好きなのに犬を飼わない理由：２。 | あやしいふるほんやさん：アジアの迷宮

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2002年08月17日

ほんの少しだけ、想像してみる。

生まれてこの方、ふと物心がついてみたら自分が拘束されていて、直径２メートルくらいしか行動の自由が無いことを発見する。
食べる物は、毎日毎日毎日、カロリー、ビタミン、栄養バランスを考えた全く同じ健康食とやらで、選択の余地は無い。
たまに許される外出も決まりきったコースをぐるぐる廻って、数十分から、せいぜい一時間ほど。
野山を自由に駆け巡るなんて、夢のまた夢。

ゆうぐれを駆ける

これって、懲役囚が刑務所で過ごす日常より、もう少し過酷な状況だと思いませんか？しかも、晴れて刑期を務め上げれば自由の天地に開放されるあても無し。無制限の無期懲役と同じこと。けれど、現実の無期懲役刑の囚人は２０年から３０年前後で、仮釈放になるのが通常なので死刑確定囚のように死ぬまで監獄に入っているワケじゃない。でも、その全生涯を拘束されたままの生活は、死刑囚より残酷なものにもなる。だって、少なくとも死刑囚は、死刑になるまでの人生を広い世の中で送っていたワケだから。

ちょっと面倒見の悪い飼い主に出会ったペットは、自分でオリの中や死ぬまで鎖に繋がれた生活を選んだワケじゃない。犬に関して言えば、現代の日本の都会の中で日常を送ると言うことは、かなり不自然な生活と言わざるを得ないような気がする。

ストレスで体調を崩したり、こころを病んでしまうイヌも多い。
ほったらかされたイヌなんて、飼い主の他に、いったい誰が気にかけてくれるだろう。

いったい何処に消えてしまったんだろう？？
悲し過ぎてあまり、想像したくないけど。

一日に一度の散歩だって、「めんどくさいなあ」とか「あ、忘れちゃった」などと済ましているかも知れないけれど、イヌ自身にとっては最高の生き甲斐になって居るかも知れない。全身全霊を込めてシッポを振って、目を輝かしている姿を見れば、普段の退屈極まりない拘束生活がどんなものなのか、少しは覗えるだろう。

もちろん、敷地内や家の中で自由に走り廻ってる、イヌたちだって居るよね。けれども、それも幸運な一部のケースだし、タタミやカーペットの上しか知らない生活と言うものも、決してイヌにとって自然な姿とも思えない。今は、草深い田舎町だって、繋いでおかないと、となりきんじょが口うるさい場所が多い。

チャオプラヤ河近くの路上で

↑日本じゃない、何処かの国の路上で見かけた親子たち☆

こんど、ぼくがイヌを飼うとしたら、彼の一生を見ることになるワケだから、やっぱり鎖につないだ生活だけはさせたくない。彼が不幸せだったら、ぼくだって不幸せになってしまう。

まだまだ気が早いけど、配偶者とふたり。
リタイア生活に入ったら、一年の内数ヶ月以上は、南の暖かい国で過ごそうね、と計画してる。
だって、一ヶ月の生活費なんて、日本でつつましく暮らすほうが、よほど沢山のお金がかかってしまうのだもの。
決して贅沢なんかじゃなくて、生活防衛とこころと身体の健康のためなのだ。
そうしたらやっと、自由に走り廻ってる自分たちの飼い犬の姿が、見られるかも知れない。

徒党を組み、グループ同志で争ったり、恋愛したり（特定のイヌにだけ惚れる、と言う現象は稀ではない）冒険したり、なにげない散歩をしたり、お気に入りの秘密の昼寝場所を確保したり。そりゃもちろん、野放しなりの過酷な体験も多いだろうが。（苦笑）

朝鮮半島や中国大陸だけではない。
イヌを食べちゃう国なんて、ゴマンとある。
こないだも、バリ島の知り合いからのメールで伝えて来た。

『うちでとても可愛がっていた、おばかな飼いイヌが急に行方不明になった・・。（おろかな子供ほど、いとおしい。と言う公式は、ここにも当てはまる、笑）どうも、うしろの家の住人が怪しいのだが、確たる証拠が無いので、追求できずに居る。とても心配だし、淋しくて哀しい・…』と。

波の中から見た夜明け

でもねえ、数十年前までの日本でも、イヌは食用としてけっこう食べられて居たんだよね。実際、栃木県の中央部から北部にかけて、ついフタ昔ほど前には「赤イヌは美味しい」というのは通説だったし。周りのお年寄りに聞けば判るけど、そんなに珍しいほどのことでは無かったんだ。大昔ではなくて、ちょっと前の昔のオハナシ（笑）

《注意！》ここに書いてあることで、愛犬家のみなさんの中で、腹立たしく思われる方もいらっしゃるかも知れません。これは、ＨＰの中で未熟な一個人の感想を述べているものなので、自分の言ってることすべてが正しいとか思っているワケでもないこと、お断りしておきます。

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