《櫻井ジャーナル》

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2012.09.02
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 イランが核兵器を保有する能力を持つことにイスラエルは脅威を感じているらしい。自分たちが世界有数の核兵器保有国だということに矛盾を感じず、イランを攻撃すると叫び続けている。そのイランがモデルにしている国は日本だという。

 日本のように、「平和利用」を看板に掲げて技術を習得、そうした技術を集めればいつでも核兵器を作り出せるという体制を築こうとしているというのだ。日本はプルトニウムを生産する施設を持っているだけでなく、衛星を打ち上げられるロケット、つまり大陸間弾道ミサイルを保有している。

 1964年に中国が核兵器の実験に成功した後、自分たちも核兵器を持ちたいと考えるグループが日本にも出現したという。2010年10月にNHKが放送した「“核”を求めた日本」によると、リチャード・ニクソンが大統領に就任した1969年、日本政府の内部で核武装を本格的に話し合い、西ドイツ政府と秘密協議をしている。

 会議に出席、日独両国はアメリカから自立し、核武装によって超大国への道を歩もうと主張した日本側のメンバーは、外務省の鈴木孝国際資材部長(当時)、岡崎久彦分析課長(当時)、村田良平調査課長(当時)だった。

 核武装に関する調査は内閣調査室の主幹だった志垣民郎を中心にして行われ、技術的には難しくないという結論に達している。日本原子力発電所の東海発電所を利用すれば、高純度のプルトニウムを1年に100キログラム余りは作れると志垣は見積もった。

 また、1969年から71年まで海上自衛隊幕僚長を務めた内田一臣は毎日新聞の取材に応え、「日本の防衛のために核兵器がぜひ必要だと思って、それなりの研究も(個人的に)していた」と語ったという。

 1977年になると、東海村の核燃料再処理工場(設計処理能力は年間210トン)が試運転に入る。2006年までに1116トンを処理したならば、その1パーセントのプルトニウムが生産されたとして10トン強、その1パーセントは誤差として認められるので、0.1トンになる。計算上、これだけのプルトニウムを隠し持つことができることになったわけだ。

 こうした日本の動きをアメリカは警戒するはずだと最初に指摘したのは、研究者であると同時にジャーナリストであり、活動家でもあった山川暁夫。1978年6月に開かれた「科学技術振興対策特別委員会」で再処理工場の建設について発言している。「核兵器への転化の可能性の問題が当然出てまいるわけであります」と指摘したのだ。

 実際、アメリカ政府はこうした動きを見逃さなかった。1977年に大統領となったジミー・カーターは日本の核兵器開発に反対し、ブレーキをかけた。これで日本の核兵器開発は終わったとする人もいるようだが、CIAやNSAは開発を続けていると確信、動力炉・核燃料開発事業団(動燃。現在は日本原子力研究開発機構に再編)を監視する秘密の仕組みも1980年代には作り上げたようだ。

日本が1980年代以降70トンの核兵器級プルトニウムを蓄積することを可能にした とジャーナリストのジョセフ・トレントは書いている。こうしたプルトニウムを蓄積する隠れ蓑に使われたのが電力会社だという。

 昨年3月、東京電力の福島第一原発で「過酷事故」が起こって3つの原子炉で炉心が溶融し、大量の放射性物質を環境中に放出し続けている。原発の危険性を内部告発した原子力技術者としても知られているアーニー・カンダーセンによると、日本政府の計算に使われた圧力抑制室での除去係数が間違っているうえ、格納容器からの漏洩も無視しているという問題がある。これを正しく直すと、放出した量はチェルノブイリ原発の2から5倍になるだろうとガンダーセンは推測してる。(アーニー・ガンダーセン著、岡崎玲子訳『福島第一原発 真相と展望』)

 もし、大きな地震などで 4号機の使用済み核燃料プールが崩壊したなら、少なくとも1号機から6号機までの冷却作業が難しくなり、セシウム137で比較すると、チェルノブイリ原発の事故で環境に出た量の85倍以上が放出 されてしまうという。

 これだけの事故を起こしながら、当事者の東電、監督責任のあった経済産業省、歴代の閣僚、誰も責任を問われず、電力会社が倒産することもない。全ての尻ぬぐいを庶民に押しつけて終わりにしようとしている。東電を倒産させられない理由のひとつは、核兵器開発の秘密にあるかもしれない。倒産させたなら調査が入り、秘密が漏れる可能性があるからだ。

 また、日本が保有するプルトニウムの中にはイギリスやフランスで再処理され、兵器級の純度を持つものがあり、アメリカで採掘されたウランから作られたものまで含まれているという。トレントによると、「セラフィールドで生産され繰り返し日本に輸送されたプルトニウム燃料は、核兵器用として十分なほど純度が高い」とイギリスで核兵器を設計していたフランク・バーナビー博士は語ったという。

 それだけでなく、アメリカとイギリスは「原子炉級」のプルトニウムで核兵器を作り、実験も行ったとバーナビーは説明したとしている。この話が正しいなら、日本の核兵器生産能力はとんでもなく高いということになる。

 トレントはCIAの幹部に情報源を持っている。今回の報告もそうした情報源が関係しているだろう。過去の著作から判断すると、CIAの情報を検証せず、そのまま垂れ流してしまうという問題はあるが、今回の場合、CIAの少なくとも一部のCIA幹部は日本の核兵器開発に関する情報を外に出すべきだと考えているのだろう。

 もし、核兵器開発能力を持つ可能性あることを理由にしてイランを先制攻撃することが正当化されるならば、どこかの国が日本を脅威だとして先制攻撃することも認められることになる。アメリカがイスラエルに同調してイランを攻撃したなら、日本をどこかの国が攻撃してもアメリカは文句を言えない。ここにCIAが日本に関する情報を流した理由があるのかもしれない。イラン情勢を「対岸の火事」だとは言えない。





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最終更新日  2012.09.03 03:01:25


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