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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.11.22
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カテゴリ: 文芸
『アフターダーク』 を読んだ後は、
 いよいよ『1Q84』を読み始める予定だった。
 ところが、その前にヒョイッと手にしてしまったのが本著。
 村上さんの代表作について、文芸評論家の清水さんが書き記したものである。

 ところが、本著の始まりは 『アンダーグラウンド』 について。
 その時点で、私はまだそれを読んでいなかったし、読む予定もなかった。
 なのに清水さんは「序」において、その作品が村上さんにとって


と言うことで、本著を読むために『アンダーグラウンド』を読み、
さらに 『約束された場所で』 を読むことになってしまった。
随分時間がかかったが、この二冊を読み終えて、
本著を読んだことはとても大きな意味があったと、今では思える。

これまでにも、村上さんの作品について述べたものとして、
『村上春樹にご用心』 『謎とき 村上春樹』 を読んだが、
本著ほど、各作品を深読みし関連付けて、村上ワールドを語っているものはなかった。
そう言う意味で、本著は村上作品に対する新しい視点を私に与えてくれた。

しかし、ちょっと深読みが行き過ぎて、作品そのものを楽しむというよりも、

もちろん、そこで著者が述べていることの多くは、至極妥当なものだとは感じるが……
そんな中、次の記述は、私をノスタルジックな感慨に浸らせてくれるものだった。

  60年代はまだ日本は貧乏な発展途上国だった。
  舗装されていない道路がいっぱいあったし、食べ物の種類も娯楽も少なかった。
  田舎は田舎らしかったし、庶民は庶民らしく、学生は学生らしかった。

  それが私たちの世代にとって脳裏に刻まれている日本の原像なのである。(P.151)

著者は私よりは世代的に上の人物ではあるが、
この文章に描き出された日本の姿は、私の記憶の中にも確かに存在する。
なのに、それを知る者の多くが、普段そのことをすっかり忘れ去ってしまっている。
そして、何か大切なものを、そこに置きざりにしてしまったような気がする。





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Last updated  2009.11.22 14:52:54 コメントを書く


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