《櫻井ジャーナル》

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2015.12.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 アメリカはアル・カイダ系武装集団やそこから派生したIS(ISIS、ISIL、ダーイッシュなどとも表記)に対する 米国製の対戦車ミサイルTOWの供給を10月から増やした

 11月24日にトルコ軍のF-16戦闘機がロシア軍のSu-24爆撃機を撃墜した後、地上のトルコ系部隊が脱出した乗組員を攻撃してひとりを殺害、救援に向かったロシアのヘリコプターMil Mi-8を撃ち落としたが、そのときに TOWが使われた 可能性が高い。対抗上、ロシアはTOWの攻撃に耐えられるT-90戦車の投入台数を増やしている。なお、Su-24のパイロットを殺害した部隊を率いていた人物はトルコにおけるNATOの秘密部隊とされている「灰色の狼」に所属していた。

 ロシア政府は世界大戦、あるいは全面核戦争を避けるため、アメリカ政府へ協力を呼びかけているが、アメリカの政治を動かしているネオコン/シオニストはロシアを攻撃するように要求、軍事的な緊張は高まっている。核戦争の恐怖を煽り、EUを従わせ、ロシアを屈服させようという「狂犬戦法」で、ロシアが理性的に動けば動くほど効果的。狂犬のボスはネオコンだ。

 2011年春にシリアのバシャール・アル・アサド体制を倒す軍事作戦をはじめたのはアメリカ、イギリス、フランス、トルコ、イスラエル、サウジアラビア、カタールといった国々。イギリスとフランスは国内の事情で関与の度合いを弱めていたが、「難民」の問題と「テロ」を利用して軍事的な関与を強めつつある。その第一目標はあくまでもアサド体制の打倒であり、アル・カイダ系武装集団やISを倒すことではない。

 トルコ軍機がロシア軍機を撃墜した黒幕もアメリカ/NATOだった可能性はきわめて高い。ロシア軍は空爆の計画を事前にアメリカ/NATO側へ通告、トルコ軍へも伝えられていたはず。アメリカは偵察衛星で監視するだけでなく、ギリシャを拠点とするアメリカ/NATOのAWACS機、そしてサウジアラビアもAWACS機も飛行していた。

 トルコ軍のF-16が午前8時40分に離陸、9時08分から10時29分まで高度4200メートルで飛行して午前11時に戻っているのだが、それに対してロシア軍のSu-24は午前9時40分に離陸、午前9時51分から10時11分まで高度5650メートルで飛行、16分に目標を空爆、24分に撃墜された。

 トルコ軍機は緊急発進したわけでなく上空で待機、撃墜の際にはシリア領空を侵犯しているのだが、 撃墜をトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が決めたのは10月10日

 現在、トルコは戦車部隊などをイラクへ侵攻させて不法占領、イラク政府は抗議しているが、トルコ軍が撤退する兆候は見られない。この軍事侵略にトルコが反撃した場合、同盟国を守るためにNATOはイラクと戦争を始めるのだろうか?

 シリアへの軍事侵攻ではイスラエルも重要な役割を果たしている。アル・カイダ系武装集団やISを支援するためにシリア政府軍やイランの援軍を何度も空爆、負傷した反シリア政府勢力の戦闘員を戦場から運び出して治療している。

 実は、イスラエルはアル・カイダ系武装勢力への支援を隠そうとしてこなかった。例えば、 駐米イスラエル大使を務めていたマイケル・オーレンは2013年9月、アサド体制よりアル・カイダの方がましだとエルサレム・ポスト紙のインタビューで語っている 。このオーレンはベンヤミン・ネタニヤフ首相の側近で、イスラエル政府の意思だと考えて良いだろう。最近ではトルコが盗掘した石油の密輸で手を組んでいることも指摘されている。

 アル・カイダ系武装勢力やISへの兵站ラインを確保、そうした集団が盗掘した石油の取り引きで大儲け、ロシア軍機を撃墜し、イラクへ軍事侵攻しているトルコを操っているのはアメリカ、サウジアラビア、イスラエルだということ。

 2007年3月5日付けニューヨーカー誌でシーモア・ハーシュは アメリカ、イスラエル、サウジアラビアの「三国同盟」がシリア、イラン、そしてレバノンのヒズボラに対する秘密工作を開始 した書き、その中心にはリチャード・チェイニー米副大統領、ネオコン/シオニストのエリオット・エイブラムズ国家安全保障問題担当次席補佐官、ザルメイ・ハリルザド、そしてバンダル・ビン・スルタンがいるとしていた。

 個々で登場する3カ国はトルコの黒幕と同じだが、その関係が注目されたのは1980年代のことだった。「イラン・コントラ事件」や「BCCIスキャンダル」で同盟関係が明らかにされたのだが、その背景にあったのがズビグネフ・ブレジンスキーが1970年代の後半にはじめたアフガニスタン工作。この時もTOWミサイルや携帯型のスティンガー対空ミサイルをスンニ派(ワッハーブ派/サラフ主義者)武装勢力に供給してソ連軍と戦わせている。この点でもアメリカは同じことを繰り返している。





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最終更新日  2015.12.13 16:44:15


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