《櫻井ジャーナル》

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2015.04.26
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 ウクライナ、ロシア、フランス、ドイツの首脳は2月11日にベラルーシのミンスクに集まって協議、ウクライナの東/南部で続いている戦闘を15日に停止することで合意した。アメリカの好戦派が本当にロシアと核戦争を始めかねないことを懸念しての動きだろうが、この話し合いにアメリカは参加せず、キエフ政権で軍と治安機関を支配しているネオ・ナチ(ステファン・バンデラ派)は戦争の継続を主張、停戦期間に入ってから激しい攻撃があったと伝えられている。

 フィリップ・ブリードラブNATO欧州連合軍最高司令官/在欧米空軍司令官やアメリカ政府がNATOへ派遣されているダグラス・ルート大使はキエフ政権への武器供給を支持、NATO事務局長のジェンス・ストルテンベルグは緊急展開部隊を1万3000名から3万名へ増強するとしていると語る中、 4月4日には「右派セクター」を率いているドミトロ・ヤロシュがウクライナ軍参謀総長の顧問に就任 した。

 この「右派セクター」は「トリズブ(三つ叉の矛)」やUNA-UNSOを中心にネオ・ナチ団体が連合して2014年3月の編成された。西側を後ろ盾としたクーデターの翌月ということになる。UNA-UNSOはNATOの秘密部隊ではないかとも言われている団体で、トリズブは1993年に創設されている。ヤロシュがトリズブへ加入したのはその翌年で、2005年からリーダーとして組織を率いていた。

 こうした団体のメンバーを中心にして、いくつかの武装集団が組織された。そのひとつであるアゾフは昨年4月、アンドレイ・ビレツキーが「オリガルヒ」のイゴール・コロモイスキーが出した資金で設立した私兵組織。ビレツキーはヤロシュと同じように「右派セクター」の幹部だ。

 こうした私兵が集まって「親衛隊」ができているが、この戦闘組織を今月20日からアメリカの第173空挺旅団の兵士290名が「訓練」しているという。イギリスも75名の軍人を派遣、カナダは200名の「専門家」を送り込むとされている。リビフにある訓練場でウクライナの正規軍兵士1200名と親衛隊の戦闘員1000名を訓練しているようだが、ネオ・ナチのメンバーは2004年以降、バルト3国にあるNATOの訓練施設で軍事訓練を受けていると言われているわけで、アメリカ軍と親衛隊は旧知の仲とも言える。

 空挺団のメンバーは戦闘に参加していないことになっているが、ドンバス(ナバロシエ/ドネツクやルガンスク)で民族浄化作戦を始めた直後からアメリカの傭兵会社、 アカデミ(旧社名はブラックウォーター)系列のグレイストーンに所属している戦闘員 が数百名の単位で戦いに加わっていると伝えられている。 CIAやFBIの要員 をアメリカ政府はキエフへ派遣、 軍事顧問団

 今年1月にYouTubeにアップロードされた映像には、 戦闘地域を取材していたチームの前を通り過ぎた兵士が流暢な英語で「顔を撮すな」と口にする様子 が記録されていたが、アメリカの傭兵会社は戦闘員として特殊部隊の「元隊員」を雇っていることを考えると、昔なら特殊部隊を投入する場面で「退役した特殊部隊員」を派遣するということもあるだろう。

 ここにきてドンバスで広範囲にわたる攻撃が報告されているが、OSCE(欧州安全保障協力機構)によると、 攻撃しているのはキエフ政権軍やドンバス軍でなく「第三者」軍 だという。アメリカ/NATOとネオ・ナチが疑われる状況だ。

 そうした動きと並行してウクライナでは、キエフ政権に批判的なブログを書いていたふたりが SBU(治安当局) に連行されて行方がわからなくなり、インターネット上にあった1万以上のサイトが閉鎖され、ブロックされたYouTubeのアカウントもあるようだ。 特定の新聞を販売店から回収 するということも行っている。戦争前の情報統制を感じさせる。

 アメリカの支配層にも戦争に慎重な勢力と積極的な勢力が存在する。2003年にイラクを先制攻撃する前、統合参謀本部では慎重派が少なくなかったため、攻撃が予定より1年遅くなったと言われている。当時はネオコン/シオニストが主導権を握っている政権だったので戦争に突入したわけだ。

 現在の政権は当時よりネオコンの影響力が低下しているが、昨年2月のクーデターを仕掛けたのはネオコンであり、まだ力はある。強行突破するため、戦争を始める可能性もあるだろう。アメリカ支配層の慎重派だけを見て安心するのは危険である。

 すでに西側、特にアメリカの有力メディアはロシアを悪魔化する偽情報を流してきたが、それだけでなく「偽旗作戦」を実行する可能性もある。1962年当時、アメリカの好戦派はキューバ人を装ってアメリカで「偽装テロ」を実行、最終的には無線操縦の旅客機をキューバ近くで自爆させ、キューバ軍に撃墜されたように見せかけ、「反撃」という形で軍事侵攻しようとしていた。「ノースウッズ作戦」だ。ベトナムへ本格的な軍事介入を始める切っ掛けになったトンキン湾事件もCIAと特殊部隊が行った偽旗作戦だったと言われている。クリミアの住民がキエフのクーデターを拒否したとき、条約に基づいて駐留していたロシア軍を侵略軍だとする宣伝を無邪気に信じた人もいたが、そうした人はまた騙されるかもしれない。





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最終更新日  2015.04.27 03:33:44


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