ドナルド・トランプ米大統領とウラジミル・プーチン露大統領が7月16日にフィンランドで会談した。事前に言われていたテーマはウクライナの軍事的な緊張、シリアでの戦闘、朝鮮半島の和平交渉。
ウクライナでは2014年2月にネオコンがネオ・ナチを使ってクーデターを実行、民主的に選ばれたビクトル・ヤヌコビッチ大統領を追い出した。拘束のうえ殺すつもりだった野ではないかとも言われている。クリミアの住民はネオ・ナチの危険性を早い段階で察知してロシアとの統合へ進んだが、南部のオデッサでは反クーデター派の住民がネオ・ナチのグループに惨殺され、東部のドンバス(ドネツクやルガンスク)では今も戦闘状態は解消されていない。
クーデターの目的はいくつか指摘されている。例えば、ロシアからEUへの天然ガス供給を断ち、工業地帯や資源地帯を支配し、あらゆる資産を略奪するとったことなど。アメリカでは農業を支えてきた地下水が枯渇しつつあり、汚染が問題になっているが、その水が使えなくなるとアメリカの農業は壊滅する。穀倉地帯を支配することも考えている可能性がある。
ネオ・ナチの戦闘集団の代表格とも言えるアゾフの元へは昨年(2017年)11月にアメリカの視察団が訪れ、兵站や関係強化について話し合ったと伝えられているが、 イスラエルから武器が供給されていることもアゾフ側は隠していない
シリアでの戦闘はイスラエルやヨルダンに近い地域もシリア政府軍が制圧しつつあり、イスラエルは動揺しているだろう。次はイドリブに取りかかると見られている。イドリブでは2017年9月、パトロール中だったロシア軍憲兵隊29名がアメリカの特殊部隊に率いられた武装集団に襲撃されるという出来事があった。戦車などを使い、ハマの北にある戦闘漸減ゾーンで攻撃を開始、数時間にわたって戦闘は続いた。作戦の目的はロシア兵の拘束だったと見られている。
それに対し、ロシア軍の特殊部隊スペツナズの部隊が救援に駆けつけて空爆も開始、襲撃した戦闘員のうち少なくとも850名が死亡、空爆では戦闘を指揮していた米特殊部隊も全滅したと言われている。イドリブでロシアやシリアの部隊がどこにいるかという機密情報がアメリカ主導軍からアル・ヌスラ(アル・カイダ系武装集団)へ伝えられていた可能性が高い。ロシア軍がその気になれば、シリア政府軍はイドリブをすぐに制圧できることを示している。
イドリブが終わるとユーフラテス川の北になるが、そこにはアメリカ軍、イギリス軍、フランス軍がクルドと連携、基地を20カ所以上で建設、そこで戦闘員を訓練しているとも言われている。アメリカ軍はデリゾールなど油田地帯を死守する姿勢を見せている。
現地で流れている情報によると、シリア政府軍が優勢だということを受け、住民が侵略軍に対する抵抗を始めたという。こうした動きが広がるとアメリカによる占領も難しくなりそうだ。当初の計画通りに動いていないため、イラクのようにクルドが離反する可能性もある。
朝鮮半島は韓国、ロシア、中国が主導権を握っている。そこへ朝鮮も加わり、アメリカは難しい状況に陥った。アメリカ海軍は2隻の駆逐艦、マスティンとベンフォードに台湾海峡を航行させて中国を挑発、インド・太平洋軍を創設して中国が計画している海のシルクロードを妨害しようとしている。朝鮮半島を制圧できないとなると、和平交渉を壊す可能性もある。少なくともそうした勢力がアメリカ支配層の内部にはいる。今回の米ロ首脳会談でプーチンはトランプに対し、米朝対話の継続を求めたと見られている。