アメリカ政府は2014年2月にウクライナで対ロシア戦争を、また今年2月に西アジアで対イラン戦争を開始した。いずれも簡単に勝てると考えていたようだが、戦況はアメリカにとって悪い。敗北必至と言っても構わないだろう。
西側には「カタログ性能」で物事を考える人びとが少なくない。そうした人びとはアメリカが勝利すると今でも考えているようだが、ウクライナではロシア軍が圧倒に優勢で、イランとの戦争でもアメリカが勝つことは無理だろう。
こうした戦争をアメリカが始めた一因はパランティア・テクノロジーズのAIにある。この会社は2003年にCIAのベンチャー・キャピタル部門であるIn-Q-Telからの資金によって創設され、イスラエルの情報機関とも緊密な関係があり、「COVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)ワクチン」の接種でも同社が重要な役割を果たした。この「ワクチン」はアメリカ国防総省のプロジェクトだ。ウクライナを舞台とした対ロシア戦争はNATOが前面に出てきているが、主導しているのはCIAだと言える。
NATOは長距離ドローンやミサイルでロシア深奥部を攻撃しようとしてきたが、大半はロシアの防空システムに迎撃されている。9月19日からNATO/ウクライナ軍はドローでモスクワを攻撃、同市のセルゲイ・ソビャニン市長によると、1600機以上の攻撃ドローンが飛来したというが、石油精製所や住宅に到達し、損害を与えたのは十数機だ。
こうした攻撃の目標設定はNATOが設定し、ドローンやミサイルを誘導ていると言われているが、より具体的にいうならば、CIAだ。
ウクライナで戦争継続の機関車的な役割を果たしているウォロディミル・ゼレンスキーは2020年10月にイギリスを公式訪問、その際、MI6の長官だったリチャード・ムーアを非公式に訪問している。
ロシア軍は2022年2月24日からウクライナに対する攻撃をはじめたが、その直後からトルコやイスラエルを仲介役として停戦交渉が始まり、ほぼ合意に達した。 仲介役のひとりだったイスラエルの首相だったナフタリ・ベネットは交渉の内容を長時間のインタビューで詳しく話している。
ベネットは2022年3月5日にモスクワへ飛んでプーチン大統領と数時間にわたって話し合い、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領を殺害しないという約束をとりつけることに成功、その足でベネットはドイツへ向かってオラフ・ショルツ首相と会った。 SBUはその3月5日、キエフの路上でゼレンスキー政権の交渉チームで中心的な役割を果たしていたデニス・キリーエフを射殺している。
停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われ、やはり停戦でほぼ合意に達していた。 その際に仮調印されているのだが、「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案をプーチン大統領はアフリカ各国のリーダーで構成される代表団が2023年6月17日にロシアのサンクトペテルブルクを訪問した際に示している。
それに対し、イギリスの首相を務めていたボリス・ジョンソンがキエフへ乗り込み、戦争を継続するようウォロディミル・ゼレンスキー大統領に命令、停戦合意は壊された。2022年4月9日のことだ。( ココ や ココ )
この当時、イギリス政府やアメリカ政府はロシアが弱体であり、消耗させることが可能だと判断していた。そしてウクライナは合意から離脱した。NATOが戦争継続を目論んでいることを知ったウラジミル・プーチン大統領は2022年9月21日、部分的な動員を実施すると発表した。集められた兵士のうち約8万人はドンバス入りし、そのうち5万人は戦闘に参加、約32万人は訓練中だとされている。
その後、ロシアでは兵器の生産能力や性能が急速に高まり、NATO/ウクライナ軍はロシア軍に圧倒されている。それでも勝利を前提に賽を投げたヨーロッパの「エリート」は勝負から降りられない。ゼレンスキーもそうだが、降りたら破滅する可能性がある。NATOではすでに女性を兵士にする準備を始めている。
こうしたヨーロッパ諸国の動きを見て、ロシア政府はNATOとの戦争を覚悟しているが、地上部隊を軍事侵攻させるような戦法は取らないだろう。
**************************************************
【 Sakurai’s Substack 】
【 櫻井ジャーナル(note) 】