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「ウォーゲーム界の巨頭であるGMTがたまに出すユーロゲー買ったからやろうぜー」とお誘いいただいたので参加。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。●Charioteer さっそく本命のこれから。なぜかメリケン人が大好きな古代ローマの戦車レースゲー。プレイヤーは戦車乗りとなり、古代における最高のレーシングコースであるキルクス・マクシムスで先頭の風景を目指して駆け抜ける。3周してトップでゴールを飾ったら勝ち。 ラウンドごとに自分の戦車駒を進めるルールはすごい簡単。手札を1~3枚使って、現在のラウンドに対応している場札1枚を含めて共通するアイコン+数字を持つカードを2~4枚プレイする。場札(現在のラウンドに対応しているもののほか、次ラウンドと次々ラウンドに対応しているものも見えている)は全プレイヤー共有で使える。1枚しかないがテキサスホールデムの場札みたいな感じ。 で、たとえば↑の画像のように現在の場札が黒(カーブ)の2が2つと攻撃(赤)の1が1つのカードのときに、手札から黒の2が1つあるカードを1枚だけ出したとする。カードは必ず2~4枚プレイしなきゃならないので、手札を1枚しか出さない場合は必ず場札と組み合わせなければならない。 そうすると「黒アイコンが3つ+アイコンの数字が2」なので、3+2で5歩進めるということになる。アイコンの数(あるだけ数える)+アイコン内の数字(1回だけ数える)が移動力になるというわけだ。もちろん、カードをいっぱいプレイすればその分アイコンが増えるのでたくさん移動できるが、そもそもアイコン+数字が合ってなければプレイできない。手札を2枚か3枚出した場合は場札を無視してプレイすることもできる(組み合わせてもいい)。 アイコンは4種類あり、緑はスピード重視で数字が大きめ。黒はカーブ特化(黒以外だとカーブでの速度が半分くらいになる)、赤は全体攻撃(攻撃を受けるとダメージがたまり、その分だけ毎ラウンドの移動力が減る)、黄は回復(受けたダメージを減らす)。 その他にサブアイコンとして鞭(+5移動できるが他の戦車に追いついたらそこで止まる)とか回復(黄アイコンをプレイしてなくても回復できる)とか盾(攻撃無効)とかある。 あとはアイコンを6つ以上プレイするとおまけトークンがもらえるとか、皇帝がそのラウンドで見たがってるプレイ(華麗にコーナーを抜けて欲しいなーとか)を見せるとボーナスがつくとか、こまいルールはあるがどれもすぐに覚えられる。 各色のアイコンを使うたびに、その色の効果が成長していく。最終的には一番成長したアイコンを使うと+7移動とかできるようになるので、レースはどんどん加速していくw かなり簡単なルールなので当たりのカードを引いたプレイヤーが勝つようにも思えるが、各カードにはたいてい2種類のアイコンが示されていることと、場札がネクとネクネクまで見えているのがミソだ。 ↑の画像だとしばらく黒アイコンが続いているが、黒は数字が小さい傾向があり、カーブ以外ではその優位を活かせない。だったらこのラウンドで「黒2が2つ+緑6が1つ」カードは温存して、次ラウンドで一気に加速した方がいい。持っている緑6カードを次ラウンドと次々ラウンドで分けて使えば緑能力が2回成長するのでお得……だが2回目の緑6ではおそらくコーナーに入ってしまって速度が落ちるし……などなど、見えていることで考えどころが増えるようになってる。さらに皇帝を魅了するプレイを考慮するとなかなか悩ましいw 戦車レースゲーには結構当たりが多いが、これもなかなかいい。短時間で終わり、きっちりレースした気分になれる。戦車レースゲーの常として見映えが地味すぎるのが玉に瑕だがw●あるIDケースからの顛末 写真撮り忘れ。 続いて旅団長さん持ち込みの謎解き。以前プレイした「ある文具ポーチからの推測」のシリーズ第3弾(第1弾は未プレイ)。 昼休み、ランチに出かけようとしたあなたはビルの出入り口で顔見知りの警備員に話しかけられる。「これ、おたくの会社のですよね」と渡されたのは社員証だった。昼食を後回しにし、落とし主に返すため所属部署を訪ねるが、社員証の人物は存在しないらしいとわかり……。(ここまで販売サイトからコピペ) 相変わらず、2000円にしてはずいぶんしっかりしたコンポーネントで、買い物としての満足感は高そうだ。 しかし……今回のシナリオはどうかなー。前作に比べると謎もストーリーもずいぶん無理があるように感じた。特にオチはひどい。体験推理“小説”なので、まあ許されるのかもしれないが、プレイヤーがこれを推理で当てるのは事実上不可能だと思う。 つまらなくはない。2000円ならギリか……ギリ許せるか……? くらい。まあ私が買ったわけじゃないが、次回作もやるかどうかは相当慎重になりそう。 旅団長さんが帰られたあと、3人で「マドリカ不動産2」の最終問題をやってクリア。推定プレイ時間150分と書いてあったのでかなり身構えたし、最初の問題でかなり引っかかったが(考えすぎだった)、あとはかなりスムーズに解けた。そのあとネットで隠し問題の出し方を検索して、答も検索して突破。答はともかく、間を空けてプレイしててそれまでの資料も処分してると問題出すのは不可能だったのでやむなしw 大変面白いゲームだったので新作の「MR. ELEVATOR」にも期待しているが(方向性は全然違うゲームのようだが)まだ発売予定も立っていないっぽい。気長に待とう。
2024.10.29
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定例会。ssk、まるみ屋、私の3人。●オン・マーズ 詳しくはこちら↓On Mars レビュー|SN DUCK また3人になったので長年積んでたインスト大変そうなゲームをやる日となった。今回選ばれたのは、アクションが複雑に入り組んでるせいで高いルール解読力を要求されることでおなじみ、Vital Lacerdaの「オン・マーズ」。ここで公式ルールが公開されてるので全員が事前に読んでくる……はずだったが私しか読んでこなかった。なんでじゃ! プレイヤーは火星に入植する企業となる。もう入植のめちゃめちゃ初期段階なので、序盤の火星ではほとんどできることがない。なので地球から頻繁にやってくるシャトルを使って軌道上に上がり、地球の支援に頼ることになる(というゲームのはずだが、なぜかそうはならなかった)。火星がだんだん発展してくるとシャトルが来る頻度が下がり、自給自足を要求されるようになる。現在の発展状況に応じた数の目標が達成されるか、最高段階まで発展したら終わり。いっぱい点取った人の勝ち。 軌道上で準備を整えてから地上に降りる方が手数を節約できて有利かと思ったが、結局最後に勝ったのは火星の地表から手番を始めたまるみ屋だった。私は軌道スタートで、その後も何回か軌道に上がったが、まるみ屋もsskも1回か2回しか上がらなかった。ちゃんと回していれば建設時にもらえる資源や目標に貢献したときに得られる水晶だけで何とかなってしまうらしい(たぶん「最初のゲーム」水晶の目標設定だとそうなるようになってるんだろう)。しかも、こうなると手番順が硬直化し、先手が常に先手になってしまう。正直、もうちょっと頻繁に行き来しなきゃならないようにしないと手番順(およびボーナス)の部分は機能してないんじゃないかと思う。 最終盤面。「最初のゲーム」推奨設定だと目標が異常に達成しやすい(というか目標に貢献しようというモチベーションが高くなる)ので、コロニーレベル3で終了。火星はあまり発展しなかったw 早めに居住地とロケットを1つずつ解放するのが鉄板かなー(この2つだけを最優先で行うのは資源的に難しいだろうから、あいだに何か挟む必要はあるだろうけど)。ワーカーの多さは大正義だし、資源の入手より資源の保管上限を超えないようにする方が大変だった。できるだけ地上で粘るゲームだね。軌道上でしか得られないカードも必要なので1回は上がる必要があるけど、その1回(多くて2回)で必要なものをすべて揃えて、あとは地上にいないと勝ち目はなさそうだった。 技術は他プレイヤーのも借りられて、借りる利益に対して貸す利益が小さいので、有用な技術のレベルは逆にあまり上げない方がよさそう。ローバーの移動力を+5にしたら他プレイヤーに使われまくって大損したw まあ面白かったけど……1日がかりなので覚えてるうちはもうお腹いっぱいってなるし、やりたくなったころにはルール忘れてて1からインストだし……と考えるともう1回やることはなさそうだw
2024.10.26
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ボックスアート 晩夏の「赤竜亭」シリーズ紹介強化キャンペーン第3弾。 「赤竜亭」(2007年)、「赤竜亭2」(2008年)、「赤竜亭3」(2011年)、「赤竜亭4」(2013年)、「赤竜亭5」(2015年)、「赤竜亭6」(2017年)、「赤竜亭7」(2018年)に続く8つ目の独立セット。ストレージボックス兼用の「赤竜亭5」を除き、海賊(赤竜亭4)、悪漢(赤竜亭6)、赤竜亭の店主&従業員(赤竜亭7)ときて、今度はいよいよ「赤竜亭」以外の酒場が本格的に登場することになった(アンダーシティの「黒竜の奈落」は、名前だけは「赤竜亭6」で既出)。 英雄たちはグレイポートの伝説的酒場、「赤竜亭」で途方もない時間を過ごしてきた(そして金を浪費してきた)が、いかな常連客とてたまには河岸を変えたくなるものだ。そういうときにどうするか? はしご酒だ! これまでのスタンドアローンセットには4キャラずつ収録されてたが、今回から英雄4キャラ+悪漢1キャラという構成にしていくようで、1キャラ増えた分ちょっとお得になってる。ボードゲーマーなら基本システムは知ってるに決まってるので割愛して、各キャラを簡単に紹介する。 グレイポート大神殿の高官、ファライ神父。趣味は酒の醸造という生臭坊主w 寺院の横の醸造所兼酒場の「調和のカップ」のオーナー店主でもある。この世界の宗教、えらく規律が緩いなw 神父だけあって恐ろしく博打に弱く、なんと「いかさま」カードを1枚も持ってない(ディアドラやオハヴァだって持ってたのになw)。「いかさま」を打ち消すカードはあるが、それを使っても自分が勝つわけではないので、上家に「勝負手!」を使われたら打つ手がなく、史上最弱と言っても過言ではない。 ファライのカードの大半には、左下にこんなアイコンがある。こういったカードをプレイしたら、その効果を適用したあと、対応する醸造所(ビールかワインか蒸留酒)に移動する。すでにそこにいる場合、そこで造ってる酒が完成に近づく。左端のカードにあるかき混ぜ棒アイコンがある場合、任意の醸造所に移動する(または今いる醸造所の酒を熟成させる)ことができる。 各醸造所で一定のステップの熟成を進めると、そこで酒ができて他プレイヤーに振る舞い、その効果を適用することができる。ビールは2ステップでできるが、醸造酒は最大4ステップかかるのでなかなか作れない(その分効果は強力だが)。 かなり上級者向けのキャラという印象。同じアイコンのカードを連続でプレイしないと酒の熟成がなかなか進まないので、とにかく序盤をしのぎつつ、かき混ぜ棒カードも駆使してできるだけ早く酒を造って他プレイヤーを攻撃しないと勝てないだろう。 ラッキーはゴブリンの老婆で、薄暗い路地裏で「ラッキーの転がる樽」という酒場を経営してる。グレイポートで一番安い酒場として有名だが、それもそのはず。出てくる酒はどれも盗品なのだw ファライとは打って変わって、博打にめっぽう強い。通常の賭博カード以外で賭博を始めたり、勝者が決まった賭博の結果を打ち消してそのまま続けさせたり、支払いを完全になかったことにしたりとやりたい放題w 強力なカードが多いが、それも違法行為に手を染めてるため。当然そんな奴は官憲に目をつけられるので、ラッキーはちょいちょい衛兵に職質されることになる。そして3回職質されるとガチで逮捕されそうになるので、それを避けるために金を払って買収したり、酒をおごったり、怪我をしながら逃げ出したりすることになる。 肉を(自分で)切りながら相手の骨を断つタイプなので、ラッキーも上級者向けだろう。強力なカードをばんばん使うだけだとあっという間に自爆しちゃうから要注意だw サマンサはグレイポートの海辺で荒くれどもを相手にしてる酒場「壊血病の犬」の店主。“壊血病の犬”とは海賊の蔑称だ。当然、この酒場ではよそより喧嘩が頻発するのだが、サマンサはその勝敗を博打にして倍率を設定し、胴元になって荒稼ぎしてる。こいつもろくでなしだw サマンサのカードには「喧嘩を始める」と書かれてるものが多くある。これらのカードをプレイした場合、別に用意された喧嘩屋デックからカードを公開し、その効果を適用することができる。特に「こっちの隅でも……!」をプレイした場合、「手番ごとにアクションカードは1枚だけ」という基本ルールを無視して「……あっちの隅でも!」をプレイすることができ、喧嘩屋カードを2枚出すことができるので強力だ。 並び立つ喧嘩屋たち。そしてついにご本人登場、ディムリのひいおじいちゃん!(これまでのカードで“great-grandfather”を“すごいおじいちゃん”って訳したのが何枚かあるから直さないとな……)。何しろやってることが喧嘩なので、標的はだいたい気力を減らす羽目になる。手札や金を支払えばダメージ軽減できるが……。 サマンサは雑に強い。ちょっと欠点が見当たらないので、「赤竜亭8」のキャラで戦うなら第一標的はこいつで決まりだw グレイポート魔術学院の正門前にあるカフェ、その名も「スタータスクス」の店主、オークのフィル。その店名と看板のデザインは本当に大丈夫なのかw フィルのカードの中には、こういう「放し飼いのヒドラの鱗の削り節」とか「草で育てたヒポグリフの乳」といった、ドリンクに混ぜることができる意識高い系のトッピングやフレーバーがある。これらのカードは引いた途端にプレイヤーマット上側の混ぜ物棚に置かなければならないので、その手番の選択肢は減るのだが、手札ではなくなるので以降の手番では逆に選択肢が増えることになる。 混ぜ物の効果はバラエティに富んでおり、他プレイヤーが飲酒するたびに適切な効果を付与できるのが強みだが、見えない利点として「デックが薄くなる」ので、その分他の強力な通常カードを引きやすくなるのも偉い。序盤に多少の忍耐が必要だが、それもデックが一巡するまでなので、サマンサと同じくらいに厄介な奴だ。 最後は悪漢のネロディア。見た目通りのゴルゴンで、これまで「黒竜の奈落」の女中だと思われていたが、何と経営者だったw 何しろゴルゴンなので、他プレイヤーを石化させてその手札をランダムに奪うことができる。奪ったカードはネロディアの手元で裏向きの山となり、これらのカードを所有者に返すことで強力な「にらみ」追加効果を発動させることができる。 一見強そうだが(そしてカードを取られるんだから他プレイヤーのストレスが半端ないのは間違いないが)、「石化で奪ったカードはネロディアの手番開始時に1枚ずつ石化が解けていく(元のプレイヤーの手札に戻る)」というルールがあるので、1巡のあいだに2枚以上石化しないとカードが貯まっていかず、強力なにらみ効果を使うのは結構難しい。カウンターで石化するカードも多いので、相手プレイヤーがやりそうなことを予測する能力がいりそうだ。 悪漢なので、当然ボスとして使うこともできる。「悪事で何より大切なこと」は「どん底に突き落とすこと」。地下世界の住人だからねw そしてこの「赤竜亭8」で追加されたはしご酒ルール。誰かがチェイサー付きドリンクを公開するたびに、「ちょっと河岸を変えようぜ」ということになって別の酒場に行き、その酒場の即時効果を適用して、しばらくはその酒場専用のデックからドリンクを購入することになる(各酒場のデックにはカードが数枚しかないので、頻繁にはしご酒して、中盤には赤竜亭に戻ることになる)。 酒場の一つ、ファライが経営する「調和のカップ」。即時効果は「手札を2枚捨て札にした各プレイヤーは気力を1増やす」。 酒場固有のドリンクの一例。「黒竜の奈落」からは「墓地の蒸留酒」、「調和のカップ」からは「聖なるハイボール」と、その酒場のイメージに合ったものが用意されてる。「スタータスクス」からは「治療薬 ダブルトール・ハーフカフ・エクストラフォーム」。うーん意識高ーいw キャラが5人増えて、追加ルールもある。買わない理由ある? ねえよなぁ!!? 「赤竜亭8」買うぞ!BGGの和訳ルール
2024.09.11
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定例会。ssk、まるみ屋、私の3人。●マラカイボ 詳しくはこちら↓ボードゲームのこと:マラカイボ 重ゲー好きなメンツのくせに、高齢化に伴い長時間のインストにもプレイにも耐えられなくなった僕たち私たち。なのでいつの間にか、たまに人数が3人になったとき(つまりプレイ時間の短縮化が見込めるとき)に、長年積んでたインスト大変そうなゲームをやる流れができた。今回選ばれたのはこれ。17世紀のカリブ海を縦横無尽に駆け巡る商船(たまに海賊行為)の船長となって、4ラウンドにわたって商品を売買したり建物建てたり人を雇ったり探検したり大国と手を組んだり戦ったりする。いっぱい点取った人の勝ち。 プレーンな状態でプレイすることもできるが、シナリオありでやった方が面白いはずなので第1章をプレイ。続きをやる可能性は極めて低いが……やはり盤上をぐるぐる回る系は、プレイ中に盤面がちょっとずつ変化していく方が飽きが来なくていいね。 今回は探検できる場所があまりない上に、探検できるカードがsskに偏ったため、トラックを独走されてぶっちぎられた。探検強いなw 最終盤面。私は青。後半(少なくともラウンド4)はトップ目が超高速で周回して逃げ切りを図るので、助手を多く置きすぎても使い切れないのでよくなかったな。 個人ボード。カードを安く買える人をいっぱい出したのは悪くはなかったが、能力の解放順を間違ったかな。短い歩数で村アクションを多く打てるやつの優先度をかなり上げるべきだった。成長の仕方で迷ったり悩んだりできるのは面白いゲームの証だなw 戦闘周りのルールを除けば、ここのアクションは簡単なのだが、なにぶん量が多くて説明するのは大変だ。ゲームとしては間違いなく面白いので、ルール知ってるメンツで集まれるなら第2章以降もやりたいところだ。●賢者の物忘れ まあ3人でやろうとも、我ら超長考勢にかかれば半日つぶすことなど造作もないので、あとはわずかなロスタイムでこれを2回やって終了。 もうろくして呪文も思い出せなくなった賢者たちが、なぜか装備を調えて殴り合う……というフレーバーだった気がする。しかし“もうろくしている”という設定はまったく生かされておらず、普通に殴り合うだけw 手番ごとに装備カードを2枚(1枚ずつ)引き、1枚を自分で装備しなければならず、もう1枚は他プレイヤーに装備させなければならない。1枚目について判断したあとで2枚目を引くので、「あ゛~逆にしとけばよかった!」となることがしょっちゅうあるw すでに自分の装備が充分強い場合でも装備替えしなきゃならないのが本当に意味分からんw そのあと相手を1人選んでダイスバトル。もちろん装備補正がある。 ヒットポイントが尽きたら脱落(回復手段もある)。これで最後の1人になったプレイヤーの勝ち。 まあ短時間で終わるので悪くはないが(実際2回やったし)、販売店付属のカード訳には間違いがあるので注意。簡単な英語なので直読みでやった方がいい。
2024.09.14
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「やる前から傑作って分かってる謎解きやろうぜー」とお誘いいただいたので参加。いたるさん、旅団長さん、私の3人。一味さんは「ディテクティブX」を一緒にプレイしたマブダチとプレイするとのことで涙の欠席。●DETECTIVE X CASE FILE #2 ブラックローズ 「DETECTIVE X CASE FILE #1 御仏の殺人」のプレイ記録はこちら。 用意された豪華なコンポーネントとインターネット経由でダウンロードしたデータを駆使して謎を解き、web上で回答を入力(または選択)して進めていく謎解き。本職の推理小説家によるシリーズ第2弾。 ラグジュアリーなリゾートホテルのパーティーで、「黒いバラ」の開発に成功した女性経営者が殺害された。さらには、依頼者である記者の息子も行方不明になっている。犯人は誰? 少年の行方は? 殺人と行方不明との関係は? 謎が謎を呼び、状況は二転三転。パーティー参加者たちの不可解な証言や、さまざまな写真、動画や音声といった大量の捜査資料を紐解き、事件の真実を暴け!(公式サイトよりコピペ) 当然ながらネタバレ厳禁なので、内容について詳しく話せるのはここまで。できるだけネタバレを避けてよかったところを挙げると、まず何より役者の演技力が段違いに上がったw 前作は素人に毛が生えた程度に見えたが、今作は子役にいたるまでほとんど違和感はなかった。私は疎いのでよく知らないが、かなり有名な女優も出演しているようだ。おかげで動画を見るたびに萎えるということはまったくなくなった。これは大きい。今から1作目をやり直したらここで引っかかってギブアップするかもしれんw 肝心の謎については、前作が推理小説的謎7:パズル的謎3くらいだったとするなら、今作は推理小説的謎9~10:パズル的謎1~0だろう。正直言って、販売元のスクラップの気配はまったく感じなかった。動画という必須要素がなければ、推理小説を読んでいるのとほぼ変わらない。ここは善し悪しというより好みの問題だが、私はパズル的謎をストーリーにうまく組みこんでいた前作の方が好きだ。 ストーリーに大きな突っ込みどころはないのは、やはり本職が書いてるおかげだろう(まったくなくはないが、まったくないフィクションなど存在しないので問題ない)。ほかの作家もどんどん謎解きのシナリオ書くといいと思う。 結論として、前作を充分楽しめたならこちらもプレイして後悔はない。なお、作者がツイッターで「プレイ環境は問わない」と言っており、まあ確かにそうかもしれないが、実際にはネタバレ禁止の謎解きゲーをボドゲカフェなどでやるのはあまりお勧めできないし、大きな音を立てると迷惑になるようなところ(公民館など)でやるのも問題だろう。ぜひ閑静な個人宅でプレイして欲しい。 後日一味さんに聞いたところによると、そちらのグループではとうていやりそうもないことをやったらしい。人間の発想力は無限だな……全然関係ないけど、今作は頑張ればリプレイが可能ですw
2024.10.01
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ボックスアート 晩夏の「赤竜亭」シリーズ紹介強化キャンペーン第2弾。今回は箱の大きさこそ2キャラ入ってる“vs”シリーズと同じだが、なぜか1キャラしか入っていない「邪悪なプーキー」だ。「赤竜亭1」に登場する魔術師ゾットの使い魔がウサギ(?)のプーキーだが、邪悪なプーキーとはそいつのことではない(あれも確かに邪悪だけどなw)。酔っ払いがテレポートの呪文を唱えた結果、こことはわずかに異なる異世界に通じるポータルが開いてしまい、プーキーのドッペルゲンガーである邪悪なプーキーがやってきたのだ! こいつの狙いはただ一つ……酒場に大混乱をもたらすことだ! つまりやることは常連客とまったく変わらないのだw カード構成としては「いかさま」カードが1枚しかなく、対いかさまカードもないので博打には弱い。その分他プレイヤーの気力を減らすカードが多いので火力型と言える。 特殊能力として、これらのカードのように左下にポータルアイコンがあるカードをプレイした場合、効果を解決した上でドッペルゲンガーデックからカードを1枚引き、「赤竜亭」キャラのドッペルゲンガーを呼び出すことができる。これらのカードの多くには2通りの使い方があり、自分の手元に置けば好きなときに(そして適切なタイミングで)使える追加の手札となり、他プレイヤーの手元に置けばおおむね何か嫌な効果を与えることができる。ただし、中には全プレイヤーに影響を与えるものや、邪悪なプーキーにだけマイナス効果を与えるものもあるので注意だ(注意してもどうしようもないが)。 ドッペルゲンガーカードは15枚しかないが、「赤竜亭1」からは全員のドッペルゲンガーが登場する。盗賊のゲルキは汚職保安官に、司祭のディアドラは吸血鬼に、ゾットはリッチキングになってる。フィオナは情緒不安定になってるが……オリジナルのフィオナの情緒も安定してはいなかっただろw 邪悪なプーキーはボスとしても使うことができる。他のキャラとは異なり、ボスカードが7枚しかないが、ドッペルゲンガーカード15枚がまるまるボス戦仕様に差し替えられて強力になるので充分に強い。 「悪事で何より大切なこと」は「誰の中にもある邪悪を見つけること」だそうだ。 そして新たな試みとして、このセットには既存の「赤竜亭の仲間たち:プーキー」で登場するプーキーをボスとして使える追加カードが入ってる。悪漢以外でボスとして使えるキャラはこれが初めてだな(少なくとも、ゲームの分類上ではプーキーは“英雄”なのだw)。 「プーキーの何より大切なこと」は「プーキーに手を出さないこと」だ。危ないからなw 追加ルールとして、プーキーが精神異常のときにさらに気分が悪化した場合、これまでは何も起こらなかったが、ボスになってる場合は新たに用意された英雄的デックからカードを引くことができる。これは枚数は少ないがそれぞれが非常に強力な上、一度引いたらあとは通常のカードとして扱われるので、リシャッフルのたびにまた引くことができる。ゲームが長引くほど手がつけられなくなるので、ボスプーキーを相手に戦うときは短期決戦を心がけたい。 英雄的カードの一部。「ウサギの集中砲火!」は気力を4減らすトンデモ効果。しかも無視/軽減したりしても1ダメは抜けてくる恐ろしさ。「それでも、そんなはずない。」は最上位の打ち消しカード。他の「そんなはずはない!」系カードを打ち消すことはできるのに、こちらが打ち消されることはない。これを含めて、ボスプーキーのデックには打ち消しカードが3枚入ることになるのでカード効果を通すだけでも苦労することになるw これだけだと箱のスペースが余ったからかどうか分からないが、なぜかさらに新たなドリンクデックまで1セット30枚まるまる追加されてる。新キャラが増え、既存キャラに新たな使い方を追加し、ドリンクデックの多様性まで増してくれる。どう考えてもマストバイだ。BGGの和訳ルール
2024.09.10
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ボックスアート 晩夏の「赤竜亭」シリーズ紹介強化キャンペーンの最後を飾る第4弾。 「赤竜亭」(2007年)、「赤竜亭2」(2008年)、「赤竜亭3」(2011年)、「赤竜亭4」(2013年)、「赤竜亭5」(2015年)、「赤竜亭6」(2017年)、「赤竜亭7」(2018年)、「赤竜亭8」(2022年)に続く9つ目の独立セット。ストレージボックス兼用の「赤竜亭5」を除き、海賊(赤竜亭4)、悪漢(赤竜亭6)、赤竜亭の店主&従業員(赤竜亭7)、赤竜亭以外の酒場(赤竜亭8)ときて、本作では「赤竜亭6」で初登場したグレイポート(赤竜亭がある町)の地下都市、その名もアンダーシティ(そのまんまだな)が再びテーマとなった。「赤竜亭6」では悪党どもの溜まり場である「黒竜の奈落」での宴会だったが、今回はアンダーシティで(比較的)まっとうに暮らしている人たちが集う「スターモール・ドリンキング・ホール」が舞台なので、ボスキャラ1人を除く4人は(博打でいかさましたり飲み仲間を酔いつぶして有り金巻き上げたりするが)英雄たちだ。 ボードゲーマーなら基本システムは知ってるに決まってるので割愛して、各キャラを簡単に紹介する。 ピクシーの農夫、デイル。うん……そりゃピクシーも生物として存在してるなら性別もあればオッサンもいるだろうけどさあ……こんなピクシー見とうなかったw 何しろアンダーシティは地下都市でひがあたらないので、キノコ農家であるデイルにとってはうってつけの土地ということで、わざわざ遠方から移住してきて食用・薬用のキノコを栽培してる。ときどき大型(ピクシーから見れば)種族が畑を踏んづけるのが悩みの種w デイルはキャラクターデックとは別にキノコデックを持っており、これを手番ごとに1枚ずつプレイヤーマットの上側にプレイし(3枚まで)、それぞれ一番上のスペースから下へと3段階にわたって成長させる。通常カードの中には追加のキノコをプレイしたり成長させたりするものもある。一番下のスペースからさらに成長させることになったとき、そのキノコの採集効果が発動する。 さらに、デイルの通常カードの中には、その効果に「収穫●:」と書かれているものがある。そのようなカードをプレイしたとき、必要な収穫値(以上)を持つキノコを支払うとこれらの収穫効果が追加で(または代わりに)発動する。 収穫値は余分に支払ってもお釣りは返ってこないし、キノコの中には成長するにつれて収穫値が減るものもあるので、どのタイミングで使うか、また収穫と採集のどちらとして使うかに頭をひねることになる。どのキノコが出てくるかはランダムなので、臨機応変な対応が求められる中級者向けのキャラかな。 ジェットは体を動かすのが大好きなコボルドの配達人。町中でパルクールしながら荷物を運ぶ。割れ物は任せたくないなw デック構成は普通だが、“運動量”という固有のパラメータ(0-3)を持っており、一部のカードでそれを得ることができる。 で、こういったカードはその運動量を参照して追加効果を得ることができる。管理も簡単で強力だが、運動量を得るカードはやや少なめな上、たいていはカード効果を使ったあとで運動量が減るので、デックをできるだけ早く回転させて高い運動量を維持したいところだ。 イゲラはアンダーシティの自警団“ランオフ・レンジャーズ”の一員であるドワーフ。ぱっと見では分からないがどうやら女性らしい。動物を手懐けるのが得意で、酒場にもたくさんのペットを引き連れてきている。迷惑だからやめろw イゲラのほぼすべてのカードは「ペット」というサブタイプを持っている。それぞれは他キャラのカードとほぼ同じ効果だが、一部のカードがこの「ペット」サブタイプを参照して効果を発揮する。 うーん……どうかな。こいつは赤竜亭1や2のプレーンなキャラとほぼ同等な気がする。何しろ「ペット」サブタイプを参照するカードがこの2種3枚しかないのだ。それで回すのは難しいんじゃないかなあ。 それはそれとしてひいおじいちゃんのバックラーを借りて難を逃れるイゲラ。何なのドワーフはひいおじいちゃんの装備をかっぱらってこなきゃならない縛りでもあるのw テルシーは治癒魔法がある世界では珍しい医者。地上のグレイポートで神殿に頼れない貧困層のアンダーシティ市民に物納で治療を提供している。聖人か! こんな感じのアイコンが左下にあるカードをプレイすると、対応する包帯か添え木か軟膏トークンを得ることができる(各3枚まで)。 で、別に用意されてる患者カードが常に2枚登場しているので、それに示されてるトークンを支払うと治療したことになり、手札になる。患者カードには通常カードより強力なものもあるし、今欲しい効果を持ってる患者を治療すれば即使うことができるので、プレイの柔軟性はかなり高そうだ。 走り回るコボルドに追突された市民や、女戦士にヘッドロックかけられてむち打ちになったオーガ。うーん犯人は誰やろなあ(すっとぼけ)。 最後は今回のボスキャラ。比較的まっとうな集団だった盗賊ギルドアンダーシティ支部のトップを策略で解任に追いこみ、自らその後釜に座った“悪賢い者”ペトラ。種族はデーモンキン。特技は火や熱を操って周りをやけどさせること。物理じゃねーかw こいつは追加ルールを2つも持ってる。まずはプロット。ペトラのカードの中には「策略」というサブタイプを持ってるものがあり、手番開始時に(およびカードの効果で)手元に裏向きで置くことができる。これは手札外として扱われるが、適切なタイミングで使ってそのプロット効果を発動させることができる。ただし次の手番開始時に残ってるプロットカードはすべて捨て札になるので、他プレイヤーの動きを読み、それに合わせて使えるものをプロットしなければならない。そうとう難しいんじゃないかw また、ペトラは一部のカードで“業火”というパラメーターを得ることができる。これが一定数たまると特殊効果が発動するし、業火の値を参照するカード効果もある。プロットして捨て札になったカード1枚ごとに業火を1得るので、割とばんばんプロットしてよさそうだ。 業火トラッカー。通常キャラとしては業火が4たまるたびに他プレイヤー1人の気力を2減らし、ボスキャラとしては5たまるたびに気力を2減らして手札を3枚捨て札にさせる。たまらんなw 「悪事で何より大切なこと」は「火で燃やすこと」。やっぱり脳筋じゃねーかw セットとして初出の特殊ルールはないが、はしご酒用の酒場として「スターモール・ドリンキング・ホール」が追加された。 酒場カードと酒場のドリンクカード。モグラがイメージキャラらしい。 前作「赤竜亭8」はさまざまな酒場のオーナーがプレイヤーキャラだったので削除されていたが、今回は3種の女中シリーズが復活。といってもイラストは「スターモール・ドリンキング・ホール」のオーナーであるエルフのアルヴァロ。もと海軍提督で、肌が浅黒いのは日焼けしてるから。ちょうどグレイポートがドラゴンに襲われてるときにやってきて船が全壊。たまたま見つけたアンダーシティで難民と協力していくうちに情が移って……というなかなかヘビーな設定がある。詳しくはぜひスラッグフェストゲームズのサイト(英語)で読んで欲しい。また、単体でプレイできるナンバリングタイトルとしては初めて、2人プレイ時専用のNPCを追加する“機械仕掛けの友達、オットー”用のデックが2つ追加された。今回用意されたのは狂戦士と洞窟探検家。「赤竜亭:ヴァイキングボックス」で4つ、「赤竜亭の仲間たち:スパイク&フラワー」で4つ用意されてるので、今回の分と合わせて10セット。各ゲームではそのうち2セットだけを使うので、全部持ってればだいぶ変化がつけられるようになったんじゃないかな。 これにて「赤竜亭」強化キャンペーンも終了。あとはみんなが買ってプレイするだけだ!BGGの和訳ルール
2024.09.12
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「キック発の非対称経済ゲーが届いたからやろうぜー」とお誘いいただいたので参加。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。●Hegemony: Lead Your Class to Victory 詳しくはこちら↓HIKAFURE SOUP:【ボードゲーム】HEGEMONY:覇権の紹介【Kickstarter】 「キッチンラッシュ」「ダイスシティ」「アマング・ザ・スターズ」などを作ったギリシャのVangelis Bagiartakisと、国際政治学の学士号と修士号を持ち、これがデビュー作となるVarnavas Timotheouの共作。デビュー作がこれってのもびっくりだし、「キッチンラッシュ」のデザイナーがこれ作ったってのもびっくりだよ。悪魔合体過ぎるだろw 「Hegemony」は覇権とか支配権とか訳されるが、ここではマルクス主義者の独自概念を指しているようなので、カタカナで「ヘゲモニー」とした方がいいだろう。コトバンクなどに概要が掲載されてるが、私には何言ってるのかさっぱり分からないw とにかく、力業での支配ではないってことかなー。 プレイヤーは国家、資本家階級、中産階級、労働者階級のいずれかとなり、それぞれの階級に応じたアクションを実行していき、独自の手段で勝利点を獲得していく。 労働者なら就職して金を稼ぎ、その金で生活必需品である食料を購入して、余裕があればちょっとした贅沢品とかも買える。資本家は労働者が働く会社を用意して財を生み出し、それを労働者や海外市場に売却して利益を得る。中産階級は状況に合わせてその両方をいい感じに行う。国家は財政破綻しないようにしつつ、国民の皆様から認めてもらえるような舵取りを行う。 6ラウンドでゲーム終了。最終得点計算して、いっぱい点取ったプレイヤーの勝ち。 私は国家を担当してプレイ(他の3人は忘れた)。プレイヤーの立場がまったく違うので、誰かの利益は誰かの損失になることばかり。会社の利益を上げるために最低賃金を下げる法律が通れば労働者が困窮し……といった具合で、特に資本家と労働者は(主に政策の面で)完全に対立している。中産階級はその場その場で有利な方につきつつ、肩入れした資本家/労働者が優位に立ちすぎないように調整して最終的な勝利を目指す難しい役回り。 そして国家は他の3者とはまったく異なり、毎ラウンドランダムに発生するイベントに対処しつつ、やはりランダムに用意されるマニフェスト(選挙のときに「うちはこんな感じの政策なんで、法律の状況をこんな感じにしますよ」と公約した、ということになってる)に合わせて法律を調整しようとする。イベントにいい感じに対応すると褒められるが、たいていは金がかかって国庫が尽きかける。それを補うために税金をかけると嫌われる。マニフェスト通りの法律にしようとしても、それでは困る階級が反対して通らないことも多い。政治家も大変だなw 資本家/中産階級のカードプレイや、中産階級/労働者による労働者駒の配置が目立つが、本当に大切なのはこの法律への影響だ。そのためにロビー活動して影響力を高めるのが重要なのだが、初回ではなかなかそこに気づきにくい。地味だしなw このため、みんなが少ない票数で投票することになってあまりダイナミックに法律が変わることもなく、4ラウンド途中終了時点で国家がぶっちぎりトップに立つことになった。ただ資本家は終盤に莫大な勝利点を稼ぐので、このまま続けてたらどうなったかな。 旅団長さんが早退されたあと、残りの3人でもう1戦。3人プレイの場合は国家がNPCとなる。今回はいたるさんが資本家、一味さんが労働者、私が中産階級でプレイしたが……中産階級むずいなw ガツンと得点が入らないので、資本家も労働者もきっちり絞らないとどっちかに負ける展開になりそう。この日は労働者が勝つかと思われたが、資本家が最終ラウンドに30点くらい取って驚異の大逆転となった。 最終盤面。NPCが国家担当するとルールががらっと変わるので国庫はジャブジャブであるw 面白い。政治をリアルにシミュレートしているとはまったく思わないが、簡略化されながらも充分に納得できるモデルになっている。BGGでは4陣営すべてについて「この陣営強すぎるんじゃね? バランスぶっ壊れてるだろw」スレが立っており、逆にバランスが取れてることの証左となってるw 雑にプレイした初回も面白かったし、それを踏まえた2回目も面白かったし、何度もプレイして解像度を高めたあとも面白いだろう。元は資産家対労働者の2人用ゲームとしてデザインされたらしく、中産階級と国家に多少の蛇足感があるのは否めないが、そこを差し引いてもいいゲームだ。意外に短時間(4時間くらいか)で終わるしね。ちょっと先になりそうだが日本語版も予定されてるようなので、強いインタラクションのあるゲームが好みだが殺伐としたのはやりたくないというわがままなゲーマーにお勧めだ。
2023.04.25
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ボックスアートプレイヤーボードゲーム全景(クリックで拡大) デザイナーはBruno Crépeaultで、これがデビュー作。パブリッシャーは日本語版も出た「Wiraqocha」で知られるSit Down!。今年流行のテーマである(と勝手に思ってる)鉱山ゲーの1つだ。 “ロックウェル”というのは世界的鉱業会社で、プレイヤーはその子会社の1つを担当する。この先展開される予定の一大プロジェクトを任せてもらおうとして、各プレイヤーはせっせと地面を掘って鉱石を採掘し、利益を上げようとする。といっても、なかなか単独では固い岩盤を掘り抜けないので、ある程度は他プレイヤーと協力しなければならないところがミソだ。過半数のプレイヤーが地球深奥部まで掘り進むか、誰かが規定数の偉業を達成したらゲーム終了で、最多得点プレイヤーの勝ち。 メインゲームボードはモジュラー式で、4つの同心円をそれぞれ8等分した地下タイルを組み合わせ、円形のゲームボードを形成する。各地下タイルの表面には数字が書かれており、そのタイル上にその数字分のパワーを持つ鉱夫駒が置かれると採掘が始まる。採掘されたタイルは裏返され、もうそこで採掘することはできなくなるが、坑道タイルを置いていると、ラウンドごとに自動的に資源が手に入る。 メインゲームボード。ゲーム開始時はこの状態で、プレイヤーは四方にある鉱山の入り口から鉱夫駒を移動させ、タイルを掘り進んでいく。 ゲームが進むにつれ、採掘されたタイルが裏返されてこんな感じになる。採掘済みの地下タイル上に坑道タイルを置いているプレイヤーは、ラウンドごとに示されている資源駒を得ることができる。 ゲームは3フェイズに渡ってプレイされ、各フェイズごとに対応するフェイズボードがあり、そこに描かれているアイコンやイラストの指示に従って上から下へと処理していけばスムーズにゲームを進められるようになっている。 フェイズの進行を始める前に、まずは競りで手番順を決め、その順で副社長駒(要するにワーカーだ)を任意のフェイズボードの空きマスに置く。ワーカープレイスメントっぽいが、各プレイヤー2個しかなく、各フェイズボードには1個しか置けないので、ここでそんなに時間を食うことはないだろう。とはいえ基本的に先手有利で、フェイズ2と3は副社長駒を置かないとアクションを実行することすらできないので、そのラウンドに実行したいことは何かをよく考える必要がある。 フェイズ1はメインフェイズ。先ほど競りで手番順を決めたが、それとは別に、ここで採掘順を決める。副社長駒を置いていれば先手で掘り進むことができるが、フェイズ1に限っては副社長駒を置いてなくてもアクションすることができる。まあそうじゃないと、実質毎ラウンドフェイズ1ボードに駒置かなきゃならないからなw そのあと、のちのちの危険を避けるために保険に加入したあと、4ラウンドに渡って鉱夫駒を移動させ、地下タイルを掘っていく。鉱夫駒は1人4個持ちで、それぞれ1~4のパワーを持っている(最初は全部1)。これを隣接するタイルに1歩ずつ移動させていき、あるタイル上の鉱夫駒のパワー合計が、そのタイルに示されてる数値以上になったら採掘開始。対応する採掘カードを引いて、示されてる資源駒をルールに従って分け合う。 採掘カード。たとえば3パワーが必要な地下タイルで採掘したときには、裏面が右端のようになってる山から引く。そうすると中央のように資源駒の種類と数が書かれてるので、これを分け合う。カード下段の三角形は危険シンボルで、保険に入ってたり安全装置を準備してないと資源駒を失うことになる。 資源駒は鉱夫駒を置いていたプレイヤーで均等に(提供したパワーに関係なく)分け合うが、当然余りが出ることもある。これを誰が得るかも細かく規定されてるので、うまく余りをかすめ取れるように動くのが基本になるだろう。 たとえばこんなとき。この地下タイルでの採掘には7パワー(読みにくいが7と書いてあるのだ)が必要なので、赤の移動によって採掘が始まる。通常は最も多くのパワーを提供したプレイヤーが余りを得るのだが、トップが複数いる場合、その採掘を発生させたプレイヤー、つまり赤が余りを得るのだ。まさに漁夫の利w こんな感じで4ラウンドに渡って鉱夫駒の移動(およびそれによって発生した採掘)を繰り返す。このとき、フェイズ1ボードに副社長駒を置いたプレイヤーは、その位置に応じて賄賂を贈ったり(隣接している他プレイヤーの鉱夫駒を呼び寄せる)下請け業者を雇ったり(お金を払って4面ダイスを置き、その目の分のパワーを得る)することができる。そのあと、採掘済みのタイル上に坑道タイルを置いてるプレイヤーは、そのタイルから自動的に資源を得る。確定した利益が毎ラウンド得られるというのは非常に強力だが、各タイル上には誰かの坑道タイルを1枚しか置けないので、いいタイルは早めに押さえないとすぐ取られてしまうだろう。 フェイズ2は資源売買フェイズ。副社長駒を置いたプレイヤーだけが売買を実行できる。売値/買値は固定値なので、ほぼ自動処理だ。 フェイズ3は能力向上フェイズ。ここも副社長駒を置いたプレイヤーだけがアクション可能で、鉱夫駒のパワーを上げたり、安全装備を改良したり、坑道タイルを置いたり、鉱夫駒の移動力を上げたりできる。プレイヤーは初期資金として3000ドル持ってるが、能力向上には安くても1500ドルかかるので、資源駒を売らなければすぐにお金は足りなくなる。しかし資源駒は、最も高い金でも1個1000ドル。どれもこれもグレードアップというわけにはいかないだろう。ご利用は計画的にw。 このゲーム、実は得点手段が2種類しかない。そのうち1つが納入タイル。フェイズ3中に規定数の資源駒を支払うと名声点が手に入る。各種類の資源駒ごとにコスト2~8のものがあり、コスト順にしか獲得できない。後半のタイルほど高得点ではあるが、コストパフォーマンスは悪くなるので、手番順や達成タイミングも重要になるだろう。 こんなの。このタイルだと亜鉛駒6個を支払うと2名声点になる。亜鉛駒の場合、コスト5~8のタイルは一律2名声点なので、達成は早いほどいい。 もう1つの得点手段は偉業タイルの獲得。こちらはゲーム中いつでも、条件を満たせば即座に獲得できる。9種類のタイルが4枚ずつあり、早く達成した方が高得点になる。条件は簡単なものでも「採掘を6回発生させる」「銀駒を10個以上持つ(支払う必要はない)」と結構大変そうで、最も難しいものだと「全種類の資源を6個ずつ持つ」「鉱夫駒2個を4パワーにする」とかなりの難題になる。「鉱夫駒を地球のコアに到達させる」というものもあるが、これを達成するとその鉱夫はお亡くなりになってしまうので(当たり前だ)ゲームから除外される。早々に達成するのは控えた方がいいだろうw そうして得点を重ねていき、過半数のプレイヤーが鉱夫駒をコアに突入させるか(ひでえ話だw)、誰かが偉業を6つ以上(かつ最も難しい偉業3つすべて)を達成したらゲーム終了。持ってる駒数とお金による追加得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 なかなかよさそうではある。自分1人の鉱夫駒だけで採掘できれば大儲けだが、それが困難なのは言うまでもない。だから他プレイヤーの鉱夫駒と協力して採掘するわけだが、みすみす余りを他プレイヤーに持っていかれるようなことはしたくないだろう。自分が有利になりやすいように鉱夫駒のパワーを上げたり、移動力を増したりしたいところだが、それには多額のお金が必要になる。そのために資源駒を売りすぎると、納入が遅れて勝利点が得られない。フェイズ1ボードに副社長駒を置いて先手を取り、賄賂や下請け業者を利用して優位を得ようとすれば、フェイズ2ボードか3ボードのどちらかに副社長駒が置けなくなってアクションが実行できない……などなど、多くの要素が複雑に絡み合い、「あちらを立てればこちらが立たず」のいい見本になってる。 手番順を二重にする意味があるのかどうかはちょっと疑問だが(競りで決める手番順は副社長駒の配置順と、偉業を同時に達成したときなどの引き分け判定にしか使わない)、確かに何もかも最初の競りで順番が決まったら先手が有利すぎる気もするし、ここはプレイしてみないと分からないかな。 アートワークは「ウィラコチャ」「タケノコ」の人で申し分ない。今年は鉱山ゲーと寿司ゲーが来るので(断定)、クラマー&キースリングの「Glück Auf」ともども押さえておくと「あーあれね。やったやった。今年は鉱山テーマがトレンドだよねー」としたり顔ができるよwBGGの和訳ルール
2013.07.09
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「『クラフトワーゲン』したい」とリクエストいただいたので、持参して参加。つなきさん、いたるさん、タムラさん、私の4人で。●クラフトワーゲン 詳しくはこちら↓ひだりの灰色:クラフトワーゲン/Kraftwagen 和訳ルールはこちら。 まずこの日の本命のこれから。「グレンモア」式アクショントラックを使って自動車を作って売ったり、レースで順位を競ったり周回数を稼いだりして得点を得る。アクションをトラックの後ろから刻んでいけば手番数が増えるが、やりたいことが充分できるとは限らない。トラックの前の方にある実行したいアクションのタイル(またはアクション数が多いタイル)を選べば手番数が減るという、「グレンモア」と同様の悩みどころがあり、ここがゲームのキモだ。このシステムはこれだけである程度の悩ましさ、おもしろさがあるのでもっと使われてもよさそうなものだが、他にはあまりないね。 初見なので、伸ばす要素を何となく他プレイヤーとはかぶらないようにする面々。タムラさんがエンジン、つなきさんが車体、私がサービスマン重視。いたるさんはややバランス型で、とにかく自動車を安売りすることに注力してた。振り返ってみれば、この時点で勝敗は決まっていた……自動車販売とレースの両方に影響力を持つことができるのはエンジンのみ。そこを伸ばしたのが1人だけなら、そりゃそのプレイヤーが勝つわなw さすがタムラさんやで……って↑で紹介してるブログでも同じことやって勝ってるじゃねーか! 経験者が定番の勝ち筋押さえてぶっちぎるとは、汚いなさすがタムラさんきたないw エンジンを全員がある程度上げて、レースでデッドヒートを繰り広げられるくらいにして、その上で他の要素でも競い合ったり住み分けしたりするところからがゲームかな。インスト時にここだけは強く言っておいた方がいいかもね。技術カードのめくり運が強いとの意見が多いようだが、そこまでは感じなかったかな。このパブリッシャーやこのデザイナーのゲームは、他のはどれも重量級~超重量級なので、それを期待すると肩すかしを食らうが、最初から2時間弱で終わるゲームと思ってプレイすれば充分楽しめるだろう。あとサービスマン重視ならけちってギリギリを狙わず、だれもついて来れないような数を置け! さもないと1ラウンド目に自動車が1台も売れず、ボーナスタイルの得点もなく、0点で終わった私みたいになるぞw●スパイフォール 次にいたるさん持ち込みのパーティーゲーム。近々日本語版が出るらしい。各プレイヤーに同じ場所カードを配るが、1枚だけスパイカード。これを受け取った人がスパイになる。つまり、スパイだけは自分たちがどこにいるか分からない。スパイは「正体を明かし、自分がどこにいるか当てる」または「スパイであることを見破られない」のどちらかを満たせば勝ち。他のプレイヤーは協力して「スパイが誰か当てる」か「正体を明かしたスパイが場所を間違える」と勝ち。 そのためにディーラーから順に、他プレイヤー1人に質問していくことができる。次は質問された人が(直前に質問してきた人とは別の人に)質問し……と続ける。この質問フェイズ中にスパイを当ててもいいし、スパイは場所を特定してもいい。制限時間が来たらディーラーから順にスパイらしき人を指名するフェイズ。常に満場一致で他プレイヤーの賛成を得ないとダメ。 ゲームシステムに破綻はない。脱落のない「人狼」系で好感が持てるし、アートワークもユーモラスでいい。しかし楽しむために必要な会話スキルの要求レベルが高すぎるw 非スパイプレイヤーは自分たちの居場所(「動物園」とか「潜水艦内」とか)をばれないような質問をすべきだが、だからといって「今朝何食べた?」「パンとサラダ」みたいな会話をしても、スパイを当てる手がかりが得られない。まあ場所が「十字軍」のような極めて特殊なところなら別だが。要するに「スパイに居場所がばれず、かつその場所特有の受け答えができる」ようなウィットに富んだ質問がベストなのだが……そんなん毎度毎度思いつかんわw 今回のプレイでは私が質問する番が来るたびに地蔵になり、そのまま時間切れとなって終わってしまった。実に申し訳ない。 もう1点。ディーラーから質問を始めるわけだが、当然ディーラーがスパイになる可能性もある。幸い私はならなかったが、この場合「まったく情報がないのに居場所を知っている体で質問しなければならない」わけだ。その難易度たるや、プレッシャーたるやいかばかりなものかw 繰り返すが、このゲーム自体に悪いところはなく、アイディアは素晴らしい。だがこのゲームを軽々と楽しめるメンバーは、特にこのゲームをプレイする必要はなく、ただ集まってひたすら喋ってるだけでいいんじゃないかな……全員初対面で「ギフトトラップ」やるよりはるかにハードル高いと思うw●ランタン 次もいたるさん持ち込み。キックスターター発で、2015メンサセレクト受賞。BGGレーティングも600人以上が得点つけた上で7点越え。そしたらまあ、多少は期待もするだろう。しかしこれは何ともダメダメなゲームだった。メンサが目をつけてる時点で気づくべきだったなw 手番ごとにタイルを1プレイス1ドロー(逆だったかも)。置いたタイルによって、ルールに従ってランタンカードを自分も他プレイヤーも得る(得られないこともある)。ランタンカードのセット(同種4枚とか、3種各2枚ずつとか)ができたら、1手番を使ってそれをストックに戻し、得点タイルに交換。早く作った方が得点が高い。タイルがなくなったらゲーム終了で、最多得点プレイヤーの勝ち。 得点タイルが早い者勝ちなので、一見先手有利っぽいが、序盤に場のタイルがない状態でタイルを置いても充分なカードが得られないので、実は後手有利だ。そして拡大再生産したり、その他の紛れがないので、この差が埋まらない。この日もきれいに、順位が手番順の逆順となった。そしてタイル1枚1枚はきれいだが、効率よくカードを得ようとして場に出されたタイル群は見苦しい……このへんのダメなところはクニツィアの「京都」とまったく一緒だよw 「京都」と同様、見るべきところは何もないゲームだった。ハズレ。●ウィットネス 前回のプレイ記録はこちら。 最後はいいゲームで締めようということでこれ。しかし、今回は問題のレベルが低く、同じような(しかも比較的簡単な)ことを繰り返しやることになってしまい、あまり楽しめなかった。初級の1問目はよくできてたし、中級の1問目は衝撃的だったんだけどなあ。問題の質が全体的に低いようだとゲームの評価も下がるのだが、それはやってみないと分からないのが難点だな。
2015.08.07
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ボックスアートゲームボード(上級者用B面) デザイナーは2012年にREBEL.plから「メルクリウス」を出した、ポーランドのŁukasz Woźniak。2013年にはこのゲームと「7 Days of Westerplatte」を発表している。パブリッシャーは先日紹介した「メタルム」と同じGalakta。このゲームも2人専用だが、「メタルム」のテーマがSFであるのに対し、こちらは対極とも言える中世もの。さらに、「メタルム」が同じ土俵で勝利点を競う形式であるのに対し、こちらは担当する陣営によって実行できるアクションも勝利条件も異なる非対称ゲームとなっている。 舞台は中世ヨーロッパ風のどこかの城下町。お出かけしていた君主が護衛を引き連れて帰ってきたが、こいつが暴君で、市民に蛇蝎のごとく嫌われている。にもかかわらず、町の大広場を悠々と歩いて横断しようと言い出した。護衛の騎士にとってはいい迷惑だw 市民はこれを千載一遇のチャンスと捉え、殺ってしまうことにした。暗殺者プレイヤーは大勢の市民の中に暗殺者を潜ませ、国王に2ダメージ与えて暗殺することを目指す。国王プレイヤーは国王を騎士で守りつつ、城門をくぐって安全な城内に到達することを目指す。 ボード上の初期配置マスに国王、騎士、市民マーカーを置く。暗殺者プレイヤーは12枚ある市民カードから3枚を秘密裏に選び、裏向きで手元に置く。これがそのゲームで正体を隠している暗殺者となる。正体を明かすまで、暗殺者マーカーはボード外に置いておく。 騎士(左)、暗殺者(中央)、国王(右)、市民たち(奥)を表すマーカー。これをボード上で移動させることになる。暗殺者はゲーム開始時点では市民に紛れているので、まだボード上には置かれない。 市民カード。こんなのが12枚あるので、そのうち3枚を暗殺者として選ぶ。皆さん相当怒っていらっしゃるw 準備ができたらゲーム開始。まず最初にラウンドカードを山札から1枚めくり、各プレイヤーがそのラウンド中に使用できるアクションポイントを決める。 ラウンドカード。左端のカードでは、暗殺者プレイヤーは市民や暗殺者のために5APを使うことができ、国王プレイヤーは国王のために1AP、騎士のために6APを使うことができる。国王側の一番下に足枷アイコンがある場合、国王プレイヤーは市民を捕縛することができる(後述)。 ラウンドごとに、常に国王プレイヤーが先に全APを使ってアクションを実行する(余らせたAPは失われる)。そのあと暗殺者プレイヤーが全APを使ってアクションを実行する。APの使用順や、どの騎士/市民/暗殺者に対して使うかは任意。 国王は「移動」しかできない。ただひたすらに城門目指して移動するだけ。しかし国王のAPは全体的に少なめで、斜めには移動できず、屋根に登ることも、他のマーカーがあるマスに入ることもできない。初期配置マスから城門までは最短で13マス(B面の場合)あり、ラウンドカード(A面プレイ時には15枚、B面プレイ時には14枚)が尽きた時点で城内に入っていない場合にも国王側の負けとなるので、じりじりとした移動が国王プレイヤーの胃を痛めることになるだろうw 対して騎士はさまざまなことができる。「移動」の他、通りマスから屋根マスに「よじ登り」したり(大変なので2APかかる)、逆に屋根マスから通りマスに「降下」したりできる。移動先に市民/暗殺者マーカーがあれば、それを同じ方向に押し出すこともできる(複数のマーカーが連鎖して押し出されることもある)。市民が国王の行く手を阻んで入城の邪魔をしている場合、騎士が道を切り拓くことになるだろう。 そして「暗殺者の抹殺」と「市民の捕縛」。正体を明かしている暗殺者がいる場合、そのマーカーに隣接して斬り捨てることができる。正体を明かしていなくても怪しげな動きをする市民がいる場合、そのマーカーに隣接して捕縛することもできる。いずれにせよそのマーカーはボードから取り除かれるので、まあ市民を斬り捨ててると見なしてもいいw さすがに証拠もろくにない市民をばっさばっさと斬り捨てていくわけにもいかないので、「市民の捕縛」はそのラウンドのアクションカード上に足枷アイコンがあるときに限り、ラウンドごとに1人だけ実行することができる。暗殺者として正体を明かす前に市民が捕まることもあるが、それが最後の暗殺者でない限り、暗殺者プレイヤーはその事実を公開する必要はない。国王プレイヤーはゲームが終わるまでドキドキし続けるということだw 国王プレイヤーが全アクションを実行したら暗殺者プレイヤーの手番。市民にできることは「移動」「よじ登り」「降下」の3アクションだけで、騎士とは違って押し出しを行うことはできないので、移動先が空きマスでなければならない。 暗殺者プレイヤーは手番中の任意の時点で暗殺者の正体を好きなだけ明かし、対応する市民マーカーを暗殺者マーカーに置き換えることができる。正体を明かした暗殺者は市民としてのアクションに加え、隣接している騎士を抹殺したり、隣接している国王を攻撃したりすることができる。国王への攻撃には2APかかるが、国王は2点負傷すると死亡するので、4AP残ってる状態で市民が国王に隣接する状態は絶対に避けなければならないだろう。そいつが暗殺者だった場合即死だからなw こうしていずれかのプレイヤーが勝利条件を満たすまでプレイを繰り返す。3人の暗殺者を(正体を明かしているかどうかにかかわらず)全滅させるか、国王マーカーを城門マスから城内に移動させたら国王プレイヤーの勝ち。国王を2点負傷させて暗殺するか、規定ラウンドプレイして国王の入城を阻止したら暗殺者プレイヤーの勝ち。 非対称2人ゲー、しかも勝利条件まで大きく異なるものはウォーゲームではありふれているが、ユーロゲーだとそんなにはないんじゃないかな。最近だと「アンドロイド:ネットランナー」とか「ドラコ」くらいか? 多人数なら「スコットランドヤード」系や「呪いのミイラ」とかあるな。 このゲームには正体隠蔽要素があり、これこそが肝になっている。国王プレイヤーは市民を何人捕縛しても、それが暗殺者かどうか分からないので最後まで気を抜けない。かといっていつまでも正体を隠していては、暗殺者プレイヤーは国王を攻撃することができない。今近寄ってきた市民が暗殺者じゃないか? 捕縛するか? しかし捕縛は1人しかできない。もしこっちじゃなくてあっちが暗殺者だったら……。ここで2人の暗殺者の正体を明かして、騎士を1人倒して道を開けば国王に1ダメージ与えられる。しかし次ラウンドの騎士のAPが多めだったら2人とも返り討ちだ。あと1人でもう1ダメージ与えられるか……? 「指輪戦争」でも感じたが、勝利条件が2つずつあるのもいい。片方だけに注力すると、相手がそれを阻止するのは比較的容易だろう。両者とも両方の勝利条件をにらみつつプレイしなければ勝利は難しいんじゃないか。 バランス調整が大変なうえ、どっちかが明白に有利だとゲームにならないので、非対称ゲームをうまく作るのは難しいんじゃないかと思う。その点は「メタルム」より不安だが、まあこれはやってみないと分からない。プレイする機会があったら、両陣営を最低1回ずつは担当したいところだ。BGGの和訳ルール
2014.01.10
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定例会。SSK、まるみ屋、ハマチ、私の4人。●アンロック! まず私持ち込みのこれから。このゲーム会の趣旨は「崩しても崩しても増える一方の逆賽の河原状態になっている友人宅のゲームを何とか崩す」ことなのだが、私主催の秋葉原イエサブゲーム会でネタバレ超厳禁の「アンロック!」をやるのもはばかられるので、無理を言って持ち込ませてもらった。 翻訳を担当した私はプレイできないので、インストしてにやにやしながら脇で見てるだけ。チュートリアルで間違える3人を見るのは最高に楽しかったねw やってるところを見て初めて気づいたが、時間制限というのは思った以上にプレッシャーとなり、正常な思考を奪うようだ。 チュートリアルも無事終わり、いよいよ本番をプレイ。CAUTION! 以下に「アンロック!:調合法」と「アンロック!:ネズミとソーセージ」の1枚目のカードの裏側画像(シナリオの背景が描かれているもの)があります。それも見たくないという場合はご注意ください。 1本目のシナリオ「調合法」。プレイヤーはスパイっぽい組織のエージェントとなり、自白剤の開発中に連絡が途絶えた博士の研究所に潜入する。 序盤の誰もが引っかかるところで引っかかり、つまずくであろうところでつまずいたが、「これ気づく奴いないだろ」と思ってたところをすんなり抜けたり、「それは隠し数字じゃねーよw 深読みしすぎだろw」ってところもあったりと、いろいろ驚かされた。 そこそこヒントを使いつつ、時間内にクリア。 メンバーの反応も悪くなかったので、そのまま2本目のシナリオ「ネズミとソーセージ」へ。プレイヤーはヒーローグループとなり、邪悪なノーサイド教授の企みを阻止しようと奮闘する(捕まるけど)。 やはり最序盤から詰まる。「○○するためにカード番号を○○する」って発想はなかなか出ないわな。あと、中盤のカードで、PCのモニター上でははっきり見えた隠し数字が印刷されたカード上だとかなり沈んでおり、そこにあると知ってる私でも読み取れなかった。だがツイッターなどでそれに文句言ってる人も見かけないし、たぶん老眼じゃなきゃ大丈夫なんだろうw あとは特に問題もなく、いくつかヒントを使いつつ時間内にクリア。 楽しんでもらえたとは思うが、やはり経験者や解答を知っている者がそばにいるのはよくないね。よほど意志が強くない限り何かしら喋っちゃうし。3本目の「グーズ博士の島」は合宿に持っていって、1本目と2本目をやらせた別チームと合同でやってもらおうと画策してるので、そのときは十分に注意しよう。 また、おそらくはめったに起こらないんだろうが、今回は「間違った推理で間違った数字を導き出し、その数字がたまたまデック内に存在してしまった」事態が発生してしまった。最悪ゲームが壊れちゃうので、これだけは口を挟んで阻止しよう。●ソードアート・オンライン ボードゲーム ソード・オブ・フェローズ 公式サイトにルールがあります。 続いてこれ。キャラごとに出目の異なるダイスを使ったり使わなかったりして、共同で役を作って敵を倒す変則ヤッツィー。 まあここまではぎりぎり面白いと言えなくもない。ヤッツィー系好きなら受け入れられるだろう。しかしラスボスを倒せるのはキリト君のみなので、他プレイヤーはキリト君が勝つ(あるいは負ける)までぼーっと見てるだけ。まあそういう原作だけどさあ……面白いわけないわなw 私はリズベットを担当。特殊ダイスの目がキリト君の能力とかみ合わないので最終戦ではハブられる。うむ、原作通りだw 別デザイナーの「サンダーバード レスキューゲーム」のときも思ったが、いかに優れたデザイナーでも、ボドゲに理解のないパブリッシャーからキャラもの出すとこうなっちゃうんだなー。テーマを乗せるのは大事だけど、別に原作を強く再現しなくてもいいのにな。「原作(アニメ)ファンのボードゲーマー向け」ではなく、「ボードゲームを知らない原作(アニメ)ファン向け」だね。●エルドラド 詳しくはこちら↓ニコボド:ゲーム紹介『エルドラド(Wettlauf nach El Dorado)』 次は評判のいいのをやろうということでこれ。デック構築+レースゲー。クニツィアなんでテーマは特にこれでなくてもいい。まあこれの方が個人的には食いつけるけど。 4番手でスタート。デック構築でもレースゲーでも、たいてい後手が不利だ。その組み合わせなんだから超不利だw 多少ゴールに近いところから出発できるが、誤差と言っていいw であれば、「ドミニオン」同様に先手とは異なる(多分に博打的な)戦略を取るべきだったが、そんな基本的なことをすっかり忘れて先手の後ろをついていく展開に。当然ゴール前の狭いところをふさがれ、入念に準備を整えたSSKが「森6スペース移動」カードを3枚使ってぶっちぎった。私は最後のボードにすら入れなかったw クニツィアのくせに面白い。まあデック構築なんて誰が作ってもそれなりに面白くなるしな!(「サンダーストーン」と「アセンション」から目を逸らしつつ)。●ダイスフォージ 詳しくはこちら↓将軍のお座敷遊戯ブログ:【ボドゲ紹介】ダイスフォージ ~神は賽を振らない!ダイス目を自らカスタマイズせよ~ 最後にこれ。ダイスをアップグレードしていってひたすら振り、最終的に得点を稼ぐことを目指す。ダイスを交換するのではなく、ダイスの目を外して付け替えるところが斬新(「ダイスフォージ」が最初に採用したメカニズムではないらしいが)。 楽しい。面白い。よくできてる。でもどこまでいってもダイスゲーなんで、差し替えた上級の目が序盤に出なきゃどうにもならんよw 他プレイヤーは割と接戦だったが、莫大な財力を生かして「洞窟」を4周して50点稼ぎ、計126点取ったSSKが1点差で勝利した。かー運ゲーだわー出目が悪かったから負けたわーw 出目に一喜一憂する系ゲーが好きならいいんじゃないですかね。
2017.07.22
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なんでも2015年に「Kingdom Death: Monster」というミニチュアもりもりゲーが出てたそうで。こいつがミニチュアの造形のよさで評判なんだけども、ゲームとしてもかなりの出来らしいと。その1.5版がキックスターターで出資募集してたので、我らがいたるさんがバッカーになり、ついに届いたのでプレイの運びとなった。●キングダム・デス:モンスター Today's MASTERPIECE!! 実は前回のゲーム会の時点で届いてたので、そのとき箱の中身を少しだけ見せてもらった。 でかい。このときはそのでかさに圧倒されて目につかなかったが、箱の中央にでかでかと「MINIATURE ASSEMBLY」と書いてある。「MINIATURE」ではない。「MINIATURE “ASSEMBLY”」だ。ほんの少しでも頭を使ってこれを読んでおけば、プレイ当日の悲劇を避けることができただろう。 また、このゲームのパブリッシャーはルールを公開しない方針だったため、当日までどんなゲームかまったく知らずにいた。もしルールが公開されていれば、それを読んだ段階で気づいただろう。いや、少しでも下調べしようとBGGを見ていれば……あるいはメンバーの中に、「ゾンビサイド」などのぬるいミニチュアゲーではなく「ウォーハンマー40000」などをプレイしているガチミニチュアゲーマーがいれば……だが、そうはならなかった。それゆえに悲劇が起こった。 いざプレイするかと箱を開けて出てきたのがこれですよw プラモじゃねーか!(ミニチュアです)。右にあるのは一般的な大きさの腕時計。ランナーの最下段に並んでるのがミニチュアの手だ。いかに小さいかが分かるだろう。素人がプレイ直前に素組みできるレベルじゃねーw ルールブック中でも大きくページを割いて用意されてる「最初のミニチュアの組み立て」。ルールが公開されてさえいれば……てか事前に読んでたのにここをスルーしたいたるさんもどうかと思うがw まあ嘆いていても始まらない。繰り返すが、道具もなしにその場で組むのはとうてい無理なサイズだったので、代用品を使ってプレイすることにした。幸い、いたるさん宅には「グルームヘイヴン」など、かっちょいいPCやモンスターを使うゲームがたくさんある……。 そして実際のプレイ風景がこちらです。四方にいるのが屈強な半裸の男女4人。中央にいる巨大な(巨大です)怪物(怪物です)は我々を食い殺そうとしている邪悪なホワイトライオン(ライオンです)。PCは転倒することがあり、モンスターは向きが重要となるが、それらのルールにも問題なく対応できる優れたソリューションだ。まあボドゲやTRPGは想像力こそ最大の武器だからね! 心の目でご覧くださいw おふざけはともかくとして。この日はチュートリアルだけプレイしたので、キャンペーンに関する細々としたルールは省略され、メインとなる敵との戦闘部分のみ。「あるときプレイヤーたちが目覚めると、そこは真っ暗闇で、身につけているのはわずかなぼろ布のみ。なぜこんなところにいるのかさえ分からなかったが、意識を取り戻したとたんにホワイトライオンが襲いかかってきた! 次々食い殺される他の人間たち。残った4人は手元に転がっていた石を握りしめ、生き残るために絶望的な戦いに挑んだ」という感じ。 ここ数年で増えてきた、ゲームマスターのいらないTRPGといったところか。モンスターは人間が操るのではなく、カードデックによって制御される。「視界内で一番近い敵を攻撃。いない場合は死角外の敵を攻撃。それもいない場合は索敵する」といったようなことが書いてあるカードが何枚かあり、最初は何をしてくるか分からない。戦闘が長引けばデックが一巡することもあるので(長期戦はおおむねPC不利なのであまりよくはないが)敵の動きを多少は予測できるようになる。 敵が相当に強いので、チュートリアルから歯ごたえがある。こちらの攻撃は、まず命中した上で相手の装甲を抜かないとダメージにならないのに対し、向こうの攻撃は当たったらおおむね即座に1ダメージ。ぼろ布をまとってる腰回りだけはちょっと固い。頼りになるなぼろ布w さらに同じ箇所に3発食らったら致命的なダメージとなる可能性がある(ダイスを振って、いわゆる痛打表を参照するのだ)。 私のキャラ。元ネタの「BM ネクタール」では3回のBMハザードを生き延びた歴戦の猛者だが、この日は頭をライオンに噛まれて一発で痛打表送りとなり、サバイバルポイント(いざというときに使えるヒーローポイントとかポシビリティみたいなもの)をもらうことも使うこともできない体になってしまった……もう引退しかないw で、普通にやってるとPC全滅してもおかしくないくらいのバランスなんだが、ここで最初に拾った石ころが生きてくる。こいつは白兵戦武器としては下の下だが、なんと投げればどれだけ距離が離れていても必ず命中し、しかもロールの必要なくクリティカルするという優れものなのだ。すごいな石ころ! 投げたら使い捨てだけどなw ということで、しばらくは手に持った石ころで殴りつけて削り、残りHPが石ころの数に等しくなったところで全員で投げつけて勝利した。キャンペーンの続きのことは何も考えていないプレイングだが、まずは生き残らんと話にならんしなw ゲームのメインとなるのがこの戦闘部分なのは間違いなく、そしてそれだけで充分おもしろいのだが、その後の成長もこのゲームの醍醐味だ。キャラが(ほんのわずかに)成長するのもTRPG的でうれしいが、PC以外の生存者を発見し、みんなで村を作って発展させていくことになるのだ。冒険のたびに村にさまざまな施設を建設し、戦闘で手に入れた素材(モンスターの内臓とか骨とか皮とか)をそこで武器や防具などに加工することができる。このゲームではキャラが成長する=年をとるということなので、しばらくすると引退することになるから、そのためにオルド(隠語)して次世代を増やすのも大切だ。 そしておもしろいのが、キャンペーンシナリオがある(と思われる)ものの、他のゲームとは異なり、同じシナリオ(つまり同じモンスター)に何度でも挑むことができる。なぜそんなことするかというと、そいつが落とすレア素材が目当てだ。たとえばホワイトライオンが落とすたてがみなんかは特殊装備の制作に必要になるが、これを得るには攻撃が命中したときの部位決定で、対応するカードが出た上でクリティカルしなきゃならない。まあ狙ってできることじゃないw なので欲しければ何度も挑戦することになる。そうして武装を整えてから次の敵に挑みたいわけだが、一度勝った相手も雑魚というわけではないので、どうするかは悩みどころだ。 村を育てるところは「迷宮キングダム」、世代交代しつつ強くなっていくところは「俺の屍を越えてゆけ」、素材を集めて装備を作るところは「モンスターハンター」に似てる。どれも傑作なんだから、それらを足して煮詰めたこのゲームがおもしろくないわけがない。最初は猿に毛が生えた程度のPCたちが(何しろ最初に得るスキルが「言語」だw)、将来的には銃器を使えるほどの文明まで発展するみたいだから、相当長いスパンで遊べるようになってるはずだ。値段、入手難度、ミニチュアを組む(そして塗る)手間などをクリアできるなら持ってて損はしない優れものだよ。大学のサークルとかだったらメンバーで割り勘してたまり場に置いておくのもいいかもね。●チャーターストーン(2回目) 写真なし。 おもしろくなることを期待しての2回目。2回目以降のセットアップルールが曖昧でいきなりつまづいた(なぜか2回目のゲーム終了時に説明カードが出てきた)。まあ特にルールも増えてないので、1回目と同じく、手数を最大限にするためにできるだけ同じ建物を繰り返し(そして必要なだけ)使い続けるプレイ。途中でルール増えたが、このプレイングを助長するようなものだったのでそのまま続行。1回目と2回目のあいだでは資源をすべて持ち越せるので(これ以降はごっそり減らされる)持ち越し資源の差で一味さんが勝った(本人の談)。 うーん。世間の評価があまりに高いので、我々が何かルールをミスってるんじゃないかという感は拭いきれないが、いくら確認しても見当たらない。そしてぶっちゃけつまらない。ルールの視認性の悪さ(全部をシールにしたのはホントクソ過ぎる)もあり、もうプレイしたくないというのが本音だ。合わないゲームをやり続ける理由もないし、もういいかなー。
2018.01.19
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綿密な市場調査と、キックスターターを最大限に利用した巧みな宣伝で「ヴィティカルチャー」「ユーフォリア」「ビトウィーン・トゥ・シティーズ」と立て続けにヒットを飛ばしてきた、みんな大好きStonemaier Games。その最新作「Scythe」が届いたとのことで早速お誘いいただき、手拍子で参加。なおメンバー4人のうち3人が持っているという大人気っぷりだったw 一味さん、いたるさん、たむらさん、私の4人。●サイズ こちらで日本語ルールが公開されています。 この日は遅めの14時集合だったので、早速メインディッシュのこれから。 時代は第一次世界大戦が終わった直後。この世界では“メック”と呼ばれる多脚兵器が主力で、その供給を一手に担ってるのが“ファクトリー”と呼ばれる都市国家だが、戦後は他国との関わりを絶っている。ここを制圧しちゃえば以後の国際社会でぶいぶい言わせられるってんで、プレイヤーが担当する各国がこぞって部隊を送り込んできた。と言っても戦争は終わってるので、編成は小規模なものだし、戦闘もあまり推奨されない。戦役とは言いがたいなw 背景設定はこんな感じだが、なぜかそれとは無関係に目標が10個(戦闘勝利2回を含む)用意されており、誰かがそのうち6つを達成したらゲーム終了。現地住民にどれだけ受け入れられているか(通称“民忠”)に応じて「目標達成数」「支配している領地の数」「持っている資源」から得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 この日は一味さんがボラニア(白。遭遇カードから選択肢を2つ選べる)、いたるさんがロスヴィエト(赤。同じアクションを連続して選べる)、たむらさんがクリミア(黄。戦闘カード1枚を資源1個として使える)、私がノルディック(青。ワーカーが川を渡れる)を担当した。 我が青陣営の精鋭たち。水上移動に長けたメック(通称“アメンボ”)と泳ぎがうまいワーカー(通称“ぴちょん君”)。 陣取りメインのマルチっぽい雰囲気だったので、早速両隣のいたるさん、一味さんと陣取りについて話し合ったが……正直言ってまったく意味なかったw なにせ序盤は全然拡大できない。他プレイヤーはメック作って能力解放しないと川渡れないし、私も最初から渡れるのはワーカーだけ。ワーカーは増やしすぎると生産時にコストが高くつくので、増やせばいいってものでもない。なのでみんな、川の外側にある自国の駐屯地付近で細々と生産と移動を繰り返すだけw 序盤のこの流れ必要か? これ終わったところから始めればいいんじゃないのw 私はメックの生産コストが馬鹿高なものの、移動の下に改善があり、そのコストが最安だったので、ひたすら生産と移動/改善を繰り返してアクション効率を上げていった。 どちらかというと、国別の能力の強弱より、各国の初期配置(およびそれによって決まる資源入手難度の変化)とプレイヤーボードのかみ合わせの方が重要な気がした。その点、ノルディックはワーカーが川渡れるのでどのプレイヤーボードになっても対応が可能なのがよかった。さらに、今回私が使ったプレイヤーボードは、徴兵すれば改善アクション1回で4金入ってくるようになるので、かなり使いやすい方だったんじゃないかな。逆に一味さんはかみ合わせが悪かったようで、生産した資源をごっそり貯め込んでるのに、中盤まで川を渡ってこなかったw とはいえ、別にアクション効率を上げるのがゲームの目的ではないので、そればっかりやっててもしょうがない。いたるさんのワーカーを吹き飛ばして目的達成したり、戦力を振り切ったりして星を置きつつ、ゲーム終盤を見据える。星4つ置いたところで手薄な中央(この時点ではたむらさんのユニットが1体しかなかった)を奪い、そのあと星2つ一気に置いて勝利……の予定だったが、ここまで雌伏していた一味さんが突如中央に進撃。しかもワーカーを2体連れて行くという盤石の備え。これを殴って勝っても民忠が2も下がり、基礎得点が減ってしまうため勝てない。さらに目算ミスって1手で星2つ置くことができずにもたついていると、次の手番で一味さんが星3つ置いてゲーム終了。そのまま一味さんに逃げ切られた。条件によるけど、目的カードは終盤まで残しておいて、一気に星をおくために使った方がいいかもね。 最終盤面。中央の白が“肉の壁”で他プレイヤーの侵攻を阻んでいる。汚いなさすが一味さんきたないw 面白い。まあよくできてるのは間違いない。自分でも買うかどうか迷うレベル。国別能力、異なるプレイヤーボード、毎回変わる目的カード。リプレイ性を保つための工夫がいくつもされてるから何度も楽しめるだろう。コンポーネントも豪華だから所有欲も充分満たされる。 しかしねー、ちょっと優等生過ぎるわな。見た目もテーマもマルチっぽいのに、「戦闘すんなよ! とにかく戦闘すんなよ!」という圧力が二重三重にかけられてる。そりゃ今時は殴り合いゲーを好むプレイヤーも少ないんだろうけど、このテーマなら誰も嫌がらないだろw ゲームの規模もよく分からない。ペットを連れた生身のキャラとメックがほぼ同じ戦力なのだが、ということはこのメック、駒1個で1機なんだろうか。そうすると中央の都市の防衛がさすがにザル過ぎるんだがw あと土地から現地人を追い出すと民忠が下がるんだけど、これは当然、そのあたりにいる大勢の現地人を追い出しているはずだ。なのに遭遇カードで「酒場で酒をおごる。民忠が1上がる」のはどうだろう……その2つが等価なのはさすがに変だろw こういう重箱の隅をつつかないと出てこないような欠点が気にならないならマストバイ。デザイナーの意図通り、今時のゲーマーならなんの不満もないだろう。10年以上にわたってボドゲしてるとか、ウォーもマルチもたしなむとか、「好きなパブリッシャーはGMTとシエラマドレです」とか、そういったプレイヤーには物足りないかもね。●ミレニアム・ブレード ↓でルールを含むさまざまなデータが公開されています。奇跡屋分館:和訳ルールの部屋 続いてこれ。これまで外れゲーを出したことがない(※個人の感想です)Level99 gamesが送り込んできた刺客。プレイヤーはトーナメントに出場しているTCGプレイヤーとなる。TCGをプレイするのではなく、「TCGをプレイするプレイヤー」となるのだ。固有能力を持った1キャラを担当し、リアルタイムでカードを買い込み、プレリリース戦と本線3回を戦って得点を稼いで(実際にTCGをプレイするわけではないのであっという間に終わる)最多得点プレイヤーの勝ち。 私が担当したキャラ。金の力でさまざまなことを解決する憎い奴。なんか既視感があるなーw 通称“社長”。 このゲーム、やろうと思えば何らかのドラフトシステムを使ってプレイすることも可能なはずだ。だが公式にはリアルタイムでカードを購入していく。ボドゲにリアルタイムを採用する理由は大きく2つに分けられる。1つ目はそれが必須であり、ゲームの楽しみに直結している場合。2つ目は「ガチでプレイするなよ! 気楽にやれよ!」というデザイナーからのメッセージである場合。このゲームはまごうことなく後者だw カード内容も知らず、時間制限がある中で、強力なコンボを組めるようなカードを買えるはずないからなw この日は時間の都合でプレリと本戦1戦目しかプレイしなかったが、充分に楽しむためにはフルプレイする必要があるだろう。購入フェイズを1回通しただけでは、いいカードを手に入れられる可能性がかなり低く、下手するとプレリより本戦の方が点数下がることもあり得るw それにしても、TCG経験者とそれ以外とでは、やはり温度差があるかもね。リアルタイムも好き嫌いあるだろうし。ここのゲームはもとより万人向けとは言いがたいが、さらにニッチによった感じかな。TCG経験者ならかなり響くと思うよ。
2016.07.15
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いたるさんが「タイムストーリーズ」の最新シナリオをゲットしたので、早速プレイさせてもらった。いたるさん、一味さん、彼葉さん、私の4人。●タイムストーリーズ:信仰の光(T.I.M.E Stories: Lumen Fidei)CAUTION! 以下、「T.I.M.E Stories: Lumen Fidei」の上箱・下箱の画像と、ゲーム開始直後に明かされるシナリオの概要、特殊ルール、最後にシナリオ全体についての漠然とした感想があります。今後このシナリオをプレイする可能性があり、前情報を一切得たくない場合はご注意ください。 上箱。大きく描かれているのは封印用の意匠が彫り込まれている立派な指輪。歴戦のタイムパトロール隊員なら、「上箱に描かれているアイテム」がどういうものか、容易に想像がつくだろう。 下箱。誰だかよく分からないお姉さん。フレーバーテキストもいつも通り簡潔。「NT暦1419年:スペインで国土回復運動が終わろうとしている。教皇の代理として外交任務を遂行せよ」といった感じかな。 「Lumen Fidei」はラテン語で、英語にすると「The light of faith」となる。たぶん大昔からあった言葉だろうが、現在の教皇が出した回勅のタイトルでもある(特にゲーム内容に関係はないと思うけど)。 前述の通り、舞台は15世紀スペイン。ついに我らが組織は転送先の時代から物品を持ち帰る技術の開発に成功した……依然としてこちらから送り込むときは精神しか送り込めないけどw まあそんなわけで、転送先のキリスト教武力組織内にある何らかの貴重品を持ち帰るのが任務だ。いつも通りふんわりした指示だが、いつも通り組織の情報部は無能なので、それがどこにあるかすら分からない。しかし噂はかなり広まっているようで、キリスト教側とムスリム側の双方の注意を引いているらしい。そして裏では、我々と同様に不自然な存在である“奴ら”が暗躍しており……と、いくつもの陣営が複雑に絡み合う重厚なストーリーとなっている。 新ルールとして「信仰値」が導入される。PCは「信仰心が高い」か「信仰心が低い」のいずれかに分類され、それぞれ初期信仰値を持ってる。これをパーティー全員分合計したものが総信仰値となる。これがマイナスのあいだは「信仰心が低い」PCにボーナスがつき、プラスのあいだは「信仰心が高い」PCにボーナスがつく。基本的にプレイヤーはろくでもないことをしようとしてるので(目的が神秘の物品の奪取なので、その過程でもいろいろ不法行為を行うに決まってるしなw)ガンガン信仰度が下がる。それならそっち側のPCばかりで固めれば、常時ボーナスがつくからいいように思えるだろうが、あまり総信仰度が低すぎると道中ろくでもないことが起こるかもしれない(宗教組織内にいるんだから当然だw)。 シナリオの方向性としては、1本目のシナリオ「療養所にて」に近いか。いや雰囲気は全然違うけど、シナリオ全体を通して大きな謎を解く必要があり、その途中にもいくつか小さな謎があるあたりが似てる。この謎を解くのに相当苦労したが、一味さんといたるさんが必要な情報を発見し、彼葉さんが謎のメカニズムを解き明かして無事に突破できたときはかなりのカタルシスがあった。私は……私はまあ、途中の小謎でちょっと貢献したりしなかったりしたから……。 ということで、これまでの最高傑作である(※個人の感想です)「療養所にて」に匹敵する出来だったが、あちらと比較するとフレーバー情報が圧倒的に多く、英語直読みプレイはちょっとお勧めできない。全部が全部ヒントに見えちゃって、脳みその容量オーバーするからねw ここまで日本語版が出るように、既存の日本語版拡張をばんばん買って、出版社に「再販まだですか!」とばんばんメールを送って応援しよう。
2017.07.14
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ボックスアートゲームボード デザイナーのRichard Launiusは「アーカム・ホラー」や「エルダー・サイン」の共作者で、「王国の守護者」の作者。これらのゲームの拡張を数多く手がけており、作ったゲームの数はそれほど多くないようだ。パブリッシャーは鉄道ゲームを多く扱っているEagle Games。寡作なデザイナーが、鉄道テーマのゲーム以外はろくなものがないパブリッシャーから、鉄道がテーマでないゲームを出した。しかもファンタジーと来たら、これはもう注目せざるを得ないw もし国内で扱われるとしたら「ドラゴン・ランページ」となるだろうが、私は日本語大好きなので、ここでは「ドラゴンの猛威」とした。 プレイヤーは財宝を求めてダンジョンに潜る冒険者となる。と言ってもダンジョン探索がテーマではない。ダンジョンの最深奥、ドラゴンのねぐらに到着して、財宝をかすめ取ろうとしたら寝てるドラゴンを起こしちゃったところから始まるのだw 怒り狂うドラゴンを前にして、プレイヤーの選択肢は2つしかない。出口目指して一目散に逃げるか、無謀にもドラゴンと戦うかだ。 手番ごとに、プレイヤーは7個のアクションダイスを振る。基本的には任意のダイスを選んで2回まで振り直すことができ、最後番手プレイヤーだったり、カードを使ったりすればもっと振り直すこともできる。 ダイスには7種類のアイコンが書かれており(ダイスによってどのアイコンが描かれているかが異なる)、出たアイコンによって実行できる(かもしれない)アクションが決まる。たとえば「攻撃」アイコンが3つ出た場合、ボード上の「ドラゴンへの攻撃」アクションボックスに自分のアクショントークンを1枚置く。アクショントークンには1~5の数値が書かれており、アイコンの数に等しい値を持つトークンを置く。各数値のトークンには限りがあるので、ぴったり一致するトークンを置けなければ、それ以下の値のトークンに切り下げなければならない。たとえば3トークンは1枚しかないので、「攻撃」アイコンと「防御」アイコンが3つずつ出た場合、どちらかのアクションボックスには数値が2のトークンしか置けないということだ。 プレイヤーがトークンを置くたびに、そのアクションボックスに置かれている全プレイヤーのトークンを数値順(同値なら先手勝ち)に並べ直す。アクションボックスには限りがあり、たとえば「攻撃」ボックスは2つしかない。あとからより数値の高いトークンを置かれ、ボックスからトークンを追い出されてしまったプレイヤーはそのアクションを実行できなくなる。たくさんアクションを実行するには薄く広くトークンを多く必要があるが、そうすると各トークンの数値が小さくなり、後手プレイヤーに追い出されるかもしれない。後手は先手の動きを見て対応できるが、同値で先手勝ちなので、その分不利だ。そしてそもそも、ダイスロールで決まるので狙ったアクションができるとは限らないw 「ドラゴン」の目だけは特別で、これは激怒するドラゴンの注意を引いてしまったことを表しており、基本的には振り直しできない。この目を出したら最優先で「ドラゴンの猛威」ボックスにトークンを置かなければならないので、他のボックスに置きたいトークンを食いつぶされることもある。なかなか厳しい。 全プレイヤーがダイスを振り、トークンを置いたら各ボックスの効果を処理する。ボックス数には限りがあると書いたが、たとえ首尾よくボックスにトークンを置けたとしても、その全員が同じ効果を得られるわけではない。トークンの数値が大きい方ほどよりよい効果を得られるのだ。たとえば「防御」ボックスで3位だと1点、2位だと2点の負傷を軽減できるが、1位だとそのラウンド中はいっさいダメージを受けなくなるw この効果の差もあるので、一極集中で行くか、薄く広くで行くかの選択がよりいっそう悩ましくなるだろう。 「ドラゴンの猛威」ボックスは少し処理が異なる。まず「ドラゴンの猛威」カードをめくる。このボックスに置かれている全プレイヤーのトークンの合計値が、カードに示されている値以下なら弱い効果、以上なら高い効果が適用される。ドラゴンの気を引く者が少なければ多少ましだが、多いとドラゴンが大暴れして、より多くのプレイヤーがひどい目に遭うということだw その他のアクションも順に解決し、ドラゴンに斬りかかって(またはぶん殴ったり魔法をかけたりして)ダメージを与えたり、傷を癒やしたり、こっそり財宝を拾い集めたり、出口目指して全力疾走したりする。他プレイヤーの懐からこっそり財布を失敬したりすることもできるw 各プレイヤーはゲーム開始時に「聖騎士」とか「盗賊」とか「魔術師」とかいったキャラクターを選んでおり、それに対応した英雄カードというものを持っている。これは各キャラクターごとの個性を表しており、使うとさまざまな効果を発揮できる。同様に、ゲーム中に獲得した財宝カードにも特殊効果を持つものがあるが、こちらは使うとゲーム終了時に勝利点にできなくなってしまうので注意が必要だ。 ゲームは「誰かがドラゴンにひねり潰される」「誰かがダンジョンから脱出する」「ドラゴンを倒す」のいずれかが満たされたときに即座に終了する。どの条件でゲーム終了したかによって、最終得点計算が大きく変わる。たとえば誰かが脱出して終わった場合、脱出したプレイヤーには大きなボーナスが、次に出口に近いプレイヤーにもそれなりのボーナスが与えられるが、もしドラゴンを倒して終わった場合、逆に出口近くにいるチキン野郎は失点することになるw どの条件が満たされそうかをきっちり見極める必要があるだろう。 「ダンジョンクエスト」という極めて死亡率の高いダンジョン探索ゲーがあるが、あのゲームでドラゴンのねぐらに到着したあとの様子を細かく再現しているゲームと言えるかな。こっちはねぐらから逃げ出しても追ってくるし、返り討ちにすることもできるけどw 終了条件が3つあり、そのどれを目指すかで各プレイヤーの戦略が変わるところは私好み。カード効果で他プレイヤーにダメージを与えることもできるので、自分より他のボーナスが多そうなプレイヤーを死亡させ、「ドラゴンに殺される」終了条件を満たしたことによる失点させて勝つ、といったこともできる。隠し持っている財宝や金貨の得点で勝っていると思ったら、他プレイヤーと協力してドラゴンを倒しに行くのもありだろう。目的を同じくしてダンジョンに潜った仲間のはずなのに、腹の中では個人勝利を目指してさまざまな陰謀を巡らす……これあれだよ、「ダンジョンレイダーズ」と同じだよw 残念なのは、ルールが若干……というかかなり甘いところ。ルールには「ドラゴンの目3個以上で1負傷」と書かれているのに、本当は「ドラゴンの目3個ごとに1負傷」だったり、「防御ボックスで1位だったプレイヤーはドラゴンからダメージを受けない」と書かれているのに、実際には「他プレイヤーからのダメージも受けない」だったりと、BGGの質問スレではデザイナーが頭を下げっぱなしだw カードテキストは公開されていないが、おそらくはそのプレイングでかなり紛糾することになるだろう。 しかしまあ、テーマからしてブラックユーモア溢れるバカゲーに近いのだから、そのへんはプレイしながら詰めても全然問題ないだろう。デザイナーが精力的に質問に答えてくれているからいずれは明確になるだろうし、選択ルールまで作って公開してくれているから、趣向を変えて何度か楽しむこともできる。それにダイスゲーなんだから、負けたらダイスのせいにすればいいのだw ファンタジー好き、腹黒ゲー好きなら充分ありなゲームだ。BGGの和訳ルール
2012.03.09
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ボックスアート 「ブラス」「ロンドン」など、かなりの数のワレスゲーを担当してるPeter Dennisによる美麗なアートワーク。「世界史」なんかもこの人だね。箱の中身 見にくいけど駒類を収容する透明なプラトレイがある。 デザイナーは「我ら人民」が(日本では)結構高く評価されたPeer Sylvester。しかし「シンガポール」「ディスカバー・インディア」のデザイナーでもあるので要注意人物だw このゲームは2007年に出た「シャムの王」のリメイクで、マップのつながり具合、各プレイヤーが最初に持つ駒に関するルール、選択ルールの有無の3点を除けば同じゲーム。当時は「シャムの王」もそれほど高く評価はされていなかったようだが、なぜかリメイクのこちらは評判がいい。多少はなじみのあるテーマや、アートワークの好みの差もあるだろうが、どんどん複雑化していく重ゲーの中でシンプルさが受けたのかな。 舞台はグレートブリテン島。時代はアーサー王とモルドレッドが相打ちになった直後。強力なリーダーがいなくなって内政が不安定になってるところにサクソン人が侵略してきそうになってるので、残されたアーサー王の宮廷メンバー(=プレイヤー)は、国内の3勢力(スコット人、ウェールズ人、ローマン・ブリテン人)をまとめて自らが指導者になろうとする。 グレートブリテン島は8地域に分かれており、それぞれに3勢力を表す駒が4個ずつ置かれる。各プレイヤーも駒を2個ずつ持ち、権力闘争が起こる順番をカードでランダムに決めたらゲーム開始。 セットアップ直後の状態。勢力シンボルがある3地域は各勢力の本拠地なので、対応する色の駒が最低2個は置かれる。ボード左右にあるのが権力闘争順を決める地域カード。この例では左上のスペース1のカードに対応するエボラクム(ローマ属州時代のブリタニアにあった城塞都市)が最初の焦点となる。 各プレイヤーはアクションカードを8枚持ち、手番ごとに1枚プレイしてアクションを実行するか、パスする。使ったカードは戻ってこない。つまりゲーム中にたったの8アクションしか実行できないw パスはいわゆるソフトパスで、全員が連続してパスしたら現在の権力闘争が終了し、指定されている地域に最も多くの駒がある勢力がその地域を支配したことになる(対応するトークンを置いて示す)。この時点でプレイヤーが得点を得たりはせず、あくまでも「1勢力が1地域を支配した」ことが確定するだけだ。 パスせずにカードをプレイしてアクションを実行した場合、そのあとでボード上の任意の地域から駒を1個取る。これはある勢力の人々を自分の宮廷に招いたことを表しており、その勢力に対して影響力を持ったことになる。ゲーム終了時、最も多くの地域を支配している勢力の駒を最も多く持っているプレイヤーが勝者となるので、最有力勢力の駒をたくさん取る必要があるが、そうするとその勢力が最有力となること自体が難しくなるという、実に分かりやすいジレンマがある。もうこんなの面白いに決まってるわなw アクションカード。左上の「王冠」カードは権力闘争順を変更するというダイナミックなものだが、あとは駒を1個か2個追加したり移動させたり交換したりするものばかりで、派手さはない(駒1個差に泣くゲームではあるだろうけど)。また、すでに権力闘争が終わった地域には一切影響を与えられなくなるので、終盤は数少ない地域で頻繁に駒が移動するのかもしれない。 基本的にはこれだけなのだが、権力闘争で複数の勢力が同数最多になると事情が変わる。その地域は確固たる支配勢力がいないために外敵に対してもろくなり、サクソン人に支配されちゃうのだw そのような地域が4つになったとたん、ゲームは早期終了する。この場合、プレイヤーは支配者ではなくレジスタンスの頭となり、「各勢力の駒1個ずつからなるセット」を多く作ったプレイヤーが勝利する。このため、通常勝利を目指すなら1勢力の駒を数多く持つべきだが(もちろん、その上でその勢力を最大勢力にすべく努力しなければならない)、サクソン人に負けたときには全勢力の駒をまんべんなく持っていなければならない。駒の取り方が真逆になるので、どちらの条件でゲームが終了するかを見極める(そして望みの終了条件を満たすべくプレイする)必要があるだろう。 ルールは実質3ページくらい。公称プレイ時間は30-45分だが、実際そのくらいで終わりそうだ。「1プレイ数時間かかる重ゲー大好きだけど、隙間時間にプレイできるゲームも欲しい。でもだらーっとプレイするフィラーには興味がない」という贅沢なゲーマーにうってつけのゲームと言えるだろう。ただし、2人だとあまり面白くないらしく、4人だとペア戦になるので、事実上3人専用ゲーだ。その点はご注意を。BGGの和訳ルール
2016.08.10
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我らがマーチン・ワレスが2004年に出した「帝国の闘争(Struggle of Empires)」というゲームがある。少し前のゲームではあるが、現在もBGGランキング100位以内という高評価を得ている。私の大好きな「オートモービル」や「ロンドン」より上だw その「帝国の闘争」からかなり要素を取っ払ってライトにしたのが、この「理性の時代(Zeitalter der Vernunft)」だ。ドイツ語版のみ、全世界500個限定生産ということだったのでお目にかかることもないだろうと思っていたが、「限定生産」に弱い人が多かったようで、ブルジョアボードゲーマーがこぞって購入していたw ワレス信者のたしなみとして和訳だけは進めていたので、それを公開したところ「そんじゃやりますか。7人で!」とお誘いいただき、それから2ヶ月の時を経てついにプレイとあいなった。7人の社会人の段取りをつけるのは大変だねw メンバーは幹事のCOQさん、JOSSさん、かろくさん、ふうかさん、侍さん、いたるさん、私。●理性の時代 プレイヤーは18世紀後半の列強国家となる。列強のやることといったらヨーロッパでの覇権争いと、世界中での植民地拡大しかない。まずは植民地に平和に入植したり、ヨーロッパや植民地に沸く弱小抵抗勢力を一掃したあとは、当たり前のようにプレイヤー同士で殴り合うw 1人5アクションしたら1ラウンド終了。各地域における影響力の順位に応じて得点を得て、支配ディスクの数に等しい収入を得る。そのあと国内の情勢不安度合いに応じて得点を失うw これを3ターンやって一番得点を獲得したプレイヤーが勝ち。 まずはイギリス、ネーデルランド、フランス、スペイン、フランス、プロシア、オーストリア、ロシアから担当する1国を選ぶ。私はプロシアを担当。得点エリア2つに隣接しており、そのうち1つは高得点なドイツ。母国の立地条件が一番恵まれている国と言えるだろう。ただし海軍力が心許ないため、地中海、バルト海や植民地の支配に不安が残る。 そのあと初期影響力を決めるため、マーカーを5枚引いて対応するエリアに支配ディスクを置く。ここで地中海を複数とカリブ海を1枚引いたのが最後まで有利に働いてくれた。カリブ海は植民地の中で得点が高い方の地域だし、地中海は中央ヨーロッパと同じだけの得点がある。海軍力の低さを初期配置である程度カバーする神ドローだったw 特に地中海は、3枚あった支配ディスクはさすがに1枚削られたものの、海軍2強のイギリスはトップタイで満足し、スペインはなぜか最後まで侵入してこなかったので、いっさい追加で手をかけることなく3ラウンドに渡って1位の得点を得ることができた。 ラウンド開始時に10枚のマーカーをボード上に置いたら、いよいよ本番開始。まずは手番順と陣営を競りで決める。プレイヤーは7人で、楽に支配ディスクを置くためのカモであるマーカーは10枚。この時点で、1~3番手が2枚狙えるのに対して4~7番手は1枚しか狙えないのだから、手番順に如実に有利不利が表れる。しかしプレイヤー間の戦争では後手の方が反撃されにくいので、一概に先手有利というわけでもない。 問題は他にもある。このゲームでは、各国家は陣営AかBのいずれかに属することになるのだが、それもこの手番順決定時に自動的に決まる。そして同じ陣営同士では戦争することができないのだ。現在ボード上にある支配ディスクの位置、数から仮想敵を想定し、それらの国とは別の陣営にならなければならない。逆に目の敵にされそうな国とは同じ陣営になり、仲良く(少なくとも表向きはw)しなければならない。共通の敵をたたくためにある国と同陣営になったのに、その国の方が自分より遥かに成長してしまったとしても、そのラウンドのあいだは殴りかかることさえできないのだから、陣営決めには慎重を期する必要がある。 手番順が決まったら、それに従って手番をプレイする。やることは非常に簡単で、「ボーナスを得られるスペースにディスクを置き」「気が向いたらマーカーや他プレイヤーをぶん殴る」これだけだ。 ボーナススペースには「軍事力+1」とか「即座に5金得る」とか「特定地域での戦闘に+1or2」といったものがある。他プレイヤーのディスクが置かれているところには置けないので、ここは早い者勝ちで先手有利。とにかく戦闘力が上がる「軍事力+1」は強力だが当然人気があるので、支配地域を絞ってその地域での戦闘にのみボーナスを与えるスペースを上手く利用するのが重要だ。私はここが上手くプレイできず、終始相手側にボーナスを取られては殴られる苦しい展開となった。 ボーナスを選んだら領土拡大。敵のいないマーカーがある植民地には船賃を払うだけでディスクを置けるので、まずはそのような場所が売り切れる。そのあとは弱小抵抗勢力があるところで小競り合いが発生。たいていプレイヤーが蹴散らすが、たまに強いマーカーもいるので油断できないw そしてプレイヤー同士が争う大戦争。このゲームの醍醐味だw 防衛側は負けると支配ディスクを1枚除去されるし、攻撃側は勝つと支配ディスクを置ける。全部勝つのが理想だが、軍隊の運用は金食い虫で、常に強力な兵力を使っているとあっという間に国庫が枯渇し、国内の治安が悪化の一途をたどることになるw 単独優勢にうまみのない得点計算システムを採用しているので、負けても順位が変わらない地域では手を抜く必要もある。しかし、このゲームでは勝ち方、負け方によって国の騒乱レベルが変化するようになっている。大敗を喫するとそれだけ国内情勢が大きく悪化するのだ。しかも、ぎりぎりの勝利では勝った側の治安も悪くなる。攻撃側が大敗すると信じられないくらい国内が荒れるw まあ普通は勝算があって攻撃を仕掛けるわけだから、なかなかそんなことは起こらないはずだが、私は攻撃側圧敗を2回食らってひどい目にあったw プレイヤー間の戦争時に限り、同盟国から援軍を得ることができる。貴重な1金を支払う必要があるが、自分の手が届かない地域でトップ目を叩けるときには手を貸した方がいいだろう。とはいえ、肝心の主力軍がヘタレで、3人から援軍をもらってるのに負けたりされると罵声の一つも浴びせたくなるw これを5ラウンドやったら1ターン終了。各地域に置かれている支配ディスクを数え、その枚数によって決まる順位ごとに得点を得る。タイだとその全員がその順位の得点をもらえるので、無理に単独優勢を取る必要はあまりない(相手の点を削ることにはなるが、自分の点は増えないから)。そのあと治安レベルの低さに応じて得点を減らす。ちょっと独特な方法でダイスを使って減少分を決めるので、治安の悪い国の方がいい国より点が減らなかったりもするのはご愛敬w これを3ターン繰り返して、最多得点プレイヤーの勝ち。 さて。「理性の時代」をやることになり、ルールを読んだ時点で、私には1つの目標があった。それは「2ターン目終了時点で決してトップにならず、かつ充分にトップを狙える位置につけること」だ。文明の覇権争いを扱い、同じく得点計算3回で終わるワレスのゲームに「帝国の夜明け」があるが、私はこのゲームの2時代目終了時に1点差でトップになったため、最後番手になったあげく袋だたきにあったことがあるからだw さらに、1ターン目を終わった時点で全員が気づいたことだが、7人プレイだと陣営は3:4に分かれる。そして4人陣営が明らかに有利。そりゃそうだ、敵が1人少ないんだから。このゲームもワレスゲーの例に漏れず資金がカツカツで、出費はできるだけ押さえなければならない。敵が多いということは、それだけ戦争で出費を強いられるということだ。そこでもう1つ「常に4人陣営側になる」ことを目標に追加した。 我ながらこれはうまくいって、1ターン目、2ターン目とトップを独走するフランスを射程圏内に収めた状態で、3ターン目も4人陣営側に回ることができた(当然フランスはボッコボコにされたw)。しかし最後の最後で「少しプロシアも叩いた方がよくね?」という世論誘導に抵抗しきれず、余分な戦闘で資金繰りが悪化=治安レベルが低下。同じくいい位置につけていたスペインにタッチの差で敗北した。得点は完全公開なので、ボード上で数えてみせて「プロシアよりスペインの方が有利だよ」と言っていれば違った結果になったかもしれないが、これをやり始めるとゲームが超長時間化するから、まあしかたないw 7時間近くかけてのプレイとなったが、途中退屈することもなく、終始緊張感を維持することができた。それぞれの思惑をかけての手番順の競りも、矛先をかわそうとしたり援軍を出してもらおうとしたりして舌戦を繰り広げることになる手番中のプレイも甲乙つけがたいくらいに熱いw ワレスの長時間ゲーでは日常茶飯事のルールミス(しかも今回は結構致命的だった)がやはりあったのは残念だが、それもリプレイ欲求の種になるからよしとしようw プレイ感がどう変わるか確認したいから、次は偶数人数でやってみたいかな。でも非常に疲れるから半年後くらいかなーw ゲーム終了時。見にくいが、黄のわずか2点後ろに黒の得点マーカーがある。うーん、悔しいwBGGの和訳ルール●お邪魔者 写真なし。時間も時間だったし、7人でできるゲームも限られているってことでこれ。 簡単なルール、短時間でプレイ可ってことで見過ごされがちだけど、このゲームは金鉱掘り側とお邪魔者側のバランスは全然取れてないよね。7人プレイの場合、お邪魔者2人になったら金鉱掘り側の勝ち、3人になったらお邪魔者側の勝ちはほぼ揺るがないと思う。後者でも金が中央に置かれ(最短距離)、お邪魔者側の手札が悪ければ何とかなるかもしれないが、その確率は低そうだ。 金鉱掘り、お邪魔者、金鉱掘りと担当し、負け、勝ち、勝ちで金7個ゲットしてトップタイ。まあどっちかというと、ガチンコで正体を探り合ったり金を堀りに行ったりするゲームじゃなくて、その過程でのおしゃべりを楽しむゲームかね。正体がばれるのを恐れず(どうせ確たる証拠は絶対得られないのだから)ぺらぺらしゃべった方がよさそう。そう考えれば悪くないか。
2012.02.18
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定例会。SSK、まるみ屋、gen、私の4人。●オー・マイ・グーッズ!:ロングスデイルでの反乱 詳しくはこちら↓ぼっちのホビーBlog[暫定版]:【ボードゲーム】祈りゲーって何だい?小箱でじゃかじゃか拡大再生産。「オー・マイ・グーッズ!(Oh My Goods!)」ファーストレビュー。【ボードゲーム】「オー・マイ・グーッズ!拡張:ロングスデイルでの反乱」ファーストレビュー:戦争の音が近づいているのはロングスデイルか、それとも我が家のリビングなのか。 もう半年近く私主催のイエサブゲーム会を開催できていないので(競争率高杉)私の積みゲーが限界突破したため、こっちに持ち込んでやらせてもらうことにした。それほど難しくなる感じもしなかったので、全員未プレイだが最初から「ロングスデイルでの反乱」入れてキャンペーンモードで。 比較的単純な拡大再生産ゲームで、全員共有の資源となる市場でのめくりに一喜一憂し、それと手札の状況を考慮して労働者をきっちり働かせるかぬるく働かせるか判断し、追加のめくりでさらに一喜一憂する。そしてひとたび生産に成功すれば、他の建物から資源を持ってきての大連鎖が発生する(かもしれない)。 もうこれだけで面白いんだが、基本ゲームだけだとゲーム終了条件がやや遠く、単調に感じられるという意見もあるようだ(私は未プレイなので、実際そうなのかどうかは不明)。そこで「ロングスデイルでの反乱」では数回のプレイにストーリーを添えて、各ゲームごとに各資源の重みを変更したり(ゲーム終了時に一部の資源だけ得点化できたり、持ってないと失点したりする)、新たなカードが登場するようにして変化をつけた。そりゃこっちの方がより面白いわな。キャンペーンゲーではあるが不可逆なレガシー要素はないので、キャンペーン終了後には全カード混ぜてプレイし続けられるし、別のメンバーとキャンペーンをやり直すこともできる。 1戦目終了時のおらが村。自動で資源が沸いてくるモロコシ牧場を寡占したまるみ屋が無双して圧勝した。1章ではあれを分け合わないとダメだわw 2戦目はコンボで高価値の商品を大量生産することができて勝利。モロコシなくても何とかなるなw ゲームの本質ががらっと変わるほどの強いストーリー性やルールの変更はないので、そういうのを期待すると肩すかしを食らうかもしれない。だが前述の通り、拡張あった方が変化が出て面白いので、まだ基本も未プレイという人は最初から拡張入りでやるのをお勧めする。ただシナリオの分岐は機能してるとは言えないな……片方の選択肢でしか得点入らんかったら、そりゃみんなできるだけそっち選んじゃうだろw 海外では続き物の拡張第2弾も出てるが、どうも数が少なかったらしくて入手しづらい。日本語版の話も聞かないので個人輸入したいところだが、難しいかなー。●砦の守護者 「オー・マイ・グーッズ!」の3章を続けてやろうという声もあったけど、SSK宅の積みゲーも私に負けず劣らず多いので積極的に崩していくことにした。結論から言うと、3章やった方がよかったわw タワーディフェンスボードゲームを名乗ってはいるが、モンスターの大半は城塞の周りをぐるぐる回ってる(システム的にそのように見える)だけなので、ぜんぜんタワーディフェンスしてる感がない。その上、モンスターカードの山が尽きたあとはすでに登場してるモンスターが超スピードで隙間を詰めて前進してくるので、どれだけうまくやろうとも、そしてどれだけ強敵を先に倒して雑魚を残しておいたとしても1手ミスるだけでゲームオーバーになる。逆に言うと、ミスらなければ確実に勝てるパズルゲーだ。ちなみにこの日は舐めプしてたら見落としが発生して負けたので、巻き戻して勝ったことにしたw タワーディフェンスをボードゲームで再現するのも難しいだろうが、これやるなら「ストロングホールド」か「キャッスルパニック」か「タイニー・エピック・ディフェンダー」やった方がずっといいわ。
2018.10.27
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「4人専用ペア戦殴り合いのニッチすぎる頭おかしいゲーム買ったからやろうぜー」とお誘いいただいたので参加。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。 書いてる時点で4ヶ月前のことなので記憶が定かではないため(最高にイケてたのは覚えている)、覚えてることのみちょっとだけ書く。●La Famiglia: The Great Mafia War Today's MASTERPIECE!! 本命のこれから。 デザイナーはMaximilian Maria Thiel。みんな大好き……ではなかった「マグナストーム」や、「パワー・ストラグル」の作者の1人。本作が3作目、単独では1作目となる寡作のデザイナーだが、そのゲームのシステムはどれもユニークだ(売れるかどうかは別にして)。 本作は1980年代のシチリア島が舞台。“大マフィア戦争”と呼ばれるマフィアの大規模抗争が起こっていた時期らしい。プレイヤーはファミリーを1つ担当して、他のファミリー1つと手を組んで共同での勝利を目指す。4ラウンドプレイして、いくつかのエリアに分かれているシチリア島内で共同で5エリアを支配するか(各エリアに3つの区画があるので、そのうち2つ以上を占有していればそのエリア全体を支配していることになる)、単独で6エリア支配したらそのチームの勝ち。 各マフィアには金回りがいいとか構成員が多いとか武闘派だとかの特徴がある。ゲームごとにランダムに用意される外付けの特殊能力もあるのは今風だ。 アクションは排他的な選択式。誰かが実行したアクションは選べないってやつ。ワーカープレイスメントっぽいが、金を払えば他プレイヤーの色の駒でも使えるのが珍しい。そしてアクション選択には二重の悩ましさが用意されてる。これが本作の一番のキモだろう(前述の「マグナストーム」でも似たようなシステムが採用されてたけど)。 アクションするときには、上段の任意の列にある駒を1個取り、下段の任意の列にあるアクションスペースに置いて実行する。これが基本だが、上段の任意の1列にあるすべての駒の分だけ金を払うと、その駒を全部使って強アクション(その列の上側に示されてる)が実行できるのだ(使った駒は下段の任意のアクションスペースに割り当てて封鎖する……だったと思う)。 なので、まだあるうちは金のかからない駒を使ってアクションを実行したいが、その結果として特定の列の駒数が極端に少なくなると、次のプレイヤー(各チームが交互に手番をプレイすることになってる)がその列の強アクションを安く打ってしまうかもしれない。また、強アクションを打つことで全プレイヤーの手番数がずれる(ことがある)ので、多少金を払ってでも相手チームに手番を回したくないこともある。まあこのゲームの金は血の一滴なので1金だろうと無駄にはしたくないんだがw そうしてアクション打ち終わったら戦闘解決。中立マフィアを殴る場合にはおおむね戦力差を見るだけだが、チーム同士の抗争の場合は互いにカードを1枚プレイして、その分だけ戦力に増減がある。はっきり言ってこのルールは蛇足。ノーコスト、戦闘ごとに全プール(3枚)から1枚選択なので完全にじゃんけん。多少紛れを出したかっんだろうけど、だったらダイス振って比べた方がスピーディーに進む分だけなんぼかましだろう。最近のゲーマーはダイス振るのを極端に嫌うからこうしたんだろうけど、だったらカードごとに強弱つけてコストがかかるようにするとか、他にやりようはあったんじゃないかなあ。ここだけが唯一の残念ポイントだ。 この日は私といたるさんのチーム対旅団長さんと一味さんチームで対戦。2ラウンド目終了時点では我がチーム優勢、あわや中押し勝ちかと思われたが、一味さんの読みが冴え渡ってがっつり阻止。3ラウンド目終了時に途中終了としたが、戦力・資金力の差で我々にはもう勝ち目はなかっただろうw 面白い。テーマがよくないということでBGGで低評価爆撃を食らってたが、今は修正されてる。何しろヤクザ映画みたいなもんなので、確かに殺った殺られたの不謹慎なワードがばんばん飛び交うが、そんなゲームは他にもごまんとあるしなw チーム戦のプロット式戦闘解決システムなので、多少は相談したいけどしゃべると相手チームにも思惑がばれてしまうため、「チームのうち1人がしきってもう1人は唯々諾々と従うだけ」とはなりにくいようになってる(なったとしても、それはプレイヤーが悪いのであってゲームは悪くないのだが)。個別能力の成長、陣取り、後腐れのない戦闘……このへんが琴線に触れるならマストバイだ。●モニュメンタル 旅団長さんが早退されたあと、3人でこれ。日本とかギリシャとかの文明を1つ担当して、マップ上でユニットを配置・移動させて資源を得たり蛮族倒したり中立都市と交易したりしてリソースを得て、いろんな種類のカードを買ったり(このゲームはデック構築ゲーなのだ)、驚異を建設したりして得点を得ていく。そしてもちろん他プレイヤーとも殴り合う。ディスプレイにカードを補充するための山が尽きたらゲームは終了に向かい、最終得点計算していっぱい点取った人の勝ち。 自分のカードを手元に3×3の形で並べて、その中から1列と1段を選んで発動させる。そのあとそれらのカードを捨て札にして、空いたスペースにカードを補充する……という独特なシステムが売りだろう。どの列・段を発動させるかは手番ごとに悩ましいし、カードの出方の綾でいい感じにコンボが組める列・段が生まれると脳汁あふれるw 「ラ・ファミリア」が最高だったので、どうしてもがややかすんで見えてしまったが、こちらも面白かった。プレイヤー同士の殴り合いは終盤になるまでは(よほど隙を見せない限り)発生しないし、負けても全ユニットが本拠地に戻るだけなので、勝者にメリットはあるが敗者にデメリットがないタイプの今風のやつ。殴り合いというだけで嫌悪感を持ってしまう人には「ラ・ファミリア」よりこちらがいいだろう(全然違うゲームだが)。 おそらくはお値段が張るせいであまり話題になってないようだが、拡張のモンスターモジュールや英雄モジュールを入れればさらに面白くなりそうだし、マップの組み方もいくつか用意されてるので、そのへんも試してみたいね。
2023.03.31
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ボックスアートゲームボード(低画質) デザイナーは「Arborea」や「バルセロナ」のDani Garcia。出版社は「バルセロナ」のほか、Tシリーズや「ニュークレウム」で知られるポーランドのBoard&Dice。いろんな時代のいろんな国をテーマにしたゲームを出すのが好きなところだが、今回は19世紀後半のオランダが舞台だ。 オランダと言えば風車、干拓地、そしてチューリップということで、35㎞くらいに渡って延々とチューリップが咲いてるブルーメンルート(花の道)というサイクリングコースがあるらしい。それに着想を得た本作では、水門を開けたり閉じたりして水の流れを調整しつつ、風車ホイールを回してアクションを実行し、上がりすぎた水位を下げたり風車を強化したり助手を雇ったり契約を結んだり風車を建設したり市場で買い物したり外国と取引したり、そしてもちろんチューリップを植えたりする。 誰かが自分の大きい風車ホイールを4回転させたらゲーム終了。最終得点計算して、いっぱい点取った人の勝ち。 風車ボートとそのホイール。歯車と言えば「ツォルキン」を思い出すが、こちらは各プレイヤーが自分のホイールを個別に持つことになる。大きいホイールは6区画に分割されてて、1回転させるのに最大6手番かかるから、ゲームの長さは最大で1人24手番。実際には1手番で2、3区画回転させることも多いのでもっと少なくなるだろう。 ゲームが終了するまでひたすら手番をプレイしていくタイプ。手番が来たら、まずは水門を開けたり閉じたりして水の流れを調整する。閉じる分には無料だが、開くにはコストがかかる(おまけで得点もついてくるが、たぶん効率が悪い)。事実上、序盤はこれで3択のアクションのうち1つを選ぶことになるので、さっそく考えどころだ。「ナヴィガドール」とかのロンデルシステムで、常に1歩ずつ進んでいくプレイヤーはまず勝てないのと同様に、コストを払ってでも水速を上げるべきときが必ずあるだろう。 ここで重要なのは、水門(および後述する水位)は全プレイヤー共通で管理するということだ。つまり、たとえば直前のプレイヤーが水門を開けて水速を3にした場合、自分の手番が来た時点で水速は3のままだということ。なので上家が実行しそうなアクションを読んで、それに合わせて計画を練れば、自分でコストを払って水速を上げなくてすむかもしれない。逆に下家が数区画先のアクションを実行しそうなら、水速を下げてコストを支払いを強いることができるかもしれない……難しい気はするがw 水速が決まったら、それに応じて水位を調整する。水速が最遅なら水位は上がらないが、それより速いと干拓が間に合わず、ちょっとずつ上がっていく。あふれてしまうような水速を選ぶことはできないし、手番開始時に水位がいっぱいいっぱいの場合は水速を最遅にしなければならないので、望みの水速を選べないこともあるだろう。 そのあと、水速に等しい区画数だけ自分のホイールを回し、噛み合った部分の上側にある左右の区画のうちいずれかに示されているアクションを実行する。当然ここがメインフェイズだ。 こんな感じに噛み合ったら、矢印が指してる大ホイール上の「助手の雇用/契約の獲得」か、小ホイール上の「水位の低下」のいずれか1つを実行できる。ゲームが進んでホイールを強化すれば、両方実行できることもある。また、最初のうちは小ホイール上のアクションは「水位の低下」だけなのでそんなに悩むこともないが、もちろんこれも強化/変更することができるので、どんどん選択の悩ましさが増すことになるだろう。 アクションは「水位の低下」「ホイールの強化」「助手の雇用/契約の獲得」「風車の建設」「市場の訪問」「海外貿易の実施」「チューリップの球根の植え付け」の7種類で、このうち6つは最初から大ホイール上に1つずつあり、小ホイール上の5区画には(最初は)「水位の低下」しかない。 水位を下げると、それに応じてお金や勝利点がもらえる。水位が高くなってるほど、下げたときに得られるものも多くなる。 ホイールを強化したら、強化タイルを購入してホイール上のいずれかの区画に置く。純粋に強化される区画に置く分にはいいが、まったく別のアクションを置き換えてしまうとそのアクションを実行できなくなるので注意が必要だろう。 強化タイル。焦げ茶がコモン、薄茶がアンコモン、灰色がレア。レアリティが上がるほど強力になるが、もちろんコストが高くなる。コモンでもデフォルトのアクションよりは強力なので、こちらで埋め尽くすのもありじゃないかな。手番が足りなくなりそうだがw 助手を雇うと特殊能力が得られる。契約はゲーム終了時の自分だけの得点計算方法になる。どちらも重要なのは、ゲーマーなら言うまでもなく分かるだろう。 助手/契約カード。カードの上段が助手、下段が契約になっており、どちらかを選んで使うタイプ。はいはい悩ましい悩ましいw 風車の建設では、メインボード上に風車駒を置いて、その周りにあるすべての畑から利益を得る。しかし、置いた風車駒から既存の(自分と他プレイヤーの)風車駒をたどって市場に到達できる位置にしか置くことができないので、最初は市場に隣接するところにしか置けない。しかも他プレイヤーの風車駒を経由した場合、相手は勝利点を得てしまう。おそらくは市場から離れるほど利益が大きくなると思うが、配置コストも高くなり、他プレイヤーに勝利点を与えることも多くなるだろう。はいはい悩ましい悩ましいw 風車駒。最近流行のシルクスクリーンプリントされてて見映えが大変よろしい。 市場の訪問と海外貿易は、どちらも手っ取り早く利益を得るための手段。しかし単純にサプライから何かを得るのではなく、市場では他プレイヤーが多くいるエリアに行くと利益をたくさん得られるし、海外貿易ではチューリップを輸出して利益を得るか、輸出されたチューリップを回収して球根として再利用するかの2択を迫られる。ちょっとしたアクションにも多少のインタラクションが用意されてるってことだ。 そしてチューリップの球根の植え付け。球根を自分の畑に置いて、そのスペースに示されてる利益を得る。ゲーム終了時には植えたチューリップから少なくない勝利点を得ることになるので、他のすべてのアクションはこのためにあると言っても過言ではないだろう。 チューリップ駒。右端は黒いチューリップだが、現実には黒いチューリップ(というか黒い花)はないことを反映して、めっちゃ色の濃い紺色になってる。芸が細かいw プレイヤーボード。中央の畑にチューリップ駒を置いていく。各段は1色にまとめると高得点になり、各列はすべて異なる色にしないと失点する。とはいえ、段についてはそもそも完全に埋めないと1点にもならない。失点はしたくないので、とにかく同じ色を同じ列に置かないようにしてれば何とかなるんじゃないかな。チューリップが5色あるのに4段しかないのも地味に効いてくるんだろう。 個々のアクションはそんなに難しくはなさそうで、プレイ時間も45-90分となっていることから、ちょうどいい中量級ってところだろう。どのアクションでも大なり小なり他プレイヤーとの絡みがあるので、多人数ソロゲー感はなさそうだ。 強いて懸念点を上げると、ゲーム開始時に個別の初期能力がもらえるのだが、ぱっと見た感じではこれの差が大きいような気がする……まあこのへんはやってみないと分からないけど。どうしても駄目そうならなしでやってもゲームにはなるだろう。アクション強化、助手の雇用、契約の獲得なんかは大好物だし、見た目も華やかで期待大。負けても美しい盤面を見れば心も慰められるだろうから、私みたいなボドゲ弱々勢にもきっとオススメだよwBGGの和訳ルール
2024.05.17
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「なんかいろいろあるから(略」とお誘いいただいたので参加。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。 最初に海外のゾンビテーマのTRPGをやらせてもらったが、最近の主流の一つらしい、ほぼ即興劇タイプ。ゾンビ駄目、即興劇駄目と苦手要素が2つかぶったので、申し訳ないが私の主張で途中終了とさせてもらった。ゾンビもののお約束に詳しいゾンビマニアか、即興劇の演者となるのが苦にならないプレイヤーならいいかもね。●タイトル忘れ 続いてこれ。評判のいいワードゲームらしい。日本語の単語15個(「はい」「いいえ」「小さい」「色」などなど)に対応する新言語(「グル」「ムー」「ヘイ」「ブン」など何でもいい)を用意してゲーム開始。手番プレイヤーがお題カードを引いて、選んだお題に対応する新言語を作り、それを既存の新言語だけで表現して、日本語で何というかを他プレイヤーに当ててもらう協力ゲーム。他プレイヤーは好きなだけ質問できるが、その質問も新言語を使わなきゃならないので表現を強く制限される。当たっても外れてもお題の新言語が新たな語彙として追加される。全体で15手番やったらゲーム終了。いっぱい点取れるとよかったね。 以前やった同人マーダーミステリーでも同じことを思ったが、お題出す方も当てる方も日本語に置換して考えるだけなので、使える単語だけ制限して日本語でやりとりしても結局同じだ。この置換の一手間が楽しいという人向けなんだろうが、つまり私向けでは全然ないw 時間制限なしだと際限なく長時間化する。短くても2時間はかかるだろうし、絶対ノーミスで15問当ててやるというグループなら6時間くらいかかっても不思議ではない。タイマー用意して区切ってやった方がいいだろうね。また、攻略だけ考えるなら常にサブワードを増やした方がいい。当たり前だが。 このゲームに悪いところは何もない。評判通り、確かによくできてる。だけど世間でどんなにおもしろいと言われていても、「苦手な部類だけど楽しめた」という人がいても、私は日本語以外の発音でコミュニケーションするのが極めてつらい(プレイ中楽しかったのは間違いないが)。学生時代に「TRPG福袋」の「ぴよぷるん物語」やらされそうになったときには全力で回避したしなw 私は絵を描くのがすげー苦手なのに「テレストレーション」は楽しめるので人に勧めがちなんだけど、これをやってちょっと考えを改めた。同様にどんな状況下でも絵を描くのが駄目な人もいるだろう。今後は少し控えめに勧めていくことにしよう。●Escape from the Asylum(デモ版) そのあと、私が去年のエッセン土産としてもらった脱出ゲームのデモ版を他の3人にプレイしてもらった。 さまざまな理由で精神病院に収容されている5人の登場人物が独自に脱出しようと試みる。各登場人物の行動が他の登場人物に影響を与えるという、いわゆるザッピングシステムが斬新だ。本編は2部構成になっているので、5人×2部でシナリオ10本。各シナリオの想定クリア時間は60分なので、全600分の大長編となる。 今回やってもらったのはデモ版なので、登場人物の1人のシナリオから序盤の謎を3つだけ切り取った超簡易版。システムとしては、裏に4桁の番号が書かれたカードの表面を指示された順にどんどん読んでいくと、いずれカード番号が指示されないカードに突き当たる。そしたら謎を解いて4桁の数字を見つけ、その番号のカードを探して表面を読み……と続けていく。シナリオ部分がカード数枚に渡ることもあるので、謎を解く部分以外は小説を読んでるような感じだ。 お試し版なのでちょっと詰まったらヒントを読んでもらって先に進むことを優先したが、なかなか反応はよかったんじゃないかな。新しい部屋に行くと、その部屋を模した新しい封筒を開けられて(たいていは謎を解く必要がある)その部屋にあるものが封筒の中から出てくるというのがちょっとテンションが上がる。全然たいしたことじゃないんだけどw ただ、これはデモ版ゆえの問題と信じたいが、特定のギミックの出来が悪くて普通にやってると発動しないのはいただけない。製品版では直ってるといいんだが。●裏切り者レガシー 第11章 前回のプレイ記録はこちら。 旅団長さんが早退されたあと、3人でこれ。 今回もなかなか怪異が発生せず、盤上が広くなる展開。ようやく発生した怪異は当たりの部類だった。これだけシナリオが多いと外れが混ざるのも仕方ないので、当たりを引くと嬉しいw 開始時の配置から特定の領域を広げた方が英雄側有利かと思ってそうしてみたが、そんなことはなかった。ついでに私が裏切り者になったw 超強い武器を引いて超パワーアップしてあっけなく勝利。やっぱりあの武器強すぎるなw 残すところあと2章。ついに終わりが見えてきたが、シナリオで「こんなことできるようになりましたよーいややらなくても全然いいんですけどー」と言われてることをほとんどやってないので、この先どうなるのか不安で仕方ないw
2020.02.21
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2015年最初のゲーム会。今年もよろしくお願いします。SSK、ハマチ、gen、私の4人。●ショッテンレンネン 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:ショッテンレンネン ハマチのリクエストで「新年一番はすごろくっぽいのにしようぜ!」ということになり、これ。 ルールは↑のリンク先を見てもらえればほぼすべて分かる。ダイス振って目標値(場合によっては任意のゾロ目でも可)が出たら進める。進み続けられるが失敗したら最後のセーブ地点まで逆戻り。追加の特殊ダイスを振れるトークンもある。まあこんだけだ。さすがに大の大人がこれだけじゃつまらんので、最初から上級ルール。ちょっと特殊な処理のあるカードが追加される。でもそんだけだw 今回は2枚目の目標値9が難関で、どういうわけか私以外はなかなか突破できなかった。早めにリスクダイスも駆使してここを突破した私は、その後も出目に恵まれ、適切なところでリスクダイスを惜しみなく使った結果、ぶっちぎって1位。SSKはスタート地点から一歩も進めなかったw 最終結果。奥の青が私、手前の白がSSK。 まあね、うん……分かってた! こんなもんだって分かってた! 新春にふさわしい、ダイス振るだけゲー。もう他に言うことないw 「キャントストップ」好きなら多少は許せるかもねーといったレベルかね。●シャウブロッカー 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:シャウブロッカー 続いてこれ。設定はよく分からんが、ナットとボルトを集めると得点になるゲーム。 ダイス振って、自分が今いる場所の左隣にあるカードに対応した目が出たら、そのダイスは置かなければならない。その隣に対応した目も出ていたらそれも置かなきゃならない……というように、今いる場所から連続している限り、ダイスを置かなきゃならない。途中で1枚でも置けなかったカードがあったら、その先のカードに対応するダイスは“置いてもいい”となる。で、置けなかった(置かなかった)ダイスをあと2回まで振り直せる。最終的に、連続してダイスが置かれている一番端のカードまで移動して、そのカードを取る。カードを置くスペースは6カ所あり、ダイスは6個振るので、うまくすると1周できるが、そうするとボーナスカードが得られる。どこかの山が尽きたら終わりで、カードに示されてる得点とか、ナット+ボルトによるセットボーナスとかを得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 これも選択ルールを全部盛りでプレイした。ダイス数を減らせるというものと、複数のダイスを組み合わせてカード上に置ける(たとえば「5」のカード上に2と3のダイスを置ける)というもの。しかし、どちらを使っても絶対1周できなくなるので、ほとんど誰も使わなかった。終盤に山が尽きるのを避けたり、どうしても欲しいカードがあるときにちょっと使ったくらいかな。 直前にやった「ショッテンレンネン」があまりにアレだったので、あまり印象悪くないのだが、冷静に考えるとやっぱり大したゲームじゃないなw 出目操作系カードもあるが、使えば得点を失うし、そもそも出目がよくてそれをうまく得ることができた奴が勝つので、やはりいい目が出るのをお祈りするゲーには変わりない。そのわりにはちびっと長いかなー。1回くらいはやってもいいかもね。アートワークはなかなかいかしてるんだけど。●アッピア街道 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:アッピア街道 続いて1年以上積んでいたこれ。まあそんなゲームいっぱいあるんだけどw 石やお金を得たり、石を敷石にしたり、敷石を道路に敷いたり、その上を歩いて次の町を目指したりする。敷石の配置、各エリアに配置した敷石の枚数による優勢、各町に到着した順位によって得点を得て、最多得点プレイヤーの勝ち。 なんと言っても目を引くのは石切場。ゲーセンのメダル落としゲームの要領で手持ちの石ディスクを突っ込み、落ちてきたディスクを敷石かお金に換えられる。わりとずれるし、わりと3回押しても落ちてこないw SSKはこういうのが苦手で、終始手がぶるぶる震えてたw これが秘技「手をぶるぶる震わせてディスク落とす拳」だ!(モデルはハマチ) このほかにも「怒られない程度に反動をつけて落とす」「斜めに押す」などの技が考案された。 最終的に私とgenが同点首位。ハマチとSSKは結構離されてた。展開としては、どっちかが1位で町に入ったところではもう一方がタイル数で優勢を取る……みたいな感じだったかな。得点手段が3つほどあるが、そのすべてがトレードオフになってるので、普通にやってると必ず僅差になるのだ。敷石置いたら他プレイヤーがその上を歩いていくし、頑張って1位で次の町に入ろうとするとお金がかかるので、次の町を目指すレースでは息切れするし、後手は安く歩いてくるのでお金を残しやすく、なおさら次のレースでは勝ちにくくなるからね。 では他の2人はどうして差がついたかというと、石切場でタイルを落とせなかったから。ここで落とした枚数が順位に直結すると言っていい。1枚も落とせなければ1手番まるまる損するわけだからね。 コイン落としが楽しいから1回はやってもいいけど、繰り返しプレイするかというとどうかなー。終盤に逆転の目を残すデザインは今風ではあるが、それがあまりに見えすぎてると、途中で知恵を絞る意味があんまり感じられなくなっちゃうんだよな。そのへんがもう少しオブラートに包んであるとよかったんだが。●世界の七不思議 最後にこれ。「バベル」発売を記念して拡張全部入りで。記録を遡ると、私が前回プレイしたのが2011年の水曜会。このメンバーだともっと前になるかな。かなり記憶が曖昧だったので一からインストしたが、ルールブックが4冊もあるから大変だったw 担当したのはビザンティウムの聖ソフィア大聖堂のA面。第二段階で戦争を回避できる外交トークンが得られる。リーダーで緑カードを安く置ける人と、緑カードから勝利点得られる人をピックしたので、戦争ガン無視で緑単タッチ青路線に。この発想自体は決して悪くなかった……時代2終了時点で、第二段階の建設が不可能だと確定するまではw 久しぶりすぎて資源カードを軽視しすぎたよw さらにバベルタイルの効果で連鎖建設にお金がかかるようになり、完全にとどめを刺された。緑と青なんて連鎖での建設を目指すに決まってるだろ! そこにお金がかかるようになったらもう沈むしかないw まあそれでも細々とカードを金に換えては、たまに回ってきた緑カードを頑張って置いて、最終的にはトップと10点差のドベ。他に緑集めてるのがいなかったので、そこまでの大差にはならなかった。ひどい目にはあったがなw 勝ったのはハマチとのタイブレイクを所持金差で制したSSK。 我が文明の最終状況。第2段階さえ建設できていれば……orz 手数が増えないのにやること(バベルタイルの建設)が増えるので、得点は伸びにくくなってるかな。バベルタイルでも10点までは入ってくるけど。たいていろくでもないことが起こるので、自分のタイルには対応できるように育てた方がいいだろう。バベルタイルは制限に汲々とするのが好きな人にはお勧めの拡張。 逆に偉大な計画の方はどうかなー。収入が増えるわけでもないのにコストは余分にかかるので、報酬を得るためというよりはペナルティを避けるために参画する感じか。特に時代3では、たいていみんなカツカツなのに多額の現金を要求してくるので、達成はなかなか難しいんじゃないかね。報酬も悪くはないが、1人で複数回参画するのは至難なので、他プレイヤーで参画できそうにないのが2人もいたら達成はまず無理だし。こっちの方がより上級者向けかな。悪くはないけど、最初からうまく利用するのは大変そうね。
2015.01.10
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「『アンファゾマブル』輸入したんなら人数集めるからやろうぜー」とお誘いいただいたので持ち込んで参加。ルールとリファレンスで50ページ近くあり、詳しく語ってるといくら書いても足りないので手短にすませる。いたるさん、一味さん、なべさん、しゅだっちさん、私の5人。●Unfathomable 詳しくはこちら↓Lovely Boardgames:アンファゾマブル~深淵より来たるもの~ さっそくこれから。評判いいものの長らく入手困難だった「Battlestar Galactica: The Board Game」のリメイク。みんなで協力して外敵に対抗しようとするが、密かに裏切り者が暗躍しており……という、一部に熱狂的なファンがいるジャンル。 本作ではテーマをクトゥルフ神話に変更し、プレイヤーは客船の乗員だったり乗客だったり密航者だったりする。そこにみんな知ってる深きものどもを率いて母なるハイドラとか父なるダゴンが襲いかかってくるので、そいつらを撃退しつつ、船内で起こるもめ事を解決しながら目的地への到着を目指す。 到着すればプレイヤー側の勝利だが、プレイ人数によって何人か混ざってる裏切り者は、それを阻止すれば勝利。で、この裏切り者になる可能性があるタイミングがゲーム中に確定で2回ある(裏切り者側の動きによってはもうちょっとある)ってところがキモだ。何しろそれまで人間として頑張ってきたのに、いきなり「あーなんか潮の匂いが恋しくなってきた。深きものどもも悪い奴らじゃないかもなー」とか考え始める奴がいる(かもしれない)んだから、もう誰も信用できんw この日はいたるさんがゲーム開始時点で裏切り者だったそうだ。全然そんな様子は見られなかったが、それもそのはず。普通に全員で協力しても人間側にとってかなり厳しいバランスになってるから、わざわざ悪さして目立つ必要もないのだw それでもゲームに慣れたりアイテムを拾って強化したりして、目標までの中間地点に到達。ここで2回目の裏切り者判定があり、私が裏切り者に。なんとか愉快な大技を決めて人間側を驚愕と絶望のどん底に突き落としてやろうと画策してたが、一足先にいたるさんが愉快な大技を決めて人間側を驚愕と絶望のどん底に突き落とし、裏切り者側の勝利となった。私ほとんど何もしてないけどなw 敵にも味方にもなりうる時限式の儀式呪文を見事に利用した一手だった。 1回やっただけだが、なるほどこれは面白い。思ったほど時間もかからず、前述のように裏切り者判定が複数回あるのもいい。人間側が難しい気もするが、慣れたプレイヤー同士でやって、筋力に自信のあるキャラがボイラー室で石炭放りこみ続けることができたらそうでもないかもしれない(そのプレイヤーはあまり楽しくはないだろうがw)。 注意したいのは、いわゆる正体隠匿系のゲームとは異なり、最初からガチンコで他プレイヤーの正体を探りにいくようなゲームではないということだ。たとえば手札やプレイしたカードの情報を正直に公開し続けるだけで、人間プレイヤーは自分が人間であることを容易にほぼ証明できる。このため、そのようなプレイングは明確に禁じられているが、許される発言の定義が曖昧なので、そういったルールの穴を突いて自分の正体を暗に明かすのもやめるべきだろう。そういう意味ではややTRPGに近い。 そんな感じの暗黙の了解に納得できて、勝ちを目指すのは当然としつつも過程を楽しめるならお勧め。ガチ人狼プレイヤーとかはやらない方がいいと思うよw●One More Barrel 詳しくはこちら↓ふうかのボードゲーム日記:ワンモアバレル 続いていたるさんからこれ。石油産出国に「お前んとこめっちゃ兵器抱え込んでるな! 攻めてくる気だろ! 許さねえ!」と難癖つけて(何しろそんな事実はないのだw)侵攻し、勝手に石油掘って持って帰って売りさばいていっぱい儲けた人の勝ち。いろんな不謹慎ゲーを遊んできたけどこいつは中でもトップレベルだよw テーマはいい(よくはない)。やってる最中もそこそこ楽しい。しかしルールがひどすぎる! 和訳もまあまあひどいと思ったが、原文を読むと「この原語ルールからよくぞここまで頑張ったな……正直すまんかった」ってなるレベルでひどいw もうとにかくまともにプレイできないのだが、なぜか海の向こうにこのゲームの熱心なファンがいるらしく、その人がリライトしてBGGにアップしてくれたサマリーを元にプレイした。それでぎりぎり何とかなるくらいかな……それはもうパブリッシャーとして失格だろw ぶっちゃけルールのひどさしか記憶に残ってないのだが、ゲーム自体もまあ、そこまで頑張ってやるほどではなかった気がする。石油の値動きが雑すぎて、たぶん何度やっても中盤以降はほぼストップ高になるんじゃないかなあ。序盤の動きにも定石がありそうな感じ。まあ1回やる分には悪くないよ……そのために多大な労力を払えるならねw
2022.04.01
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ボードゲーマー夢の祭典「シュピール」が10月3日~6日にドイツのエッセンで開催される。その前後に発表される注目ゲームのご紹介。現時点でBoard Game Geekの「エッセンシュピール2024プレビュー」に登録されてるゲームから気になるものをいくつかチョイスした。 出る数多すぎ時間なさ過ぎのため、ほとんど(と言うかまったく)ルール読んでない。選んだ基準は箱絵、テーマ、システム、対象年齢、プレイ時間など。まだまだ円安だし、最近はメジャーな出版社がつぶれることも多いので、海外から購入するかどうかは自己責任で。 邦題は適当(おおむねカタカナか直訳)。紹介順も適当。敬称略。画像全部BGGか公式サイトからの借り物で、プロトタイプの画像もあるかも。もう発売済みのもあるかも。デモ展示のみのものもあるかも。クラウドファンディングで出資募集してて目新しくも何ともないのもあるかも。日本での流通が発表済みで私が関わっているものは宣伝臭くなるのでできるだけ省いた。タイトルにBGGか公式サイトへのリンクを貼っておく。●電力会社:アウトポスト 言わずと知れた緑のフリーゼ最高(というか唯一の)傑作「電力会社」シリーズ最新作。2021年の「ヨーロッパ/北アメリカ」マップと「新たな発電所セット2」は「電力会社デラックス」からの切り抜きなので、完全な新規コンテンツとしては2019年の「中東/南アフリカ」マップ以来5年振りとなるだろうか。 全然知らなかったが「電力会社」は「アウトポスト」というゲームから刺激を受けて作られたものらしい。「アウトポスト」知らないし、まだこちらのルールも出たばかりで読んでないのでよく分からないが、その元ゲーの要素を取り入れたんだろう。 プレイ風景を見ると発電所駒以外に見慣れない駒がいくつかある。マップの見映えはあまりよろしくないが、ゲームとして面白いのはまず間違いないだろう。フリーゼは「電力会社」シリーズの売り上げでほかの意欲的(婉曲表現)なゲームを出してるので(要出典)みんなも買おうな! たぶん完全日本語版が出るよ!●バグダッド:平和の町 「アウトバーン」を出したFabio LopianoとNestore Mangoneによる新作。出版社は同じAlley Cat Games。2人は今年、別の出版社から「シャクルトン基地:月への旅」というゲームも出すようで、そちらにも期待している。 まだ箱絵しかアップされてないので何も分からないが、バグダッドの黄金時代の宰相となって町を発展させる手札管理・ロンデル・ワープレゲーらしい。うむ、わからんw テーマとデザイナーで期待。●ダイナミック・オブジェクト・ソリューションズ 最近いい評判を聞く「Pampero」のデザイナー、Julián Pombo作。出版社も同じAPE games。これも箱絵しかないので詳細は不明。最先端のロボット会社のCEOとして人工知能を構築するらしい。セットコレクションとか異なる能力持ちのワーカーとかあって、他プレイヤーを利するようなアクションを打つと自分も得する、みたいな要素があるようだ。 2026年予定になってるのでデモが展示されていればいい方だろう。「Pampero」の評判による期待だが、まずは「Pampero」を(できれば日本語版で)出して欲しいな……めちゃめちゃ高くなりそうだが。●サルトフィヨルド Kristian Amundsen ØstbyとEilif Svenssonによる「サンタマリア」のリメイク。確か「サンタマリア」の基本ゲームでは1マスの道と2マスの発展タイルと、L字の3マス発展タイルだけだった気がするが、本作では直線の3マスタイルが増えてるように見える。拡張込みってことかな。まだルール読んでないけど、さすがにちょいちょい変わってるんだろう。元ゲーがなかなかいい中量級だったのでこれにも期待。●レイラインズ デザイナーは知らぬ者なきWolfgang Kramerと、「サグラダ」に関わっているDaryl Andrews。なんと1987年になんかの賞を獲った「アウフアクセ」のリメイクだ。「アウフアクセ」はクラマー1人のデザインだったので、何かしら変わってるところがあるんだろう。対象年齢も8歳以上から10歳以上になってるし。 元ゲーやったことないが、さすがに今やると古いだろうし、それをどうやって今風に仕上げたかが気になる。ファンタジーテーマも好きだしね。●アルタイ:文明の曙「マッチ・オブ・センチュリー」「カエサル!」「ブリッツクリーク!」など、最近は2人ゲーが注目されてるPaolo Moriと、「Champions of Midgard」のOle Steinessによる新作。BGGの登録ページにある最古のスレを見る限り、3年前から温められていた企画のようだ。いろんなデザイナーがばんばん新作出す昨今の流れと比べるとずいぶん時間かけて練ってる(可能性がある)ので、それだけで期待。 ファンタジー世界での陣取り、デック構築、プレイヤーごとに異なる能力……はい大好物w マップが異常に狭いのもいいね。殴り合うしかないからねw●SETI: 地球外知的生命体探査 今年3つもゲームを出す(出した)新人デザイナー、Tomáš Holekの新作の1つ。昔からちょくちょく実際に行われてる、地球外の生命体を探すプロジェクトをテーマにしたゲーム。惑星探査船を打ち上げたり望遠鏡覗いたりして生命の痕跡を探す。カードは200枚超だそうだ。 プレイ風景。プロトタイプだと思うが個人ボードはトリプルレイヤーか? お値段が気になるなw まあCGEなんで日本語版出るでしょう。もちろん、CGEが今年出すもう1つの「小さな工房の錬金術師(仮)」にも期待してますよ! こっちは元ゲーを子供向けにリメイクした、いわゆる「マイリトル」系だけど、そもそも元ゲーの「工房の錬金術師(仮)」が人類には早すぎた推論ゲーなので子供向けくらいでちょうどいいと思うw●大都市 「アルボレア」「バルセロナ」のDani Garciaが今年出す3つのゲームのうち1つ。傑作「美徳」でおなじみDevirのKemushiサーガシリーズ(背景世界が同じなだけでデザイナーは違う)。 まだルール出てないので詳細は不明だが、ついにKemushiサーガの世界で蒸気機関が使えるようになり、それで産業革命が起こって都市が発展するらしい。だけどKemushiサーガの世界なので妖怪が出てくるっぽいw 分かってるシステムはモジュラーボード、ワープレ。独特の世界設定とデザイナーの知名度で期待。●スナ・ヴァロ(晴れた谷) 「ラ・グランハ」のAndreas "ode." Odendahl作。太陽光発電がエネルギーの主流となってる、オーバーグロウンという名の“ソーラーパンク”世界が舞台。この世界の“晴れた谷”と呼ばれるところにできた村で農業して発展させていく。 詳細は不明だが、カードの購入システムが革新的らしい。下箱の画像を見る限りでは普通に「何か買うとずれて残りが安くなる」システムに見えるが、きっと違うんだろう。テーマとデザイナーの知名度で期待。 「プランタ・ヌーボ」と同じ世界設定、同じ出版社なので、うまくすれば日本語版が出そう。うまくしてくれますように。●ワールドオーダー 日本語版も出る(予定)の「ヘゲモニー」のVangelis BagiartakisとVarnavas Timotheouによる新作。 今度は1国を飛び出して世界だ! 2010年を舞台にアメリカ、中国、ロシア、EUとなって同盟結んだり経済力を駆使して依存させたり軍事力でぶいぶい言わせたりする。 「ヘゲモニー」でデザイナー陣の能力は充分に証明されてるので、当然これにも期待。●アンドーンテッド2200:カリスト 日本では「ウォーチェスト」で知られているTrevor BenjaminとDavid Thompsonによる「アンドーンテッド」シリーズの最新作。これまでは第二次世界大戦のさまざまな戦場を舞台にしていたが、今作でついにフィクションの世界になった。これを待ってた! 22世紀の木星の衛星、カリストで、採掘企業と労働者集団が条件を巡って決裂し、ついに武力闘争に及ぶ……というお話。こう聞くと2人専用みたいだが、どうやら1人か2人か4人でプレイできるらしい。 駒類がフィギュアじゃなくてスタンディーなのも高評価。色塗らなくても見分けられるし、きれいなイラストを楽しめるしね。 このシリーズには「Undaunted: Stalingrad」という、とにかくばかでかい(そして当然高い)やつがあるので、これもそうなるんじゃないかとちょっと不安だったが、どうやら普通の正方形箱クラスのようだ。一安心w 「アンドーンテッド」シリーズプレイしたことないが、面白くて人気があるからこそのシリーズものだろうし、「ウォーチェスト」のデザイナーたちなら充分期待できるだろう。●七つの帝国 ロンデルといえばMac Gerdts、Mac Gerdtsといえばロンデルでおなじみ、Mac Gerdtsの新作。まだ箱絵すら出てないのでほんとに今年出るか怪しいが、予定では2024年発売になってる。 当然何も分からないが、17-18世紀くらいを舞台にした2-7人用の政治・ウォーゲームらしい。今ウケる主流でないのは明らかだが、プロシア王国とかハプスブルグ帝国とかオスマン帝国とか聞いただけでゾクゾク来るような人にはたまらないだろう。当然私もたまらないw 以下は気になる拡張。電力会社:ブレーメン/マンハッタンプラネット・アウンノウン:スーパームーンファラウェイ:地下の人々マラカイボの海賊たち:指揮官アーク・ノヴァ:動物園マップパック2 今年もいいものはばんばん日本語版が出るでしょう。そういったものにできるだけたくさん関われますように。
2024.09.03
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旅団長さんが満を持してとっておきを持ってきてくれるとのことだったので喜々として参加。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。●エクスパンス ボードゲーム 詳しくはこちら↓書き逃げ旅団:The Expanse Board Game (WizKids) 「ジュースの時間ですよ」 「エクスパンス -巨獣めざめる-」というアメリカのSFテレビドラマシリーズを元にしたゲーム。ドラマはNetflixで配信中。さらなる元ネタの小説「巨獣目覚める」も早川から上下巻で出てるので、興味のある方はどうぞ。もちろん、これらをまったく知らなくても「太陽系中に生存権を拡大した人類が3陣営+1企業に分かれて直接・間接に戦う」ということだけ分かってれば充分楽しめる。 政治力の高い地球国際連合、軍事国家の火星共和国、小惑星を根城とする非公式軍事組織OPA(外惑星同盟)、裏で暗躍するプロトジェン社の4陣営に分かれ、太陽系のいたるところで影響力優勢を取ろうとする。 ゲームの流れは非常に簡単で、各プレイヤーが手番でできることは「カード列からカードを1枚取り、そのアクションポイントを使う」「カード列からカードを取り、そのイベントを実行する」「カード列からカードを取り、追加コストを払って手札にする」「手札をプレイしてイベントを実行する」のいずれかだけ。列からカードを取るときには、その位置に応じたコストがかかり、そのあと残りのカードを安くなる方につめる「スルー・ジ・エイジス」方式が採用されてる。 イベントは何でもかんでも実行できるわけではなく、自陣営のアイコンがついてないとだめ。カードを取ってアクションポイントとして使った場合(このアクションポイントを使って軍艦を移動させたり、影響力マーカーを置いたりする)、そのカードのイベントを実行する権利を“他プレイヤー”が得るというところがおもしろい。「トワイライト・ストラグル」にちょっと似てるかな。カードをアクションポイントとして使う場合、当然ポイント数が多いものを選びたいわけだが、そういうカードは概してイベントの効果も強いので、それを他プレイヤーに使われるとひどい目にあうかもしれない……という強烈なジレンマが終始発生することになり、もう悩みどころしかないw カードの中には得点計算を発生させるものもあり、これを誰かが取ったら決算する。取ったプレイヤーはアクションポイントも得ず、イベントも起こせないので損するように見えるが、内惑星系、小惑星帯、外惑星系のうち1つを選んで得点効率を高めることができるので、自分が優勢取ってるエリアを選べば高得点が望める。しかし、各エリアはゲーム中に最大2回しか選ぶことができず、後半ほど高得点効率にすることができるので、どのタイミングでどこで優勢を取り、何枚目の得点計算カードを取りに行くかは充分に考える必要がある……とはいえ、そもそも得点計算カードが出てくるタイミングは多分に運次第なのだがw この日は旅団長さんがプロトジェン社、いたるさんがOPA、一味さんが火星、私が地球となった。どの陣営も1~3回目の得点計算後に新たな能力が解放されるのだが、地球はとにかく影響力重視。タイブレイクで決算に勝てるとか、1つで3影響力分になる大駒を置けるとか。なので無傷で決算までいければかなり強い……すなわち無傷でいけるはずはないわなw いたるさん率いるOPAと欲しい惑星がかぶり気味なこともあり、「他プレイヤーの影響力駒を自分の駒に置き換える」というOPAのチート能力で大駒をがんがん置き換えられてひどい目にあったw それでも3回目の決算までは何とか食らいつき、この時点では地球、火星、OPAの三つどもえの様相。得点計算カードが出るタイミングが悪く、旅団長さん率いるプロトジェン社はかなりへこんでるように見えたが、4回目の決算で大躍進を遂げ、最後の得点計算を残してOPAがわずかにリード。他の3陣営も充分勝てる圏内にいた。 ……ように見えたが、「最終得点計算では、誰がカードを取ったかを問わず全エリアの得点効率が高くなる」というルールを見落としていたため、すでに2回決算が起こって不毛の地だと思われていた小惑星系に1人駒を残していたいたるさんが得点計算カードを取り、1位を独占して圧勝したw 最終盤面。リアル寄りの宇宙ゲー最大の欠点が遺憾なく発揮されており、とにかく盤面が黒くて見栄えが最悪であるw ルールの勘違いにより、最後は少々あっけなかったが、そこを差し引いてもおもしろい。カード列に5枚しか並ばないカードドリブンなので、「スルー・ジ・エイジス」などに比べるとややめくり運が(特に得点計算カードのめくり運が)強い感じだが、まあこれはCOINシリーズなんかでも大なり小なりある問題なので仕方のないところだろう。じりじりした陣取りが大好物な人にお勧め。●ディビニティ・ダービー 旅団長さんが早退されたあと、3人でこれ。暇な神様が集まり、自分のところの神話生物を出走させて競馬する。両隣とカードを共用するという「大勝負」方式で、どの神話生物が何位に入るかを予想。単勝で当てれば高得点だが当然当てづらく、複勝は当てやすいが低得点。ドベやブービーを当てに行くこともできる。 手番ごとに両隣からカードを1枚ずつ選び、1枚を上段、もう1枚を下段として使ってトラック上で神話生物駒を進める。上段で使うと速く、下段で使うと遅くなる。一部のカードは上段で使ったときに追加移動することもできるが、これはいかさまなので、レース終了時に運が悪いと失格になる……つまり、運がよければ失格にならないw いかさました神話生物が多いほど失格になる可能性は下がるし、そもそも狙いの神話生物が失格になることに賭けたりもできるので、場合によってはいかさまのオンパレードになることもあるw 各プレイヤーは神様なので、上級ルールだと神様固有の特殊能力を使うこともできるが、まあこれはあってもなくてもいいかな。発動しないことも多いし、さらには発動させても仕方ないことも多い。後半のレースほどいかさまが見つかりやすくなるルールは入れてもいいかも。 割とガチゲーだった「大勝負」と同じシステムではあるが、こちらは完全なるバカゲーだ。この認識さえ間違えなければ非常におもしろい。使いたいカードを隣のプレイヤーに取られ、使われたくない方で使われて悶絶する。慎重に駒を進め、狙い通りの順位でゴールできたのに、たった1回の(そして他プレイヤーによる)いかさまを見とがめられて失格になって悶絶する。それならと失格に賭け、いかさましまくってぶっちぎりの1位でゴールしたのに、審判が無能でそのまま健闘を称えられて悶絶する。そういうゲームで大笑いできる人向け。めっちゃ笑ったよw
2018.02.16
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ボックスアートゲームボード類 デザイナーであるTom Jollyの代表作。「Drakon」とか「Cave Troll」とかも日本に入ってきた形跡があるが、今取り扱ってるところはなさそうだし、あまり知られてない人かも。パブリッシャーはアメリカ大手のFantasy Flight Games。なんと第8版だw そんなに版を重ねたボドゲって他にあるかな。 プレイヤーは魔術師となり、ギルドの長の地位を賭けてダンジョン内で決闘する。各プレイヤーが2つずつ持っている財宝を2個集め、自分の本拠地に置くか、手っ取り早く他プレイヤーを全滅させるかすれば勝利のバトルロイヤルw 各プレイヤーは自分のホームグラウンドとなる区画ボードを1枚ずつ受け取り、人数に応じた形に組み合わせてゲームボード全体を作る。財宝の初期配置マスに財宝トークン2枚を1枚ずつ置き、中心にある本拠地マスに魔術師フィギュアを置いたらゲーム開始。 基本ルールは恐ろしくシンプル。・移動力(基本は3)を消費して移動/アイテムの獲得を行う・一般的な呪文カードを好きなだけ使う・攻撃呪文を1枚使うか、物理攻撃(ぶっちゃけるとげんこつで殴るw)を1回行う この3つを自由に組み合わせて実行する。移動して呪文使って移動して殴って移動、とかもあり。 勝利点を2点先取したプレイヤーがサドンデスで勝利する。他プレイヤーの財宝を自分の本拠地に置いているか、他プレイヤーを直接殺害したら1点獲得。殺害点は失われないが、財宝点は本拠地から財宝が移動した時点で失われる。もしくは、ダンジョンに自分しかいなくなっても勝利w えーと、ルール説明終わりw カード効果8割のゲームなので、細かい定義でルールブックが埋まっているが(「物品」とは何か、とか、「隣接」「視線上」とはどういうことか、とか)、だいたい当たり前のことが書いてあるだけで、そんなに難しいゲームではない。 花形である魔法カードはバラエティーに富んでおり、「錬金術」「変異魔法」などといった7つの魔法学派に分かれている。このうち「基礎魔法」学派のカードだけは必ず使用するが、各ゲームでは残りの6学派から3学派だけを選んで使用する(全部使用したり、2チームに分かれて互いに3学派ずつ選び、個別のデックを使用する選択ルールもある)。 こんな感じ。魔力を必要とする呪文に大量の魔力を供給できる精神魔法学派の補助魔法「アド」と、ダメージを受けたときにインタラプトで使用し、ダメージを受ける代わりにその分後ろに吹き飛ばされる(移動する)変異魔法学派の「フェザーウェイト」。一番右は他の呪文に付加したり、移動力をブーストしたりするのに使う魔力カード。 呪文には即座に効果を発揮して消滅するものから、費やした魔力の分だけ持続するもの、いったん詠唱したら基本的には効果が永続するものまである。攻撃呪文に目が行きがちだが、財宝を2つ集めても勝ちなので、「ローテイト・セクター」で区画ボードを回転させて財宝を回収しやすくしたり、逆に「クリエイト・ウォール」で他プレイヤーの進路上に壁を作ったりするのも重要だ。なお、旧版には相手を即死させる呪文があったため、開始5分でゲームから脱落することもあったようだが、さすがに今回の版では抜かれている。そりゃそうだw コンポーネントはさすがのFantasy Flight Gamesで、プレイヤーを表すフィギュアはそれぞれ形が違うという凝りよう。さらには「ワーウルフ・フォーム」とかの変身呪文で変身したとき用のフィギュアまでついてるw こんなの。スライムに化けると狭い隙間にはいって移動できるので扉を鍵で開けなくてよくなったり、ノームになると小さすぎてストライクゾーンが狭くなるので攻撃を回避しやすくなったりするw 何しろ対戦負け抜けゲーだ。呪文の効果がどれも派手だし、勝利条件が2つあるので殴り合いオンリーにはならないが、それでも4人でプレイすれば1人くらいは早期脱落するだろう。そういう意味ではメンツを選ぶだろうし、さらにはプレイする場所を選びそう。人がプレイしてるの見てるだけで楽しいっていうならいいが、そうでなければゲーム終わるまでの暇つぶしが必要だしねw そこんところがクリアできれば、伊達に8回も版を重ねてないだろうし、お勧めできる殴り合いゲーム。拡張の発売を臭わせるルールもあるので、ファンタジー好きなら長く楽しめるゲームになりそうだ。BGGの和訳ルール
2012.05.02
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ボックスアートゲームボード(ルールブックからの切り出し)駒・フィギュア・タイル類 デザイナーは先日紹介した「フランシス・ドレイク」のPeter Hawes。パブリッシャーがKayal Games、アメリカでの流通担当がEagle Gamesなのも同じ。「フランシス・ドレイク」の前にキックスターターで出資を募り、目標額1万ドルのところを1万2千ドル集めて何とか達成した。ぎりぎりなので魅力がないのかと思いきや、ルールを読んでみるとこれが結構面白そうだった。 テーマは恐竜の縄張り争い。プレイヤーは恐竜の群れを率いて、沼沢、森林、砂漠、山岳の4つの環境下でよりよい生息地を求めて互いに争う。プレイヤーの恐竜は基本的に草食なので、アクションによってT-レックスに食べられたり、翼竜に食べられたり、ヴェロキラプトルに食べられたりするw 時代ごとにおおむね3アクションずつプレイしたら、その時代の得点計算を行う。これを3時代(三畳紀、ジュラ紀、白亜紀)に渡って繰り返し、プレイ人数に応じたラウンドだけプレイしたらゲーム終了。最多得点プレイヤーの勝ち。 ゲームボードは4つの環境に分かれており、各環境はさらに3エリアに分かれ、各エリアには生息地(丸いスペース)が3つずつある。プレイ人数に応じた生息地に恐竜を4個ずつ置いたらゲーム開始。 始めにスタートプレイヤーから順に、ボード右端に並んでいるアクションタイルを取って、そのスペースに自分の恐竜フィギュアを置く。各時代の1ターン目では、このとき同時に環境カードも引く(山札から引くか、表向きになってる1枚を取る)。アクションタイルは6枚あり、それぞれ対応するアクションがある。また、取ったタイルの位置に応じて、アクションフェイズの手番順が決まる。 こんな感じで、取ったタイルのところに自分の恐竜フィギュアを置く。全員がタイル取ったら、フィギュアを置いたスペースの番号順にアクションを実行する。 タイルは6枚あるが、5人未満でプレイする場合、ラウンドごとに何枚かのタイルが余る。それらのタイルは番号の大きなスペースにずらされて、その上に白い恐竜トークンが置かれる。次ラウンドにそのタイルを取ると、アクションとは別に白い恐竜トークン分だけ、自分の恐竜をボード上に置けるようになる。「プエルトリコ」とかで採用されてるシステムだね。 ゲーム中に3回(6人プレイでは2回)だけ引ける環境カードをプレイすると、そのカードに応じた環境にある任意の生息地に恐竜を3個置くことができる。さらにアクションタイル「新たな環境」では、任意の環境に恐竜を3個置くことができる。この2つでは自分の恐竜がないエリアにも置けるが、「群れの成長」タイルや「孵化」タイルでは、すでに恐竜を置いている生息地に追加することしかできない。 各エリアごとに第1から第3までの3つの生息地があり、第1の方が得点が高い。基本的に早い者勝ちで恐竜を置くのだが、あとからそのエリアに置いたプレイヤーも、すでに置かれてる群れの恐竜数を上回ることができれば、よりよい生息地を乗っ取ることができる。 上図では、得点のない第3生息地に恐竜を1匹置いていた緑が「砂漠」環境カードを使い、3匹追加。するとこのエリアで最も大きい群れとなるので、一気に第1生息地を占領。青と橙の群れは順番に下位の生息地に押し出されることになる。もし第3生息地から押し出されたら全滅するので要注意w ここまではよくある陣取りゲームだが、「群れの移動」アクションがちょっと独特で面白い。ご想像の通り、あるエリアから別のエリアへと恐竜を移動させるわけだが、このとき異なる環境(たとえば砂漠から森林など)に移動すると、環境の激変によって1匹死んでしまうのだ。陣取りでユニットを1つ失うのは大ダメージなので、誰も好きこのんで移動しないんじゃないかと思うかもしれないが、さらにもう1つユニークなルールがある。群れを移動させるとき、なんと移動元にある他プレイヤーの恐竜も1匹ずつ連れて行き、自分の群れにしてしまうのだ。なにせ恐竜は頭が悪いので、他の群れが大移動すると釣られる奴もいるんだろうw こんな感じで、赤が沼沢から森林へと恐竜を3匹移動させると、1匹は環境の激変で死んでしまうが、橙と青の群れから1匹ずつ連れていくため、最終的に森林には赤の恐竜が4個置かれる(ディスク1枚はトークン3個分)。 「T-レックス」アクションでは、ボード上でT-レックスを移動させ、そこにある恐竜を大量に捕食(除去)できる。あるエリアでの優勢をがっちり確保したいときにはいいだろう。「ヴェロキラプトル」アクションでも少し捕食でき、さらにそのエリアから任意の恐竜(自分のでも可)を隣接エリアに追い出すことができる。うまく使えば、いくつものエリアで同時に優勢を取ることができるかもしれない。「孵化」アクションは「群れの成長」アクションより増える恐竜の数が少ないものの、追加で翼竜を移動させることができ、やはり恐竜を少し補食することができる。 同じアクションタイルは1枚もないので、ラウンドごとに各アクションは誰か1人しか実行できない。誰がどのアクションを、どの手番順で使うかをよく考える必要があるだろう。 時代が終わったら(たいてい3ラウンドで、白亜紀は2ラウンドのこともある)得点計算。まずは自分の恐竜が住んでる生息地の得点を獲得する。次に、2種類ある特別得点計算のうち1つ(または両方)を行う(どちらを行うかは各時代ごとに決まってる)。存在点を計算する場合、4つの環境すべてに恐竜を置いていれば8点得られる。優勢点を計算する場合、各環境ごとに3エリア合計で一番多くの恐竜を置いていれば8点、2位は4点。 これを3時代繰り返し、最多得点プレイヤーの勝ち。 比較的シンプルな陣取りゲーム。違うところも多いが、「アクションタイルを取ってからアクションする」という流れは「エル・グランデ」に近いんじゃないか。あっちはカードの種類も多いし、塔というブラインド情報があるために重量級ゲームとなってるが、こっちは6種類しかないアクションが毎回出てきて、異なるのは手番順だけなので、その分短時間でプレイできそうだ。とはいえ、何しろ一番手数の多い3人プレイでも9ラウンド。4人プレイなら8ラウンドで、6人だと6ラウンドしかない。たった6アクションw 時代ごとに環境カードを引くので、それを1アクションと数えても8アクション(3人なら12アクション)。説明は省いたが、ゲーム中に1回だけ使える特殊効果カウンターを2枚ずつ持ってるので、それを数えても10アクション(3人なら14アクション)だ。1手1手に相当な重みがあることは想像に難くない。 そして何より、コンポーネントが豪華。どうもこのデザイナー、「ゲームは内容も物理的にも重い方がいい」と思ってる節があり、このゲームにも素敵な駒やフィギュアがぎっしりつまってる。このため送料が高くなり、キックスターターでは本体60ドルに対して日本への送料40ドル……そう、資金があまり集まらなかったのはつまらなそうだからではなく、極めて高かったからw しかし以下の画像を見れば、この値段もうなずけるというもの。 手前に並んでるのがプレイヤー恐竜。左上奥の黒いのがヴェロキラプトル。その手前がT-レックス。フィギュアのクオリティも高いが、恐竜トークンやディスクの質も高そうだ。しかし橙、桃、赤という色はどうにかならんかったのかw 恐竜が好きか、陣取りが好きか、ハイレベルなコンポーネントにうっとりするタイプなら間違いないタイトルになるだろう。あと物理的に重いゲー好きにもお勧めw 発売はアメリカで2013年5月予定。BGGの和訳ルール
2013.04.11
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いろんなゲームの翻訳を担当させていただいているご縁で、ホビージャパンの中の人から「『メガシヴィライゼーション』やろうと思うんですけどどうですかね? フルメンバーで」とお声をかけていただいたので、ほいほいと参加してきた。さすがに18人は集まらず、12人でのプレイとなったが、それでも貴重な体験だった。何しろホビージャパンの重役陣の他、日本での「マジック・ザ・ギャザリング」普及の立役者、漫画家、TRPGデザイナー、ボードゲームデザイナー、アイドルとそうそうたるメンバーである。末席に加えていただいた市井の民にできることは、部屋の片隅で12時間小さくなってることだけだったw●メガシヴィライゼーション 詳しくはこちら↓[SPIEL’15]総重量10kg越えの超大作「MEGA CIVILIZATION」はいかにして生み出されたのか。ゲームデザイナーに聞く,その狙いと手応え ↑の記事でも触れられているが、このゲームは1991年にアバロンヒルから出た「アドバンスド・シヴィライゼーション(以下「アドシブ」)のリメイクだ(リンク先では1980年発売の「シヴィライゼーション」を元にしているとあるが、「アドシブ」の要素も含まれている)。このゲームは当時画期的な内容で、今でもファンが多いが、想定プレイ時間が10~12時間ともともと長い上、終盤に足の引っ張り合いが発生して冗長になるという欠点があった(この欠点を持つマルチゲームは多いけどね)。8年の歳月をかけ、細かいバランス調整を行ったり、この欠点を解消したりして、18人までプレイできるようにしたのがこの「メガシヴィライゼーション」ということになる。 私も「アドシブ」は大好きで、結構やったことがある……20年以上前になw さすがに何も思い出せなかったので、こちらのサイトでルールを読んでみた。 で、マップのつながりとか、人口上限とか、各種文明カードの効果とかの細部の変更を除くと、大きな違いはたぶん2つ。1つは勝利点。ゲーム終了条件は「誰かが年表上で最後のマスに到達したとき」で変わらないが、「アドシブ」では年表上の1マスごとに100点。文明カードの点数はそのコストに等しい(45点~250点)。終了トリガーを引いたことによるボーナスはなし。このため、たとえ年表上で1マス遅れていても、最安カード2枚ちょっと差でしかなかった。いけてる文明カードを充分に持っていれば余裕で勝つことができ、このため終了トリガーを自分で引く理由はそんなになかった。 これが「メガシヴィライゼーション」では大きく変わる。得点が大きく切り下げられ、年表上の1マスごとに5点。なんと1/20だw そして年表の最後のマスに単独で到達し、終了トリガーを引いた場合にはボーナスの5点が与えられる。文明カードの方はおおざっぱなコスト別に3段階に分けられ、コスト100未満のものは1点、100~199のものは3点、200以上のものは6点となった。この場合、誰かが単独で終了トリガーを引くと、2位との差は年表上で少なくとも10点になる。これはもうとんでもない差だ。何しろ最高得点カードを余分に2枚持ってないと追いつかないんだからw このため、ゲームを自分で終わらせるモチベーションが極めて高くなっており、多少は早く終わるようデザインされてる……のだろう。少なくとも基本ゲームでは。上級ゲームだと、そもそも「1点カードを11枚以上、かつカードの総得点56点以上」という条件を満たさないと最後の年表マスに進めないので、最低でも19枚の文明カードを取る必要があるから(所持数上限はなくなった)、むしろ長くなってるかもしれんw もう1つの大きな変更点は、文明カードの枚数と構成。まず枚数は、24種類から51種類へと倍以上に増えた。そして構成。1点、3点、6点カードが3枚1組となってグループを作ってはいるが、前提条件という概念がなくなった。たとえば“三種の神器”の1つである「農業」(あと2つは「貨幣」と「建築」)を得るためには、「アドシブ」では大して役に立たない「窯業」を必ず取らなければならなかったが、「メガシヴィライゼーション」ではいきなり「農業」を取れるようになった。もちろん、それは簡単なことではないし、カテゴリーごとの値引きや特定のカードへの値引き(「窯業」があれば「農業」のコストが10減る、など)はあるので、順番に取った方がトータルコストは安くなるのだが、終盤に高得点カードを直接取れるようになったのは大きいだろう。 文明カードの種類とつながりはこんな感じ。わざわざ言うまでもないが、自分の担当国の特色や、戦略にあったカードを適切なタイミングで獲得するのが重要だ。 さて、この日のプレイだが、おおざっぱな流れはこちらのTogetterにまとめられている。全体的な見所はここを見ればほぼすべて分かるので、以下は私が担当したエジプトの動きについて、簡単に記すだけにとどめる。 確か国を選んだ順番は3番目くらいだったかな。記憶に残ってないとはいえ、一応「アドシブ」経験者だったし、隅っこの国でおとなしくしておくつもりだったが、1番手と2番手が普通にいい国押さえていくので、私も大人げなくエジプトをゲットw まあマルチゲーだしね! 担当国選びからすでにゲームは始まってるわけだし、仕方ないねw その後の数ターンはセットアップみたいなもの。このゲーム、人口がおよそ倍々に増えていくのだが、最初は1ユニットしかないので、序盤はただ空き地に広がって人口を1、2、4、8……としていくしかないのだ。で、普通は32までいっぱいいっぱいにひろがりきったところで(総ユニット数が55なので、これ以上は効率が悪い)一気に都市を造り、そこからまた広がっていく(そしてようやく都市から交易品を得て取引を始める)のがセオリーだ。ところが、これをすっかり忘れ(忘れててもすぐ気づきそうなものだが……)、ユニットが8になったところでいきなり都市を1つ造ってしまい、早速伸び悩むことに。たいていのマルチならいきなりここで脱落だが、幸いにも他プレイヤーの半数弱が同じ過ちを犯したため、それほど大事にはならなかった。 エジプトは土地が肥沃で極めて有利なのだが、なにぶんナイル川周辺地域は災害の「洪水」に弱い。この災害が交易品4の山にあり、都市を4つ造るまでに対策する(文明カードの「工学」を取る)のは極めて困難だと思われたので、しばらくナイル川沿岸は放置して北上し、アッシリアの南側1/3くらいをいただくことにした。なぜかこれがアッシリアにとがめられることはなかったため(たぶんバビロンやヒッタイトの相手で手一杯だったのだろう)、最後まで都市建設用地には困らなかった。 問題はエジプトの南東にいるヌビアで、シバ王国側ではなくエジプト側へとぬるぬる広がってきた。放っておくとナイル川まで来そうだったので、慌ててとって返すこととなった。この問題のシーンがこちら(アカウントの方はペルシャ担当)。「ナイル来たんですか?」じゃねーよ、ナイルは神話の昔からエジプトのものって決まってんだよw こうしてナイル川最上流の1エリアを奪われてしまったが、実はエジプトがらみで多少なりともドラマチックな展開があったのはここまで。あとは植物のように穏やかな発展を続けることになった。まず、私自身がほとんど災害のターゲットにならなかった。自分で交易不可の災害を引くこともなければ、よそから回ってきた災害を処分し損なうこともなかった。対して、南で国境を接しているカルタゴとヌビアはかなりひどい目に遭ってた。ヌビアは頑張って領土を広げては災害で削られを繰り返し、ついにエジプトの本拠に届くことはなかったし、カルタゴは主としてローマと戦っていたため、エジプトーカルタゴ間の土地は最終盤まで空き地だったw 全員で致命的なルールミスを犯していたのも、エジプトが安泰だった理由の1つだろう。「他プレイヤーの都市を攻め落としたら、相手から交易品カードをランダムで1枚奪い、さらに国庫を3増やす」というのをすっかり忘れてたw これがなきゃ、他プレイヤーの都市を攻める意味がほとんどないしなー。エジプトは1エリアあたりの人口上限が高いこともあり、見た目にあまり広がってないので目立たないというのもよかったね。まあ中盤以降は「工学」があったので、攻めて来にくいのは確かだったが、たぶんこの文明カードの能力に気づいてた他プレイヤーはいないと思われるw うまく発展していたのはヒッタイトとシバ。当然目をつけられてはいたが、ヒッタイトは軍事系カードを取って備えは万全。シバは「農業」の力で少々の災害のダメージはすぐ回復してたし、ペルシャ・バビロン側は土地が痩せてて攻めるうまみが(「農業」を持ってない他国にとっては)あまりなく、ヌビアはエジプト方面に広がってたため、どちらもあまりひどい目には遭わなかったようだ。前述のルールミスもあり、このままこの2国がワンツーフィニッシュ。エジプトは善戦したつもりだったが、途中で年表上の進行に引っかかり、交易もあまりうまくできずにカードを買えなかったため3位。エジプトで3位とか、「ディプロマシー」にたとえるなら「オーストリア担当で負けた? 勝つまで帰ってくんな」ってレベルだよw シバは国境接してなかったから仕方ないにしても、ヒッタイトにはもう少し積極的に攻め込むべきだったな。反省。 最終盤面(エジプト周辺のみ)。最後の最後、9都市持ってたのは自分だけだったので、金がかぶってくれればもう1枚カードを買って詰め寄ることができたが、それでもトップにはなれなかった。その上引いたのは「海賊」で、交易での処分にも失敗して被害を自分で受けることになり、首都に海賊旗がたなびくこととなったw 休憩を2回挟んで12時間、実プレイ10時間といったところで、さすがに疲れたが、プレイする価値のあるゲーム体験だった。「もう1回やろう」といわれたら、ぜひ参加したいところだ……が、この記事を読んでる人の中には買うかどうか迷ってる人もいるだろう。そんな人にはぜひこう言いたい。「やめとけ」とw 値段、物理的重量、プレイ時間、プレイ人数、必要なプレイエリア……どれを取ってもまっとうな人間が簡単に越えられるハードルじゃないw 特にプレイ時間とプレイエリアは大きな問題となるだろう。マップを広げるだけで畳1畳分は必要だ。一般家庭やちょっとしたゲームショップ程度では、まずこれが不可能だw そのうえ、10人以上の人間がうろうろするスペースに、カードやユニットを置くスペースもいる。これらを10時間以上に渡って置きっぱなしにしなけりゃならないんだから、もうどこかの旅館で合宿でもするしかないw プレイ自体も、確かに「十数人でマルチゲームをプレイする」というのは楽しいが、「エクリプス」9人プレイでも感じたように、大味になるのは否めない。交易で誰にどの災害を渡すべきか、誰がどの品物を集めてるのかを把握するのはほぼ不可能だ。そもそも、国境が接してなくて地理的に絡みようがない国もあるしなw マルチゲームとしての神髄を存分に味わいたいなら、やはり適正人数の7人程度までが限度だろう。そしてそれなら、多少プレミア価格でも「アドシブ」買った方が安いw それでも。数々の困難を乗り越えられる手段と強い意志があるなら、一度は大人数でのプレイに挑戦してみて欲しい。きっと他では得られない何かがあるはずだ。
2016.01.09
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前々から「やりましょう」「やりたいです」と言って持ってきてもらっては、いろんな都合でプレイできずにいたこのゲーム。しかしいよいよ「裏切り者レガシー」の足音も聞こえてきたので、その発売前になんとしても一度プレイしておきたいとお願いし、万難排して準備を整えてもらった。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。●Betrayal at Baldur's Gate Today's MASTERPIECE!! 元ゲーである「丘の上の裏切り者の館」についての詳細はこちら↓ある元心理カウンセラーのボードゲーム日記:ボードゲーム 丘の上の裏切りの館(Betrayal at House on the Hill) リプレイ! 舞台は「D&D」の背景世界として人気のフォーゴトン・レルムにある都市、バルダーズ・ゲート。邪悪な神、バアルがこの町に力を及ぼしており、モンスターや信奉者たちが跳梁跋扈している。プレイヤーは冒険者となり、これらの敵の拠点と思われる館に潜入・探索して、この邪悪を滅ぼそうとする……しかし、プレイヤーのうち1人は裏切り者だ!(必ずしも利己的な理由で裏切ってるわけじゃなく、何らかの理由で残りのプレイヤー全員と敵対するだけなんだけど、便宜上“裏切り者”と呼ぶ)。 大まかなところは元ゲーと変わっていない。序盤は各プレイヤーが手番順に館の中を探索していき、必要ならタイルをめくって配置し、さらに必要ならカードを引く。 カードの中には前兆カードと呼ばれるものがあり、これを何枚か引いていくと、いずれ“怪異”と呼ばれる現象が発生する。このとき、最後に引いた前兆カードの名前と、その前兆カードを引くことになったタイル(部屋)の名前を表で参照し、示されているページを読む。すると何が起こったかが書かれており、条件を満たした1人(最後の前兆カードを引いたプレイヤーとは限らない)が裏切り者となる。 ここで裏切り者は裏切り者用シナリオを読み、他の全員は冒険者用シナリオを読む。それぞれ新たにできることや追加ルール、そして何より個別の勝利条件が書かれているので、ここからはそれぞれが勝利を目指して対立していくことになる。言うまでもなく、裏切り者の方が強力になるよう設定されてるので(じゃなきゃ一対多で不利すぎるしな)、冒険者側は裏切り者の弱点(もしあれば)などを推測しつつ、うまく連携する必要がある。 私の担当キャラ。人間の吟遊詩人(31歳女性)で、ある程度近くにいる他プレイヤーに歌を聴かせ、そのプレイヤーの士気を上げることができる(そのプレイヤーは非怪異ロールの出目に1回+1できる)。完全支援キャラなので、いったん怪異が始まれば頼もしい味方となるだろう……こいつが裏切らない限りはw 私は元ゲーやったことないんだが、そりゃあこんなの面白いに決まってるだろ! ダンジョンクロールしてアイテム手に入れてイベント起こって、来たるべき怪異にだんだん近づいていき、ついにその瞬間が訪れる……もうたまらんw 最終盤面。シナリオを詳しく話せないので、このゲームの魅力を充分に伝えられないのが残念だ。この日は怪異が起こった時点では裏切り者が決まらないタイプのシナリオだったのでなおさら盛り上がった。冒険者たちが1人減り2人減り、最後には一味さんとのタイマンを制した裏切り者の旅団長さんが勝利。 元ゲーは2004年オリジンズゲームショウを受賞してるくらいのゲームなのだが、さすがに少々古いので(それでも2000年代だが)、こちらではいくつかのルールが改善されており、各段にプレイしやすくなっていると思う。 たとえば、元ゲーでは怪異ロールの際に常にダイスを6個振り、それまでに引かれた前兆カードの枚数以下の目が出たら怪異発生だった。このゲームのダイスの目は0か1か2なので、1枚目の前兆カードでいきなり怪異が発生する可能性が(かなり低いが)あった。こちらでは「それまでに引かれた前兆カード枚数分ダイスを振り、出目が6以上だったら怪異発生」となったので、少なくとも3枚引かれるまでは発生しなくなり、必ずある程度は館が大きくなるようになっている。 また、部屋タイルは階層別にまとめられるようになったので引き直しは(めったに)発生しないし、各冒険者には特殊能力がつくようになった……などなど、細かいところに修正が入っている。 もちろん、現状ではプレイのハードルは高い。なにしろ裏切り者と冒険者たちは別々の冊子を読まなきゃならないので、冒険者たちは誰か1人が英語を読めればまあ何とかなるが、裏切り者は1人で英語をある程度読める必要がある。そして誰が裏切り者になるかは誰にも分からないw 事前に全部翻訳すればこの問題は解決するが、当然翻訳者の楽しみは大幅に失われる。この問題を解決する手段は1つだけだ……日本のパブリッシャーの皆さん、分かりますよね? ヨロシクオナシャス!●テンポラル・オデッセイ 続いていたるさん所有のこれ。アメゲーパブリッシャー四天王の一つ、Level 99 Gamesの新作。 デザイナーは異なるが、おおざっぱに言うとチーム戦を行う簡易「ピクセル・タクティクス」だ。前衛と後衛の2段だけで陣形を組み、相手チームと殴り合う。一定数のユニットを除去すると相手チームにダメージが入り、3ダメージ与えたら勝ち。 特殊能力もりもりカードゲーム。つまり私の好きなタイプだし、この手のカードゲームでこんなこと言うのは実に素人臭くて恥ずかしいのだが……あまりにも一部のカードが強力すぎるw だってさあ、通常手段だとがんばって敵殴ってやっとユニット除去して、これを2回繰り返したらようやく相手チームに1ダメージ入るのよ。なのにコスト払って手札から出すだけで1ダメージ入るカードとかぶっ壊れすぎるだろ! 3ダメージで敗北なのに、こんなカードを相手チームに2枚引かれたら勝てるわけねーw 全体として決して悪くはなかったが、まあこれやるなら「ピクセル・タクティクス」やりたいかな……当たり前だが、Level 99もデザイナー次第だな。●Root ここで旅団長さんが早退され、残りの3人でこれ。びっくりするほど非対称で知られる「ヴァスト」で一躍有名になったLeder Gamesの新作。 プレイヤーは動物たちとなり、全種族が共存するには狭すぎる森の覇権を握るために相争う。そう、かわいらしい見た目をしてはいるが、これはガチンコ殴り合いのマルチゲーだ。だまされると痛い目を見るよw 3人プレイなので、いたるさんが現在の覇権種族である猫、一味さんが反乱分子である現地のほ乳類同盟、私が空からかつての栄光を取り戻そうともくろむワシ王朝を担当した。 ワシ王朝のプレイヤーボード。 このゲームも各勢力の能力が大きく異なるが、「ヴァスト」ほどにまるっきり違うと言うほどではない。何より、勝利条件は「規定の得点を得ること」でみんな同じだし、その方法は6割くらいかぶってる(むろん、固有の得点手段もある)。 やってみた感じでは、最初に盤面を完全に支配してる(ほぼ全スペースにユニットを置いている)ものの、それ以外にたいした能力がない猫がかなり苦しい印象。目立って叩かれやすいからなおたちが悪いw 一味さんの森の同盟は攻めるに強く、守るに固い。状況次第では同じエリアに入るだけで損害を被るので手がつけられないw 私のワシ王朝は、プレイヤーボード上段にカードをプロットしていくことでアクション数がだんだん増えていくのだが、いざ実行の段階で実行不可能なアクションがあると、そこで手番が終了。それまでにプロットしたすべてのカードが吹き飛び、特殊能力を持ってる皇帝も強制退位させられるw うまくいってしまうと、猫が手番ごとに3アクション固定なのに対して6アクションくらい実行してしまうので、他陣営は率先して計画を狂わせにいかないとダメだろう。 この日は猫と同盟が喧嘩してるうちに私のアクションが回り出し、あっという間に建物をほぼ置ききり、毎ラウンド大量得点を重ねて(鳥王朝は建てた建物に応じてかなりの得点が入る)勝利目前に。そのまま放っておけば舐めプでも勝ちは揺るがなかっただろうが、せっかくだからと“もう一つの勝利条件”に手を出してみた……ルール聞いた時点で明白だったが、これがこのゲーム最大の欠点だw 前述の通り、勝利条件は「規定得点の獲得」なのだが、実はこのゲームで使うカードの中には特別勝利条件を持つものがある。これをプレイした場合、そのプレイヤーの得点はもはや意味をなさなくなり、そのプレイヤーはこの特別勝利条件を満たすことでのみ勝利できるようになる。何枚かあるが差し替えは不可。そしてこの条件(たとえば私がプレイしたのは「マップの四隅にあるエリアのうち、対角線上にある2エリアを支配する」だった)は“手番開始時”に満たしていなければならない。つまり、あるラウンドで条件を満たしたあと、他プレイヤー全員に対応する時間が与えられるのだ……もうお分かりだろう、これはあの悪名高き「ミソトピア」の勝利条件と同じなのだ。こんなの満たせるわけねーw 分かってた、分かってたけど「引いちゃったなら出すしかないんじゃね?」とゴーストが囁いたんや……。 私が条件満たす>他の2人が邪魔して条件崩すの繰り返しで、予想通りぐだぐだに。さらに猫陣営の重要なルール(砦があるエリアには他陣営は入れない)を忘れてたことに気づいたので、ここでノーゲームとなった。 前述のようにアニマルの皮を被ったマルチなので、免疫のある人にしかお勧めはできない。3人だと同盟が鳥王朝の計画を読んで邪魔しつつ、そのあいだに猫が地盤を固める流れかなあ。どっちかが猫を全面的に殴りに行ったら、ちょっと猫が勝つビジョンは見えないけどw 充分おもしろいが「ヴァスト」ほどの衝撃はないので、そういう目新しさを求める人にも向かないね。
2018.09.07
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「有史以来最高のボドゲデザイナーであるワレス様の新作『ロケットメン』が届いたからやろうぜ」とお誘いいただいたので参加。いたるさん、旅団長さん、一味さん、私の4人。間が空いて記憶が定かではないのでダイジェストでお送りします。●Rocketmen こちらに有志によるルール和訳があります。 マーティン・waレス師による何個目かのデック構築ゲー。どこかの国の宇宙開発事業の責任者となって、他国より早く遠くに到達するためのロケット開発競争を行う。 手番ごとに買えるだけカードを買えるタイプだが、お金コストの他に特定のアイコンを必要とするカードもあり、単純にばんばん買えるようにはなっていない……というか、およそどんなデック構築ゲーより資金繰りがきつくてめったに複数買えないw ロケットを打ち上げるために、手札のカードをプレイヤーボードの左側にプレイしていき、数手番に渡って積み上げていくところが独特なところかな。こうして目的地を設定し、必要な推進力を用意したら手番終了時に打ち上げ。成功したら目的地にトークンを置いて勝利点獲得。規定得点到達などの、終了条件のいずれかが満たされたら終了。最多得点プレイヤーの勝ち。 まあとにかく金がきついw いつでも買える推進力カードの中にお金もついてるのがあるが、これがほんの数枚しかないので、買えなかったプレイヤーはお金がついてるカードがディスプレイに出るのを待つしかない。そしてディスプレイのカードを流すルールがないので、高コストのカード(および得点になるけど邪魔になる系のカード)が並ぶと場が膠着しがち。ここはもう一ひねり欲しかった。 そして何より、打ち上げ時に運試しさせられるのが最悪w 専用カードを規定枚数めくって、合計で必要な値が出なかったら打ち上げ失敗なのだ(枚数を調整したり、値を増やしたり、いろいろと努力することはできる)。これまでの準備が水泡に帰すタイプの運なので(途中で引くのをやめればダメージを軽減することはできるが)これはよくない部類の運ゲー。なんだろうねえ……「ミソトピア」のときといい、何かしらヘビーゲーマーに嫌われるルールを入れないと気がすまないんだろうかw 最終得点。私は青。ゲーム中の得点を抑え、デック内の得点カードを安く買う戦略を取ったが、やはりちゃんと遠くに打ち上げた旅団長さんに一歩及ばなかった。 まあ、通常版が流通して安く手に入るならやってもいいかなーといったところ。キック版を高値でつかむ必要はない。●裏切り者レガシー 第13章 前回のプレイ記録はこちら。 9ヶ月振りにプレイした12章のあと、6ヶ月振りの最終回。つまりストーリーが最重要なレガシーゲーなのに誰もストーリーを覚えていないw 最終回に向けて、これまでの数章でデザイナーが「これやれよ! 詳しくは言えないけどこれやらないとえらいことになるぞ!」という明白なメッセージを送ってきていたにもかかわらず、ほぼやってなかったので、たぶんあっという間に終了するだろうなーと思ってた。しかし思いの外粘って粘って……なんと大団円を迎えることができた! 準備いらねーなw 前述の通りストーリーを覚えていなかったので感動も薄かったが、覚えていればなかなか盛り上がったんではないかと思われる。 少々分かりにくいたとえ話になるが、一昔前に流行ったビジュアルノベルタイプのエロゲー・ギャルゲーをご存じだろうか? あの手のゲームでは、序盤はことあるごとに選択肢があっていったん分岐し、そのあとまた共通ルートに戻り……というのを繰り返してフラグを積み重ね、ある時点でヒロインが確定してそのヒロインのメインルート(ほぼ一本道)に進むという流れになる。この分岐して戻り、分岐して戻り……というのが、まさにこの「裏切り者レガシー」のやっていることだ。 で、想像がつくと思うが、このやり方では、分岐中の部分をメインストーリーに関わる物語にはしづらい。プレイヤーがどのルートを選ぶのかは誰にも分からないし(何しろランダムだ)、どのルートが選ばれても同じことを語るなら分岐の意味がない。 そのため、この「裏切り者レガシー」ではゲーム開始前のカードと、ゲーム終了時の「陰鬱な日誌」内でのみそれらしいストーリーを語り、分岐後の(つまり怪異発生後の)実プレイ中の内容はメインストーリーにほぼ関係しないという、構造上の致命的な欠陥が生まれてしまっている。 使われるタイルやカードが変わったり、シールを貼ったりするので、レガシー要素がまったくないわけではないが、連続プレイによる壮大なストーリーを楽しむという点では「パンデミックレガシー」などに比べると劣っていると言わざるを得ない。元となる「丘の上の裏切り者の館」が複数回プレイに耐える傑作なので、「裏切り者レガシー」が充分傑作であることに間違いはないのだが、もし第2弾があるならもう少しストーリー性を重視したシステムにして欲しい。キャンペーンプレイ中は分岐なしでもいいんじゃないかな。
2021.04.09
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「今一番ホットな『スモーキー・バレー』やりたいから持ち込みヨロ」と言われたので持ち込んだ。いたるさん、一味さん、私の3人。●スモーキー・バレー 詳しくはこちら↓ マジで詳しいのでこれ以上書くことないんだけどwひだりの灰色:スモーキー・バレー / The Smoky Valley ルールブックとプレイヤーエイドの和訳はこちら。 カナダのモントリオール近くにある(かつての)工業都市、グリファントウン(フランス語圏なのでこういう発音になるが、英語だとグリフォンタウンで“グリフォンの町”という意味だ)が舞台。同じデザイナーによる「グランド・トランク・ジャーニ-」に続くグリファントウンシリーズ第2弾ということになってる。第1弾の方にグリファントウンはちょろっとしか出てこないけどなw 町の真ん中を流れているラシン運河を中心として産業を発展させていく。手元で船駒を運河沿いに移動させてアクションを選ぶが、下流にはタダで行けるけど同じところにとどまったり上流に行ったりするにはお金がかかる、という「ブーンレイク」でも採用されてたシステム。このアクション選択だけでもお金がかかる(ことがある)のに、ほぼすべてのアクション自体にもお金がかかる。なのにあんまり収入は入ってこないので終始ヒーヒー言うことになるマゾゲー。はい、もうお分かりだろうが良作以上なのは確定w この日は唯一の経験者にして、その時のプレイでも勝利していた一味さんが強カードを押さえ、得点源として強い運河周りの地域をがめて勝利した。初見プレイヤー相手にいっさい手を抜かないその姿勢、さすマルw シュピールヴォルクスと言ったら複雑なだけのクソゲー、複雑なだけのクソゲーと言ったらシュピールヴォルクスだが、これは期待値をはるかに超える良ゲーだった。ルールが分かりづらいのはもう出版社特性として諦めるしかないが、実際のプレイではそれほど複雑なところはなく、だれずに遊べる。繰り返すが、運河周りの地域は得点要素が1つ多い分だけ重要なので、そこの取り合いをおろそかにしないよう周知しておけば地蔵になることもないだろう。 どんな重ゲー好きにもお勧めできるが、現在シュピールヴォルクス版を入手するのは難しい。フランスのSylex Gamesというところが2版を出すようなので、そちらを狙うといいだろう。●Gravwell: 2nd Edition Today's MASTERPIECE!! 残った時間で続いていたるさん所有のこれ。遭難した宇宙船の船長となり、何とかしてワープゲートまで到達して元いた宙域に帰還しようとする。しかし自律的に移動できるだけの燃料がない……ではどうするかというと、“一番近く”の質量体に対して引力または斥力を発生させる装置だけは稼働させることができるので、それを表すカード(「引力4」とか「斥力3」とか)をドラフトしてプレイし、引っ張られたり跳ね飛ばされたりしてゴールを目指すのだw この“一番近く”というのがキモだ。たとえば今回の3人プレイでは、ゲーム開始時点では全員同じスタートマスにいる。同じマスは“一番近く”とは見なされないので、1番手になったプレイヤーは進行方向の少し先にある小惑星だか瓦礫だかに向かって引っ張ってもらえばいい。これは簡単だ。 しかし、2番手にとって“一番近く”の質量体は、たいていは先行した1番手プレイヤーの宇宙船になる。そう、他プレイヤーの宇宙船も質量体なので、引っ張られたり跳ね飛ばされたりする対象になるのだ! それでも1手目は引っ張ってもらうだけなので問題ない。3番手プレイヤーにとっても同様だ。強く引っ張られるカードを使えば、反動で相手の宇宙船を通り過ぎることもできるから、順位が変わることもあり得る。 そして2手目からが本番だ。先頭のプレイヤーにとって、進行方向にある小惑星/瓦礫に充分近づいていなければ、後ろにある2位プレイヤーの宇宙船が“一番近く”の質量体であることがあり得る。このとき引力カードをプレイしてしまうと、後ろに向かって引っ張られてしまうのだw 手番順は出したカードのアルファベット順で決まる。なので他プレイヤーがドラフトしたカードを見て戦略を練るわけだが、最初に何枚かドラフトしてから1枚ずつプレイなので、どの順番でプレイしてくるかを完全に見切るのは至難の業。結果、想定外の盤面になってスタートマスに向かって全力で進むことになったりしてしょっちゅう悲鳴が上がるw 加えて、緊急時に移動しないことにするカードや特殊能力カードもあり、その使いどころに頭を悩ませることになる。 いやこれ、マジでいいゲームだわ。全然話題になってないのが理解できないレベル。見た目が地味だけど、やってもらえば絶対面白さが分かる。2-6人とプレイ人数の幅も広いし(6人プレイはバカゲー以外の何物でもないと思うがw)日本語版出した方がいいよ。
2022.07.29
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定例会。ssk、まるみ屋、carroll、私の4人。●オルトレー フランスのテーブルトークRPG「Oltréé!」を元にした協力型ボードゲーム。かつてのウィッチキングとの戦争で勝利したものの、国土がぼろぼろになった世界で小規模なコミュニティを守るレンジャーとなり、砦を再建しつつろくでもないイベントに立ち向かったりご近所トラブルを仲裁したりしていく。そうこうしているうちにシナリオ(年代記と呼ばれる)が進んでいき、最後の最後で条件を満たしたり判定に成功したりしたら勝ち。失敗したら負け。 2シナリオプレイして1シナリオ目は敗北。途中でたいした悪影響のないイベントが起こったので放置してたら、勝つためにはそのイベントに対処していなければダメだったという初見殺しw そこを反省した2シナリオ目は楽勝でクリア。 うーん……見栄えはいいが、はっきり言ってゲームとしては全然面白くない。シナリオごとに途中でいろんなことが起こるが、そこを除けばゲームごとにやることはまったく変わらない。なにより、勝利条件がゲーム終了ぎりぎりになるまで分からないので、たいていのことはできるように備えるしかなく、その結果建てるべき建物も決まってしまう。 シナリオごとに味変が欲しい人には向かない。テーブルトークRPGが元なので、ロールプレイ重視でプレイするゲームなのかもね。しかしそれなら、ゲームからゲームへと持ち越しできるキャンペーン要素(少なくともキャラ成長要素)が欲しいかなあ……毎回やること一緒のボドゲやるくらいなら元のTRPGやった方がいいんじゃないかね。●インペリアル・マイナーズ 詳しくはこちら↓ボドゲーマ:インペリアル・マイナーズ リーゼンドルフさんのレビュー 続いてこれ。「インペリアル・セトラーズ」と同じ世界設定だが拡張ではなく、デザイナーも違う独立した別ゲー。 他プレイヤーとの絡みはいっさいなく、10ラウンドにわたって鉱山内にカードを置いて発動させ、さまざまなトラック上を進んでボーナスを得て、最終的に宝石をいっぱい得た人の勝ち。 カードを置いたとき、そのカード自身と、それより上(浅い階層)へとたどることができるすべてのカードが発動するところがまあまあの特徴。浅い階層のカードは低コスト低効果だが、つなげば何回か発動させることができる。逆に深い階層のカードは高コスト高効果だけど発動する回数は少ない(地下4階のカードはすべて1回限りの「2点獲得」カードで、地下3階のカードは最大2回しか発動しない)。 我が鉱山の最終盤面。2階にある「崩壊して6金得る」が強かったが、数枚の崩壊系カードを何度も使い回してたまるみ屋には叶わず、ダブルスコアくらいになった。かーっ運ゲーだな! インタラクションを気にせず10ラウンドで終わるので、短時間でパズルゲーやりたいならお勧め。しかしカードの強弱は激しいので、勝つか負けるかは戦略よりは引き運に左右されるところが大きい。崩壊したカードを回復させるカードを引くか、その効果を持つトラックが出ているなら蛮族系が恐ろしい強さを発揮するが、結局引かなきゃどうしようもないからねw まあ悪くはない。●チャレンジャーズ 時間がちょっと余ったのでこれ。前回は決勝まで残ったが、今回はもう全然ダメで、ほぼすべての試合でベンチアウト負けした。ベンチから捨て札にするカード引くか、同じ強めのカードを数枚引くかしないとあかんわw
2023.10.28
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