《櫻井ジャーナル》

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2012.01.21
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 フォークランド/マルビナス諸島の領有を主張するアルゼンチンに対し、 イギリスのデイビッド・キャメロン首相は1月18日、「植民地主義」だと発言

 要するにキャメロン首相の発言はナンセンスなのだが、これを「失言」と表現することはできない。「植民地主義発言」後、当然のことながらアルゼンチン国民は反発しているのだが、こうした雰囲気にすることがキャメロンの目的だったのではないだろうか。

 マーガレット・サッチャー政権以降、イギリスを経済面から支えてきたのは北海油田。その石油生産量が2000年頃から減り続けている。利益という点では、1987年頃から減り始めていたという。イギリスにとって新たな油田の開発は支配体制を維持するために急務だった。その油田がフォークランド/マルビナス諸島の下にある。おそらく多くの人は、キャメロン発言の背後にはこの油田があると推測している。

 アルゼンチン政府の抗議を無視して イギリスがフォークランド/マルビナス諸島で石油の試掘を始めたのは2010年2月 のこと。その後、油田の存在が確認されている。イギリス政府は大規模な海兵隊の部隊を問題の海域に派遣することを計画していると昨年12月に報道された。部隊を派遣するためには、領土問題でイギリスとアルゼンチンが話し合う環境を壊す必要があるだろう。

 ところで、フォークランド/マルビナス諸島に初めてイギリス人が住むようになったのは1834年で、それ以来、イギリスが実効支配している。ただ、この諸島がイギリス領だと国際的に認められているとは言い難い。イギリスの主張は弱いと考える人が少なくないのだ。そこで、アルゼンチンは国際的な舞台で話し合おうと提案している。

 1982年4月、アルゼンチン軍がフォークランド/マルビナス諸島を攻撃して占領、イギリスと戦争になるのだが、この戦争はイギリスにとって願ってもないことだった。軍事侵攻したアルゼンチンを「悪玉」にすることができるからだ。少なくとも「雰囲気」としてはイギリスの実効支配を正当化できる。

 その直前、アメリカ政府が興味深い動きをしている。1980年にダニエル・グラハム元DIA(国防情報局)局長がブエノスアイレスを訪問、南アメリカの軍事政権と南アフリカでNATOのような軍事同盟を結成するという話をしたと伝えられている。翌年にはCIAのバーノン・ウォルタースたちも同じ趣旨の話をしているようだ。



 ところが、イギリスは簡単に勝つことができない。イギリス軍のティム・コリンズ大佐によると、この戦争でイギリス軍はアルゼンチン軍に対し、白リン弾のような化学兵器を使用している。

 それだけでなく、サッチャー英首相はブエノスアイレスを核攻撃するとフランスのフランソワ・ミッテラン大統領を脅したともいう。戦争ではフランス製のエグゾセ・ミサイルにイギリス軍は悩まされたのだが、アリ・マゴーディによると、このミサイルを無力化する暗号をフランス政府から聞き出そうとしたという。この脅しは効果があったようだ。

 ともかく、イギリスはフォークランド/マルビナス諸島を実効支配するようになるのだが、これで領土問題が解決したわけではない。イギリスとしては他国の目など気にせず、力で支配を続けるしかない状況だ。





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最終更新日  2012.01.21 16:38:10


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