一応締めの話として、、、。
かの世界一のフォアグラを食わせるという、ビストロ「ラミルイ」のテリーヌを食べたのは、91年の秋だった。当時日本のフレンチでフォアグラのテリーヌを食べるとだいたい一切れ¥6000から¥7000くらいだったと思うが、ラミルイでは日本円で¥8000くらいで日本の3~4倍の量が出て来るのだから、だいぶ安いのだが、、、。
何しろ縁がかけたような皿にフォアグラだけが分厚く三切れのっているだけ。付け合わせも何も無い。そして別の皿に炭火であぶったてんこ盛りのバゲット。フランス本国のこういう骨太で男性的な料理を見せつけられると日本のホテルなどのチマチマしたフレンチがまるで稚拙なおママごとに見えて来る。
とにかく、フォアグラをたっぷりパンにのせて頬張る。ラミルイのフォアグラは、当時鵞鳥を使っていたから、ズッシリと重く濃厚だ。こういう場合貴腐ワインと合わせるとあまりに重厚過ぎて量が入らない。むしろ強い赤ワインのタンニンで脂肪分をかわしたくなる。この時飲んだのは、確か83年のシャトー・ド・ポマール まだ若いのでしっかりしたタンニンがあり果実味もたっぷり、ポマール特有の土系の香りやドライフルーツ系の香りも、フォアグラをひき立ててくれた。
まあ、さすがに王道の味。旨かった!
あれから15年余りたったわけだが、今私が作るフォアグラのテリーヌはラミルイ並みだと思っている。(うちのマダムはラミルイより美味しいと言っていますが、、、。)
サンクオピエというとフォアグラのソテーが、すっかりお馴染みらしいが、実は私自身はテリーヌのほうが断然好きだ。
職業として料理に携わっていると、自分で作った料理を心底楽しめるものではなくなる。何故なら自分で作った料理は、思った通りの味しかしないから驚きも有難みもないのだ。だってプロなのに自分の思いもよらない料理を作っているようじゃ困るでしょ?
そんな中で自分で作って自分で美味しいと思う数少ない料理のひとつです。
フォアグラのテリーヌはね、、、。
完
今なら、フォアグラのテリーヌやってますよ!
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