《櫻井ジャーナル》

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2015.07.17
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 安倍晋三首相は勿論、彼を操っているアメリカの支配層も庶民が主権者だとは考えていない。「立憲主義」、あるいは「法の支配」も彼らは信じていない。そうした本音を具体化した集団のひとつが1982年にアメリカで生まれた「フェデラリスト・ソサエティー」だ。

 この集団はアメリカの「エリート校」、エール大学、シカゴ大学、ハーバード大学の法学部に所属する「保守的な」学生や法律家によって創設され、議会に宣戦布告の権限があるとする憲法や1973年の戦争権限法はアナクロニズムだと主張、プライバシー権などを制限、拡大してきた市民権を元に戻し、企業に対する政府の規制を緩和させることを目指してきた。

 アメリカの富豪を後ろ盾として「フェデラリスト・ソサエティー」は影響力を拡大し、ネオコンに担がれたジョージ・W・ブッシュ政権では司法省で主導権を握っていた。例えば、ジョン・アシュクロフト司法長官、シオドア・オルソン法務局長(連邦最高裁における政府の代理人)、ホワイトハウス顧問のティム・フラニガンはこの集団に属してる。司法省の法律顧問として「拷問」にゴーサインを出したジョン・ユーもフェデラリスト・ソサエティの熱心な活動家だ。

 アメリカで拷問のほか、令状なしの拘束、国外追放、監視を認める愛国者法を生み出したのはCOGプロジェクト。1982年、ロナルド・レーガン大統領が承認してプロジェクトはスタートした。

 このプロジェクトの基盤になったのは、1950年代、ドワイト・アイゼンハワー政権で核戦争を想定して作られた「秘密政府」の仕組み。これからFEMAが創設され、COGプロジェクトにつながる。

 当初、COGでも核戦争が前提になっていたが、1988年に出された大統領令でその対象は「国家安全保障上の緊急事態」に変化、政府が恣意的に憲法を停止できることになった。日本では安倍晋三政権が「存立危機事態」なる概念を持ち出してきたが、これと同じ程度、曖昧で危険なものだ。

 そして2001年9月11日、緊急事態とされた出来事が起こる。ニューヨークの世界貿易センターとワシントンDCの国防総省本部庁舎(ペンタゴン)が攻撃されたのだ。これを利用し、ブッシュ・ジュニア政権は国外で侵略戦争を本格化させ、国内では愛国者法などを成立させて監視システムや治安体制を強化し、ファシズム化を推進している。

 安倍首相を含む日本の支配層が服従している相手はCOGを推進していた好戦的な勢力に重なる。例えば、ジョージ・H・W・ブッシュ、ドナルド・ラムズフェルド、リチャード・チェイニー、ジェームズ・ウールジーたち。ジェラルド・フォード政権でデタント派を粛清したグループでもある。

 1980年代にはさまざまな権力犯罪が明らかになっている。支配層の内部で深刻な対立が生じたからで、問題になっていたのはイラクとの関係。ブッシュを含む勢力はサダム・フセインを手駒と考えていたが、ネオコンは打倒すべき敵だと考えていたのだ。



 こうした事件は全て結びついていると主張してたジャーナリストがいる。ジョセフ・ダニエル・キャソラーロだが、1991年8月、取材先のホテルで変死してしまう。彼はCOGを見ていた可能性がある。

 生前、キャソラーロは「オクトパス」という組織があり、そのメンバーは自分たちが「ギリシャの神」になろとしていると語っていたという。絶対的な権力を持つ支配者になるという意味の比喩にも思えるが、新自由主義者のカルト的な性格を考えると、それ以上なのかもしれない。

 米英の憲法は基盤にあるマグナ・カルタ(大憲章)は1215年、イギリスのジョン王が調印して成立した。その憲章では、教会の権利が保護され、諸侯を不法に投獄することを規制、徴税の制限も謳われ、王が議会を招集しなければならない場合も定められている。

 自らを法の上の存在だとして独断的な支配を続け、国外で戦争を仕掛けて敗れ、領土を失ったうえ、戦費負担を諸侯に押しつけるジョン王に対する怒りは内乱に発展、妥協してマグナ・カルタに署名せざるをえなくなったわけだ。妥協しなければ自らの命も危うい状況だったとも言える。

 経済的にも政治的にも大きな力を持つ富裕層が存在している以上、民主主義を維持するためには、そうした力に対抗できる力を庶民が持つ必要がある。つまり、カネと情報が庶民へ流れる仕組みを作らなければならない。最低限、情報の全面公開と累進課税の強化、そしてオフショア市場の規制強化は必要だ。

 その逆を1970年代から行ったのが新自由主義。その段階で富裕層は民主主義、立憲主義の破壊を決意している。TPP/TTIP/TISAはその総仕上げ。逆襲するには、まず、その事実を自覚する必要がある。





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最終更新日  2015.07.17 19:49:47


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