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<湯浅葉子記者>
◆「家庭教育応援条例」岡山県にみる実態
「議員を通じて統一協会の考えが入り込んでいる条例であることは否定できない。この条例は廃止すべきだ」
9月13日の岡山県議会。日本共産党の氏平みほ子県議は、自民党県議と統一協会の癒着の実例をあげて県に迫りました。 伊原木隆太知事は「統一協会と条例との関係は承知していない」と答弁。
「事実じゃない!」
「証拠を見せろ!」
自民党席からはヤジが飛び、答弁が中断する事態も。議長は、氏平県議の「統一協会と条例の関係を調査すべきではないか」という再質問を、「(県は)答弁の必要なし」と封じ込めました。
ネットで傍聴した、条例に反対する市民グループ「いらないよ!岡山県家庭教育応援条例」の伊東大輔さん(43)は、「全く反省がなく残念。共産党が廃止を言ってくれて心強い」と話します。
地方自治研究機構によると、 家庭教育支援条例を制定しているのは10県6市(9月3日現在)。 統一協会や日本会議などの右派団体が自民党と一緒に推進しています。
◆家庭に責任転嫁
例えば最初に制定した熊本県の条例は、「親としての学びを支援」など内容は一見感じが良いもの。しかし、 いじめや虐待などの困難を、社会的背景を無視して「家庭の教育力の低下」と親に責任転嫁。その上で、「保護者は子どもに愛情をもって接し」などと、国や行政が”家庭や親はこうあるべき”だと介入 しています。
根拠となっているのは、第1次安倍政権下の2006年に成立した「改正」教育基本法。安倍晋三元首相の肝煎りの政策です。
岡山で同条例はどのように可決されていったのか-。
「カルト被害を考える会」(代表・河田英正弁護士)によれば、 自民党県議8人が18年7月、統一協会関係のイベント「孝情文化ピースフェスティバル」で来賓紹介 されています。
◆講師は勝共連合
同年11月には、やはり関連団体の「平和大使協議会」が開いた条例推進の講演に自民党県議が参加。 同県議はそれをブログで公言する関係です。
19年1月には統一協会岡山家庭教会で、同条例の全国展開を図ってきた 「国際勝共連合」の幹部である青津和代氏を講師に迎え、講座を開催。統一協会のホームページでは、会合の中で岡山県議があいさつ したことが報告されました。
決定的なのは同年9月、統一協会員で条例推進の学習会を複数の自治体で開いてきた 自民党の藤曲敬宏・静岡県議と自民党岡山県議らが、条例推進のために会合した ことです。
同年秋、自民党県議団は条例制定に向けた勉強会を設置(「朝日新聞」3月22日付)。21年4月に条例を県議会に提案しました。
可決後の今年4月には、中心となった 自民党の福島恭子県議が統一協会系の「世界日報」に登場。 条例の意義とともに、「憲法に『家族条項』がないことを考えざるを得ません」「個人優先となっているのが今の日本」などと語っています。
共産党のすます伸子県議は「両者の癒着にがくぜんとした。陰で県政がゆがめられた可能性は非常に高い」と話します。
◆条例廃止目指す
実は予兆がありました。昨年4月の条例提案の1ヵ月前、選択的夫婦別姓の導入に反対する意見書が自民党の賛成多数で可決。
すます県議は、「県議会でジェンダー平等への巻き返しが起き始めた、と感じた矢先の条例案でした。意見書の際に反対運動を展開した市民と野党のネットワークが生きた」と振り返ります。
共産党と民主県民クラブの野党や市民は条例提案後、すぐに反対運動を展開。市民たちは「いらないよ!」を結成し、パブリックコメントや署名を呼びかけました。
参加する赤松章子さん(53)は、 「条例で子どもを産むべきとでもいうような家庭像を強制するなんて気持ち悪い。多様性の排除だ」 と話します。
パブコメは511件と過去最高となり、うち7割が反対意見でした。岡山県弁護士会は条例反対の会長声明を発表。今年1月には、「いらないよ!」が約2万2千人の署名を県議会に提出しました。
にも関わらず自民・公明は反対を押し切り賛成多数で可決。「いらないよ!」の黒部麻子さん(41)は、「自民党はこの間、学校への生理用品の常備や高校のタブレット端末の公費負担を求めた市民の陳情を否決している。何が”子どものための条例”だと思う。 県議会の責任で、統一協会と条例の関係を調査すべきです 」と憤ります。
9月22日、共産党は条例廃止に向けて学習会を開催しました。
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