愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

愛 こ と ば・心 の 散 歩 路

2007/04/24
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志時 「会社の人事異動……

    とはいってもさ、殆んど

    実務知識の無い奴がよ、

    突然、職場の主任格として

    赴任してきた訳だ……。こりゃーねぇ…、いきなり、

    その配下になった人達は、面白い訳ないよ……な」

ゆり 「そりゃーそうですよぅー。そろそろですよぅ……、

    そろそろ自分がリーダーかな…? なんて思ってた人も

    居たでしょうからねぇ……」

志時 「ウン、居た……。……確かにな……。そういう人が、

    俺に対してお手並み拝見っていう態度になるのも、

    分らん事はなかった……」

シゲ 「しかし先輩、それはサラリーマン社会では当然の事

    ですから、そういう人達は三流社員と言わざるを

    えませんね……。こういう事が起こるというのは、

    サラリーマン社会の常識です……」

ゆり 「でもでもシゲさ~~ん、きれい事じゃないよ……。

    人情としてはよ、長~くその職場に居る人なんかさぁ、

    やる気無くすよね…………。……無くすよぅ……。

    ………焼酎お代わりしまーす( ̄~ ̄)ξ」

シゲ 「おいおい、よく飲むなぁゆりは……。

    酔っぱらっても知らんぞ……。(`へ´)

    ………しかし、先輩……ゆりの言い分も分からん事は

    ないですが、そんな、スネた考え方を持っているから、

    リーダーには出来ないっていうのもありますよね……」


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志時 「ウーン………俺は、黙って従ってくる人間より、

    意地を示すヤツの方が遥かに好きだし、結果的には

    そういう連中の方が仕事も出来るとは思うがな………」

シゲ 「……そうですか……。……まあ、しかし何ですね……、

    志時さんが、自分で決めた人事でも無いのに……、

    そんなややっこしい話になるんですね?

    ……辛いよなぁ」

志時 「まあ、辛いって言うより煩わしかったなぁ~~。

    しかし、人事異動ってそういう側面もあるよな……。

    特に本人に転機を与える場合なんかにな……。

    基本的に人事措置はトップダウンだから……」

シゲ 「ええ……部下の人達の気持……人情としては分かります

    けどね……。しかし先輩だって被害者なのに……。

    ――でも、そんな中で、先輩は真っ直ぐ攻めるわけだ。

    とても真似できないや。

    ……凄いや……」

ゆり 「シゲさん、今更何言ってるんルンルン……。(`ヘ´)

    当たり前の事って……。だって志時先輩って、

    攻めの駒しか持ってないんだもん………」

志時 「攻めの駒か………ウン、面白い……。

    ゆりは将棋も指すのか……?」

ゆり 「……へへへへっ……。ノン……ノン……」


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志時 「ゆり…………全くその通りよ、

    シゲ……。

    ……凄くなんかあるもんか……、

    単なる性分って奴よ。

    ………それに、この場合は

    自分で希望した道でもあったからな……」

シゲ 「ウーン……(-。-)………しかし……」

志時 「――――さっき、挑戦って言ったが……、あれは、

    自分に対するもんだ。……仕事に対してじゃない…」

シゲ 「えっ?」

志時 「さっきも言ったろう?……自分がどのくらいの人間か

    試してやれっていう様な、そんな感覚…………」

シゲ 「…………!」

ゆり 「六進数……だぁぁぁぁぁ……」

志時 「ケッサクなことによ、残ってたドキュメントがさ、

    読み進むにつれて中々に面白いのよ……」

ゆり 「面白い? 会社の書類が? ええっ?……変なのー」

志時 「まあ、聞けよ……。書類の整理の仕方が悪くてな。

    テーマ毎に殆んど時系列に綴じられているだけなんだ。

    ………これが幸いしたね」

シゲ 「えっ、かえって読みにくいんじゃないですか……?」

志時 「あのな……、最終結論だけがきちんと整理された書類を

    見ても、内容が理解しにくいって言うか、深い意味が

    分かりにくいって事……あるだろう……?

    そんな経験した事ないか……?」

シゲ 「ええ、ええ、ありますよ……」

志時 「それがよ……、ひとつの結論に至る途中で、二転、三転

    していく議論の過程が、生々しい資料で、そのまま、

    そっくり残ってたんだ。……これはもうタマラン……。

    本当に、面白かったよ。もう……変な推理小説より凄い

    展開なんだから……。………ホント、ホント……、

    面白かった…………」

ゆり 「……!!!!?」



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シゲ 「なるほど。どんな風に、その最終結論に至ったかが

    手に取る様に分かるわけですね」

志時 「そうそう、まるで江戸川乱歩の推理小説を読んでる

    ような感じだったよ」

ゆり 「推理小説………!?……江戸……?? (-。-)」

志時 「こう……読みながらな、……自分なりにあれこれと、

    結論を想定するわけだ。

    誰だって自然にそうなるよな……。

    ―――でも、自分の思う結論にならない事が多かった。

    残念ながら……な……、ははははっ……」

シゲ 「……ということは、先輩も負けずに色んな角度から

    考えたって事ですよね」

志時 「色々どころか、あれやこれやとね……。

    自分の知識・経験の全てを絞り出して、書類と

    ディスカッションしながら読んでたようなもんだ。

    ―――しかし、まぁ、この職場、昔から大変な能力の

    先輩が居たんだって、つくづく感心したよ……」

シゲ 「志時さんも、そういう凄い先輩と紙上で議論してた

    わけですね。………でも、メッチャ根気のいる作業

    でしたね………」

ゆり 「漫画だったら、私でも読むかもしれんけど…………、

    ………どんなんだったんすか?」

志時 「うん、10年分位のドキュメントだったんだがな……。

    いやはや、読み応えあったなぁ………。

    そうねぇ……、たとえばだな……、800億円位の

    設備投資をするか、しないか……、

    するとして、その具体的な一案・二案・三案……、

    ………メリット:ディメリット………、

    ……なんてなものだったな…………。……ウン」

ゆり 「ヒヤー………!…………ホトンド……気絶~~」



ツツジ紅葉.jpg



志時 「書類の整理のレベルも、これが、まちまちでさぁ……。

    きちんと揃ってないケースも、けっこう多くてな……」

シゲ 「そりゃー、そうでしようねぇ……」

ゆり 「……歯抜けってヤツね……いわゆる」

志時 「何とか、いきさつを知りたいじゃないか……なっ。

    それで先輩に聞いてみるわけだ……。これが又

    うるさがられてねぇ……」

ゆり 「だって、志時先輩。…………奇人が相手じゃ、誰だって

    逃げますよ。フフフッ……ハハハッ」

シゲ 「コラッ! 又!……ゆり!…………もう」

志時 「違いないや。……それによ、過ぎ去った過去の話

    だからな……。先輩たちにとっては、もう、とうの昔に

    終わってしまってる事なわけだ……」

シゲ 「……第一、そんなに詳しく、いちいち覚えてもいない

    でしょうし……ねぇ」

ゆり 「そうそう、そうよ。だから余計うるさがられるのよ」

シゲ 「……でも、食い下がったんでしょう。ヘヘヘッ……」

志時 「ハハハハッ……ご名答。とにかく、しつこく聞き

    出してだな。……それを元に、又、書類のストーリーを

    つなぎ合わせるわけだ。……だから、退社するのは、

    毎日21時位になってしまってね」

シゲ 「……毎日……」

志時 「………しかし、会社の歴史の奥底を勉強してるような

    感じで、実に面白かった。――言ってみりゃさ、

    ガンバリ度合150%といったところかな……」

ゆり 「ウヒャ~~~~!」

志時 「……でも何だな、考えて見りゃ、面白かったからこそ

    続けられたんだろうなぁ……」

シゲ 「連日連夜でしょう……?そりゃー、150%どころじゃ

    ないっすよ………」


700.jpg



女将 「―――――相変わらず、話弾んでますねぇ。ハイ、

    お漬物……。これ、サービスだからね。どうぞ……」

志時 「ああ、いつもすんませんねぇ。……コレコレ、

    これが旨いのよ……」

ゆり 「おかみさんが、漬けたんですか?……ですよね?」

シゲ 「当然じゃないか、ねぇ、女将さん……」

女将 「ハハハハッ、……どうぞ、ごゆっくりね」

志時 「………うん、やっぱり旨いや……。このキュウリの

    床漬けがたまらん……うん」

             <続>



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【シリーズ履歴】

◆2/21( ̄ー ̄)サービス残業……叱られて
◆2/22( ̄ー ̄)「駆けつけ三杯」って……?
◆2/27( ̄ー ̄)いつも先輩の奢り…良いの?
◆3/01( ̄ー ̄)呑みュニケーション
◆3/05( ̄ー ̄)ちょっとブラック・ジョーク
◆3/20( ̄ー ̄)社員の努力を分析する
◆3/21~24( ̄ー ̄)一人の社員の努力が引き起こす摩擦[上・中・下]
◆3/30~31( ̄ー ̄)己の信念と…会社人事[上・下]
◆4/11( ̄ー ̄)慣れない仕事の…壁に衝突
◆4/12( ̄ー ̄)職場の仲間も…いいもんだ
◆4/13( ̄ー ̄)負けられない……本気の挑戦
◆4/17~18( ̄ー ̄)挑戦者の……心情[上・下]




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Last updated  2007/04/27 12:56:23 PM
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