「闇屋になりそこねた哲学者」
木田元 2003/01 晶文社 単行本 212p
No.947 ★★★☆☆
「反
哲学入門」
が面白かったので、つい著者の伝記にあたるこの本を読んでみたが、ご本人は割りと真面目な方で、「闇屋」の手伝いをしていたなんて期間は、戦後のほんの数年間だけだ。むしろ、この人、ホントに「闇屋」になって、アウトローの人生を送ったほうが、本当の「哲学者」になったのではないかしらん、と思ってしまった。
「近代の哲学書の文体はカントのあたりで大きく変わります。それはなぜでしょうか。近代哲学を担う哲学者の職業が変わるからです。カント以前の近代の哲学者に大学の先生はほとんどいませんでした。」
「反哲学入門」
p151などとおっしゃるから、よほど面白い人生かな、と思ったが、ちゃっかりご自身も大学の先生になっていたのだった。
70
年前後は、スト対策の係りとして、大学内で学生と対峙していたらしいから、場所や時間がクロスしていたら、こちら側からは、あまり好きになれない人物だたかも知れない。いずれにせよ、この「伝記」においては、なんとおっしゃるにえよ、劣等性をよしとして人生を送ってきたこちらの身としては、なんとも「エリート臭」に悩まされる嫌味な本といえるかもしれない。
ただ、上には上があるものだから、いわゆる哲学者という職業の中にあっては、すこしは変り種なのかもしれない。彼の出身が隣県であったり、大学名も知っているところが次々でてくるので、割と親近感を持って読むことができた。哲学とは何か、再考するひとつのチャンスにはなった。
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