はっぴぃーマニア

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<第十一話>~あとがき~

ことわざ物語

第一話
袖すり合うも多生の縁
第二話
馬の耳に念仏
第三話
転ばぬ先の杖
第四話
天は自ら助くる者を助く
第五話
前車の轍を踏む
第六話
雀百まで 踊り忘れず
第七話
見て捨てる神あれば拾う神あり
第八話
知らぬが仏
第九話
グランプリ (競馬~第十話へつづく~)
ひょうたんからコマ
第十話
あの日のように (競馬~第十一話へつづく~)
人間万事塞翁が馬
第十一話
足長おじさん ~第1章~(競馬)
塵も積もれば山となる
足長おじさん ~第2章~(競馬)
足長おじさん ~第3章~(競馬)
足長おじさん ~最終章~(競馬)
足長おじさん ~あとがき~(競馬)

<第十一話>足長おじさん~あとがき~


宝塚記念で私が買った馬券、10番の馬の名前は、ヒシミラクル。
そうです。私が初めて馬券を買った天皇賞(春)。
あの日、単勝馬券を300円買った、あの馬です。
あの日から、私はコツコツと約2ヶ月をかけて6レース馬券を買いました。
最終、宝塚記念の結果は、下の通りです。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
2003年6月29日
第44回 宝塚記念
1着 10番 ヒシミラクル
単勝 1630円(16.3倍)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
12,220,000円×16.3倍=199,186,000円
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

分かり辛いので、最終金額を分かり易く書くと、
払戻金1億9918万6千円
になりました。
たった、300円で始めた結果がこれです。
私の買い方(払い戻し金をそのまま次のレースに全額賭ける事)を、「コロガシ」と言うらしいのですが、私はそのような方法など知りませんでした。
ただ、当ると信じ、今、手元にあるお金を全額購入していっただけのことです。
しかし凄い金額になりました。

ところで、宝塚記念で私がなぜヒシミラクルを買ったのか解説します。

まず1つめ、
夢の中での父の最期の言葉です。
「幸せになれ!!私達が幸せを取り戻した、あの日のように・・・」
父の言う「あの日」とは、1970年の有馬記念の日のことだと思いました。
父はあの日、「前年と同じ馬の馬券を、その年、再び買った」のです。
そして私は、「初めて馬券を買った天皇賞(春)ヒシミラクルの単勝馬券を、最後のレースである宝塚記念で再び買った」のです。

2つめ、
手術が決まったと、彼女から連絡があった時の言葉です。
「こんなに早く手術が受けられるなんて、奇跡的ですよ。」
手術を受けられる事が奇跡なら、とことん奇跡を信じようと思ったのです。

そして、3つめ、
これがあったから、私は迷うことなくあの馬券が買えたのです。
それは、私が大好きだった父の命日が、1998年12月22日だったことです。
1998年は平成で言うと平成10年です。
10年12月22日。
10番12 22万円。
数字が合ったのです。これも奇跡でしょう?これもミラクルですよね。

そんなこんなで、今日、私は彼女と結婚しました。
結婚したと言っても、役所に婚姻届を出しただけなんですけど・・・。
私はつい先ほど、足長おじさんからお父さんに変わりました。
今、それを息子に報告する為に病院へ向かっています。

今日、私は息子に本当の事を話すつもりでいます。
「お前の命を救ったのは、足長おじさんなんかじゃないよ。お前の命を救ったのは、まぎれもなく、お前のおじいちゃんとおばあちゃんだよ。」
と。

この物語はフィクションです。

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