「聖なる共同体の人々
坂井信生 2007/10 九州大学出版会 単行本 218p
Vol.2 No.0004 ★★★★☆
ハッタライト、メノニータス、なんて言葉を聴いたって、なんのことやら見当もつかない。どうやら聖なる共同体という言葉や、アーミッシュという言葉で、なにやら、数百年前のヨーロッパ文化を保ち続けている農業共同体、に近いものであろう、とイメージするあたりにとどまる。
アーミッシュについては、たしか徳井いつこ 「アメリカのおいしい食卓」 でも触れていたし、 奥野卓司 もどっかで、アーミッシュ共同体を訪問したことと、自らの情報人類学というカテゴリのつながりについて書いていたと思う。あるいは、この一年以内のことだったと思うが、なにかアーミッシュ共同体のなかで殺人事件がなにかがおきて、突然ワイドショー的にアーミッシュの人々が紹介されたことがあったことも思い出した。
この本、たぶん、珍しい本に属するのではないだろうか。アーミッシュ文化が日本で紹介されることはそれほど多くなかったと思う。ましてやこの本は日本人の研究者の手によるものである。この本にたくさん登場する、当地の人々の多くの写真は、一枚を除いてすべて著者の撮影によるという。
日本のハッタライト・大輪コロニーp135などについての記述は、へぇ~という感じで、びっくりした。日本にもそういう動きがあったのか、と驚くが、やはり日本のものはスケールが小さい。「共同体」というだけなら、われらが 島田センセイ の飯のタネ「山岸会」などもあるし、玉川信明 「評伝 山岸巳代蔵 」 などでも、その一端がレポートされている。
しかし、数百年続いているということや、キリスト教・再洗礼派(どういうものか知らないが)の流れを汲んでいて、当時の文化を保守的に守っているという意味では、日本の「きょうどうたい」や他のコミューンうんどうとは一線を画している。宗教社会学的(どうでもいいがw)には「セクト」に分類されるという。
どことなく フィンドフォーン のことを連想しないわけではないが、「ニュー」エイジ、という言葉の対比でいえば、こちらは「オールド」エイジで、かたくなに保守的文化を維持し続けているといえる。維持するための方策も考えられており、また数百年の実績がある。
この人々が真に「聖なる共同体」の人々なのかどうかは、やや疑問だが、人間とはこういう生き方をすることもありうるのだ、という意味では、とても興味深く読み進めた。
昭和の玉手箱 2008.08.26
古伊万里 見る・買う・使う 2008.08.26
マンダラ事典 <1> 2008.08.26
PR
Freepage List
Category
Comments