
サンク・オ・ピエで一番人気の定番の前菜、養老渓谷産もち豚の自家製スモークハムと生ベーコンのサラダ仕立てとシェフ自慢の手作りスモークサーモンが合体!春先までこの三点盛りでやります。それから、、、

これは、広島産牡蠣のムニエールキャベツのブレゼ添え。この時期いよいよ牡蠣が美味しくなってきました。サンク・オ・ピエでは、生牡蠣には三陸産。加熱用には広島産と使い分けをしています。三陸の牡蠣は、さっぱりとしていて香りがよいので生食に向いてます。一方、広島産はぷっくりと肥って脂がのっているので焼いてもしっとりしていてうまいです。上手に火を通せばフォアグラにも負けないくらいですよ!
ムニエールという料理は、小麦粉をまぶしてバター焼きにするわけですが、焼く時のバターは澄ましバターを使います。澄ましバターは、ブール・クラリフィエといって、ちゃんとしたフランス料理を作るためには絶対必要なもので、、、バターを湯煎にかけてゆっくりと溶かして分離させて、下に沈んだ水分と上に浮いたあくを取り除いて黄色の純粋な脂肪分だけにしたもの。バターは焼くと焦げますが、それは脂肪分以外の成分が焦げるためで、純粋なバターの脂肪分だけだと200度以上まで変質しない。しかも、とてもきれいな焼き色と香ばしい香りがつくので、魚や野菜を焼くには最高の脂になるというわけ。
それから、ムニエールという言葉は、meunierムニエつまり粉ひき屋さんの女性形のmeuniereムニエール。粉ひき娘という意味です。小麦粉にまみれて働く姿から、魚に小麦粉をまぶして焼く料理をそう呼ぶことにしたのだろう。
牡蠣は粉をまぶして澄ましバターでこんがり焼き、中はジューシーな状態に仕上げる。別の鍋でバターを香ばしく焦がし、自家製のポン酢をほんのひと垂らししてブール・ノワゼットのソースとする。ノワゼットとは、ハシバミの実、つまりヘーゼルナッツのことで、香ばしく炒ったナッツのような香りがするくらいにバターを焦がすことだ。
焦げたバターの香りとコク、牡蠣の旨味ととミネラル分、焦げた粉のメイラード反応(焼きおにぎりが美味しくなる原理)による香ばしさと旨味、、、いろいろな要素が重なり実に完成度が高い料理といえる。またこれらの要素のすべてが、洗練されたシャルドネ種やソーヴィニヨン・ブラン種の美味しい白ワインに抜群に合うのだ。これも春先まで、牡蠣が入ったときにはお勧めでやってます。美味しいですよ!
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