「インド学密教学論考」
宮坂宥勝 1995/11 法蔵館 単行本 575p
Vol.2 No.298 ★★★☆☆
こちらの本は、なんと税込21000円也。このような本をネットで公開して欲しい、なんて寝言を言っているほうがどうかしているのかも知れない。すくなくとも、このような本が出来上がってくる経緯に感謝し、しかもその内容を提供されたなら、その義に報いるような、読者に、まずはならなくてはならないのだろう。いまのところは、恩知らずの恥知らず、世間知らずの自分を痛感するのみ。
こちらは 「さらに深くチベットの歴史を知るための読書案内」 のなかの「チベット仏教(密教)の全体像を理解するために」に分類されている。なるほど「ゴータマ・ブッダという人」から始まって、「インドにおける無神論と有神論」、「『大日経』にみえるインド哲学思想」、そして最終章では「弘法大師空海請頼の梵字真言について」へとつながっていく。必ずしも「チベット仏教(密教)」だけということではないが、俯瞰的にその流れを理解できるようになっている。
全体の流れというものは、知らず知らずのうちに「なんとなく」理解しているつもりになっているのだが、それはそれ、どこにその根拠があるのかわからなくなっていることもかなりある(いやほとんどそうだ)。心機一転、このような本で自らの知識をブラッシュアップするのもいいかも、なんどと辛勝な気持ちをもつことは可能だが、漢文やら横文字(サンスクリットやチベット語の英語表記?)が目に飛び込んできて、鬱勃たるパトス(のように見えたのだが)も、いっぺんで萎えてしまう。
しかし、分からないところを、飛ばして飛ばして、目を通してみると、なるほど読めないこともないが、それでは、いままでとおんなじジャン。このような本は、部分的にでもいいから、とにかく落ち着いて精読しなくてはダメだな、と痛感。
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