とある田舎の喫茶店

とある田舎の喫茶店

2005年06月04日
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カテゴリ: 自作小説
第十話


焔は自分が寝ていることに気づいた。
目を開けると白い光が差し込んできた。
焔はおもわず目をうすめる。

「ほむら!!」

焔は声のした方を見た。
「・・・かんな・・・」
神無月は焔の顔を覗き込んでいる。
神無月は今までで一番の笑顔をしていた。
「ほむら!!やったよ!!私たち勝ったんだよ!!」

「・・勝った・・・?」

「そうだよ!ほむらの考えたとおり自分を攻撃することが正解だったんだよ!!」

その言葉に焔はようやく状況を理解して飛び起きた。
「うそぉっ!!」
焔は神無月の顔を見た。
そして辺りをみる。
どうやらダンジョンの入り口にいるようだ。
たくさんのギャラリーがいる。

「嘘なんかじゃないよ!やったんだよ、私たち!」

その言葉を受けて焔はじわじわと実感が湧いてきた。
おれたちは勝ったんだ・・・イベント「イサ・メリル」をクリアしたんだ!!

「「・・・っ・・やったぁぁーーー!!」」
二人はおもわず抱きついた。

「やったんだ!ほんとうにクリアしたんだ!!」

「うん!」
しばらく二人は抱き合ってはしゃいだ。

二人が喜びを噛みしめあっているとイベント係りのPCがやってきた。
「おめでとうございます!お二人はイベント「イサ・メリル」を見事クリアいたしました!
謎を解き己を討ったその勇気は尊敬に値します。
よってこの『The World』にたったひとつしかないレアアイテム「イサ・メリル」をお贈りさせていただきます」

「アイテム「イサ・メリル」は指輪の形をしたアイテムです。これをつけているものはひとつだけ、武器をその武器のままでパワーアップさせることができます。
具体的には、ステータスの上昇。武器の外見の変化、スキルのパワーアップです。」

PCは手のひらに載せている指輪を前にだす
焔は指輪を受け取った。
ベースはシルバーで、リングを一周するようになにか文字が彫ってある。
文字は現代の文字ではないらしく読むことはできない。

と、虹色の光が文字の部分を左から右へと通り抜けた。

「・・・きれい・・」
神無月はその指輪に魅せられている。

「ほむら、はめてみてよ」

「は?なんでおれが?神無月がはめろよ」

「ダーメ!これはほむらがもらってよ!」

「神無月のほうが絶対似合うって」

「だめ。ほむらがつかって。ほむらがいなかったらこのイベントは絶対にクリアできなかったもん。」
神無月はかたくなに断る。
「そんなこと言ったらそれこそ神無月がいなきゃクリアできなかったよ」

すると神無月はあやすように言った。
「・・・あのね、この指輪は、ほむらとはじめて冒険して二人で協力してとったものなの」

「・・・・」

「わたしね・・今回みたいにだれかと対等の立場で冒険したことってないの。ずっとソロでプレイしてて名が売れちゃったから・・・だからこれは対等の立場で冒険してくれたせめてものお礼」

「でも・・・」

「お願い!わたし、ほむらと冒険して今までにないくらい楽しかった。はじめて会ったときは「私がThe Worldの楽しさを教えてあげる」なんて言ったけど、実際楽しさを教えてもらったのは私なの。だからお願い!受け取って!」

「・・・わかった。ありがたくもらうよ」
焔は神無月に微笑んだ。

焔が指輪を右手中指にはめると自然に指輪が縮まり焔の指にジャストフィットした。
それを見て神無月が言った。
「うん、似合うじゃない!^^」

「ありがとう」
焔は素直に礼を言った。


そのとき炎剣・火猩に変化が起こった。
刀全体、刀身から柄まですべてが熱をもったように紅くなりだしたのだ。
しだいにその色は濃くなっていき、目を細めなければ直視できないほどにまでなった。

そしてついには太陽を見ていると錯覚するほどにまで輝いたとき

刀が発火した。

刀身を火炎が包み込む

火ではなく炎。

ごうごうと炎の火力はまし、ほむらが刀を天にかかげたとき、一気に火力は上昇。
見上げるほどの高さにまで立ち昇る。

神無月はその炎のあまりの熱さであとずさる

焔はというと目を見開いて火猩をかかげている。
所有者は熱が平気なようだ

まわりにいたPCたちも声もだせず炎を見上げている

そして炎が一瞬、今までにないくらいの大きな音をたてた。

瞬間

刀が振動しだす。

それとともに炎が刀身に吸い込まれるように収束していく。

まるでその炎を刀身に封印するかのように。

やがて炎はすべて刀に吸収され、一瞬目もくらむような光を発して落ち着いた。

焔は火猩(ひしょう)をみた。

今まで全体が真っ赤だった刀身は、乱れ刃の部分だけが赤くなっていた。
今までの赤とは違う、触れると触れた部分がとけてしまいそうなほど輝いた赤に。

やいばの部分以外は黒光りして存在感を出している

かつて黄金色だった「鍔(つば)」は光沢を持った黒になっており、円をえがくように刀身と同じ『赤』で文字が刻まれている。
文字は指輪と同じで読むことはできない。

火猩はパワーアップした。


「・・・すげぇ・・・」

焔は火猩をまじまじと見つめる

ためしに振ってみる。

はっきりと赤の残像を残して刀が空間をすべる。

「すげぇ!」
焔は感動のあまり子供のような声をだす

「すげぇ! すげぇよ! これ!!」

神無月も火猩を見つめている
「ほんとにすごい・・・それに・・きれい・・・」

「これがイサ・メリルの力・・・」

「そしてこれがほむらの力になるのね・・・ほむら、よかったね!^^」

「ああ!!ありがとう!」
焔は満面の笑みをうかべた。


――――「うしっ! じゃあそろそろタウンにもどるか!」

「うん!」

二人は感情をつつみかくさないままルートタウンにもどった


―あとがき―

イベント編終了!!
このあとイベントについての考察とかがあります。
イベントの内容としては自分としては満足しています。

火猩のデザインは悩みました。
たぶんセンスは悪いと思いますが自分がいいと思ったらいいのです!(オィ
刀だったら僕は乱れ刃の方が好きかな・・・。
直刃もいいけど自分が想像すると安っぽくなってしまうのでその点では乱れ刃の方が雰囲気がだしやすかったです。

あと刀の変化シーンは難しかった。
そんなのがカッコイイかな?って思って書いたらドンドン浮かんできてその中でいくつかを採用しました。





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最終更新日  2005年06月04日 22時25分15秒
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