「マイトレーヤ」
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The buddha lord maitreya.
OSHO スワミ・アナンド・ヴィラーゴ 1988/3 瞑想社 地方・小出版流通センター
「高僧謁見記」 VISIT TO TIBETAN MONASTERY その3
ラマたちは祈りを始める際に、特殊な種類のお香を使います。彼らは香りも瞑想においてとても重要な役割をはたすと信じているからです。香りにはそれぞれ独自の効果があって、もし特定の種類の効果が欲しいなら、特定の種類のお香を使わなければならない、と信じているのです。たとえば、もし自分の心を鎮めたいなら、そのときにはある特定の種類のお香を使うことが必要とされます。あるいはもしあなたがある魂たちと接触し、ある魂たちを導きたいとすれば、そのときには特別の種類のお香が使われ、特別の真言(マントラ)が唱えられなければなりません。彼らにはそういうことに関する完璧な科学があります。
ですから、ラマたちはすべてこの祈祷室に来て坐らなければなりません。彼らは、声高々と祈るとき、その振動(ひびき)が特別なパターンを形成することができるように、お互いに背中を合わせたり、また互いに顔を向け合って、列をなして坐ります。
そこには、200ルピーあるは250ルピー以上かかる特殊な型の使い古した鐘があります。彼らはそれらの鐘を特殊な金属からつくります。7つの金属を合金にして、それらが特別な種類の振動を発することができるようにつくり上げるのです。彼らはこの科学に関しては非常に深い研究をしてきました。朝になると、聖下は特別な儀式のためにだけ、おでましになります。それから、彼の臨席のもとに、僧侶たちは特別な種類の真言(マントラ)を、特別な唱え方で唱えなければなりません。
さらに奥のほうへと入ると、どんな目的を要するかによって別々の祈りが行われる礼拝室がいくつか別にあります。ある祈りは、死者の魂を導くために行われます。チベットでは、この世を去った魂たちは導かれなければならないと信じられているので、彼らは人間の魂をその人が息をひきとるまでに導き、さらには死後にはそのひとの来生にとってふさわしい子宮を選ぶのです。これを、彼らは中有の過程(中陰の期間)と呼んでいます。その科学に精通した特別なラマたちがいて、彼らだけがその特別の礼拝堂のなかへ入ることが許されています。彼らは、特定の時間に、この世を去った魂たちが正しく導かれるように特定の真言(マントラ)を唱えなければなりません。ふつう、彼らは彼ら自身の亡きラマたちの魂を導きます。来世でさらに深い修行に呼び戻すために・・・・・。そのようにして、多くのラマたちが幾多の誕生を通して、彼らによって訓練されてきました。そして僧院には、聖下のおられる部屋がひとつあります。
基本的に、ラマたちは二つの異なる実習の体系をもっています。第1は祈り---真言(マントラ)の詠唱やそのたぐいのこと---、もうひとつは瞑想です。彼らは、完全な出家をしないかぎり、だれにも、僧院に住んだり入門したりすることさえ許しません。この出家とは頭をきれいに剃り、特定の種類の衣を身にまとい、特定の種類の食物を食べ、特定の切り方で髪を切り、ある期間完全に隠遁することです。その期間中に、彼らはあなたになにを為すべきかを指導します。それを通過してはじめて、あなたは僧院にとどまる資格を得るのです。さもなければ、資格は得られません。
祈りのあと、彼らは、あなたの能力しだいで、あなたがどんな種類の瞑想をすべきか、どんな慣習に従うべきか、そしてどんなことを学ぶべきかを教えます。彼らには、自分だけではなくほかの人々をも助けるために学ばなければならない、別の超自然科学があります。たとえば、人間の霊光(オーラ)を知る科学です。これによって、あなたは即座に、ある人がどのような種類の人間であるかを知ることができます。その人が誠実であるかどうか、真実を言っているかどうか、瞑想の道の途上にいるかどうか、進歩しているか退歩しているか・・・・・。彼らは、こういったことすべてを、人間の霊光(オーラ)の磁場の色によって知ることができるのです。
彼らが学ばなければならないもうひとつの超自然科学はテレパシーです。これによって、あなたは人々の思念を読むことができるのです。
そして、第三のものは透視力---遠く離れたところから自分の思念によって人々を導くことのできる科学です。これらが学ぶべき3つの科学には、そういったことを実現するために違う種類の瞑想があります。
こうして、チベット人たちは彼らの超自然科学をすべて極秘にしてきたのです。その理由はただ、現今では私たちは唯物的な世界に生きていて、人々はどんなものからでも金を儲けようとしている、と彼らが感じているからです。だから、彼らはこういった秘密を明かしたくないのです。
ひとたび人が僧院のなかに入りこんだら、その人は死ぬまでそこにとどまらなければなりません。その人は死なないかぎり、僧院から外へ出ることはできません。さもなければ、彼はチベット人たちのところから完全に立ち去らなければならないでしょう。ひとたび彼らに所属したら、その人は一生にわたって、後生のすべてにわたって、それどころか自分が仏の境地を達成するまで、彼らに所属するのです。彼らはその人をすべての生において教育しつづけ、つねに他者の霊魂を導くことを知っている僧たちを呼び戻します。僧たちは彼らを導くためにそこへ帰り、その魂たちはつねに導かれます。来世においてふさわしい誕生を得るために---。そのようにして、彼らの霊的な訓練は何生にもわたって続きます。一般に、彼らは特に領解した魂たちを自分たちの集団からひとりも脱出させないように努めます。ところが、領解してしまうと、彼らはその魂たちを統制できなくなるのです。
Oshoに関して、聖下は言いました。光明を得たあとでは、もし光明を得た魂が自分自身の選択によって自分たちの仲間以外のどこかに再臨するとしたら、それをくいとめることはできない、と。Oshoの場合は過去世において自分たちとともにいた、とラマは言うのです。彼は私にこう語りました。
「Oshoは過去世に神性の化身として何回か現れたが、そのうちの一つの生ではチベットにいた。もし彼を見たければ、あなたはチベットに行って、そこで神堂のなかに保存されている彼の黄金の像を見ることができる」
Oshoのひとつ前の誕生は約700年前に起こったと言われています。聖下は、それよりもうひとつ前に起こった誕生のことに触れたのです。彼は、Oshoは現在の生から二生前の生においてそういう偉大な化身たちのひとりで、それゆえに彼の像が保存されているのだ、と言いました。
チベット人たちは、光明を得た者の肉体を特別の流儀で保存します。ちょうどエジプトでミイラが保存されるように・・・・。死体は特殊な処理をほどこされ、それによって死体は乾燥されます。乾燥されたあとも、それは死の時点からその人本来の特徴を失うことはありません。次に、その処理がほどこされたあと、彼らはその体を金細工師にあずけて、それを黄金で覆い、黄金で包まれた体に仕上げます。体はこの処理のために、仏陀の座っている姿勢---蓮華座(パドマーサナ)---の状態に置かれなければなりません。そのあと、彼らは体を黄金で包みこむのです。目鼻立ちひとつでさえ変わらないようにこれをする、専門的な金細工師たちがいます。
チベット人たちは、占星術の科学を知っているので、多くの聖者や聖像をひろい出すことができました。その結果として、彼らは未来を予知することができるので、これからなにが起こるかを前もって知っています。それゆえ、彼らは中国共産主義者の侵攻について、それが来るはるか以前に知っていて、像でもなんでも模造することができたのです。
本物の黄金の像がチベットのどこかに隠されています。ある人々だけが、深い瞑想に入っている人々だけが、それについて知っています。Oshoもそれについて知っています。深い瞑想に耽る人たちは、どこにそういうものが隠されているか、知ることができます。偽物の模造品だけが、中国人たちが破壊できるただの見せものとして、目に見えるところに置かれていました。チベット人たちは彼らがあるものを破壊したがるのを知っていたからです。
聖下によると、チベットにはこのような偉大なる神の化身たちの黄金の像が、99体あります。それらのうちのひとつが、二生前のOshoの像です。中国人たちはまだそれを破壊していません。できないのです。なぜなら、これらの像はチベットの人里離れた場所に移され、極秘のうちに隠されているからです。
本物の像が移されたのは、これらの像が強力な、超自然的な力をもったものだからです。もし誰かがそれらにちょっとでも触れようものなら、その人には強烈な霊的な体験が起こりかねません。だからそれらが保存されている部屋のなかには、たとえ僧たちでさえ入ることは許されません。特別な人々しか許されません。なぜなら、これらの像に触れるだけでも強烈な反応を受けるからです。
私は、なんであれ、聖下が語りたいことに、ひたすら耳を傾けたいと思いました。だから、私は彼の言うことを、彼の応答を、ただ聴きつづけました。私はただ、あたかも失ったものが見つかったかのように、彼がすべてのことにとても喜び、とても興奮しているのを見ました。彼が示してくれたこの興奮や彼の身振りをみて、私は彼が過去にOshoと親しかったにちがいないと気づくことができました。彼は、自分とOshoの霊的関係がどのようなものであるか、とりたてては言いませんでした。私も、好奇心はあったのですが、彼にたずねたいとは思いませんでした。それは、私にとって、予想だにしなかった興味深い、特異な体験でした。
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