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June 8, 2006
カテゴリ： カテゴリ未分類
～良い遺伝子をONにする近未来への取り組み～
～☆ｂｅ Ｗｅｌｌは Web でもご覧いただけます☆～
http://www.as-1.co.jp/home/bewell/bewell.html
日本の食料自給率50％以上をめざす挑戦が始まりました。農作物を中心とする食料は、私たちの生命を維持する要です。しかし現在、日本は7500万人分に相当する食料を輸入に頼っている先進国の中で最大の食料純輸入国となっています。このような状況は、様々な要因によっていつ何どき、輸入ができなくなるかもしれないという不安をはらんでいます。そんな中、農林水産省は1991年からイネ遺伝子配列の解明計画を推進してきました。ゲノム配列をもとに詳細な発現遺伝子地図を完成させることで、多くのイネ遺伝子の機能を明らかにして、有用なイネ品種の作出や他の穀物への応用を可能とするためです。そして、日本の食料自給率を高めるべく〈イネゲノムの挑戦〉は、2004年12月の塩基配列完全解読で大きな節目を迎えました。今回は、世界的な食料危機予測や日本の食料事情を背景としたイネゲノム研究の必要性について考えてみましょう。
1.温暖化と食糧危機
異常気象がもたらす農作物への影響
IPCC〈各国の政府代表者と2000人を超える研究者からなる温暖化研究のネットワーク〉の報告書によると、地上の平均気温は20世紀中に約0.6℃上昇しており、このうち最近50年間の昇温傾向は人間の活動による可能性がきわめて高いと発表しています。その結果、起こることは地球規模での大きな環境変動です。海水が熱で膨張したり、南極・北極の氷や氷河が溶けはじめることで海水面が上昇し、陸地の水没や海岸の侵食、河川の氾濫などが起こります。また、降雨パターンが変化して内陸部では乾燥化が進む一方、熱帯地域では台風、ハリケーン、サイクロンなどが猛威をふるうので洪水や高潮などの被害が多くなります。
食糧自給率低下の主な要因
カロリーベースで見た日本の〈食糧自給率〉は昭和40年度の73％から平成15年度の40％へと大きく低下しています。このの主な要因は、食の欧米化によって米の消費が減ったことがあげられます。一方、牛や豚などの畜産物は消費が増加していますが、畜産物の生産には大量の飼料穀物や油糧原料が必要となり、需要に見合う分だけ飼料穀物が生産できないのが状況です。日本は消費人口に比べて農地が狭く平坦な土地が少ないという国土条件のハンディキャップがあるためです。
肉食の増加が食糧危機を招く！
いま世界的な食糧危機が叫ばれていますが、その原因は温暖化や人口増加だけではないようです。実は、私たちが現在のような肉食を続けていくと確実に食糧危機が早まると考えられます。飽食の国と言われる日本に住んでいると、食糧不足や食糧危機と聞いてもあまりピンときませんが、現在の世界人口約62億人のうち8億人強の人たちが飢餓に苦しんでいるのが現状です。ところが世界規模の穀物生産量は年間約20億トンにもなり、世界全人口で頭割りすれば、一人あたり300キロ以上もの供給が可能なのです。
3.人類の未来のために
室温で保存・配送できる〈DNAブック〉完成
日本の食料自給率は先に示したように先進国の中で最下位です。穀物自給率はさらに低く29％(平成8年)となっています。イギリスも20年ほど前までは現在より20～30％低かったものの政策転換によって今は100％を越えています。フランスはヨーロッパの中でも農業大国であり、またドイツも食料自給率は100％以上です。これらの先進諸国と比べると日本の穀物自給率の低さがよく分かります。この数字から考えられることは、もし近い将来に食糧危機に陥った場合、先進諸国で真っ先に打撃を受ける国は日本だということです。
参考文献
「食の世界にいま何がおきているか」中村靖彦
「遺伝子組み換え イネ編」天笠啓祐著:現代書館
「植物のゲノムサイエンス 遺伝子・染色体から生体機能を解明する」秀潤社
「植物のゲノム研究プロトコール 最新のゲノム情報とその利用法」秀潤社
「米の事典 稲作からゲノムまで」石谷孝佑編:幸書房
∇ 日本で初めて報告された花粉症の原因となったのは何の花粉？
∇ ギリシャ神話に登場する医学の神様、アスクレピオスの姿をモデルとしている星座は？
http://www.as-1.co.jp/home/bewell/quiz/index.html
～☆ｂｅ Ｗｅｌｌは Web でもご覧いただけます☆～
http://www.as-1.co.jp/home/bewell/bewell.html
日本の食料自給率50％以上をめざす挑戦が始まりました。農作物を中心とする食料は、私たちの生命を維持する要です。しかし現在、日本は7500万人分に相当する食料を輸入に頼っている先進国の中で最大の食料純輸入国となっています。このような状況は、様々な要因によっていつ何どき、輸入ができなくなるかもしれないという不安をはらんでいます。そんな中、農林水産省は1991年からイネ遺伝子配列の解明計画を推進してきました。ゲノム配列をもとに詳細な発現遺伝子地図を完成させることで、多くのイネ遺伝子の機能を明らかにして、有用なイネ品種の作出や他の穀物への応用を可能とするためです。そして、日本の食料自給率を高めるべく〈イネゲノムの挑戦〉は、2004年12月の塩基配列完全解読で大きな節目を迎えました。今回は、世界的な食料危機予測や日本の食料事情を背景としたイネゲノム研究の必要性について考えてみましょう。
1.温暖化と食糧危機
異常気象がもたらす農作物への影響
IPCC〈各国の政府代表者と2000人を超える研究者からなる温暖化研究のネットワーク〉の報告書によると、地上の平均気温は20世紀中に約0.6℃上昇しており、このうち最近50年間の昇温傾向は人間の活動による可能性がきわめて高いと発表しています。その結果、起こることは地球規模での大きな環境変動です。海水が熱で膨張したり、南極・北極の氷や氷河が溶けはじめることで海水面が上昇し、陸地の水没や海岸の侵食、河川の氾濫などが起こります。また、降雨パターンが変化して内陸部では乾燥化が進む一方、熱帯地域では台風、ハリケーン、サイクロンなどが猛威をふるうので洪水や高潮などの被害が多くなります。
食糧自給率低下の主な要因
カロリーベースで見た日本の〈食糧自給率〉は昭和40年度の73％から平成15年度の40％へと大きく低下しています。このの主な要因は、食の欧米化によって米の消費が減ったことがあげられます。一方、牛や豚などの畜産物は消費が増加していますが、畜産物の生産には大量の飼料穀物や油糧原料が必要となり、需要に見合う分だけ飼料穀物が生産できないのが状況です。日本は消費人口に比べて農地が狭く平坦な土地が少ないという国土条件のハンディキャップがあるためです。
肉食の増加が食糧危機を招く！
いま世界的な食糧危機が叫ばれていますが、その原因は温暖化や人口増加だけではないようです。実は、私たちが現在のような肉食を続けていくと確実に食糧危機が早まると考えられます。飽食の国と言われる日本に住んでいると、食糧不足や食糧危機と聞いてもあまりピンときませんが、現在の世界人口約62億人のうち8億人強の人たちが飢餓に苦しんでいるのが現状です。ところが世界規模の穀物生産量は年間約20億トンにもなり、世界全人口で頭割りすれば、一人あたり300キロ以上もの供給が可能なのです。
3.人類の未来のために
室温で保存・配送できる〈DNAブック〉完成
日本の食料自給率は先に示したように先進国の中で最下位です。穀物自給率はさらに低く29％(平成8年)となっています。イギリスも20年ほど前までは現在より20～30％低かったものの政策転換によって今は100％を越えています。フランスはヨーロッパの中でも農業大国であり、またドイツも食料自給率は100％以上です。これらの先進諸国と比べると日本の穀物自給率の低さがよく分かります。この数字から考えられることは、もし近い将来に食糧危機に陥った場合、先進諸国で真っ先に打撃を受ける国は日本だということです。
参考文献
「食の世界にいま何がおきているか」中村靖彦
「遺伝子組み換え イネ編」天笠啓祐著:現代書館
「植物のゲノムサイエンス 遺伝子・染色体から生体機能を解明する」秀潤社
「植物のゲノム研究プロトコール 最新のゲノム情報とその利用法」秀潤社
「米の事典 稲作からゲノムまで」石谷孝佑編:幸書房
∇ 日本で初めて報告された花粉症の原因となったのは何の花粉？
∇ ギリシャ神話に登場する医学の神様、アスクレピオスの姿をモデルとしている星座は？
http://www.as-1.co.jp/home/bewell/quiz/index.html
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