吟遊映人 【創作室 Y】

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2008.11.15
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この手のサイコものは嫌いじゃない。
混乱と交錯と曖昧さのコラボは、ふだん眠っている思考回路を多いに刺激し、怠惰を一蹴してくれる。
渇いたコンクリートの壁面と、カジノバーのざらついた空気。
服従と支配、自由と束縛が絡み合う意識と無意識の世界。
「リボルバー」は、いわゆる多重人格障害(ボーダーライン)を扱った作品だと思われる。(←あくまで吟遊映人の個人的感想によるものなので、あしからず。)
主人公のジェイク・グリーンが本来の“自我”だとすると、カジノ王マカやプロの殺し屋ソーターなど登場する全てのキャラは“超自我”ではないかと思う。
ストーリーは、ジェイクが出所してから様々なトラブルに直面し、自己との葛藤を表現しているかに見えるが、実は精神病院の個室かあるいは独房の中での妄想に過ぎないのではなかろうか。

カジノ王マカの罠にはめられ、ジェイク・グリーンは7年間獄中生活を余儀なくされる。


出所後、ジェイクはマカに復讐をするため、カジノに現れ、まんまと大金をせしめる。

ところが帰る途中、ジェイクは突然気を失って倒れてしまう。
病院での検査結果は、なんと血液の病気で、余命三日という宣告を受けるのだった。

作品の冒頭部で、ジェイクが閉所恐怖症のためエレベーターを極度に嫌悪するシーンが出て来るが、このあたりからジェイクが健常者らしからぬ節が見え隠れしていておもしろい。
心の声も効果的で、自己との葛藤と苦悩が見事に表現されていた。
様々な人格を統一するために現れたような、プロの殺し屋ソーター役を演じたマーク・ストロングが妙にカッコ良く、決まっていた。
決して派手さはないが、ストーリー展開や演出にこだわったサイコ作品で、一度鑑賞したら止み難い中毒に襲われそうな後を引く代物なのだ。

2005年(英・仏)、2008年(日)公開
【監督】ガイ・リッチー
【出演】ジェイソン・ステイサム、レイ・リオッタ

また見つかった、何が、映画が、誰かと分かち合う感動が。





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最終更新日  2008.11.15 05:44:30 コメントを書く
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