幕張本郷の小さなフレンチレストラン   サンク・オ・ピエのオーナーシェフ、中村雅信の日記ページ

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Jul 4, 2005
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 先週の土曜日の常連様のワイン会のこと。このワイン会は、ワイン業界に身をおくK氏が主催するもので当然のことながら彼が持ち込むワインは玄人好みで趣味の良いセレクト。ワインの趣味が良いと、こちらも趣味の良いメニューを作らなければならずいつも楽しく真剣勝負。私の店のお客にはソムリエやワインアドバイザーやフレンチやイタリアンの料理人が結構多いのだが、そういう玄人筋に料理を出していると素人には分らないような微妙なキャッチボールがあるもので、それがまた実に楽しいのだ。

まずその入れ方!挽いたコーヒー豆に熱湯をかけて4分蒸らして濾すだけ。こういう方法は、私がかつて色々習ってきたコーヒーの入れ方において一番やってはならない方法として認識していたのだが、(通常のコーヒーには必ず抽出すると不味くなってしまう成分が含まれているので、ドリップなどでお湯の温度やお湯の当て方などを工夫していかに美味しいところだけを抽出するのかが技術なのだ)内心「こんなんでいいのかなぁ?」と思いながら一杯いただいてみると、まず始めにあまりにすっきりしていて雑味がないのにびっくり。どこにも引っかからずにスーッと喉を通り過ぎる。鼻から抜けるまるで極上の熟成したブルゴーニュワインにも通じるようなあまりに上品な香り、思いがけなく良いワインを飲んだときのようにグッと集中度を上げてもう一口、するとやはりあの入れ方なのでコーヒーの中のあらゆる成分が全て抽出されていることに気づく、タンニンの苦味渋みやかなりの酸味、焙煎から来るカラメル系の苦味など、、本来だったら不味くなってしまう要素もすっかり溶け出しているのだ。なのにこの絶妙なバランスのために全てが調和してうっかりするととても淡い味に感じるかもしれないくらい微妙にバランスが取れている。
頭の中はワインのテイスティングをしているような状態になっている。「うーーーん、ということは」と、考えた。これは豆その物のクオリティーがまずとてつもなく高いこと、そしてその性質を絶妙に引き出す焙煎とブレンドの高い技術が組み合わさったかなり芸術的なコーヒーなのだ。本当に驚きだった。そしてまたひとつ知ってはいけない世界を知ってしまったというちょと後悔の念。その日、坂本氏に最先端のコーヒーの世界の状況を少しレクチャーしていただいたのだが、、、、ワインと同じなのですね、コーヒーは。
要は収穫された時点で果実として一級品でなければ、そのあと何をどうやっても美味しくはならないわけで、そのためには畑の土壌、品種、気候、標高、日当たり、農薬の是非、樹齢、単位面積当たりの収穫量の制限、etcなど高級ワインにおいて語られる要素とまったく一緒なのだ。
坂本氏は、世界を飛び回ってそういった最高のコーヒーを仕入れている。詳しくは、
さかもとこーひー


坂本氏のブログ





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madame-H@ キッシュに入れてます。 相かわらず、手間のかかるスープを楽しん…
ゆり777 @ こんにちは。 美味しそうですね~。 チキンがジュージ…
おかめ@ Re:食べる姿(10/31) なるほど!私も無粋な行為をしていた一人…
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