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2025年03月13日
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カテゴリ: 雑感



八犬伝には刊行ごとの漢文、長歌、短歌の序文があり、標記のものはその一例である。
荒唐無稽といえば荒唐無稽な物語なのだが、子供に限らず、相当に教養高い層にまで読まれていたことがうかがえる。「百まり八つのそれ」というのは水滸伝なのだが、水滸伝よりも面白いというのがその趣旨だろう。水滸伝を漢文で読みこなしていた層がどのくらいいたのかは不明なのだが、旅人を殺して金を奪うだけでなく、人肉饅頭を作って売っている盗賊夫婦とか、二つの斧を振り回して老若男女見境なく殺しまくる者が好漢として梁山泊の英雄になっているのは、どうも多くの人に受け入れがたかったのではないか。そのあたり八犬伝では考慮されていて、対牛楼の仇討ちでも、仇やその息子には手を下しても、妻や幼い娘は護衛の武士が梯子からおちたことで、押しつぶされて死んだということになっている。
第九集は非常に長く、今は親兵衛が姓を賜る勅許を得るために京に行く場面を読んでいるのだが、江戸時代は弱体化していたといわれる皇室の権威が描かれているところが興味深い。滝沢馬琴も膨大な古書籍を読んでいたのだが、知識人を中心に御政道は本来天皇がするものだといった概念が広がりつつあったのかもしれない。
挿絵には里見家の幟に中黒が描かれている。中黒といえば源氏の新田氏の系統で、里見家はそれにあたる。徳川氏も先祖の徳阿弥は新田源氏の系統を自称していたので、物語の中に将軍家の上には天皇家があるということの暗喩と思うのは深読みに過ぎるのだろうか。





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最終更新日  2025年03月13日 17時00分07秒
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