ロシアでは国家院(連邦議会下院)の全450議席を決めるための投票が9月18日から20日にかけてあり、与党の統一ロシアが議席が25議席増の349議席を獲得、第2党のロシア共産党は20議席減の37議席にとどま理、与党の圧勝だった。国際監視団は「自由で公正な選挙だ」と証言している。
この選挙に合わせ、NATO/ウクライナは40日間にわたってロシア深奥部を攻撃、西側では、この攻撃で戦況を変えると宣伝していたが、そうしたことにはならなかった。ロシア国内を揺さぶろうとしたのかもしれないが、ロシアの防空システムを突破することができず、ロシア側の被害は限られていた。モスクワにいた人は攻撃があったことを気づかなかったと話している。
それに対し、ロシア軍のウクライナに対する報復攻撃が激しくなっている。ロシア軍はオデッサをはじめ黒海に面した港をミサイルやドローンによる攻撃で封鎖、黒海を回避した輸送ルートのドナウ川に面したレニ港やイズマイル港もロシア軍は破壊、キエフの橋を攻撃している。冬を前にして、物資を輸送するルートをロシア軍は断ち切った。ここに来てキエフでもバンカー・バスター(地中貫通爆弾)が使われたという。そのキエフから市民が逃げ出している。
ロシア軍の作戦が劇的に変化している。ロシア軍が2年前に行うべきことを始めたと西側でも言われている。その変化の背後にはセルゲイ・スロビキン上級大将がいるのではないかと推測する人も少なくない。
ウラジミル・プーチン大統領は2022年9月に30万人の予備役動員を命じ、反撃を本格させる。2023年には45万2000人以上の男性が軍との契約に署名、24年には約45万人、25年には42万2000人以上がこれに続いた。ロシア軍は2022年秋の時点で長期戦を戦うと決断している。
予備役動員が命じられた直後の2022年10月からスロビキンはドンバス、ヘルソン、ザポリージャの戦闘を指揮している。当時、ロシアでは最前線で戦う部隊の司令官とセルゲイ・ショイグ国防大臣が対立していたと言われている。ジョイグは十分な兵力や武器弾薬を供給していないというのだ。
スロビキンは最前線で戦う司令官に近く、NATO/ウクライナ軍が8年かけて築いた要塞線の破壊に注力するようになり、ウクライナ軍を粉砕し始める。NATO/ウクライナ軍が地下要塞を築いていたソレダルをワグナー・グループが制圧した直後、ワレリー・ゲラシモフ参謀総長をウクライナにおける軍事作戦の統合司令官にし、スロビキンは副官になるという発表があった。
当初、ロシア側でNATO/ウクライナ軍と地上で戦っていた部隊は傭兵会社ワグナー・グループ。民間企業だが、創設にはロシアの情報機関が関与している。会社の経営者はフゲニー・プリゴジン。この人物は2023年5月、ショイグ国防相やゲラシモフ参謀総長を公然と批判、同年6月にはワグナー・グループの部隊を率いてモスクワへ向かう。
この騒動はベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領の仲介で騒動は治ったとされているが、その年の8月にプリゴジンが乗客名簿に載っているビジネス・ジェットがモスクワ北西部で墜落。乗員乗客10名全員した。
プリゴジン騒動から間もない2023年秋までにウクライナ軍は壊滅状態になり、 イギリスのベン・ウォレス前国防大臣は同年10月1日、テレグラフ紙に寄稿した記事の中でウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると指摘 、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している。最近ではウクライナの都市では徴兵担当者によって男性が拉致され、女性を兵役につけるべきだとする主張も出ている。
実際にワグナー・グループを指揮していたのはミハイル・ミジンチェフ上級大将だと言われているが、プリゴジンとミジンチェフはスロビキンと親しく、プリゴジンが騒動を起こした後、スロビキンは公の場から姿を消した。2024年5月にショイグは国防大臣を辞めて安全保障会議書記に就任、副首相を務めていた経済が専門のアンドレイ・ベローゾフが後任の国防大臣に選ばれている。
スロビキンはアルジェリアで活動していたと言われているが、すでにモスクワへ帰還したようで、すでにウクライナに対する攻撃を指揮している可能性がある。ロシア軍によるウクライナ攻撃が劇的に激しくなった破愛系にはスロビキンがいるのではないかと考える人もいる。
***********************************************
【 Sakurai’s Substack 】
【 櫻井ジャーナル(note) 】