読書日記blog

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2007.07.22
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カテゴリ: ノンフィクション


『日本の戦時下ジョーク集(太平洋戦争篇)』
中公新書ラクレ



大人気!早坂隆の「ジョーク集」シリーズ最新刊。

今度のテーマは、戦時下の日本。これまでのシリーズ同様、本書も悲惨な環境でこそジョークが重要な役割を持つというのがコンセプト。一般的に暗くて厳しかったとされる戦時中の日本において流行った数々の傑作ジョークを紹介し、逆境をも笑い飛ばしたたくましさが紹介される。
戦時中のすべてを悪とする風潮をようやく乗り越えたいまの時代の空気とも合致し、本書もこれまでのシリーズのようにヒットするだろうと思われる。しかし、一点残念だったことがある。それは、これまでのシリーズで取り上げられてきたジョークは、民衆の間で伝えられてきたジョークがほとんどだったが、本書で紹介されるジョークは漫才師などプロによるジョークが多かった。もちろんプロの作品も世相を反映し庶民の本音や時代精神を体現した笑いである。しかし、民衆が誰とはなしに言い出し広まっていったようなジョークのほうが、よりその時代の民心をストレートに反映していると思われる。本書でそのようなジョークがあまり紹介されていないのは、プロの作品は残りやすいが、自然に出来て広まっていったジョークはあまり残っていないからなのだろう。そう考えると、よく出来た漫才師のネタよりも子供達によって口ずさまれたという軍歌や戦時歌謡などの替え歌などの方が興味深く思われた。





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Last updated  2007.07.24 10:00:32
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