突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2009.04.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 次の日の朝、目を覚ましたエリダヌスは、枕元にカノープスとスピカが立っているのに気づいて目を丸くした。

 そのとたんスピカが、エリダヌスにすがりついて大声で泣き出した。
「エリダヌス! 本当に、本当に生き返ってくれたんですね! ああ、夢みたいだ!」
 カノープスも、エリダヌスの手を握りしめ、涙で声をつまらせながら言った。
「エリダヌス、あなたは一度神さまの御許に旅立ってしまわれたのですよ。 いくら呼びかけても、もう私たちの声に答えてくださらない、微笑みかけても下さらない、冷たい骸となってしまったあなたを前に、私たちは、天を仰ぎ、地を叩いて、どんなに嘆いたことでしょう。 私たちもいっしょにお連れくださいと、どんなに願ったことでしょう。 私の命と引き換えに、どうか姉さまを返してくださいと泣きながらお祈りしていたら、フォーマルハウトさまに怒られてしまいました。 神さまはきっとエリダヌスを返してくださるから、自分の命で取引しようなどと考えてはいけない、と」

 カノープスの後ろから、そのフォーマルハウトが、ひょいと明るい笑顔を見せた。
「だってそのとおりでしょ? エリダヌスさまは、カノープスの命と引き換えに生き返ったって、お喜びにはなりませんよ、ねえ? ・・・それよりも、カノープス、スピカ、お2人とも、ほら、早く、エリダヌスさまに嬉しい報告をなされば? きっとエリダヌスさまもますます元気が出ますよ」
 スピカが、泣き笑いの顔をぱっと上げた。

 カノープスも、握りこぶしでごしごし涙をぬぐいながらうなずいた。
「私たちは今日これから、修行道場の師範総代、ダルシャナさまのところへごあいさつに上がることになっているんです。 エリダヌスも早く私たちといっしょに修行できるように、お元気になっていただかなければ」

 この言葉に嬉し涙がこみあげてきて、エリダヌスは2人を力いっぱい抱きしめた。
「カノープス、スピカ、それはおめでとうございます! 2人とも今日からはこの神殿の修行者。 気持ちを入れ替えて励むのですよ。 私も、早く元気になってあなたたちに追いつけるようがんばります。 今のお話を聞いただけで、急に元気が出てきました」

 フォーマルハウトがくすくす笑いながら、カノープスとスピカの肩をたたいた。
「さあさあ、お2人とも、そんなにエリダヌスさまにしがみついては、エリダヌスさまの傷に障ります。 今日はそれくらいにして、お2人とも、そろそろお部屋に戻って、ダルシャナさまにごあいさつに行く仕度を整えなさい」

 名残惜しげに何度も何度も後ろを振り返りながら部屋を出て行った2人の後に続いて、部屋を出て行こうとしたフォーマルハウトが、ふと立ち止まり、エリダヌスを振り向いた。
「そうそう、カノープスとスピカにも言ったのですが、この国は、外では『ゴルギアスホロー』と呼び慣わされていますけれど、実は、この国で暮らす私たちは、その名前、あまり好みません。 それは、広大で豊かだったこの国を事実上滅亡させ、こんな貧しい小国にまで枯渇させてしまった愚かな破壊王ゴルギアスが、自ら称したにすぎない厭わしい国名なので。 私たちは今もこの国を、ゴルギアス以前の、慈しみ深くご聡明であらせられた偉大なリュキア王の御世のままに、畏敬の念をこめて『リュキア』と呼んでいます。 したがって当神殿も、リュキアさまがご信奉くださったころからずっと変わることなく、『リュキアの神殿』の名で通っているのです」





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最終更新日  2009.04.16 21:09:47
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