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2021年12月28日
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カテゴリ: ニュース
石原伸晃氏が内閣官房参与を辞任した経緯について、11日の毎日新聞は次のように報道している;


 石原伸晃内閣官房参与(64)は10日、自身が代表を務める政党支部が新型コロナウイルスの影響を受けた事業者を対象とする雇用調整助成金約60万円を受給し、党内外から批判されたことを受け、参与を辞任した。石原氏は岸田文雄首相に近く、今月3日に参与に起用されたばかり。わずか1週間で辞任に追い込まれ、首相の政権運営に痛手となった。

 首相は10日夜、首相官邸で記者団の取材に応じ、石原氏から電話で 「公正な手続きにのっとった受給だが、首相の職務遂行に迷惑をかけることは本意ではない」 と辞意を伝えられたと説明した。その上で「私も混乱が生じることは国民に申し訳ないので、了承した」と述べ、10日付で参与辞任を認めたと説明した。

 東京都選挙管理委員会が公表した政治資金収支報告書によると、石原氏が代表を務める自民党東京都第8選挙区支部(東京都杉並区)は2020年4~5月に「雇用安定助成金」の名目で計60万8159円を受給した。 コロナで減収した事業者のための助成金を政治団体が受給することを疑問視する声 が上がっていた。

 石原氏は自民党幹事長や国土交通相を歴任。首相の盟友として知られ、9月の党総裁選では首相を支持した。10月の衆院選で落選したが、今月3日に観光立国担当の内閣官房参与に任命されていた。石原氏の起用を巡っては「身内の救済だ」などと批判が上がった。

 内閣官房参与は首相に政策などを助言する非常勤の国家公務員。首相は10日、石原氏を参与に起用した判断について、記者団に「選挙の結果はあると思うが、コロナ禍で課題である観光分野での(石原氏の)経験に鑑みて、力を貸してもらいたいとの思いだった」と述べた。
【川口峻、伊藤直孝】


2021年12月11日 毎日新聞朝刊 13版 1ページ 「石原・内閣官房参与 辞任」から引用


 同じ日の同紙2ページには、次のような詳細な記事が掲載されている;



◆「感覚、非常識」「制度も問題」

 石原氏の参与辞任のニュースが伝わると、受給に対する批判が広がっていたツイッターでは「当然だ」との反応が相次いだ。

 「持ちこたえられず廃業している方が多くいるなか、申請しようと思う感覚が非常識」など厳しい声が目立ち、岸田首相に対して「任命責任と説明責任は残る」との指摘もあった。

 コロナの問題に対応する雇用調整助成金の特例制度は、 営業時間短縮などの事業縮小を余儀なくされた事業者を支えるために昨年創設された。直近1ヵ月間の売り上げが前年比5%以上減るなどした事業所が対象 で、休業手当を支払った費用分として1人1日最大1万5000円を支給する。

 埼玉県蕨市のおしぼりレンタル会社「東京すずらん」は飲食店からの注文が減ったあおりを受けて、昨年3~11月に制度を利用した。池ノ谷幸枝総務部長(49)は「助成金のおかけで雇用を維持できた」と振り返り、施策を決める立場の政治側が支給を受けたことに厳しい目を向ける。 「税金なので皆が納得できることが大切。辞任以外に信頼を回復する手段はない」

 東京都中野区のバル「roji」の店主、蟻塚純さん(39)も従業員3人の雇用を守るために制度を利用。「制度がなかったら店は潰れていたが、申請を通した制度自体にも問題があったのでは」と疑問を投げかける。

 東京労働局は 支給要件を満たせば政治団体も対象事業所に含まれるとしており、石原氏の団体も取材に「適正に申請し、審査いただいた」と答えている。 だが、政治資金に詳しい神戸学院大の上脇博之教授は「多くの国民は政治団体が対象と思っていなかったはずだ。まずは自民党本部から支援を受けるべきで、経営が本当に苦しい中小零細企業と同じだとして助成金を手にしたなら国民が怒るのも当然だ」と指摘する。

 1990年の初当選以来、支援してきた90代男性は「クリーンな政治家だと思ってきたから、驚いている。参与になったことを素直に喜んでいたのだが、辞任はやむを得ない」と落胆した様子。自民党の杉並区議は「国会議員として一生懸命に活動してきたのに残念の一言」と語った。
【井口慎太郎、佐藤英里奈、三上健太郎】


2021年12月11日 毎日新聞朝刊 13版 2ページ 「『感覚、非常識』『制度も問題』」から引用

 私は石原伸晃氏を擁護するつもりではないのだが、毎日新聞のこういう報道の仕方には疑問を感じます。ここに引用した記事の前半を読めば、コロナの問題に対応する雇用調整助成金の特例制度は「営利事業を営む事業所がコロナの影響で売上げを減少させた場合にのみ適用される制度」であるかのように表現して、「そういう制度を政治団体が利用するのはおかしい」という世論に迎合している。しかし、実際は記事の終わりのほうに書かれた東京労働局のコメントが示すように、政治団体であってもコロナの影響を受けたと認定されるのであれば、この制度を利用できると法律に定めてあるわけだから、もし「それが、おかしい」というのであれば、法案審議のときに議論して「ただし、政治団体は除外する」とでも明記するべきであったのだ。しかし、現実には、例えば政治団体に勤務する子育て中のシングル・マザーが子どもを預ける保育園で新型コロナのクラスターが発生したために、数週間仕事を休まなければならない、といったケースでは、当該政治団体は人員の欠員を急遽アルバイトで補完しなければならないとか、長期の休暇を取らせる余裕はないから一旦解雇とするといった事態になりかねない。そのようなケースを救済するために、敢えて「政治団体を除外する」などという余分な条件はつけなかったものと解釈できるわけで、それを「政治団体が利用するのはおかしい」というのは、制度に対する理解不足がなせる技であり、理解不足の世論に迎合するだけの毎日新聞には失望を禁じ得ません。





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最終更新日  2021年12月28日 01時00分05秒


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