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2008.01.19
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カテゴリ: 映画/戦争・史実

「去年ボスニアで同じ気持ちに。」
「本当?」
「最高の仕事をしたけれど、毎日泣いてた。それがここでは・・・涙が出ないの。」
「感覚が麻痺したのかも。」
「いいえ違う。もっとひどい。ボスニアの白人女性の死体を見ると連想したの。これが母だったらと。ここの死体はただの死んだアフリカ人。結局、私たちは自分勝手な人間なのよ。」


最近は専らドキュメンタリータッチの作品ばかりを鑑賞しているせいか、本来の意味とか意義を忘れつつある。
娯楽として楽しむはずの映画は、今や「社会性」や「政治性」を汲み取らねばならないので、鑑賞後の疲労感、絶望感は筆舌に尽くしがたい。
頭痛と悪寒に悩まされ、「ならば自分はどうしたら良いのか?」という答えのない苦悩に頭をもたげねばならないのだ。


この作品はルワンダ紛争におけるフツ族と少数民族であるツチ族との長年に渡る部族闘争を舞台にしている。
国連治安維持軍の監視の下、学校だけは非戦闘区域であることを宣言。
大量虐殺から逃れて来た何千もの難民の避難所となる。
しかし一歩学校の外に出ると、過激派民兵が大量の虐殺を繰り広げていた。
そして国連軍が、もうこれ以上難民を保護できないと学校から撤退していくところから、悲劇はさらに大きく残酷なものとなる。

フツ族によるツチ族の大量虐殺事件(ジェノサイド事件)は、非常に根の深い問題で、容易には理解できるものではない。
ただ一つ言えることは、白人による植民地支配が始まったあたりから、溝はどんどん深くなっていったということだ。
演技力がどうであるとか、内容がどうだとか御託を並べる前に、この作品をどう捉えるかは各人に任せたい。

2007年公開
【監督】マイケル・ケイトン=ジョーンズ
【出演】ジョン・ハート(クリストファー神父)、ヒュー・ダンシー(ジョー)


See you next time !(^^)





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最終更新日  2008.01.19 12:32:06 コメントを書く
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