September 30, 2004
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私が子ども達のアレルギーを経験して思うことは、即時型アレルギーより、この隠れ型アレルギーがかなり多いのではないかということです。隠れ型アレルギーは、抗体を介する即時型とは異なるメカニズムで生じるアレルギーのことです。

即時型アレルギーはご存知の通り、血液検査(RASTなど)で判明できることがほとんどです。このアレルギー症状は早ければ15分以内(5分以内のことも)から約2時間くらいで発症する即時的な症状がほとんどで、中には遅発型といって、少し遅れて出るものもあります。この即時型アレルギーの場合、アレルギーに気づきやすいし、検査でも陽性としてで出ることがも多いと思います。

しかし、これとは異なり、「遅延型反応」といって、早くて数時間後~翌日にかけて生じる反応で、数日間続く症状があります。この場合、口にしてすぐに反応が出るものではなく、夜中とか翌日に症状が出たりすることが多いので、アレルギーとは気づかなかったり、別の原因となる食品(アレルゲン)を考えてしまうことが多くなります。また、血液検査では判定できず、アレルギーと診断されないわけですから、そのままアレルゲンを継続的に与えて、気づいたら、慢性的なアレルギーとなっていることも少なくないようです。そのため、こういうアレルギーのことを「隠れ型アレルギー」と呼びます。

ところで、実際にアレルギーが原因の症状があっても、アレルギーと診断されない場合ですが、血液検査のみによる診断で、低月齢では行ってくれるところが多くないことです。低月齢での検査を避ける理由は、
★低月齢での血液検査陽性率が低いこと
(最近は2ヶ月くらいでも陽性の数が多いことも珍しくないとのこと)
★多くの検査項目を調べるための、充分な採血量が得られないこと
★採血にスタッフがたくさんいること
★採血は痛いものだから、させたくないという親が多いこと


確かに、低月齢では、血液検査ですべて陰性と判断される例も少なくありません。しかし、皮膚検査(ブリックなど)を行うと、意外と陽性で出る項目が多いです。私の子ども達は皮膚症状があるのにもかかわらず、血液検査ではすべて陰性でした。血液検査を受ける前の診断は、乳児湿疹でした。ただ、その検査実施医療機関の先生が食物アレルギー専門医だったため、その結果を踏まえながら、皮膚検査を実施してくれ、食物アレルギーのあることが判明しました。

それは良かったのですが、二つの検査で陰性もしくはリストに入っていない項目でのアレルゲンが多いことも母乳育児を通して、または離乳・幼児食を進める上でわかってきました。特に、下の子がその典型例で、遅延型が多いようです。先生にも検査ではわからない分、実際に食べさせたり、除去したりをしてみないと、本当にわからないねと言われています。

その遅延型の例です。私が普段よく食べていた食品があるのですが(それでも週に3回前後)、最初は母乳を通じて問題ありませんでした。しかし、ある日から、原因はわからないけど、肛門周囲は赤いし、顔もなんとなく赤いまま。その原因となる食品のことは、頭にまったく浮かばず、他の常食しているアレルゲンを推測して、除去してみたり、食べたりしていました。でも、症状は改善しません。むしろ、悪化していました。そして、ある日、調理法を手抜きしたら、とても強い症状が数時間後に出たため、はじめてその食品を疑い、念のため、生後1ヶ月頃から記録していた食物日誌を見直しました。すると、発症前2ヶ月頃から、それを食べた翌日とかに少し症状が出ていて、日増しに症状が強くなっていたことに気づき、それが原因となる食品だと断定できました。その後、先生の指導のもと、その食品および共通抗原をもつ食品などを完全除去したら、見事に肌の状態は改善し、肛門周囲の赤みもなくなりました。これは私がその症状やアレルゲンに気づかなかったために、慢性的なアレルギーとなった代表例だと考えています。

ただ、実際問題、そういう話をしても信用されなかったり、神経質扱いされることも少なくありません。だから、書籍で遅延型アレルギーが多いという情報がないかなといろいろ模索していました。実用書、専門書を見たけど、遅延型アレルギーの説明はあっても、私の考えにフィットするものはほとんどありませんでした。もちろん、ネット上では、アレルギーで有名な先生の関連サイトには隠れアレルギーのことは書いてありましたが、書籍でその情報を求めていました。

そして、ようやく見つけたのが、以前食物抗原強弱表・関西バージョン&おすすめの入門書で紹介した佐守友仁著、 アトピー増やしていこう「食べてもいいもの」 です。内容も濃く、私の考えや普段の指導を受けている内容ともほぼ同じでしたから、お気に入りにならないわけはないのですが、私の心の中でのランクが急上昇したのは言うまでもありません。

そして、先日届いたレシピ本にもあります。もちろん、その1ページが気に入って、購入をしたわけですけど… 佐藤のりこ著、 アレルギーっ子簡単レシピたっぷり150 です。佐藤さんの著書を医療面でサポートしているのは上記の先生ですが、アレルギーっ子をもつ親が書いた著書に、「かくれたアレルゲンをさがす」という項目で1ページ割かれていることに、私は1人舞い上がって喜んでいます(単純ですが…)。

その著書内にもありますが、低月齢で血液検査の結果が陰性で、ただの乳児湿疹と診断され、通常の離乳の進め方をしたら、どんどん悪化し… その後の検査でひどい結果が出たり…ということは、やはり少なくないようです。

もちろん、私は乳児湿疹すべてがアレルギー・アトピーに結びつくとは考えていませんし、本当に単なる乳児湿疹で終える場合も少なくないと思っています。でも、症状が長引く場合や、症状がなくても両親および兄弟姉妹など家系にアレルギー・アトピー体質がある場合、離乳の進め方はもちろんのこと、母乳育児ならママ側の食生活なども充分に配慮した方が今後の発症予防策になると思っています。

離乳の進め方などのポイントなどは、また次回の機会に…





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Last updated  December 23, 2005 07:24:40 AM
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