《櫻井ジャーナル》

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2015.06.06
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 中東で続いている戦争が新しい段階に入ったようだ。現在、ネオコン、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」がシリアやイラクを攻撃、イランにも矛先を向けているのだが、シリア、イラク、イランが連携を強めて「三国同盟」との戦いに本腰を入れ始めたと伝えられている。シリア、イラク、イランはロシアの支援を受けているともいう。

 2010年12月に始まった「アラブの春」を切っ掛けにして戦乱は北アフリカから中東にかけ、地中海に面した地域に広がった。最近はイエメンでも戦闘が激化している。戦乱を仕掛けたのはアメリカ/NATO、ペルシャ湾岸産油国、イスラエル。調査ジャーナリストのシーモア/ハーシュが2007年3月5日付けのニューヨーカー誌に書いた記事によると、その時点で シリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作 を始めていた。

 この工作の中心はアメリカのリチャード・チェイニー副大統領、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてサウジアラビアのバンダル・ビン・スルタンだともいう。

 バンダルは1983年10月から2005年9月まで駐米大使を、2012年7月から14年4月まで総合情報庁長官を務めた人物。ブッシュ家と緊密な関係にあることから「バンダル・ブッシュ」とも呼ばれている。

 総合情報庁の長官を務めていた2013年7月末、 バンダルはロシアを極秘訪問してウラジミル・プーチン大統領らと会談 、チェチェンのグループは自分たちの指揮下にあるので、シリアから手を引けば冬季オリンピックの安全を保証できると持ちかけたという。シリアから手を引かなければ配下の武装勢力にオリンピックを襲撃させると脅したわけだが、それを聞いたプーチンは怒り、「ここ10年の間、チェチェンのテロリスト・グループをあなたたちが支援していることを知っている」と言い放ったという。

 チェチェンの武装勢力はロシアに押さえ込まれたが、オリンピック開催に合わせ、ウクライナではネオ・ナチによるクーデターが行われた。戦乱は今でも続き、話し合いでの解決を模索する動きをネオコンはNATOも動員して破壊しようとしている。

 中東でアメリカ/NATO、イスラエル、サウジアラビアが手兵として使っているのがアル・カイダ系武装集団やIS(イラクとレバントのイスラム首長国。ISIS、ISIL、IEIL、ダーイシュとも表記)。

イギリスの外相を務めたロビン・クック が明らかにしているように、1970年代の後半からCIAが訓練してきた「ムジャヒディン」のコンピュータ・ファイル。アル・カイダとはアラビア語で「基地(ベース)」や「データベース」を意味している。

 ISの歴史は1999年に始まる。JTJとして組織され、アメリカを中心とする連合軍がイラクを先制攻撃した翌年、2004年にアル・カイダ系の武装集団となり、AQIと名乗ってイラクで破壊を始める。2006年は小集団を吸収してISIと呼ばれるようになった。この頃、「三国同盟」はシリア、イラン、ヒズボラに対する秘密工作を始めたわけだ。

 シリアやイランと友好的な関係にあったリビアでは2011年にNATOとアル・カイダ系のLIFGによってムアンマル・アル・カダフィ体制が崩壊するが、シリアではNATOの空爆が実現せず、体制転覆は成功していない。偽情報を流し、シリアのバシャール・アル・アサド政権を悪魔化する作戦も途中で内幕が発覚する。

 西側メディアが大々的に伝えていたホウラでの虐殺は、真相がカトリック教会からも伝えられた。現地を調査した 東方カトリックの修道院長 は、「三国同盟」が使っているサラフィ主義者や外国人傭兵が虐殺したと報告、「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアに平和をもたらすことができる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は、地上の真実と全く違っている」としている。つまり、破壊と殺戮の原因を作っているのは西側メディアだということ。キリスト教の聖職者、 マザー・アグネス・マリアム は外国からの干渉が事態を悪化させていると批判した。

 反政府軍の残虐行為はホウラだけでのことではなく、そうした実態をシリア駐在の エリック・シュバリエ仏大使 は2012年3月、アラン・ジュペ外務大臣兼国防大臣(当時)に報告したという。アル・ジャジーラなどの報道は正しくないと大使は伝えたのだが、この報告に外相は激怒し、残虐な弾圧が行われていると書き直せと脅したという。

2012年にはヨルダンの北部に設置された秘密基地でアメリカの情報機関や特殊部隊がISの主要メンバーを含む戦闘員を軍事訓練 、トルコと同じようにヨルダンにISはシリアへの侵入ルートを持っていると言われている。反政府軍は事実上、ひとつ。「三国同盟」は体勢を立て直すため、ISを編成したと言えるだろう。

 2012年に作成されたアメリカの軍情報機関、 DIAの文書

 2013年9月、 マイケル・オーレン駐米イスラエル大使はエルサレム・ポストのインタビューに応じ、イスラエルはシリアのバシャール・アル・アサド体制よりアル・カイダの方がましだと答えた 。実際、イスラエルはISを支援するための空爆を繰り返している。

 2014年3月になると、イラクの首相だった ノウリ・アル・マリキはサウジアラビアやカタールが反政府勢力へ資金を提供していると批判 しているが、これは事実だと考えられている。その後、アメリカへの不信感を強めていたマリキはロシアへ接近、選挙でも勝利するのだが、首相には指名されなかった。アメリカ政府から支援を約束されたフアード・マアスーム大統領がハイダル・アル・アバディを指名したのだ。

 マリキ発言から間もなく、ISはファルージャとモスルを制圧したのだが、その動きをスパイ衛星や通信の傍受などで把握していたはずのアメリカが反応していない。トヨタの自動車を連ねてISが「進軍」する様子を撮影した写真がインターネットでも流れているが、そんなことをすれば無人機や戦闘機の餌食になる。アメリカがISの勢力拡大を望んでいることは明白だ。






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最終更新日  2015.06.06 16:51:42


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