《櫻井ジャーナル》

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2012.06.12
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 シリアのバシャール・アル・アサド政権を倒すため、米英を中心とするNATOは情報戦を展開してきたが、数日中に シリアのテレビ番組を乗っ取ろうと計画しているという話

 言わば、「ハリウッド」を直接的な武器として使おうとしているわけだが、国防権限法(NDAA)の2013年版では、戦争を遂行するために国防総省や国務省によるプロパガンダ、つまり国民を騙すことを認めているようで、社会の「マトリックス」化が進んでいるとも言えるだろう。

 もっとも、昔から支配層はメディアを庶民操作の道具と見なしていた。技術の進歩で「マトリックス」化が進んでいるわけで、最近のプロパガンダが特別というわけではない。

 例えば、かの有名なウォルター・リップマンは、ジャーナリズムを権力者から庶民への情報伝達手段だと考えていた。第1次世界大戦の最中には戦意高揚に協力、1917年にアメリカ政府が設置したCPI(広報委員会)に参加している。

 ウォーターゲート事件で有名になったワシントン・ポスト紙のオーナー(当時)、キャサリン・グラハムは1988年に次のように語っている。

 「我々は汚く危険な世界に生きている。一般大衆の知る必要がなく、知ってはならない情報がある。政府が合法的に秘密を維持することができ、新聞が知っている事実のうち何を報道するかを決めることができるとき、民主主義が花開くと私は信じている。」

 明らかにグラハムは支配層の立場から語っている。彼女にとっての「民主主義」とは、庶民にとっての「独裁」にほかならない。支配システムを維持するためには、市民を無知な状態にしておく必要があるということだろう。

 キャサリン・グラハムの夫、フィリップ・グラハムは第2次世界大戦の後、情報操作プロジェクトに参加している。いわゆる「モッキンバード」だ。



 この4名のうち、ダレスとウィズナーはウォール街の弁護士であり、グラハムの義父にあたるユージン・メイヤーは金融界の大物で、世界銀行の初代総裁。ヘルムズはメディアで働いた経験もあるが、祖父のゲイツ・ホワイト・マクガラーは国際的な投資家。いずれも金融界と緊密な関係にあったことがわかるが、この4名に限らず、アメリカの情報機関を動かしていた人物は、金融界と深く結びついている。

 金融の世界に君臨するロスチャイルド家が情報を武器にしていたことは有名な話で、この4名が金融界とつながっていることは不思議でないのだが、それだけでは止まらない。ダレス、ウィズナー、ヘルムズは破壊/テロ工作を指揮したグループの中枢メンバーであり、金融界は破壊/テロ活動と結びついていると言える。

 一般に無視されている事実だが、1933年にフランクリン・ルーズベルトが大統領に就任すると、JPモルガンを中心とするアメリカの金融界はクーデターを計画している。この計画は海兵隊の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー少将が強く反対し、議会で証言したことで失敗に終わった。

 クーデターの目的はルーズベルトを排除し、ファシズム体制を樹立することにあったのだが、このときにクーデター派は新聞を使えば国民を騙すのは簡単だとしていた。アメリカが「反ファシスト」から「反コミュニスト(親ファシスト)」へ転換するのは、ルーズベルトが1945年4月、執務中に急死してからである。(詳しくは拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』を)

 ユーゴスラビア、アフガニスタン、イラク、リビア、シリア、いずれのケースでもアメリカ政府は軍事侵攻を正当化するため、偽情報を流していた。キーワードは「人権」だった。「人権」を口実にして、人権を無視した破壊と殺戮を展開してきたのである。

 ただ、シリアの場合はアメリカ政府よりもイギリス政府が軍事介入に積極的である。 バラク・オバマ政権が直接的な軍事介入に消極的な姿勢を見せている 一方、 イギリスのウィリアム・ヘイグ外相は積極的 だ。このヘイグ外相と緊密な関係にあるのが「人権団体」だというシリア人権観測所。 アメリカで軍事介入を必死に叫んでいるのはジョン・マケイン のようなネオコン(親イスラエル派)である。





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最終更新日  2012.06.13 09:43:21


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