ドナルド・トランプ米大統領は8月18日、「新しい合州国の領土」というタイトルでホルムズ海峡の画像を投稿したが、この海峡はアメリカ軍とイスラエ軍は2月28日にイランを奇襲攻撃して以来、イランが管理している。ホルムズ海峡は開放されているとトランプ大統領は主張している。事実ではないのだが、トランプ大統領は妄想の中にどっぷり浸かり、問題の存在を否定することで逃げようとしている。
アメリカ軍がイスラエル軍と共同でイランを攻撃した直後にイランの 革命防衛隊(IRGC)は反撃を開始、イスラエルの主要都市や西アジアにあるアメリカ軍基地を攻撃、破壊する。
ターゲットにはイスラエルのテルアビブやハイファ、ディモナにあるシモン・ペレス・ネゲブ原子力研究センター(ディモナ原子炉)近辺が含まれ、またアメリカ軍基地には カタールのアル・ウデイド空軍基地、クウェートのアル・サレム基地、アラブ首長国連邦のアル・ダフラ空軍基地、バーレーンのアメリカ軍第5艦隊基地、サウジアラビアのリヤドにあるプリンス・スルタン空軍基地、ヨルダンのムワファク・アル・サルティ空軍基地、クウェートにあるふたつの基地などが含まれる。
バーレーンの第5艦隊基地はアメリカ海軍の艦船にミサイルや食糧を補給する重要な場所で、アメリカの艦船は補給が困難になる。現在、アメリカ海軍の空母「エイブラハム・リンカーン」で食事や生活環境が悪化し、問題になっているが、その原因はバーレーンの基地が破壊され、機能不全になったことにある。
この空母を含むアメリカ海軍の艦船ではシャワーがカビだらけで、トイレは壊れ、洗濯機は故障、お湯が出ないうえ食事は悲惨な状態だ。石鹸も脱臭剤も歯磨き粉もないという。その結果、乗組員5000人の精神衛生も悪化、海への飛び込む人が少なくないとされている。ピート・ヘグセス国防長官は「フェイクニュースだ」として無視しているが、長官の発言がフェイクだ。
戦争の拡大によってホルムズ海峡は封鎖されたが、イエメンを統治しているアンサール・アッラー(フーシ派)はサウジアラビアの船舶が紅海への入り口であるバブ・エル・マンデブ海峡を航行させないと発表した。現在、バブ・エル・マンデブ海峡の通行量は2桁台で、以前より1桁少ない。さらにジザンにあるアラムコの製油所を攻撃したとしている。
ホルムズ海峡の封鎖とバブ・エル・マンデブ海峡の航行制限によって物資の輸送が滞った。ホルムズ海峡の封鎖によって、原油だけでなく肥料を生産するために必要な尿素、アンモニア、リン酸2アンモニウム、硫黄の輸送が止まった。LNGやヘリウムも生産設備が破壊され、生産再開には数年を要するとも言われている。
トランプ政権はアメリカが保有する戦略石油備蓄含む総貯蔵量は大きく落ち込み、底をつきそうな状況。膨大な量の石油を備蓄していた中国がそれを取り崩し、液化石炭への切り替えを図っているようで、石油の需給は予想より逼迫していないが、危機的な状態であることにかわりはない。トランプ政権は「イランへの核兵器使用を検討している」とマージョリー・テイラー・グリーンは8月18日に発言している。これが事実なら、それほど追い詰められていると言うことだろう。
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【 櫻井ジャーナル(note) 】