERS MY EBONY PRINCESS.jpg

U.S.BLACK DISC GUIDE #321、甘茶ソウル百科事典MOONY'S SELLECT 010選出の甘茶ソウル名盤収録曲。Jimmy Briscoe & The Little Beaversはボルチモア出身の若者5人組ボーカルグループで、プロデュースは多くのスウィートソウル名曲を手掛けたポール・カイザー。当ブログでは、既に 「MY EBONY PRINCESS」 も取り上げ済みですが、本曲も同アルバム収録です。70年代ソウルの華やかさを象徴するかのようなシタールを入れた大仰なイントロと華やかなコーラスが特徴的なスウィート。甘さとほろ苦さの同居した悲しげなメロディで、鬼気迫るヴォーカルによってそれらが劇的に増幅されている感じ。展開はスムーズさにかけるけど、どこも力の入ったダイナミックな内容で実に様になっています。むしろこのドタバタ加減が味ですかね。大胆で大袈裟でよくもまあ、こんな展開を考えたものだと感心させられますが、この我を忘れて劇的に盛り上げる感動ごり押しスタイルこそ、この時期に全盛を迎えたスウィートソウルの醍醐味という感じですね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

KEITH BARROW / IF IT'S LOVE THAT YOU'RE LOOKING FOR '78 (Columbia 3-10846)



70年代を中心にロスで活躍したソウル歌手キース・バロウの78年のアルバム「Physical Attraction」収録曲。アルバムを4枚も出していながら甘茶ソウル百科事典にU.S.BDGにも一切触れられてないからソウルファンには馴染みが薄いかも知れませんが、良質な甘茶ソウルがあります。フリーソウル・コンピに収録されている 「You Know You Want To Be Love」 が彼の一番のヒット曲のようですね。同曲同様に柔らかなハイトーン・ヴォイスが最大の魅力となっています。曲はゆったりとした和み系スウィートソウル。作曲はMichael Stokesで派手さはないけれど全体としてなだらかで綺麗なメロディが美味。時折女性のささやき等を交えキースの自由度の高い甘い唱法が冴える。全体として品の良さと甘茶ソウル的センスの高さを感じさせる好内容。彼のちょっと怪しげなルックスとの関係は定かではありませんが、29歳という若さでエイズによって死去。もっともっと良質な作品を残せていただろうことを想うと実に残念ですね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

OSMONDS / I'M STILL GONNA NEED YOU '75



1970年代初頭「ジミー坊や」の愛称で日本でも人気を博したJimmy Osmondを擁する白人ファミリーグループ、オズモンズの1975年のアルバムタイトル曲。ジャンル的にはバブルガムポップやポップロック的な扱いのグループだけど、ここでは甘茶者には人気の黒人グループYoungheartsの1973年のアルバム収録曲をカバー。ちょっと異色の組み合わせだけど所謂ブルーアイドソウルと呼べる内容になっています。スウィートソウル全盛時に作られたヤングハーツ版はなかなか甘くていいムードなんだけど、ちょっと大人しく上品過ぎる内容で特にリードに思い切りが不足している気がします。甘茶ソウル百科事典に取り上げられた訳でもなく残念ながらそれほどの出来や評判には至らなかった感じ。2年後のオズモンズのカバーはグロッケンが入るなどサウンドもコーラスも甘さはそのままにより分かりやすくなった感じ。そして何よりリードが瑞々しく良い意味でポップで魅力的。マニアックなソウルを白人のポップグループがカバーすると出来の悪さに幻滅するパターンが多いけど、この曲の場合は数少ない逆パターンの好例と言えるのではないでしょうか。

「YOU TUBE」 で聴けます。 スタジオライブの様子 もどうぞ。

Younghearts / I'm Still Gonna Need You (24分12秒から)

RELATIONS / DON'T LET ME DOWN THIS WEEKEND '71



ニューヨーク出身の黒人ヴォーカルグループの1971年の甘茶ソウル。63年に4枚のシングルを残しているKac-TiesというDOO-WOPグループが前身のようで、1963年から1972年にかけて6枚のシングルを残している。そういった背景からもソウルというよりもDOO-WOPの面影が濃く残る作品のようです。簡素なサウンドをバックに甘く切ないメロディを歌うリードにコーラスが複合的に絡むスタイル。時折ファルセットを交えながら徐々に盛り上がっていきます。ちょっとエンジンのかかりが遅い嫌いはありますが、タイトルを歌うサビのメロディはなかなかの出来。特筆すべきはそのサビを盛り上げる由紀さおり張りの情緒的でキャッチーなスキャットコーラスでどこか郷愁を誘う、あるいは古き良き時代を懐かしむような気持ちにさせてくれます。全体として垢ぬけない感じはしますが、古き良きドゥーワップの時代を彷彿させる良曲かと思います。

「YOU TUBE」 で聴けます。


【 甘茶偏差値 63

ATKINS / BABY YOU'RE THE ONE LP(WARNER BROTHERS 3659)'82

ATKINS.jpg

男女混合のファミリーコーラスグループのグループ名と同名の1982年のアルバム収録曲。このアルバム1枚を残して儚く消えてしまったようですが、当ブログで既出の LOVE IS GROWING STRONG など良曲が多い。残念ながらU.S.BLACK DISC GUIDE、甘茶ソウル百科事典のどちらでも取り上げられてません。ファミリーというのが甘茶的にそそるものが無いからですかねえ。曲はゆったりとしたテンポのスウィートソウルで、ちょっと悲しげなファルセットリードが特徴的。感傷的な甘いメロディの出来もよく優等生的な内容だけど、70年代スウィート好きにはどこか過剰な何かが欠けている感が否めないかな。とはいえこの内容ですら今では有り得ない古き良き時代のソウルの大切な遺産と感じますね。

「YOU TUBE」 で聴けます。

OPTIMISTICS / SHOULD I LET MYSELF GO LP(TURBO 7001)'70



メリーランド州ボルチモア出身のボーカルグループの1970年の唯一のアルバム「OPTIMISTICS」収録曲。ニュージャージーのオールプラチナム傘下のTURBOから出ていてプロデュースは甘茶大王のジョージカー。(このグループが後にInclinationsへと変貌したとのこと。)グループ名は楽観主義者という意味だけど、一体これのどこが楽観主義なの?とツッコミたくなるグループ名とは裏腹に暗ーく沈んだムードの甘茶ソウル。この頃のニュージャージー産スウィート特有の土埃をかぶったかのような場末感たっぷりの錆びれたサウンドにピタリと嵌ったヴォーカル&コーラスのうらぶれ感、絶望感が酷い。スウィート好きの私でもこの手の負のオーラに満ちた曲は個人的にはちょっと受け入れにくいんだけど、メロディはかなり良く出来てますし、暗いなりにキャッチーなので、暗めの甘茶が好きな人には堪らない内容かも。この曲の「YOU TUBE」のコメント欄を見ていたら気づいたのですが、近年Knxwledgeというヒップホップ・アーチストがサンプリングしていて、この曲が脚光を浴びているらしいです。何故この曲をこの時代に?と激しく疑問に思いますが、うーん、世の中分からないものですねえ。

「YOU TUBE」 で聴けます。

SWISS MOVEMENT / TAKE SOME TIME (RCA APB0-0092)'73



1970年代初頭に活躍した4人組コーラスグループの唯一のアルバム「IT'S TIME FOR THE SWISS MOVEMENT」収録曲。テンプテーションズのメンバーによって見いだされ、プロデュースされたアルバムとのことです。懐中時計を模したジャケットからもどうやらグループ名はスイス製の時計の動きという意味っぽいですね。スイス時計の精度や品質の高さ、伝統に憧れての命名といったところでしょうか。唯一のアルバムがU.S.BLACK DISC GUIDE #343と甘茶ソウル百科事典P.45で取り上げられていることからも思惑通り、質の高いアルバムを残せたようですね。そのどちらでも触れられていませんが、アルバム最後を飾るこの曲はスウィートソウル仕立ての良曲。時計の秒針が刻む擬音を入れた明るく爽やかな仕上がりです。リードヴォーカルの声質は聞きやすいけれど引っ掛かりが無い箇所が幾分物足りなく、全体としてこってりとした甘さや萌えという点で不満を感じますが、スキャットなどを交え随所で多用される厚いコーラスは魅力的です。

「YOU TUBE」 で聴けます。



以下、まだまだ続きます。

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