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2008.08.05
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ここ3ヶ月ほど読書記録の作成をサボっていましたが、その間にも実は結構本を読んでいたりします。

まあ、どんなものを読んだかざっと書いてみますとこんな感じです


・ 児島襄『平和の失速―大正時代とシベリア出兵』(文春文庫) 全8冊

大正時代については漠然と「大正デモクラシー」のイメージで語られることが多く、かくいう私もそんなに詳しくは知らないのですが、本書には大正年間の国内政治、外交交渉、世相などが時系列で丁寧に書いてあり、大正時代の大まかな流れを網羅的に描いているという類書が無いものなので一度読んでおいた方がいい本だと思います。

とにかく分量が多いのが難点といえば難点なのですが、大正時代の概観をつかむ為にいろいろな本を探して読み比べ、つなぎ合わせる作業をすることに比べると、どう考えても本書を読んでしまったほうが手っ取り早いでしょう。


この本の中で重用されているのは原敬、山縣有朋、牧野などの日記類
あと、なぜか新聞の引用については東京朝日新聞が多いのは目立つところかな

あと、大井成元って軍事参議官にまで出世していて重要人物なんですけど、あまり研究されていないらしいですねぇ。

また、原敬暗殺の背後関係に関してはもう少し突っ込んで調べてほしかったですね。


・ 藤木久志『土一揆と城の戦国を行く(朝日選書)』(朝日新聞社)
・ 藤木久志『雑兵たちの戦場―中世の傭兵と奴隷狩り』(朝日新聞社)

下のほうは新版が出ているのですが古本で買ったので旧版



というわけで典型的な左翼学者―主体思想研究とマル経で有名な立教大学の名誉教授、当人に限ってみても護憲派―なのですが、少なくとも本を読んでいる限りではマル歴独特の妙な用語の使い方とかもしないし、牽強付会に疎外論や階級理論に話を持っていくことも無い、という意味ではとても常識的な論理展開で面白い本。

(でも朝日だから買わない。さんざん罵倒し続けた「論座」の廃刊が本当に嬉しくて…)

著者には全くその意図はないと思うのですが、中世から近世へ、戦乱から安定への移行に関する豊臣秀吉の功績の大きさを認識しました


そういえば、戦前は織田信長より豊臣秀吉の方が偉大だという考え方が主流だったみたいです(徳富蘇峰はこの点では少数派だったらしい)。織田信長は概ね日本人しか殺してないから占領軍が意図的に祭り上げたに過ぎない、と知人の研究者が言ってましたね…


この著者、反欧米、反キリスト教だからかどうかわかりませんが、キリシタン大名が火薬ほしさに日本人を奴隷として売り飛ばしていたとか、豊臣秀吉のキリシタン弾圧はそういう人身売買をやめろと警告した上でやめないので実施したものだ、とかいう事実を書いたら、本人も予想していなかったことに反米保守や右翼から絶賛されてしまって迷惑しているという愉快な状態になっている人。

でも内容的には面白いし、しっかりしている本でした。


マーク・リーブリング著 田中昌太郎訳『FBI対CIA―アメリカ情報機関 暗闘の50年史』(早川書房,1996)


ハードカバー2段組で600ページ近い大著。
これもとても興味深い本でした。原注と参考文献が翻訳時に省略されてしまっているのが惜しい。

フーバーの強烈な個性と採用方針により確立されたFBIの質実剛健な組織風土が、当初よりディレッタント的で高学歴者優遇のCIAとの間での軋轢の一因となり2つの機関が対立する様相

あとは、お決まりの縄張り争い

そうした対立に政治がからんで更に複雑化し、更にはもっと根本的なところでは防諜に関する両者の基本的な考え方の差があるのでやはりそこでも対立



学術書ではなく、ジャーナリスト的な書き方なので読みやすいほうなのですが、読んでいて考え込むことが多く時間のかかる本でした。

ソ連の崩壊自体がKGBによる諜報(宣伝)工作、という指摘は昨今のロシア事情を注視していると気味が悪いものがあります。

ゴルバチョフを擁立したのはKGBですし、共産党はなくなりましたがKGBは名称だけ変わって今も健在です。


ケネディ暗殺は、カストロ暗殺を仕組んだCIAがキューバがらみの人脈を逆用されたものでそれゆえに情報公開できない、とかBCCI事件ではイラクに核兵器開発用資材を販売する商社にはCIAの工作員が要所に潜入していて、おかげでイラクがいつ原子炉を稼動状態に出来るか、どこにどのような核関連施設があるかを全て米国側は把握していたから後に正確な攻撃が出来た(同時にBCCIの捜査でこのことが明らかになるとイラクの核開発状況が把握できなくなるので困る)とか、いろいろ面白いことが書いてあります。


以上は、今のところ読書記録を書くつもりが無い本(というか手に余る本…1冊に1ヶ月かかるかも知れません)




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最終更新日  2008.08.06 20:56:08
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