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デザイナーは「ウィッチストーン」、「デックスケープ」シリーズ、「シミロ」などの共作者である Martino Chiacchiera と、「Trismegistus」の共作者である Federico Pierlorenzi。イタリアはデザイナーが集まってアイディアを出し合い、興味があるものを共作することが多いようだ(とイタリア人デザイナーの誰かが言ってた気がする)。
見ての通り、最近流行の環境保護ゲー。陸地テーマに比べると海洋保護テーマはちょっと少ないか? そうでもないか? 何にせよ、僕らの珊瑚礁が減少の一途をたどっており、このままでは母なる海が汚れて大変なことになるので何とかしましょうという話。
手番数を揃えるためにラウンドの概念はあるが、ラウンド終了時の処理はなく、誰かが45点に到達するまでひたすら手番のプレイを続けていく。多少先手番が有利なシステムなのだが、誰かが22点に到達した時点でゲームを一時中断し、その時点での勝利点の逆順で目標カード(達成度に応じた得点をゲーム終了時に得るもの)を選ぶことができるので、そこでバランスを取っているんだろう。
手番でやることは「移動」か「リチャージ」の2択。「移動」を選んだ場合、まずはゲームボード上で自分の船駒がある島に隣接している経路上にリーフボール駒を1個置くことができる。
メインボードの拡大図。いろんなアクションアイコンが描かれてるのが島タイル。ランダムに配置されるので、ゲームごとに組み合わせも位置も変わる。島タイルのあいだにあるのが経路で、その上に置かれてるのがリーフボール。リーフボールというのは自然に優しい素材で作られたコンクリのかたまりみたいなやつで、珊瑚礁を形成するのに必要な生物を定着させるのに役立つそうだ。
リーフボール駒を置くにはエネルギーコストがかかる。その経路上で見えてるエネルギーアイコンの数分だけかかるので、早めに置くほど高くつく。しかし、船駒を経路沿いに移動させるときにもコストがかかるのだが、自分のリーフボール駒がある経路は無料で通ることができるので、何度も通りそうなところには置いておきたい。
さらに、各海域の周りにあるすべての経路上に最低1個のリーフボール駒が置かれたら、その海域は浄化完了となり、得点計算が発生する。ここでたくさん点を取るとおまけまでついてくるし、さらにはゲーム終了時にももう一度得点計算があるので、できるだけ多くのリーフボール駒を置き、マジョリティ争いに勝てるだけ勝っておきたい……エネルギーがある限りはねw
リーフボール駒を置く理由はまだある。何しろ自分の船に資源もリーフボールもぎゅうぎゅうに詰めこんで活動してるので、リーフボール駒を置かないことには余分な資源を積むスペースがないのだw
船ボード(プレイヤーボード)。ゲームボード上に置くことができるのは舳先の配置エリアにあるリーフボール駒だけ。それが尽きたら、左側にある資源トラックから配置エリアへとリーフボール駒を移動させなきゃならない。資源には海藻、貝殻、カメラの3種類(それと別のトラックで管理されるエネルギー)があるが、リーフボール駒がないスペースまでしかマーカーを進められないので、一度にたくさん使いたければまずリーフボール駒を移動させてスペースを空けなきゃならないわけだ。
なお、船ボードは2層式になってるが、こんな感じで最初に選んだ船シートをあいだに挟んで使うようになってる(シートごとにボーナスや特殊効果が異なる)。最初からボードに印刷しておけばいいように思えるが、こうすることで船シートの裏面も使えるようになってるのだ(まあボードでも両面使えるようにはできるけど、それだと3層式になっちゃってコストがかかるからね)。
リーフボール駒を置いたら(または置かないことにしたら)船駒を移動させる。経路沿いにどこまででも移動させることができるが、通ったエネルギーアイコンごとにコストがかかるので、序盤はそうそう遠くには行けないだろう(前述のように、自分のリーフボール駒を置いている経路は無料で通れる)。そのあと、その島で使える任務カードをプレイしてその効果を解決したり、その島に示されてる効果を解決したりする。
効果は単純に資源を得るだけのものから、研究トラック上でマーカーを進めたり、海底で珊瑚礁の調査したり(海底トラック上でマーカーを進める)、乗組員を雇ったりするものまでさまざま。ほとんどの任務カードと島タイルには複数の効果が示されているし、海底トラック上を進んだり乗組員を雇ったりすることで発生する追加効果も多いので、うまく考えて適切な島を起点にすれば大きなシナジーを発生させることができるだろう。
たとえば「珊瑚礁の調査」を行い、海底トラック上でダイバーマーカーをスペース3に進めると、その下にある酸素ボンベタイルの効果を追加で得られる。その上で「珊瑚礁の修復」を行うことができれば、トラックの上側にあるタイルに示されている3つの効果をさらに得ることができる。当然、そこから先もまだまだ連鎖する可能性があるだろう。
「移動」ではなく「リチャージ」を選んだ場合、勝利点トラック上で自分が通過しているボーナスを全部得ることができる。当然、序盤にリチャージしても大した効果は得られないが、「移動」を選んだ場合は船駒の移動が必須なので、そうするために必要なエネルギーがない場合には「リチャージ」せざるを得ないだろう。中盤以降はいくつものボーナスを得ることができるので、何なら「移動」するより「リチャージ」を連打しているだけの方がいいことさえあるかもしれない。とはいえ、毎回同じことをするので柔軟性には欠けるし、リーフボール駒を置けないのでできれば「リチャージ」を避けた方がいいようになってるんだろう。そうじゃないと面白くないしなw
こうして手番を続けていき、誰かが45点に到達したら、もう1ラウンドプレイしてゲーム終了。最終得点計算していっぱい点取った人の勝ち。
個々のシステムに目新しいところはないが、島タイルの配置、珊瑚礁の修復に使うタイルの配置、出てくる任務カードがランダムなので、その中からいかに有益な組み合わせを見つけるかが鍵かな。
また、ボード上でアクションの選択とマジョリティ争いを同時に行わせてるところも面白い。得点効率のいい海域を囲んでる経路上にたくさんリーフボール駒を置いた方がいいんだが、そうするために移動しなければならない島タイルのアクションを実行したくなかったら? そもそも各経路上に自分のリーフボール駒が1個あれば通行コストは無料になるのに、貴重な1手を使ってマジョリティを得るためだけにもう1個余分に置くメリットがあるか? さらには囲んだときしか得点計算発生しないのに、最終得点計算のためにのみ、決算済みの経路上にあとから置く必要はあるか? 逆に、そもそも囲まれなければ1点にもならないが、その海域はゲーム終了までに本当に囲まれるのか? などなど、考えることは無限にあるw
セットアップのランダム性の高さでリプレイ性を担保する方法には賛否あるようだが、私は嫌いじゃない。言語依存性はまったくなく、アイコンも分かりやすい部類なので、テーマやアートワークに引かれるならいいんじゃないかな。
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