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2020.08.21

「殿様の通信簿　上」（磯田道史著）

テーマ：読書備忘録(1488)

カテゴリ：【読書Memo】

書名：殿様の通信簿　上
著者：磯田道史
発行所：社会福祉法人　埼玉福祉会　２０１６年６月１０日初版
判型：Ａ５判　２３０ｐ

　久しぶりに磯田道史氏の本が目に付いた。今日も一気読み。古文書から読み解いた江戸時代のお殿様の赤裸々な姿が書かれている。
　徳川光圀・・・ひそかに悪所通い、酒宴遊興甚だし。というから女色に耽っていたのは確かだが、文人や芸能の人脈を拡げていたようだ。
　浅野内匠頭・・・女色好み、忠臣蔵の美談とはほど遠い。吉良は「高家」として浅野を田舎大名と蔑み、池田封じで赤穂城を築城した浅野は「城持大名」の誇りで互いに一歩も譲らず人情に及んだ。大石内蔵助は内匠頭が女色で政務を家老の大石にまかせっきりだったので藩をまとめなれていたので吉良邸討ち入りが指導できた。
　池田綱政・・・子沢山、７０人。父光正は戦国大名の気骨、子の綱政は公家の雅に憧れ、京女を侍らせ一大ハーレムをつくった。江戸時代の光源氏だった。７０人も子供を産ませるというのは凄い。
　前田利家・・・秀吉が家康への抑えとして見込んだ男が利家。奥方は恐妻家まつ。利家の主君は死ぬまで織田信長だった。信長教の信者は明治天皇へとつながる。

２代利長に子がなく利長の眼鏡にかなったのがお猿と呼ばれた「利常」だった。お猿から犬千代になる。まつＶＳちよの女のバトル、最期はちよの勝ちというところだ。
　しかし大名の仕事は昼は政務、夜は子孫繁栄、昼夜を問わずがんばっていたんだ。

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