2019/08/21
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不寛容な排他主義:カシミールの自治を剥奪したモディには「裏の顔」がある =後節=
= NewsWeek_Report 2019年8月16日(金) 杉山文彦(時事通信社解説委員)※時事通信社発行の電子書籍「e-World Premium」より転載


危機扇動で総選挙に圧勝
こうしてBJPは、多数派のヒンズー教徒民衆の琴線に触れるイスラム敵視の運動を踏み台に、国民会議派と勢力を二分する大政党にのし上がった。 BJPが政権を取ったときのインドの政策は、ヒンズー・ナショナリズムを高揚させるような、右翼的で反パキスタンの色彩が濃いものが多くなる傾向がある。

例えば1998年の総選挙勝利からわずか2カ月後、BJPのバジパイ首相(当時)は、西部ラジャスタン州の核実験場で24年ぶりの地下核実験を強行し、「強いインド」を誇示した。それを激しく非難するパキスタンも直後にイスラム圏初の地下核実験を成功させた。新たな核保有国が対峙(たいじ)する南アジアの緊張は一段と高まった。

印パの対立は翌1999年5月から7月にかけて、カシミール地方の停戦ラインのインド側にあるカルギルで武力衝突に発展し、両軍合わせて1000人以上が死亡した。

今回のジャム・カシミール州の自治権剥奪に先立つ今年2月にも、同州プルワマでインド治安部隊40人が殺害される自爆テロが発生した。モディ首相は、パキスタンを拠点とするテロ組織の仕業だとして、1971年の第3次印パ戦争以来48年ぶりにパキスタン領内への越境空爆を命じた。

そして、この強硬姿勢が再びヒンズー教徒民衆から喝采を浴び、BJPはそれを足掛かりに、当初は苦戦も予想された今年4~5月の総選挙で圧勝した。勢いに乗るモディ首相は一気にジャム・カシミール州の自治権剥奪に踏み切った。このようにBJPには、危機を扇動することで党勢を拡大してきた歴史がある。

「裏の顔」が頭をもたげたモディ首相
もちろんBJPも、ヒンズー・ナショナリズムをあおるだけで大政党になったわけではない。モディ首相はもともと西部のグジャラート州の州首相として、外国企業誘致などで地元経済を発展に導いた実績を持つ。2014年総選挙に勝ち、インド首相に就任した後も、毎年7%の経済成長を実現させてきた。

もっともモディ氏は、青年時代にRSSの活動に関わっていたといわれる。グジャラート州首相当時の2002年には、州内で起きた流血の宗教抗争の際に警察を出動させず、住民保護を意図的に怠った疑いがあり、それがヒンズー教徒によるイスラム教徒1000人以上の虐殺につながったとして、イスラム教徒側から反発を浴びた過去もある。

つまり、経済通という「表の顔」と、強硬なヒンズー至上主義者という「裏の顔」を合わせ持っているということになる。



今回のジャム・カシミール州の自治権剥奪では、「裏の顔」が前面に出てきた。折しも世界的にトランプ米大統領らの偏狭なナショナリズムやポピュリズム(大衆迎合主義)がまん延する中、今なら排他的な政策が国際社会で批判されることも比較的少ない。モディ首相はこうした潮流にも便乗する形で、イスラム教徒との融和実現というガンジーの悲願を葬り去った。

それがモディ首相の言うような「平和をもたらすための歴史的決断」なのか、「歴史的大失敗」に終わるのかはまだ分からないが、少なくともカシミールのイスラム教徒住民の反インド感情を一層高めていくことは間違いない。

韓国人はなぜデモがそんなに好きなのか = NewsWeek_Colum 2019年8月16日 2019年8月19日(月) ドラナンダ・ロヒモネ(メルボルン大学学生〔アジア研究・哲学専攻〕)、グラント・ワイエス(政治アナリスト)
韓国の首都ソウルではいつであれ、何らかの抗議行動に遭遇せずに街中を歩くのは無理な相談だ。最近では日本の輸出管理強化への抗議、または朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾訴追につながった2016年の退陣要求デモなど、韓国では大規模な抗議運動がたやすく組織され、社会のあらゆる層から広く参加者が集まる。

ソウルの路上に遍在するデモは、韓国の政治文化に特有のある側面を浮き彫りにする。韓国の一般市民と国家の関係を理解する上で不可欠な側面だ。

1948~87年まで独裁政権が長く続いた時代、抗議活動は国家に苦情を申し立てる唯一の手段と受け止められていた。だが自由民主主義国家に転じてからも、理論上は利益団体が政治に及ぼす影響力が拡大したにもかかわらず、制度の枠組みの外での集団行動は民衆にとって自らの関心や懸念を表明する主要な手法であり続けている。



その一因は、独裁政権時代の後遺症が尾を引くなか、国家と民衆の間に系統だった相互作用が存在しないことにある。民主化によって市民は投票権を手にしたものの、政府との適切な仲介役となる国内組織はいまだに不在。そのせいで政策決定プロセスへの市民社会の参加が妨げられている。

だからこそ、デモが一種の疑似的な権限獲得の手段になる。市民は自らに影響力があるとの感覚を手にするが、そこには国家の行動に対する洗練された形の関与が伴わない。抗議活動は特定の問題を明らかにする上で極めて有用だが、それでは政府と共同で政策を策定・立案・施行・監視する能力を、市民社会は得られない。

韓国以外の自由民主主義国では、強力な協調体制を築く利益団体がこうした役割を担っている。独自の予算や確かな組織的能力を有する団体は、政府と持続的かつ緊密な関係を持つことができる。

一方、韓国ではこのプロセスがそこまで洗練されていない。政策決定に助言を得ようと国会での公聴会や論議に利益団体を招いても、国会内の結束不足と議員間の対立があまりにひどいため、せっかくの意見もかき消されがちになる。悪名高い一例が、2008年に開始された4大河川再生事業だ。是非をめぐる論争が3年以上も続いた揚げ句、監査院が乗り出す展開になった。

行政の枠組みの脆弱性は、常に流動的な政党政治の在り方に反映されている。政党の分裂や合併、党名変更はいわば韓国式民主主義の特徴。政党の平均存続期間は5年未満だ。
継続的な不安定性は民衆の間に疑念や無関心、不信感を生む。同時に政党自体が、民衆の利害関係をしっかりと反映した綱領を策定・提言できない無能な存在と化してしまう。

脆弱な行政制度に拍車を掛けているのが韓国社会に顕著な地方主義だ。韓国大統領選では、ある地方で圧倒的に支持される候補者が別の地方では限られた支持しか得られないこともある。各政党がイデオロギーではなく、特定の地方との結び付きを強調するためだ。

同郷の候補者を支持する有権者の傾向は、具体的な政策ではなく、地方ごとのアイデンティティーを打ち出す政党の姿勢を後押しする。それがまた、不満を抱く人々のデモを増やす。

「恨」に突き動かされて ・・・・・・・以下割愛、 詳細URL : ​ https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/08/post-12786_2.php



古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2019/08/21 05:50:06 AM
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