《櫻井ジャーナル》

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2012.09.07
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 シリアのバシャール・アル・アサド体制は未だに倒されていない。一時期はイギリスのウィリアム・ヘイグ外相がイラク攻撃の急先鋒だったが、ここにきてフランスとトルコの動きが目立つ。

 先日、フランスのローラン・ファビウス外相は化学兵器が使用されたなら、反撃は大規模で激しいものになると語ったが、それに続き、フランス政府はシリアの反政府軍に地対空ミサイルなどの武器や資金を提供していると伝えられている。

 シリアの体制転覆工作にフランスを引き込んだのはニコラ・サルコジ大統領とアラン・ジュペ外務大臣兼国防大臣(いずれも当時)だが、政権が交代してもフランス政府の姿勢は大きく変化していないようだ。

 ところで、サルコジはフランス軍をNATO(北大西洋条約機構)軍へ復帰させた、つまりフランスをアメリカの支配下に引き戻した人物。1966年にシャルル・ド・ゴール大統領がNATO軍からの離脱を決めて以来のことだ。

 NATOから離脱するという決定がド・ゴールの暗殺未遂と無関係だとは考えにくい。1962年にOASに所属するジャンマリー・バスチャンチリー大佐のグループにド・ゴールは命を狙われたのだが、このOASは「NATOの秘密部隊」につながっている。つまり、暗殺計画の黒幕はアメリカやイギリスの情報機関に巣くう「テロ集団」だった可能性が高い。この人脈はジョン・F・ケネディ米大統領の暗殺でも名前が出てくる。

 ところで、シリアの体制転覆工作で、 NATOはロシア製の対戦車ミサイル、9K115-2メティスMや9M133コーネットを含む武器をアメリカ政府はサウジアラビアやカタール経由で反政府軍に供給 している。その一方、トルコはIED(路肩爆弾)の使い方をシリアの反政府軍に訓練しているとも言われてきた。この中にフランスも加わったということだろう。

 トルコに関する情報としては、トルコ軍将校がシリアの反政府軍を指揮し始めたというものがある。シリアの北部、アレッポの西約60キロメートルのイドリブ、そして北東約40キロメートルの場所にあるアル・バーブで戦っている反政府軍2個旅団をトルコ軍の将校が指揮、その司令部はシリアとの国境に近いトルコの都市、ガジアンティプにあると報道されている。

 昨年の春からトルコにある米空軍インシルリク基地ではアメリカの情報機関員や特殊部隊員、イギリスとフランスの特殊部隊員がFSA(自由シリア軍)を訓練する一方、イギリス、アメリカ、フランス、カタール、ヨルダン、トルコも特殊部隊をシリア領内で活動させていると疑われてきた。

今年6月にはトルコ軍のF-4戦闘機がシリア軍に撃墜されている が、事実関係をチェックすると意図的な領空侵犯だった可能性が高いと言わざるをえない。低空でシリア領内に侵入、海岸線から約1キロメートルの地点で機銃によって撃ち落とされたということだ。シリアの防空体制を調べていたのだろう。

 一部の「西側」諸国はイスラム国のトルコがさらに深く軍事介入することを望んでいるという話もあるが、トルコ政府のシリア反政府軍に対する支援はトルコ国内を不安定化する一因になりつつある。イギリスやアメリカの手先として動き、イスラエルと手を組むというタイイップ・エルドアン首相の姿勢に批判が高まっているのだ。

 こうした批判の波はトルコ軍にも及び、最高軍事評議会が56名の将軍や提督に退役を命令、そのうち 40名はクーデターを計画した容疑で逮捕 されるという事態になっている。実際にクーデターの計画があったのかどうかは不明だが、現政権に対する不満が軍の内部にあることは確かなようで、「予防拘束」だった可能性もある。エルドアン首相の言動から考えると、今回の逮捕劇は「西側」の情報機関が協力したのかもしれない。

 エルドアンは2003年3月から首相を務めている。アメリカがイギリスを引き連れてイラクを先制攻撃した月から、ということになる。オスマン帝国の夢を追いかけているようにも見えるが、単純に米英の操り人形として働いているようにも見える。シリアの体制転覆に時間がかかっていると、トルコで不満が爆発し、内乱が始まりかねない。





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最終更新日  2012.09.08 01:13:48


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