2020/02/12
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新型コロナウイルスの「不都合な真実」を隠す中国政府の病弊
= NewsWeek_Column_2020年02月06日、 CIAが視る世界 グレン・カール


およそ情報機関なるものは道徳心のかけらもないニヒルな連中(つまりスパイ)の集まりだと、たいていの人は思っている。どこの国でもそうだろう。しかし一国の情報機関には、それが仕える国や社会の基本原理や価値観が投影されている。だから中国の国家安全省(MSS)とアメリカのCIAは似て非なるもの。その違いを理解すれば、中国政府が2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)危機に続いて、またしても新型コロナウイルスの蔓延を防げなかった根本的な欠陥が見えてくる。

中国政府は今回も、その体制に深く根付いた悪しき体質ゆえに、都合の悪い事実や真実を自らへの脅威と見なして隠蔽し、ほぼ1カ月、国民には何も知らせなかった。武漢(人口約1100万)の市長はつい最近まで、このウイルスについて話すことも対策を講じることも許されていなかった。公の場でこのウイルスに言及した医師たちは「誤りを含む」見解を撤回させられ、警察から「流言飛語」を慎めと「教育」された。おかげで、その間も多くの人々が感染地域に出入りすることになった。

米バージニア州にあるCIA本部の入り口の壁には、「あなた方は真理を知る、真理はあなた方を自由にする」という聖書の言葉が刻まれている。そしてCIAの使命は「脅威を未然に防ぎ、米国の安全保障に関わる目的を達成するために必要な情報を収集し、客観的な分析を提供」することだとされている。

地球温暖化の警鐘を口止めされたCIA
むろん、これは理想にすぎない。現実には時の政権に都合のいい真実を提供するよう、政治家に強いられることもある。地球温暖化について、CIAはずいぶん前から警鐘を鳴らそうとしていたが、武漢の医師たちと同様、私たちも共和党の政治家から無責任な「流言飛語」は慎めと「批判」されてきたのだった。

結果はどうだ。今やカリフォルニアは気候変動に由来する大規模な山火事に見舞われている。フロリダでは海面上昇のせいで水につかる地域が増えている。CIAがこだわるのは情報の客観性であり、特定の真実ではない。真実は不確かで、刻々と変わるものだからだ。そしてCIAの使命は時の政府を守ることではなく、この国の社会を強くすることにある。



一方、中国のMSSが掲げる使命は「わが国の社会主義体制の妨害・不安定化・転覆をはかる敵の要員・スパイ・反革命活動に対する効果的な措置を通じて国家の安全を確保する」こととされる。つまり「社会主義」(実態としては全体主義)のシステムを支えることが使命なのであり、「真実」はあらかじめ提示されている。真実、つまり「客観的な分析」はどうでもいい。

そんなシステムだから、未知なるウイルスの脅威に気付いた医師たちの口を、反射的に封じてしまう。こんな体制の下では、都合の悪い事実を上司に報告することも難しい。かく言う私もCIA時代に、政治家の意向に沿った報告を上げろというプレッシャーを感じたことはある。だが中国ではそういうプレッシャーがはるかに強い。

私のカウンターパートだったMSSのスタッフも中国政府の役人も、たいていは政府のため、国のために正直に働いている。情報機関の人間も一般の公務員と同様、理想というものを信じている。だが悲しいかな、中国では権力者に真実を伝えることが不可能な場合が多い。

この自称「社会主義」体制の根本的な欠陥は、自分たちの手に負えない客観的事実を拒絶しようとする反射的かつ制度的な反応にある。今のトランプ米政権にも似たような衝動があるが、それではウイルスの蔓延を防ぐのは難しい。 <本誌2020年2月11日号掲載>

「自分は何もできなかった」──新型肺炎を最初に警告した武漢の医師が自らも感染、死亡 
= CNN_Report
昨年12月に、新たな感染症の発生をいち早くSNSで発信し、中国公安当局から「デマを拡散した」として処分を受けていた武漢の医師が7日、新型コロナウイルスによる肺炎で死亡した。

米ワシントン・ポスト紙などによると、武漢中央病院の眼科医師、李文亮(リー・ウェンリエン)は、現地時間の7日未明に死亡が確認された。新型コロナウイルスによるものと見られる症状を発症して1月中旬に入院し、今月1日にはウイルス検査で陽性反応が出ていた。

中国衛生当局の発表によると(6日付)、これまでの新型コロナウイルスの中国本土の感染者数は2万8000人以上、死亡者は560人以上に上っている。昨年12月、感染源と見られる武漢海鮮市場の複数の関係者が肺炎に似た症状を起こして治療を受け、新型ウイルスが初めて人間に感染していることが確認された。

死亡する数日前、李はCNNの取材に対して、中国当局がWHOに報告するよりも早い段階で新たな感染症の発生を医師仲間に警告しようとしたと説明した。中国のメッセージアプリ微信(WeChat)で医学部の卒業生グループにメッセージを送り、7人の患者がSARS(重症急性呼吸器症候群)と同様の深刻な急性呼吸器症状を発症して隔離治療を受けていることを知らせた。



感染情報を隠そうとした疑いが
2002~03年に感染拡大したSARSは、今回同様に中国で発生したコロナウイルスの一種で、8098人が感染し774人が死亡している。当時、中国政府はSARS感染に関する情報を隠匿して厳しい批判を受けた。今回も隠そうとするのではないかという疑念があったと言われている。

李は微信で、医学部の同窓生に「注意」を喚起し、その家族などに個人的な注意を呼び掛ける意図でメッセージを出した。しかしメッセージはたちまちソーシャルメディアで拡散され、李は1月3日に地元警察署に呼び出された。

警察は李を「オンライン上でデマを流布し、深刻な社会秩序の混乱を引き起こした」という理由で訓告処分とし、李はこれ以上「違法行為」をしないと誓う書面に署名をさせられた。この処分の後、新型ウイルスの感染が急激に拡大し、中国の人々の政府に対する怒りは燃え上がった。
だが李は、「自分には何もできなかった」とCNNに語っている。「(すべては)公式の方針に従わなければならない」

CNNによると、武漢中央病院に勤務していた李は1月10日に患者を診療した後、入院していたが、発熱や咳といった症状が悪化したため、2日後の12日にICU(集中治療室)に移されて酸素吸入の治療を受けていた。

新型肺炎の発生を最初に告発した34歳の李は、今や中国の「英雄」となっている。政府系メディアの人民日報(電子版)は武漢市政府による李の追悼文を掲載。人々の怒りが政府に向かうのを回避するため、李の死に哀悼を示さざるを得なかった。またBBCによると、多くの人々がソーシャルメディアで李の死を嘆くメッセージを投稿している。

【動画資料】 新型肺炎の発生を警告した医師が感染の末に死亡 https://youtu.be/Z_8LnnHMeG4

古都 老翁がいた。 翁は愛犬を愛で朝夕の散歩に伴う。 翁は大壺を持ち、夕刻 酒を片手に壺に躍り入る。 くぐもる声で語る傾国の世辞は反響し、翁の安息を妨げ、翁はなす術も無く自笑。 眠りに落ちた。 
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Last updated  2020/02/12 05:50:07 AM
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