《櫻井ジャーナル》

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2011.03.16
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 福島第一原発の事故を小さく見せようと政府、東京電力、大手マスコミは必死に情報操作しているが、 世界的にはその深刻度を認識

 15日には与謝野馨経済財政相が「日本経済を支えるために原子力を利用するのは避けて通れない」と語るなど原発政策への発言も聞こえてくるようになった。東京電力や東北電力が実施している「計画停電」にもそうした要素がないとは言えない。

 言うまでもなく、原発は核兵器と深く結びついている。軍や情報機関の中にはソ連への核攻撃を計画していた(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を参照)のだが、そうした一方、原子力をビジネスと考える人たちもいた。軍需産業だ。原子力の「平和利用」の裏で核兵器の世界展開をアメリカが実行していた。この両者が結びつくことの危険性を警告したのがドワイト・アイゼンハワー大統領である。

 しかし、1950年代半ばまで、反核感情を持つ日本人は多かった。1945年8月に広島と長崎に原爆を投下されたことが大きいことは言うまでもない。アメリカの水爆実験で第五福竜丸が被曝した1954年3月にはそうした感情がさらに高まった。

 こうした世論を「親核」へ転換させるために動いたのが読売新聞/日本テレビを経営していた元内務官僚の正力松太郎と彼の懐刀と言われた日本テレビ重役の柴田秀利。このふたりが接触していた相手が、「ダニエル・ワトソン」なる人物である。アメリカの心理戦に加わっていたとされているので、おそらくCIAのオフィサーだ。ワトソンと正力/柴田をつないだのはサンデー・タイムズの記者だという。おそらく、この記者はMI6の人間だろう。

 このチームは原爆反対を潰すため、原子力の平和利用を大々的に歌い上げ、希望を与えて日本人の反核感情を変えようとした。そして1年余りで世論誘導に成功、1957年には岸信介首相が「自衛のための核武装は合憲」と発言するに至る。この年の11月には日本原子力発電を設立、12月には東海村を発電所敷地候補地に決定、60年1月に着工し、65年5月には初臨界に達した。

 今問題になっている福島第一原発の場合、福島県が東京電力に対して原発誘致の敷地を提供すると表明したのが1960年11月、67年9月には1号機を着工、70年11月には試運転を行い、翌年の3月には営業運転を始めている。

 しかし、1979年3月にアメリカのスリーマイル島原発で事故が発生すると、原発に反対する声が高まった。事故前の放射能漏れや事故の実態は隠されたものの、アメリカでの原発新設は途絶えることになる。



 ブッシュ政権は京都議定書を拒否するなど「地球温暖化」を否定する立場であり、オバマ政権は逆なのだが、どちらの立場でも「原発推進」という点では一致しているわけだ。

 地球温暖化を攻撃している実行部隊の責任者とも言える大富豪、コーク兄弟は環境規制そのものを敵視、米ウィスコンシン州では労働者の基本的な権利を剥奪する政策を知事に実行させようとしている。事故を考えなくても、燃料の製造から核廃棄物の処理まで原発は究極の環境破壊システムであり、勿論、大量の二酸化炭素を排出する。

 こうしたシステムを利権とする大企業、政治家、官僚、学者、マスコミは今後、必死に巻き返しを図ろうとするだろうが、世界的にみると原発離れは加速しそうだ。現段階では福島第一原発の事故がどうなるか不明だが、運良く最悪の事態は避けられたとしても、原発を使い続けるかぎり、いつか最悪の事態は訪れる。





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最終更新日  2011.03.16 12:31:13


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