《櫻井ジャーナル》

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2015.07.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 安倍晋三政権は「安全保障関連法案」を強引に成立させようとしている。この法案が違憲なのは政府も承知しているだろうが、アメリカの好戦派からの命令には絶対服従。中国との戦争を夢想しているのだろう。

 言うまでもなく、この法案はアメリカとの「集団的自衛権」と結びついているのだが、「自衛」とか「防衛」が目的だと考えてはならない。アメリカの戦争は常に侵略が目的。アメリカが侵略し、反撃されたら攻撃を受けたことになり、日本も侵略戦争へ参加することになる。

 最近のアメリカは露骨に侵略しているが、2003年にイラクへ攻め込む際、アメリカ政府が「大量破壊兵器」という大嘘をついて攻撃を正当化していた。そのとき、コンドリーザ・ライス大統領補佐官は「キノコ雲」が現れるまでアメリカが座視していることはないとコメント、つまりイラクがアメリカをすぐにでも核攻撃するかのように主張していた。

 こうした偽情報の流布にはイギリスも重要な役割を果たしている。アメリカの統合参謀本部の抵抗でイラク攻撃が延び延びになる中、2002年9月にトニー・ブレア政権は「イラク大量破壊兵器、イギリス政府の評価」というタイトルの報告書、いわゆる「9月文書」を作成、その中でイラクは45分でそうした兵器を使用できると主張したのだ。

 内部で作成しただけではプロパガンダにならないわけで、その直後に文書の内容がリークされ、サン紙は「破滅から45分のイギリス人」というタイトルの記事を掲載した。この論文はアメリカのコリン・パウエル国務長官からも絶賛されている。

 ところが、この報告書はある大学院生の論文を無断引用したもので、イラクの脅威を正当化するために改竄されていた。2004年10月にジャック・ストロー外相(当時)が「45分話」は嘘だったと認めている。

 それに対し、2003年5月29日にBBCのアンドリュー・ギリガンはラジオ番組で「9月文書」は粉飾されていると語る。さらに、サンデー・オン・メール紙でアラステアー・キャンベル首席補佐官が情報機関の反対を押し切って「45分話」を挿入したと主張した。

 ブレア首相の側近で広報を担当していたキャンベルはデイリー・メール紙で記者をしていた経験があり、メール・グループを統括していたロバート・マクスウェルから可愛がられていた。マクスウェルはイギリスの情報機関に協力していた人物で、キャンベルも親イスラエル。

 ギリガンが「45分話」の疑惑を語って間もなく、彼の情報源が国防省で生物兵器を担当しているデイビッド・ケリーだということがリークされる。ケリーは7月に外務特別委員会へ呼び出され、その直後に変死した。



 アメリカやイギリスの情報機関を黒幕とする「NATOの秘密部隊」は1960年代から80年頃までの期間、イタリアで「極左」を装って爆弾攻撃を繰り返した。いわゆる「緊張戦略」で、左翼勢力にダメージを与え、治安体制を強化することに成功した。一種の偽旗作戦だ。

 1960年代の前半、アメリカの好戦派はアメリカ軍をキューバへ侵攻させ、ソ連との全面核戦争を実現するために「ノースウッズ作戦」を練り上げている。核戦争でソ連を殲滅する絶好のチャンスが1963年の後半に訪れると好戦派は判断していた。

 ノースウッズ作戦はキューバ軍を装ってアメリカの施設や船舶を攻撃することから始まる。さらにフロリダ州マイアミなどの都市で「テロ」を実行、最終的には、アメリカを離陸した旅客機をキューバ近くで自爆させ、キューバ軍に撃墜されたことにするというシナリオだった。この作戦はジョン・F・ケネディ大統領が潰している。

 アメリカ政府は侵略を正当化するため、配下のメディア(事実上、西側の全有力メディア)を使って偽情報を宣伝、偽旗作戦も行う。そうした宣伝や工作を見抜く力など日本政府にはなく、見抜いたとしてもアメリカに従うだろう。アメリカとの「集団的自衛権」とは侵略戦争への荷担にほかならず、日本人を破壊と殺戮の共犯者にする。

 現在、ネオコンは1992年に作成したDPGの草案(ウォルフォウィッツ・ドクトリン)に基づいて動いているが、その前提は1991年のソ連消滅。ロシアもアメリカの属国になり、次のターゲットは東アジア(中国と日本)だと考えたわけだ。中国と日本を戦わせて共倒れにしようということであり、ネオコンが日本を守るなどと言う妄想は抱かない方が良い。このプランはウラジミル・プーチンがロシアを再独立化して崩壊するが、それをネオコンは認めてこなかった。シナリオが狂ってしまうからだが、ここにきてロシアを意識せざるをえなくなったようだ。

6月1日、安倍晋三首相は官邸記者クラブのキャップとの懇親会で安保法制は「南シナ海の中国が相手」だと口にした という。中国との戦争を想定しているというように聞こえるが、これは20年以上前からネオコンが言っていること。

 BRICSやSCOで連携を強め、AIIB(アジアインフラ投資銀行)に次いでBRICSは新開発銀行(NDB)を始動させ、現代版シルクロードのプランもある。アメリカの支配層は危機感を抱いているはずで、ネオコンの恫喝が実際の核戦争になる危険性は高まっている。安保法制はこの危険性を高める大きな要素になる。





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最終更新日  2015.07.15 03:34:21


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