2004年06月24日
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今をさかのぼること23年前、後にテニス界の頂点にまで上り詰める一人の女児が誕生した。
テニスプレイヤーだった彼女の母親は、自身の夢を娘に託したのだろうか、母国史上最高のテニスプレイヤーの名前をわが子に与えたのだった。
その名前のご利益か、はたまた天性の才覚ゆえか……いずれにしろ彼女が14歳でプロデビューを果たし、さらに16歳で史上最年少世界ランキングナンバー1になった頃には、彼女の命名にまつわる物語は万人の知るところとなる。
2004年のウィンブルドン。同じファーストネームを持つ二人のテニスプレイヤーが、片や選手、片や解説者として競演を果たした。
ウィンブルドンの格調の高さの象徴である純白のウェアを纏いコートに立ったのは、47歳のマルチナ・ナブラチロワ。そして解説席に座っていたのは、23歳のマルチナ・ヒンギス―――。

名前の継承、異なる立場での邂逅……それだけでもドラマとして十分成立しえるのに、さらに年代の逆転というエキセントリックな要素を加えることにより、物語の濃度は一層濃いものとなった。だがそのエキセントリックさ故に、そこには悲愴の影も生じる。10年ぶりにシングルスプレイヤーとして大会に出場したナブラチロワ、そして、足首の故障のため1年以上本格的なツアーから遠ざかっているヒンギス。モニター越しに、自分の母親より年上のマルチナのプレイを観るヒンギスの胸には、いかなる想いが去来しているのか……第三者のいらぬ感傷と解っていながらも、やはりそんなことを考えてしまう。





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最終更新日  2004年06月24日 21時05分29秒
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