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2011.01.29
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カテゴリ: カテゴリ未分類

 家に着くとアルデバランはすぐに、いそいそ嬉しそうに短刀の包みを開き始めた。
 アルクトゥールスは、幸せな気持ちでそれを眺めながら言った。
 「じゃ、アルデバラン、今夜はそれを持って、一緒にゾーハルの酒場へ行くんだぜ」 

 アルデバランがきょとんとした顔を上げた。
 「酒場に? なんで?」
 「だから言ったろ? おまえの指南役をあいつに頼みに行くのさ。 あいつ、仕事のない日も酒場には来てるんだ」

 ああ、と、興味なさそうにうなずいて、アルデバランは、取り出した短刀の切れ味を試すように、指先で刃を触ってみたり、爪の先をちょっと刃先に当ててみたり、熱心に調べながら答えた。 

 「指南番なんて頼まなくていいよ。 この短刀だったら、俺、教わらなくたって使えるもの」

 「そういうわけにゃいかねえよ、野菜を刻むんじゃないんだぜ。 その短刀を剣みたいにかっこよく構えて、かっこいい立ち回りをして、相手の肝をつぶしてやるんだからさ」

 「そんなこと、いくら教わったって俺にはできないって! いいから、この短刀は俺の好きなように使わせて!」

 そう言うとアルデバランは、短刀を鞘におさめ、大事そうに懐に突っ込んで、アルクトゥールスに満面の笑みを向けた。

 「それじゃ、兄ちゃん、俺、ちょっと出かけてくるよ。 昨日カペラがまた、ロゼットさまのお屋敷で、大量に野菜の注文を引き受けてきたんだ。 みんな張り切っちゃって、朝早くからラムの畑の手伝いに行ってるから、俺も行ってくる。 みんなにうんとおいしいもの作って食べさせてやるつもりだから、今日は帰りが遅くなるかも。 ・・・兄ちゃん、短刀ありがとう! さっそく使わせてもらうね!」

 嬉しそうにそう言うと、アルデバランは、一目散に表へ飛び出して行った。

 なんか変だなあ、とアルクトゥールスはちょっと首をかしげ、元気よく走り去っていくアルデバランの後姿を見送った。 

*        *        *



 しかたなく、アルクトゥールスは一人でゾーハルの酒場へ出かけて行った。

 アンタレスは、いつものテーブルで、いつものように酒を飲んでいたが、アルクトゥールスを見ると、ちょっと笑って言った。
 「アルクトゥールス、どうした? 昨日、弟に話をしてくれとか言っていたが、連れてこなかったところを見ると、話はうまくまとまったんだな? ちゃんとした指南役をつけてやることに決めたか?」

 アルクトゥールスはがりがりと頭をかき、カウンターの中のゾーハルに酒を注文すると、アンタレスの前の席に腰を下ろした。
 「それがさ・・・あいつの考えてることはさっぱりわからねえんだよな」 






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最終更新日  2011.01.30 19:48:15
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お久しぶりです。  
千菊丸2151  さん
何だか少し雲行きが怪しくなっていくような気がいたしますね。
アルバラン、何か隠しているんだろうか? (2011.01.29 21:29:22)

アルクトゥールスの...  
風とケーナ  さん
気持ちを察しているアルデバラン、
懸命に穏便にこの場をいなしながらも、
アルデバラン自身としての意志も
貫いていこうとし始めているのが伝わってきます。

エリダヌスちゃんのイラスト、とても愛らしいですね。
今にも生き生きと動き出しそうです!

(2011.01.29 22:42:35)

千菊丸さま、ありがとうございます!  
うわーまさに千菊丸さまのおっしゃるとおり、
いよいよ(やっと?)二人の兄弟げんかが
始まりそうな気配です。

アルデバラン、
本当は自分のやりたいことが別にあるのに、
それを、大好きな兄に、
なかなか言い出すことができずにいます。

アルデバランの真意が、
まもなくバレます。..._(((`_´;)ノ (2011.01.29 23:17:34)

ケーナさま、ありがとうございます!  
思い悩んでいるアルデバランの気持ちを
こんなに鋭く察していただいて、
さらに、おおらかに受け止めていただいて、
ふろぷしー、自分のことのように嬉しいです!

マオさまのエリダヌスちゃん、かわいいよねー!!
エリダヌスは、実はリュキアに来ることが決まる前、
ハザディルの神殿で、
神様に供える花を育てる花園の、
番人になりたいと思っていたんです。
そんな話は全然したことがなかったのに、
この鏡の中のエリダヌス、花園に立っているようで、
とっても不思議で、嬉しくなりました。
ちょっと寂しげな表情に、胸キュンです(*´艸`*)♪


(2011.01.29 23:34:29)

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