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2005年01月11日
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カテゴリ: 映画
名俳優ダニエル・オートレイユ主演のノンフィクション映画。
adversario2

90年代初頭に本当に起きた、20年間も親や妻までも含む周りの人々を、医者で公的機関で働いていると騙し続け、ついには家族全員殺してしまい、自身も自殺した(←死ねなかった)という事件を 犯人の視点で撮った映画。
犯人の視点でと言うと、最近では『モンスター』があったが、この映画もなかなかうまく撮れている。フランス風で流れがゆっくりなのと、静かに話が流れているところが異なる。
そこは ダニエルオートレイユの独壇場っといったところ。さすが!
adversario1
映画は事件の前後のシーンが 途切れ途切れに入り乱れる。最初からなにかが起きた事がわかり、興味をひきつける。主人公の男は いつも欝気味で、辛そうな表情だ。家族の集まりにも一応参加しているが、いやいやだということが手に取るようにわかる。笑顔も苦痛の中で無理矢理作ったもの。彼の周りのものは皆、彼が医者で、キャリア的にも大成功していると信じて疑わない。どこで歯車が狂ってしまったのか?一時的な繕いが以後10年以上にもわたっても、誰も気づかない。彼自身はそのことに苦しんでいる。しかし、自分から打ち明ける勇気などない。それでも、たまに周りにばれそうになる時がある。その時はその時で ばれてしまえばいいと本人は諦めてしまっているようなのだが、いつもそれは起こらず、時は過ぎていく。時がたてばたつほど、嘘は重く彼の背中にのしかかっていくのだった。


優しい妻に可愛い子どもたち。訪問すればいつも美味しい手料理で迎えてくれるシンプルで優しい両親。彼が本当の医者だったら、いや、医者になっていなくても本当のことを最初に打ち明けていたら、どんなにか人生は温かかっただろう。いっそのこと、周りがひどい人たちばかりだったなら、彼はどんなに気楽だっただろう・・・・。周りに素敵な人たちに囲まれて、彼はますます苦しんでいく。もう、その様子が 彼の気持ちが 痛いほどこちらに伝わってきて、苦しいほど。
家族の人生を絶ってしまったことが 本当に残念でならない。彼自身は死んでもいいと思っているのだが、彼らを傷つけたくないばかりに ひとりよがりな行動をとってしまった。自分の一番愛する人たちに 事実に気づかず、自分に失望せず死んで欲しいという、勝手な彼が最後に生き残ってしまった事実がさらに悲惨だ。






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最終更新日  2005年01月12日 11時44分36秒
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